生存 60 日目 天候:晴れ
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スピードC を使用した! 今日1日戦闘中の行動速度が上昇! (何も食べずとも力が沸いてきます)
いこま(10) からメッセージ
ユーリィー(29) からメッセージ
るみぃ(115) からメッセージ
レイファス(116) からメッセージ
アーティ(150) からメッセージ
れりす(233) からメッセージ
クラリス(248) からメッセージ
あど(288) からメッセージ
うさ(290) からメッセージ
十夜(334) からメッセージ
夏乃(388) からメッセージ
かつて空を駆けていた船(410) からメッセージ
ラディア(449) からメッセージ
小さな大妖精(自称)翠(556) からメッセージ
小さな大妖精(自称)翠(556) からメッセージ
るんぱ(774) からメッセージ
ウィル(775) からメッセージ
エレニア(838) からメッセージ
しおりん(1034) からメッセージ
ユリア(1090) からメッセージ
一振りの、刀(1217) からメッセージ
みーか(1493) からメッセージ
ナナイ(1584) からメッセージ
JJ(1607) からメッセージ
イッシュ(1621) からメッセージ
夏雪(1649) からメッセージ
エンゼル(1683) からメッセージ
緋影(1737) からメッセージ
ぱけっとさん(1749) からメッセージ
我が次なる戦場へ(1818) からメッセージ
アフロな荷物(1891) からメッセージ
ミーア(1909) からメッセージ
ふうちゃん(1993) からメッセージ
ふうちゃん(1993) からメッセージ
オフロなイカちゃん(2013) からメッセージ
呪夢(2053) からメッセージ
レミリア(2088) からメッセージ
浮遊 を訓練しました。(CP- 57 ) |
叫び声が聞こえる 蚰蜒(5) のシャウト! ![]() 救世主にもなれずに…半端者で悪かったな。」
いこま(10) のシャウト!
黒野(20) のシャウト!
イシュトル(21) のシャウト!
昼寝部由乃(50) のシャウト!
サファリング(52) のシャウト!
激☆蛸愛好家(56) のシャウト!
ロイド(71) のシャウト!
ベリー(74) のシャウト!
キュレス(88) のシャウト!
レイファス(116) のシャウト!
フェリン(134) のシャウト!
ハイン(143) のシャウト!
アーティ(150) のシャウト!
“鬼角”クシラ(159) のシャウト!
蒼悟(172) のシャウト!
アザミ(203) のシャウト!
カイゼル(208) のシャウト!
リーゼントなフル(221) のシャウト!
リーク(225) のシャウト!
スティード(255) のシャウト!
准尉さん(265) のシャウト!
ニャゴ(269) のシャウト!
あど(288) のシャウト!
りんご(306) のシャウト!
アフロなラディ(347) のシャウト!
みかん06(352) のシャウト!
禍を断つ業斧(353) のシャウト!
TiA(403) のシャウト!
一人と一匹で一人前(412) のシャウト!
ゆぅ(415) のシャウト!
ラディア(449) のシャウト!
由布(481) のシャウト!
リィル(492) のシャウト!
ランス・・・?(504) のシャウト!
欧月(549) のシャウト!
ミルワ(551) のシャウト!
Rs(ライズ)(552) のシャウト!
妖精さん(577) のシャウト!
あでんこo(585) のシャウト!
風真(595) のシャウト!
サトム(601) のシャウト!
遙(612) のシャウト!
雪(627) のシャウト!
ピープー(660) のシャウト!
きぃ(702) のシャウト!
シース(718) のシャウト!
ルウ(761) のシャウト!
るんぱ(774) のシャウト!
ウィル(775) のシャウト!
カナデ(796) のシャウト!
ピュセル(805) のシャウト!
Ivy(817) のシャウト!
ハル(819) のシャウト!
テラ(820) のシャウト!
シオン(821) のシャウト!
愛謝(826) のシャウト!
エレニア(838) のシャウト!
ごま(845) のシャウト!
疾風(886) のシャウト!
桂(906) のシャウト!
天神(made羊)(918) のシャウト!
プリム(926) のシャウト!
ラフィー(1022) のシャウト!
しおりん(1034) のシャウト!
歌姫カルラ♪(1040) のシャウト!
ラウラ(1056) のシャウト!
グレイ(1123) のシャウト!
精霊使いノア(1136) のシャウト!
五月野(1160) のシャウト!
キル(1174) のシャウト!
ルピ(1175) のシャウト!
まさじ(1190) のシャウト!
スピナー(1206) のシャウト!
リアラ(1212) のシャウト!
銀(1220) のシャウト!
ちこり(1240) のシャウト!
長老(1270) のシャウト!
いりえ(1288) のシャウト!
セイハ(1307) のシャウト!
エリン(1389) のシャウト!
リヴ(1418) のシャウト!
みーか(1493) のシャウト!
フェリア(1523) のシャウト!
みあん(1525) のシャウト!
ツヴァイ(1532) のシャウト!
棗(1550) のシャウト!
ブゥ@進展美(1555) のシャウト!
かごめん(1573) のシャウト!
ナナイ(1584) のシャウト!
アレナ(1586) のシャウト!
イッシュ(1621) のシャウト!
ものかきさん(1638) のシャウト!
幽(1701) のシャウト!
風鬼(1769) のシャウト!
リン(1813) のシャウト!
野良兎らぴ(1820) のシャウト!
“永遠に咲く花”ジュディス(1849) のシャウト!
フェティ(1925) のシャウト!
ふうちゃん(1993) のシャウト!
オフロなイカちゃん(2013) のシャウト!
『虹』の射手(2014) のシャウト!
呪夢(2053) のシャウト!
リトピン@逆モヒカン(2071) のシャウト!
にゃんぷる(2077) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ 帝国の版図の遥か北、生まれ故郷ゲイリアへ =1= ―――――想い描いてください、貴方の帰る先を。この島の探索を続けるのならこの島を、そうでないのなら貴方の望む場所を。” ――――別れの時が来た。 天から訪れた災いたちは消えた。 世界を救うために用意された舞台であるこも島も、役目を終えようとしている。 長い長い放浪の日々が終わりを告げた。 ここは島の浜辺。 この島に集った探索者たちは皆ここに集まっているのだろうか。 こんなに居たのかと驚くくらいの人数が姿を見せていた。 皆あの決戦を終えた安心感からか妙に和やかな雰囲気に包まれている。 今まで争ってきた人たちも、名前だけしか知らなかった人も、再会を約した人たちも、皆ここに集まっている。 そして…私たちは待っていた。 この出来事がどんな結末を迎えるのかを。 そのとき柔らかい女性の声が島中に響き渡りわたし達は顔を見合わせる。 私たちをこの地に導いたあの女性の声だ。 ”災いは消滅しました・・・・・本当にありがとうございます。しかしもう余力も僅かです、私の創りだした島は徐々に崩壊してゆくでしょう・・・。エージェント達も元は私の一部・・・、既に私の元に還りました。” ”・・・皆さんに謝罪致します。彼に広めさせた噂、宝玉の伝説は・・・・・・全て偽りです。手にある宝玉も存在した遺跡も、私が創り出したものです。全ては先にあるこの島への災いを消してもらうために私が用意したものです。皆さんを利用してこのようなこと・・・、申し訳ありません。” 宝玉の伝説は故意に広められたものだという。 でももう別に構わない、そう思えた。 この島で、私は…大切な物を手に入れた。 わたしはお腹のあたりに手を当てた。 わたしの中に、彼は居る。 あなたを連れて行かなくちゃ… ”―――ただ・・・私では宝玉の伝説の一部のような『願いを叶える』といったことはできませんが、皆さんを島の外へと運ぶことなら、できます。 ―――宝玉を求め共に戦ってきた仲間達。 緋影。殺し屋だったという男。みんなをまとめた旅のリーダー。 所古。海の底に棲むという龍族の姫君。みんなが憧れる美しい人。 ぐーす。ちょっとおかしなエルフの魔法使い。何故かいつもネクタイをしている恋の狩人。 レスフェクト=リスタット。わたしと同じフェアリーの女の子。何かと良くしてくれて装備はいつも彼女に頼りきりだった。 ジャン=オルゼウス。ドワーフの鍛治師の少年。最初はちょっと頼りなかったけど最後の戦いでは皆が目を見張るような活躍を見せた。 フラウ・W・アルナーグ。水と氷の妖精の子供でみんなにふうちゃんと呼ばれ可愛がられていた。抱きしめるとひんやり気持ちいい。 ボー・ウー・フー。巨大な陸棲イカの子供。ものすごい力で敵をぶったたく! ふうちゃんに良くなついていた。 わたし達は少し顔を見合わせて困ったように笑った。 みんなそれぞれの目的がありこの島に来たのだ。 そしてある者はここで何かを見つけ…ある者は求めていたものを見つけられずこの島を去ろうとしている。 「この島に残る事も出来るのか…」 誰かがボソッと、誰に言うでもなく呟いた。 急にその考えがとても魅力的に思えてくる。でも… でも私にはやることがあるから。 故郷に帰って、私にしか出来ないことをしなければならないから。 わたしが追い求め、連れて帰ることの出来なかった最愛の人。 彼の思いに報いる為にも… わたしは帰らなければならないから。 『私は…故郷に帰ります』 わたしが言うとちょっとしんとしてしまった。 みんなはその沈黙を取り繕うかのように妙に早口に口々にまくし立てた。 「二度と合えないわけじゃないんだし」 「また会えるから」 「また会おうね」 まるで呪文のよう。 自分に言い聞かせてるみたいに。みんなこの言葉を唱えるのをやめなかった…。 本当は分っているのに…ここで別れたら、おそらくもう二度と会うことは無いって。 小一時間ほど、別れの言葉は止まなかった。 今までの思い出、再会の約束、言うべき言葉はいくらでもあり、ムリにでも終わりにしなければいつまでも続いてしまう。 でも時間は迫っていた。 みんなそれぞれの道を行く。 最後は笑顔で…という計画はあまり上手くいかなかったようだ。 涙が溢れてきて止まらない。 でもいいよね… だってみんな目が真っ赤よ…? ふうちゃんなんて滝のようにダ〜って涙流してるし、ボーちゃんは転がって凄い振動だし、レリスさんだっていこまさんだってジャン君だって目を押さえてる。 ぷっ…思わず吹いてしまう。緋影まで。 いつもクールに決めようとしてた彼まで…泣いているのか。 柔らかな光が当たりに満ち…創造主の力が起動しようとしている。 「みんな!みんなぁー!さようならー!!忘れないからぁー!!ずっと…ずっと!!ずっと!」 みんな大声を出して手を振っていた。 身体が光に包まれて一人一人姿を消していく…それでも手を振りつづけた。 それがこの島での最後のこと。 =2= 視界が開けて、気が付くとわたしは唐突に石畳の上にいた。 遮るものも無く続く高い、青い空。 山から吹き降ろす緑風に春の香が混じる。 懐かしい匂い。 懐かしい景色… 私は帰ってきた。 私の生まれた土地に、故郷のゲイリアに。 二年ぶりの帰郷だった。 村は既にわたしが飛び出てきた時――二年前の惨状からは脱して、ほぼ日常を取り戻していた――いまだ癒えぬ破壊の跡はありはしたが。 (みんな頑張ったんだ…あの日、村の殆んどが焼け落ちたのに) (よかった…星はここへは落ちてこなかったのね) キョロキョロとあたりを見回すわたしに気付いたのか誰かが駆けて来る。 大声をあげている。 あ、れ、は? 歓声が聞こえてくる。 大勢だ。大勢の人たちがこちらに駆けて来る。村の人達全員ここに集まってるんじゃないかと思うくらい。口々に私の名前を叫びながら。 先頭には見覚えある人影。 ああ…また会えるなんて。声が震える。ちょっとかすれ気味に、その名を呼んだ。 『パパ…!!』 「ジュ、ジュディーーー!!!!!」 わたしはパパに飛びついた。パパは私を抱きしめてくれた。 ぎゅーっと。ぎゅーっと。 『く、苦しいよ…』 「ジュディス、ジュディス、ジュディス!! ジュディなんだな!?無事だったか?どこか怪我してないのか? 本物か?夢じゃないのか?」 『ほ、本物だよ…パパ…』 やだ…さっきまで泣き通しだったのにまた泣けてきちゃったよ。 一息つく間もなく今度は集まってきた人たちが私をもみくちゃにする。ものすごい歓迎振りだ。興奮気味の彼等に思いっきり叩かれたり大声で怒鳴られたりしてもうめちゃくちゃ。 彼等は口々に私に最大級の謝意を述べる。一体どういうことだろう? 『パパ…一体どうしたの?わたしが帰ってくるのが分ったの?』 「ああ、それはな…」 パパが何か言おうとしたとき、人ごみを分けて一人のフェアリーが近づいてきた。村の長老。オスカーのお父さん、アガデン様だ。 『アガデン…様…』 「そうか…息子は帰らなかったか」 アガデン様は…なにかわたしの知っているアガデン様とは印象が違った。 わたしが旅に出ていた二年の月日もあるだろうが、何か、内面的なことがだ。 わたしの知っているアガデン様はもっと諦念が支配してるというか…もっと老けて見えたのに。 『アガデン様…』 「お帰り、ジュディス。良く帰った。…よいのだ息子の事は。あれはそういう定めだったのだろう…お前が無事なだけでもよかった…」 『アガデン様…アガデン様! オスカーは…』 「望みの島での戦い、我等も見ておったぞ。島の姿は世界中のどこからでも見えたという話だ。」 「この世界に星が降り注ぎ始めた時、人々の心を絶望が支配した。予言された滅びの時が訪れたとな。…その時だ、空に浮かぶ島が見えたのは…」 「あれはおそらく幻であって本当にあの位置に望みの島が存在したわけではないのだろうが…我等はある思いを強く感じた。何だと思うね?」 『…わかりません。なんでしょうか?』 「希望だよ」 『希望…』 「中に浮かぶ伝説の島。望みの島には、ここに降ってくるのとは比べ物にならない程の量の星が降り注いでいた…。しかし我等は見た。島に集った探索者たちが、決して希望を失わず島を護りつづける姿を…!」 「そして遂に敵の巨魁を打ち倒した時は大歓声だよ。お前が島からここに送られてくるのも見えていたのだ。そのあと島は空に溶けるように消えてしまったがね」 『だからこれだけの人が集まっていたのね…』 空を見た。 島はもう姿を消していた。 でも…でも私の瞼の裏には鮮やかに焼きついている。 あの島での日々が。 ドキドキワクワクした探索行が。 苦しかった戦いが。 悲しいオスカーの最後も。 彼が私に託した想い。 決して消えはしない。 決して。 わたしは村のみんなを見渡す。みんな私の言葉を待っているようだ。 そうだ…今こそ伝えよう。 わたしがこれから何をするか。一族の大事件になるはずだから、心して聞いてもらわなければ。 『みなさん、聞いてください。…わたしが望みの島まで至り、遂に辿り着いた真実を。…わたしが追いつづけた彼の事を』 ざわ…と民衆がどよめく。やはり二年前の災厄は触れられたくない話題なのだろうか。 人々に取って、村をメチャクチャにして多くの犠牲を出した彼は許す事の出来ない裏切り者なのだろう。 今アガデン様が村長を続けていられる事の方が不思議だ。 「奴はキミの母上を、アナスタシア様を…」 誰かがあげた声を遮るように、わたしは続けた。 『私たちゲイリアの民の、千年の待機が終わりを告げるのです。楽園を“待つ”民であったゲイリアの歴史は終わります…』 民衆は口々に騒ぎ出す。どういう事なのかと説明を求める。 顔を真っ赤にして怒り出すものもいた。 私は語るのをやめない。 『わたしはゲイリアの祭祀、アナスタシアの娘、ジュディス・チェイス。神代より受け継いだ一族の使命はその役目を終えた事をここに宣言する! 扉を開けましょう…新たなる世界の為に。』 オスカー…あなたの望みが叶うわ。ゲイリアの新しい歴史を開くのよ。 二つの世界の壁を打ち壊し、楽園を造るの。 そうでしょう?オスカー… =3= 「良く似合っているぞ、ジュディス。…母さんに似てきたな」 父は母の祭祀服を着た私を鏡の前に立たすと目頭を押さえた。 『ほんとう? お母さまに、似てるかな?』 わたしは鏡を覗き込む。 私は大人になったお母さましか知らないから、あまりにてるように思えなかった。 「ああ、わたしが初めて母さんに会ったのもお前ぐらいの歳だった。祭祀の服がよく似合うヒトだったよ。…立派になったな」 『やめてよ、まだ何もしてないよ。大事なのはこれからなんだから!』 「む、そうだったな…」 ガチャ。 扉が開く。アガデン様だ。 「おお!ジュディスよ! これはこれは…」 「長老!どうです?」 「よう似合っておるわ。一瞬アナが生き返ったのかと思ったほどだぞ。…皆が今か今かと待ちくたびれておる。もう三度も催促されてしまったよ」 『…こんな順調に進むとは思いませんでした。神殿にある《虚界門》を開けるという事は、一族の使命を捨てる事にもなるわけですからもっと激しい抵抗を受けると思ってました。』 「ジュディス…ゲイリアは変わったんだ。お前が出て行った二年前とは。全て長老のご尽力だよ」 「やめてくれ…わたしはただ己の罪を償っただけだ。一人苦しんでいたオスカーを救ってやるどころか恨んでいたバカな己の罪を。その所為で息子はますます追い詰められ孤立していったのだ。光亡き者や帝国の息子への非道な仕打ちにも何も言わなかった…。ジュディス…私は己の馬鹿さ加減を息子が居なくなって初めて気付けた。時は巻き戻らぬよな。」 「…一部の終末論者や狂信的な“光亡き者”達はみなゲイリアを出て行ったよ。長老が生きることを説いたんだ。一軒一軒家をまわって力を合わせて歩いていく事を説いた。使命に固執し自分達を殺していくような真似は止そうと。神よりの使命は重大なものだが、それを理由に考える事をやめてはならないと。なぜなら、」 「“なぜなら神は我々に生きて、前に進めと仰っているからです。神は世界の全てを生かすために私たちゲイリアの民にこの使命を下さったのですから。進みましょう、《楽園》に向かって…” キミの母親によく言われたものだ。当時長老会での話題は将来への絶望ばかりで、私もゲイリアの未来に悲観的だった。耐え切れなくなると隠れてアナスタシアに相談に行っていた。其処での事だ。」 『母がそんな事を…母はどこまで知っていたのでしょう?私は母から殆んど伝承を受け継いでいないのです。母は…わざと伏せていたのですね。私とオスカーの運命を悟らせないために。』 「ジュディ…父さんは思うんだ。私も女だけが引き継ぐゲイリアの秘儀については殆んど知らない。同じ祭祀でも私は魔術の方の担当だったから。ゲイリアの祭祀の家系はいつもそうなんだ。男が政治と魔術を、女が伝承と祭祀を担当する。二つは分け難い物であるとするのは白と黒、聖と魔を表裏一体としてきたゲイリアの伝統によるのだろう。それも全て納得がいく。《扉》をあけるために準備されてきたと考えればね。 ジュディ、父さんが思うに母さんはもう全てをお前に託しているよ。その回復魔石はゲイリアの絆の証…代々の祭祀の魂が宿るという秘宝だ。それを受け継いだという事は母さんの全てを受け継いだという事だよ、ジュディ。」 『かあさま…』 * * * 正装を整え神殿を出ると、歓声が上がった。 ゲイリアの民が老若男女に至るまで全てこの山腹の神殿の広場に集まっている。 今日は待ちに待ったお祭りなのだ。二年間行われなかった祭り。 亡き母の神官衣を纏い人々の前に立つと、民衆はゲイリアの祭祀の復活に湧いた。 私なんかが勤まるのだろうか…いや、自信を持たなくちゃ。 今日、虚界と現世を繋ぐ門を開く。 門の向こうはどうなっているのだろう? もしかして危険あのかもしれない。千年前悪魔の軍団が攻めてきたという門。 新たな戦いが起こる事を警戒しアガデン様は密かに兵を伏せていた。 私も止めなかった。 でも、もう争いはコリゴリだ。 『さぁ行きましょう!みなさん…』 わたしが促すと人々は我先に石段を登り始めた。 そして私を先頭にぞろぞろと神殿の中に入っていく。 年に一度の祭りのほかに本神殿に出入りする事はあまり無い人々は物珍しそうにあたりを見渡している。 長い長い通路の奥。それはあった。 巨大な、あまりにも巨大な門が。 千年前の神々の戦の際、神が為したという封印―――《虚界門》。 時が満ち足ることを知っているのか…門は淡い輝きを放っていた。 私はみんなを押しとどめ、一人門に近づいていった。 わたしの手には真っ黒な大きな鍵。 これはオスカーが最後に持っていたもの。 教団から受け継いだ、全ての領域を開くという鍵型攻撃魔石≪メシア≫。 両方の世界の掛け橋として鍵の資格を持つわたしがこの鍵を使えばきっと門は開くだろう。 (じゃ、いくよ…オスカー) (行けよ…) (え…!) 彼の声だ。応援してくれるの?相変らずぶっきらぼうね… 私は身の丈ほどもある黒い鍵を門に向かい突き出した。 門には鍵穴など無い。 なのに黒い鍵の先端は何も無い空中に溶けるように消えた。 先端の空間が波紋のように揺れる。 私は力を、意思を込め鍵を回した。 『開け!』 一瞬…音が消え、そのあと大地を揺るがすような轟音。 門は光に包まれ、結界となり門を封じていたゲイリアの人々の領域は解けそれぞれの身体に還って行く。 ゲイリアの封印は人々の魂の在り様。人々の魂が拒めば門は開かない。 不安だった。でも信じた。 全ての蝋燭から灯りが闇に吸われるように消えた。 そして… 門は開きだした。 煙が噴き出し視界を塞ぐなか、門がゆっくり開きつづける音だけが広間に響きつづけた。 沈黙。 そして、異界からの煙は晴れ人々はそれを見る。 門の向こうには多くのヒトたちが。 崩れかけた世界から必死に逃げ出そうとする人々が。 虚無の支配する地獄と呼んでいた。 悪魔の軍勢の屯する煉獄と思っていた。 ≪虚界≫――そう我らが呼んでいた世界。 でも、そんなに変わっていないよ、こちらと。 ちょっとこっちに住む人たちと違うけど、門の向こうに住む人たちもまたヒトだった。 そうか…ゲイリアのフェアリーの色が白いのは向こうの世界の人たちの血が混じっていたからなんだわ… 妙な事を感心してしまったり。 彼等は難民だった。 自ら住む世界を無くし、あてども無い旅に出ざるを得なかった難民。 彼等も千年待ったのね。 この扉が開かなければ滅び行く世界と運命を共にするしかなかったのだろう。 彼等は泣いていた。やっと訪れた救いに。 彼等と私たちの間に緊張が走り、お互いの出方を窺う空気になる。 武装した兵隊達が動きを見せようとしたとき、彼等の中の一人がそれを必死で止めるのが見えた。 少年だった。私と同じくらいか。 かれは彼が率いてきた民に向かい何か語りかけると振り向いた。 意を決したようにこちらに向かい一人歩を進める。 「あなた方の代表者はどなたですか?」 『私です。私はゲイリアのチェイス。ジュディス・チェイス』 「わたしは○×▼。私たちに争う意志は無い。」 『心配しないで。わたしが門を開けたのです。あなた達を向かいいれる為に。二つの世界の壁はもう取り払われました。さぁ一緒に、生きましょう 』 「おぉ…! では、では予言は、成就されたのですね?私たちは滅びないですむのか…! なんという僥倖…! こんなに嬉しい日は初めてです」 彼は感極まったようにわたしの手を握る。私は笑い、彼を抱きしめた。 それを見て両方の民衆から歓声が上がり、人々は駆け寄り抱きしめ合った。 ようやく終わったのだ。 一つの民は、千年に渡る任を解かれ、 一つの民は滅びの恐怖より解放たれた。 『門の彼方より来た客人よ、門を護りしゲイリアの民よ、聞いてください。今日この良き日は忘れられない記憶になるでしょう…。ここに至るまでに数多くの苦難がわたしたちを襲いました。それを乗り越えてきた事を私たちは誇りましょう。でも忘れないで欲しいのです、ある人の事を。』 『彼は、私の大事な人でした。千年前の戦いの時、門のこちら側に置き去りにされた者たちの末裔でした。彼はこの世界で生きることに苦しみ、傷つけられてきました。彼はこの世界で同じ境遇の者もいない孤児でした。でも、そんな彼の選択こそがこの門を開き、二つの世界を繋ぐ掛け橋を生み出したのです。彼はわたしに鍵をくれました。その命を賭けて…』 『命を賭けて使命を果たした彼の事を忘れないで下さい。』 「その人はなんという名なのですか」 『オスカー、と。』 「みんな聞いてください。私たちは救世主の名を忘れない! オスカーの名を称えよう!!」 皆が口々に唱える彼の名。 彼は救われたのだろうか。 ============================== 私は後にずっと考える事になると思う。この時のことを… 彼は望むものを手に入れたのだろうか? 彼が望んだものとは? 多くの死。喪われたもの。二度と戻らない、あの黄金の日々… だから。 ============================== たぶん、わらってる。 彼は手に入れることが出来たに違いない。 また私の頬を、ゆっくりと涙が伝った。 今日は祝いの日。 二年ぶりの祭りだった。 =4= あれから五年が経った。 二つの世界が平和の内に一つになったゲイリアの例は幸運なものだった。 まだ世界各地では相争うふたつの世界の姿があったのだ。 この五年、私たちは世界中を駆けずり回った。 世界中に降り注いだ星の所為で、ありとあらゆる場所はメチャクチャに壊されて多くの犠牲者が出たが、戦争どころでなくなったのも事実だ。 そこでゲイリアは二つの世界の間に立ち和平交渉を進めた。 門を超えてきた彼等の代表者だった○×▼(発音できない)も私と一緒に平和の為に尽力した。 あまりにも忙しくってオスカーのいない寂しいさを感じる暇も無いほどだった。 それに○×▼が居たから寂しくなかったというのもある。 彼も私と同じく若くして大役を背負い重圧を感じていたらしく、同じ境遇同士すぐに意気投合したのだ。 そんな日々が続き、いつしかゲイリアの名は世界中で有名になっていく。 神様が残した“希望”を目の当たりにした人類は、“楽園”の存在を信じ始めていた。 ゆっくり…ゆっくりとだけどオスカーの願いは叶いつつある。 “何者も虐げられたり争ったりする事の無い世界を作りたい” それは到底叶わない夢なのかもしれない…でもここに“希望”はある。 わたしがようやく故郷に帰ったのは妊娠がわかったからだった。 ============================== 浅いまどろみの中で、幸福な夢を見た。 幼馴染と二人、子供の日のように語り合った。 内容はよく覚えていない。ただ他愛も無い思い出話をした覚えがある。 「子供、大切にするんだぜ?」 その言葉だけ鮮明に覚えている。 だが目覚めて悟った。今の夢はあくまで私の心が創造した幸福な幻想。 かくあって欲しいと望む願望の投影。 『そう、夢ね』 (もうオスカーが現れるはずは無い…) 寝所に差し込む日の光に私は起こされてしまった。 しかたなしに午睡を切り上げると、今では賑やかになった神殿を歩き始めた。 偶然誰ともすれ違わずに中庭に出る。 そこにいた幼子が私を見つけると一心不乱に駆けて来た。 私は転びそうになる彼を優しく抱きとめながら呼びかけた。 『オスカー、お帰りなさい。』 私の子供、彼の名を貰った小さなオスカーはわたしが何を言ってるんだろうと小首をかしげる。 (オスカー…わたし生きてるよ…この子はあなたの生まれ変わり) (私と一つになったあなたが生まれ変わった姿…だから彼が夢の中にでも表れるはずは無い。) (ちゃんと育ててあげるから。今度こそ幸福に生きなさいよ?ふふ…) 『オスカー?返事はどうしたの! おかえりなさい!』 オスカーはニッコリ笑っていった。 「ただいまぁー!!!」 その声は青空に元気に響き渡った。 完
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最後に、島内トーナメントおよびキャラクターランキングを実施します。 それらの詳細は 島内トーナメントは こちら キャラクターランキングは こちら を参照してください。
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