生存 96 日目 天候:晴れ
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(何も食べずとも力が沸いてきます)
レイファス(116) からメッセージ
V「ははは、そんなぁ、誤解だよぅ、お色気なんて無理だよぅ」
レイファス「……」
レイファス「っと、今日で最後らしいね、お互いにお疲れ様だよー……また何時か何処かで出会えたら、その時はヨロシクだよー」
フェリン(134) は言った
フェリン「まさか二年間にも及ぶ内容になるとも思いませんでしたけれど(’’」
フェリン「来期も前振り機能があれば書くと思いますが、一先ずフェリンの物語はこれにて完結です。」
フェリン「それではまたどこかでお会いしましょう♪」
フェリン「・・・の前に、こっそり書いてた割には日の目を見なかったエンディングを下記のアドレスに収録しています。興味のある方はどうぞ。※更新直後はまだ工事中の可能性があります。」
アーティ(150) からメッセージ
アーティ「…なんだかなあ……結局最後までチキレ、か」
アーティ(150) からメッセージ
空臥「前振りランカー暫定一位おめでとうございまさー……ってエピローグも前振りに入るのかはわからないけど!」
アーティ「…ちょっと交流時期が遅かったのが残念だけど……うん、楽しかったさ(笑」
空臥「こういう時もっと早く動いておくんだったと自分がウラメシク! ……と、後悔しても仕方ないんで次期ゲーでの遭遇に期待しましょうかねッ」
アーティ「あっはっは……まぁ、また何処かで…ってね」
ナナ(217) からメッセージ
ナナ「なんだかずいぶん長かったけど、そろそろ終わりに。・゚・(ノД`)・゚・。」
ナナ「いつかまたどこかでー、です」
かつて空を駆けていた船(410) からメッセージ
かつて空を駆けていた船「・・・・(T▽T)ノ あいさつ回りでございます。影ながらこっそり覗く日々も今日で終わりかと思うと切なくなtt (タタァーン
かつて空を駆けていた船「お別れです・゚・(ノД`)・゚・限りない萌とネタをありがとう!はっち殿との結婚式は是非拙者でやr (爆撃音」
アフロなネル(442) からメッセージ
竜斗(771) からメッセージ
竜斗「あんま役に立ってませんでしたが(苦笑<グレイ」
竜斗「そいや、PLが『すみません、素で泣けました』とか言ってました(何」
竜斗「最後になっちゃうけど、最後にならないように……またどこかでおあいしませぅ(笑」
ウィル(775) からメッセージ
ルチル(996) からメッセージ
ルチル「ふぇりりとお近づきになれて楽しかったです。声は掛けてみる物ですね……」
ルチル「……お互い、前振りはどうなってしまうのか心配です。ラクロットさん達の方も気になります|ω・`)ノ」
ルチル「島に残りますので……機会があったらまたお会いしましょう。何処か他所の世界かもしれませんけど」
ユースケ(1132) からメッセージ
ユースケ「短い間だったけどありがとう!」
ユースケ「機会があったら今度こそリベンジを…(笑」
カルム(1341) からメッセージ
カルム「いっぱいいっぱい護っていただきましたvvひとりだったら絶対迷子になって切り株かじってました(ぁ」
カルム「ふぇりりさぬのお陰で、とっても楽しく島らいふを過ごせましたでする♪ヽ(´▽`)ノ」
カルム「
みあん(1525) からメッセージ
夏雪(1649) からメッセージ
夏雪「何にせよこの島の脅威は取り除かれました、わたしは故郷に還える事にします (微笑」
夏雪「フェリンさんの方は・・・フェリン?さんが消えてしまいましたか、、、」
夏雪「・・・ふぁいとっ、です (ぐっ」
夏雪「色々ありましたね、この島で・・・初めは舞名さんに教えてもらってフェリンさんを知ったんですよね (回想モード」
夏雪「あの時、偶然とは言え知り合うことができて良かったですw」
夏雪「いつも前振りには楽しませてもらいました。 改めて前振りランカー一位おめでとうですw」
夏雪「・・・名残惜しいですがそろそろお別れです。 わたしは故郷へ、フェリンさんも親しい達の元に還るのでしょう」
夏雪「出逢えた事に感謝を、そしてまたいつか、別の場所で合間見えん事を・・・」
アキラ(1746) からメッセージ
PL「ゲームプレイは脳内にて行ってください(何」
夢想 を訓練しました。(CP- 57 )
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叫び声が聞こえる 蚰蜒(5) のシャウト! 蚰蜒「まぁ、なんだ、最後まで悪の華にもなれず、 救世主にもなれずに…半端者で悪かったな。」
いこま(10) のシャウト!
黒野(20) のシャウト!
イシュトル(21) のシャウト!
昼寝部由乃(50) のシャウト!
サファリング(52) のシャウト!
激☆蛸愛好家(56) のシャウト!
ロイド(71) のシャウト!
ベリー(74) のシャウト!
キュレス(88) のシャウト!
レイファス(116) のシャウト!
フェリン(134) のシャウト!
ハイン(143) のシャウト!
アーティ(150) のシャウト!
“鬼角”クシラ(159) のシャウト!
蒼悟(172) のシャウト!
アザミ(203) のシャウト!
カイゼル(208) のシャウト!
リーゼントなフル(221) のシャウト!
リーク(225) のシャウト!
スティード(255) のシャウト!
准尉さん(265) のシャウト!
ニャゴ(269) のシャウト!
あど(288) のシャウト!
りんご(306) のシャウト!
アフロなラディ(347) のシャウト!
みかん06(352) のシャウト!
禍を断つ業斧(353) のシャウト!
TiA(403) のシャウト!
一人と一匹で一人前(412) のシャウト!
ゆぅ(415) のシャウト!
ラディア(449) のシャウト!
由布(481) のシャウト!
リィル(492) のシャウト!
ランス・・・?(504) のシャウト!
欧月(549) のシャウト!
ミルワ(551) のシャウト!
Rs(ライズ)(552) のシャウト!
妖精さん(577) のシャウト!
あでんこo(585) のシャウト!
風真(595) のシャウト!
サトム(601) のシャウト!
遙(612) のシャウト!
雪(627) のシャウト!
ピープー(660) のシャウト!
きぃ(702) のシャウト!
シース(718) のシャウト!
ルウ(761) のシャウト!
るんぱ(774) のシャウト!
ウィル(775) のシャウト!
カナデ(796) のシャウト!
ピュセル(805) のシャウト!
Ivy(817) のシャウト!
ハル(819) のシャウト!
テラ(820) のシャウト!
シオン(821) のシャウト!
愛謝(826) のシャウト!
エレニア(838) のシャウト!
ごま(845) のシャウト!
疾風(886) のシャウト!
桂(906) のシャウト!
天神(made羊)(918) のシャウト!
プリム(926) のシャウト!
ラフィー(1022) のシャウト!
しおりん(1034) のシャウト!
歌姫カルラ♪(1040) のシャウト!
ラウラ(1056) のシャウト!
グレイ(1123) のシャウト!
精霊使いノア(1136) のシャウト!
五月野(1160) のシャウト!
キル(1174) のシャウト!
ルピ(1175) のシャウト!
まさじ(1190) のシャウト!
スピナー(1206) のシャウト!
リアラ(1212) のシャウト!
銀(1220) のシャウト!
ちこり(1240) のシャウト!
長老(1270) のシャウト!
いりえ(1288) のシャウト!
セイハ(1307) のシャウト!
エリン(1389) のシャウト!
リヴ(1418) のシャウト!
みーか(1493) のシャウト!
フェリア(1523) のシャウト!
みあん(1525) のシャウト!
ツヴァイ(1532) のシャウト!
棗(1550) のシャウト!
ブゥ@進展美(1555) のシャウト!
かごめん(1573) のシャウト!
ナナイ(1584) のシャウト!
アレナ(1586) のシャウト!
イッシュ(1621) のシャウト!
ものかきさん(1638) のシャウト!
幽(1701) のシャウト!
風鬼(1769) のシャウト!
リン(1813) のシャウト!
野良兎らぴ(1820) のシャウト!
“永遠に咲く花”ジュディス(1849) のシャウト!
フェティ(1925) のシャウト!
ふうちゃん(1993) のシャウト!
オフロなイカちゃん(2013) のシャウト!
『虹』の射手(2014) のシャウト!
呪夢(2053) のシャウト!
リトピン@逆モヒカン(2071) のシャウト!
にゃんぷる(2077) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ 第二の故郷の都市 泣き崩れるフェリンを宥めるかのように身体が暖かい光に包まれた。 ――何度も味わったエージェントによる強制転送。 気がつけば昨日飛ばされた砂浜へ戻されていた。 周囲を見渡すと見慣れた孤島での顔ぶれが揃っている。 何事かと混乱していると、エージェントによって災いが『滅ぼされた』事が告げられたのだった。 その瞬間、歓喜に包まれる砂浜。 そう、全てここにいる全員の力によって倒されたのだ。 まるで地鳴りのように冒険者達の喜びの声が響き渡る。 しかし、この歓喜の声すらフェリンの耳には届かなかった。 心の中は罪悪感と悲壮感で埋め尽くされ、素直に喜びを分かち合える状況ではなかったのである。 その後もエージェント達による会話のやり取りが交わされた気がするがあまり記憶には残っていない。 全ての言葉は右から左へ抜けるように空っぽの心を通過するだけだった。 仲間からも『おめでとう』と何度も祝福の言葉をかけられた気がする。 しかし、曖昧に答える程度しか反応が出来なかった。 それぞれがそれぞれの想いを抱いたまま、翌日の朝を迎える・・・・。 ――翌朝 今日はいつもより早く目が覚めた。 否、むしろ眠れなかったといった方が正しいだろう。 仮眠程度にはなったものの殆ど寝付けず、夜明けを待つ前に一人真っ暗な浜辺を歩いていた。 日の出前の風はまだ冷たく、頬を撫でる度に熱を奪ってゆく。 東の空が微かに明るさを帯びてきている。 昨日までの真っ赤な夜空が嘘のようである。 フェリン「暗い浜辺の散歩なんてあの時を思い出すなぁ・・・。」 真っ暗な浜辺・・・過去に西の大陸に来た直後、波の音に混じって歌声が聞こえた事があった。 その歌声はとても澄んでいて、力強いのだがどこか物悲しく儚い雰囲気を漂わせていた。 声の主を探るようにそっと近づくと、フェリン?が一人海に向かって歌っていた――といった事があった。 ふと、そんな事を思い出して当時の歌を真似して歌ってみる。 歌詞こそ思い出せないものの、曲自体は一度しか聴いてないはずなのに不思議とメロディーは全て覚えていた。 それだけ印象に残った歌だったのだろう。 名も無き歌を鼻歌のように浜辺を歩きながら歌う。 当時の状況と同じように波の音に紛れて歌声が響く。 当然の事だがフェリンとフェリン?は声色は同じである。 なので自分が歌っているにも関わらず、フェリン?が歌っているような錯覚すら覚えた。 しかし、彼女の方が歌い慣れていた分、今の自分の歌より綺麗だった気がする。 もう二度とあの歌声も聴けないと思うとまた瞳に涙が潤み始めた。 パチパチパチ はっち「いい歌だね。」 不意に現れたはっちに慌てて溢れかけた涙を拭う。 そんなフェリンを意に介せずふわりとフェリンの前に舞い降りた。 はっち「邪魔……しちゃったかな?」 フェリン「・・・ううん、平気だから気にしないで。」 突然の出現に動揺しながらも冷静を装ってみた。 勿論傍目に見ても動揺は隠しきれていないのだが。 フェリン「それにしてもこんなところまでどうしたの?」 はっち「ん、さっき起きたらふぇりりが居なかったから心配でちょっと周辺を飛び回ってたんだ。」 少し照れ臭そうにはっちは笑った。 はっち「そうしたらここで綺麗な歌声が聴こえたから……で、行ってみたらふぇりりだったってところ。」 フェリン「ごめんね、心配ばかりかけちゃって。」 申し訳無さそうに軽く俯いた。 はっち「いいのいいの。昨日色々あったんだし、ね?」 確かに昨日は色々な事があった。 良い事も悪いことも・・・。 フェリン「この歌はね、居なくなった『友達』の歌なの。」 はっち「友達……それは誰の事なの?」 やはり知らなければ誰もが疑問に思う内容だろう。 フェリンは自分を落ち着かせるように軽く深呼吸をすると、今までの出来事を少しずつ語り始めた。 フェリン「いきなりこんな事を言っても理解できないかもしれないけど・・・いい?」 はっち「ううん、大丈夫。続けて。」 フェリン「居なくなった『友達』はあたしの中に居た悪魔なの。」 はっち「悪魔…?友達が?」 はっちの中で解らなかった謎が少しずつ繋がり始める。 フェリン「あたしの両親はね、お母さんが悪魔でお父さんが妖精なの。」 はっち「…そうだったんだ?」 フェリン「うん。でも・・・生まれた時から一つだけ、あたしには問題があって。」 はっち「問題?」 ちょっと躊躇いながらも話を続ける。 フェリン「身体は一つなのにね、あたしの中には妖精と悪魔の二つの人格があったんだ。」 はっち「そ、そうだったの!?初耳だなぁ……。」 フェリン「皆を騙すつもりはなかったんだけどね〜。」 申し訳無さそうに照れ笑いすると更に話を進める。 フェリン「生まれた時は身体の大部分がフェアリーだったから、身体を支配できたのは妖精の人格・・・つまりあたしがメインだったの。」 はっち「ふーん…ってふぇりりが妖精の人格だったのっ!?」 フェリン「そうだよ〜。でも、だんだん成長していくと共に悪魔の部分が色濃くなっていったの。」 はっち「……!だから途中で突然角や羽がっ?」 確かに旅の途中で突然頭に山羊のような角が生えたり翼が大きくなったりもした。 フェリン「そのせいで眠っていた悪魔の人格が目覚めて、時々身体を支配するようになったんだ。」 はっち「もしかして……たまにふぇりりの雰囲気が変わってたのって…?」 フェリン「・・・たぶんそれはもう一人のあたし。悪魔の人格だと思う。」 はっち「…それであの時とかいつもと違ってたんだ。」 フェリン「あの時???」 はっち「あっ、大したことじゃないんだ。でも色々と思い当たるところがね。」 フェリン「んー・・・気になるなぁ。」 自分の知らないところで何をしていたかを知らないのは嫌なものである。 そんな微妙な表情のフェリンを察してか話を本題へ戻す。 はっち「それで、その『友達』はどうしていなくなっちゃったの?」 フェリン「それは・・・フォーラーとリトルグレイとの戦いの前にね。彼女がくれたの。」 はっち「……何を?」 フェリン「彼女が持ってた全ての力・・・あたしに渡して消えちゃった・・・。」 はっち「………!?」 フェリン「いくら強敵だからって・・・自分の生命力を全部渡すなんて・・・。」 結果、確かにフェリンは強くはなった。 しかし、その代償はあまりにも大きい。 フェリン「要らないって・・・言ったのにね。渡すだけ渡して消えちゃうなんてずるいよ・・・!」 はっち「それだけふぇりり達は仲が良かったんだ……。」 フェリン「最後は・・・ね。でも最初は仲良くなんてなかったよ?」 はっち「え?」 フェリン「最初に会った時なんてあたしは本気で彼女を消そうとしたんだもん。」 はっち「うあ…ふぇりりも怒ることがあるんだ?(汗)」 最初に顔を合わせた夢の中。 フェリン?に攻撃を加えるが同じ身体を共有していた為に、『自分にも同じだけ跳ね返り』膠着状態に陥った事がある。 当時はお互いの存在が邪魔でしかなかった時の事だが。 フェリン「でも・・・いつからだったかな?お互いの存在が必要だって気付き始めたのは。」 はっち「………。」 必要だという事には気付いていなかったかもしれない。 ただ、島での長い旅がお互い常に居なければならない存在にはなっていた。 そしていなくなり―――あらためて気付かされたのだった。 フェリン「・・・これがあたしの『友達』の話。」 はっち「突然だったからびっくりしたけど大体は分かったよ。…なんていうか、辛い話させてごねんね。」 フェリン「ううん。今までずっと話した事なかったから・・・少しだけすっきりしたよ。」 はっち「良かったっ。…っと、もう陽が……。」 気がつくとすでに東の空は日の出を迎え、眩しい日差しが目に飛び込んできた。 風に冷やされた身体を朝日が優しく暖めてくれた。 はっち「そういえばふぇりりはどこへ帰るの?」 フェリン「・・・帰る???」 はっち「ほら、エージェントの話のさ。何処にでも思い浮かべた場所に転送してくれるって(’’」 フェリン「そ・・・そんな事言ってたっけ?」 おぼろげに記憶にはあるようなないような曖昧な感覚。 どうやら放心状態のせいで聞き逃していたらしい。 フェリン「帰れるんだぁ・・・どうしよう?」 はっち「島に残る人も多いみたいー。ふぇりりはどうする?」 うーん、と暫く考え込むフェリン。 仲間と島に残るのも悪くない選択肢だろう。 しかし、島の外の世界では育ての親が帰りを待っている。 この機を逃すと本当にいつ帰れるかわかったものではない。 フェリン「あたしは・・・一度戻ろうと思う。もう一つの故郷の地に、ね。」 はっち「…そっか。島に来てからもう三ヶ月以上も経ってるからねぃ。」 フェリン「はっちはどうするの?」 はっち「ボクも悩んでたけど…ふぇりりが帰るならボクも、かな?」 フェリン「じゃあもうはっちとも皆とも・・・離れ離れになっちゃうね。」 これからまた元の世界へ戻る人々。残って冒険を続ける人々。 共通の目的を失えば再度共に行動できる可能性は限りなく低い。 フェリン「もしかしたらもう二度と・・・。」 そう言いきる前にフェリンの身体が思わぬ衝撃を受けた。 はっち「二度と……じゃないっ…!」 はっちが思いっきりフェリンに正面から抱きついたのだった。 殆ど女の子と大差ない外見に緊張で赤らめた顔はフェリンから見ても可愛く思えた。 とはいえ、そんな事を考えている余裕もなく突然の事態に動揺していた。 フェリン「は、はっちっ?」 はっち「…二度とっていうのは訂正してっ!」 フェリン「でも・・・先の事なんて・・・。」 はっち「訂正するまで離れないもん……。」 子供のように我侭を言うと涙を浮かべてより強くぎゅっと抱きしめる。 フェリン「・・・わかった。訂正するから、ね?」 諭すように優しくはっちの頭を撫でる。 はっち「……うん。」 そう言うと腕の力を抜いて拘束を解いた。 密着状態ではなくなり離れたと同時に温もりも離れていってしまうように感じた。 二人の間を駆け抜ける風が妙に冷たい。 フェリン「・・・でも寒いしもう少し離れてなくてもいいよ?」 はっち「…いいの?」 フェリン「・・・うん。」 はっち「…本当に寒いから?」 フェリン「理由なんていいのっ!」 と、今度は逆にフェリンからはっちに思いっきり抱きついた。 予想外だったので反応が遅れたのか、はっちはキョトンとした表情で遠くを見つめている。 そんなはっちを気にもせずはっちの服を強く掴んだ。 フェリン「戻った後に・・・はっちに会いに行っていい?」 はっち「…? 何でそんな事聞くの?」 フェリン「・・・嫌?」 はっち「聞くまでもなく大歓迎に決まってるでしょっ!」 再度はっちからもフェリンを抱きしめる。 お互い強く抱きしめながらお互いの体温を余韻を味わう。 そこでふと、『きっかけ』という言葉が頭を過ぎり突然我に返るフェリン。 フェリン「(これって・・・きっかけ得るなら今しかないよね?)」 名残惜しくも腕の力を緩めて少し離れるとはっちの目をじっと見つめる。 フェリン「あたしで・・・いい?」 その質問が何を意味するかに一瞬戸惑いつつも、コクリと小さくはっちは頷いた。 ますますはっちの顔が紅潮していくのが判る。 そんな初々しい反応がとても可愛らしい。 フェリン「んと、じゃあ・・・悪いけど目を・・・瞑ってて貰える?」 初々しいといったものの、フェリンとしても初々しさは変わらない。 気恥ずかしさに目を閉じて貰うように頼むとすぐにはっちは目を閉じてくれた。 それを見て悟られない程度に大きく深呼吸して気持ちを落ち着かせようとする。 相手に聴こえるんじゃないかと思うくらい心臓の鼓動が高鳴っている。 あまり目を瞑らせたまま相手を待たせるのも悪い。 フェリン「いくよ・・・。」 ゆっくりとはっちの顔に顔を近づける・・・。 ・・・・・ すでに島では転送前の別れの挨拶で各地に人が集まっていた。 もちろん彼らも例外ではない。 オーティカ「うしっ。全員揃ったか?」 アーク「いや、まだふぇりりとはっちんがいない。」 籠女「遅いわね…何してるのかしら?(’ ’」 チコリ「ん!あれふぇりりとはっちじゃない?」 チコリが指差した方向から二人が手を振って現れた。 カルム「お二人さん遅刻でするよ〜〜vv」 アーク「ったく、最後の挨拶するってのに何やってたんだ?」 はっち「あ…はは、ごめんごめーん。」 フェリン「んと・・・その、色々相談とか・・・ね?」 瞬時にはっちとアイコンタクトを交わす。 アーク「まぁそういう事にしておくか(’’」 クレスタ「…これで全員が揃ったのカナ?」 チコリ「揃ったみたいだねぃ(´▽`)」 こうして暫く島での思い出話に花が咲いた。 しかし、そんな時間は早く過ぎ去ってしまうもの、ついに全員希望する場所へ転送される時間がやってきた。 アーク「んじゃ、またどっかで会おう。元気でな(・・)ノシ」 オーティカ「俺っちも行くかねぇ。黒フェアリーの事を忘れないでくれよっ☆(ビシィ」 籠女「今度の世界はゆっくり寝れる場所が良いわね(― x ―)」 カルム「今まで楽しかったです〜vv 皆さんまた会いませうねー(*´▽`)ノシ」 クレスタ「色々お世話になったよぅ。また会おうねぃv(*><)ノシ」 チコリ「あはーんv 今度会った時はちこりと……(*´▽`)ノシ(うふふふ)」 はっち「また会えるといいねぃ(’’ みんなまた今度ーヽ(´ー`)ノ」 フェリン「いつか・・・絶対に会おうね〜♪」 一人、また一人とそれぞれ願った場所へと消えてゆく・・・。 全員が飛んだのを見届けるとフェリンも望む場所へ飛ぶ事にした。 フェリン「あたしが戻るのは・・・。」 と、頭に思い浮かべかけた瞬間、何者かの手がフェリンの肩を掴んだ。 ワール「まだ……行くのは早いんじゃなくて?」 フェリン「お・・・母さんっ!?」 フェリンの実母にして正真正銘のサキュバスである。 ワール「良かったわ。貴女は無事だったみたいね。」 フェリン「ぇ・・・あ、うん・・・。」 こうして妖精の姿で遭遇すると安心感より恐怖感の方が勝るのが不思議である。 フェリン「でも、あたし・・・もう・・・!」 ワール「話は全て聞いたわ。もうフェアリーになってしまったのでしょう?」 フェリン「え??? 聞いたって・・・誰から?」 ワール「さぁ誰でしょうね?『貴女』なら呼び出せるんじゃないかしら?」 フェリン「っ!?」 召喚が不得意なフェリンが呼び出せるものなどマグロ程度である。 他に呼べるものなど一つしかない。 フェリン「本当に・・・?本当に呼べるの?」 ワール「ふふっ、ならば試してみたらいいでしょう。」 期待と不安を抱えながらすぐに技の準備に入った。 もう一度会えるのであれば今すぐにでも・・・! フェリンは技を使った! フェリン「もう一度・・・貴女に会いたいのっ!」 サモン〔ドッペルゲンガー〕!! フェリン?「呼ばれて飛び出てジャンガリアーン♪」 フェリンに ストック1 が付加! ワールに ストック1 が付加! フェリン?に ストック1 が付加! フェリン?は炎上が効かなくなった! フェリン?は凍結が効かなくなった! フェリン?の防御力が上昇! フェリンのSPが593減少! フェリンの次の行動が遅くなった! フェリン?「やっほー♪元気だったぁ?」 フェリン「・・ぅ・・・うぅ・・・。」 フェリン?「ん?どうしたの?」 フェリン「馬鹿ァ――っ!!」 フェリン?「ちょっ、何!?何で本気で殴られなきゃならないのっ!?」 フェリン「ジャンガリアーン♪じゃないよっ!何でっ・・・何で無事だったならすぐきてくれなかったの・・・っ!?」 涙目で訴えかけるフェリン。 それを見てフェリンが昨日今日でどう思っていたのかが容易に推測できた。 フェリン?「・・・あたしもね、すぐに動ける状態じゃなかったの。」 フェリン「・・・?」 フェリン?「あの時・・・。」 ・・・・・ フェリン?は技を使った! フェリン?「・・・バイバイっ♪」 フォビドゥンリンカネーション!! フェリンのHPが59680回復!! フェリンのSPが7901回復!! フェリンの最大HPが永続的に上昇! フェリンの最大SPが永続的に上昇! フェリン?の最大HPが永続的に低下! フェリン?の最大SPが永続的に低下! フェリン?の全ての能力値が100永続的に低下! フェリン?のHPが10000減少!! 体格値が0を下回り身体を維持できない! フェリン?は消滅した フェリン?「ここであたしは完全に消滅したと思ったんだけどね〜。」 ワールが援軍に駆けつけた! ワール「フェリン!?間に合ってっ……!」 ワールの行動速度が上昇! ワールの最大HPが上昇! ワールの最大SPが上昇! ワールの防御力が上昇! ワールの魔力が上昇! ワールは技を使った! ワール「…っ!」 セイクリッドウォーター!! ワールのHPが4674回復!! ワールに 水の恩恵 が付加! フェリン?のHPが4702回復!! フェリン?に 水の恩恵 が付加! ワールのSPが50減少! 禁魔術:レインボー!! ワールのHPが5318回復!! ワールのSPが811回復! フェリン?のHPが5546回復!! フェリン?のSPが98回復! フェリン?のHPが892回復! フェリン?の ストック1 が消滅した! ワール「くっ…まだ足りない!?」 そうしている間にもフェリン?の身体は再度消滅へと向かう。 体格不足により身体は消滅しかけている! フェリン?のHPが2000減少!! ワールは最後の手段、と半透明なフェリン?を腕に抱くと自らの腕を爪で深々と傷つけた! 流れ出した血液をフェリン?の口に無理矢理流し込む。 ワール「生きる意思があるなら飲みなさい……っ!」 フェリン?は技を使った! フェリン?「ぅ・・・あ・・・。」 吸血!! ワールに3718のダメージ!! フェリン?のHPが1859回復!! ワールの体格を奪取! 体格値が1を上回った! ワールの魔力を奪取! フェリン?のHPが456回復!! フェリン?「この後はあたしもよく覚えてないんだけどぉ・・・。」 ワール「その後は私の血を飲ませながら回復を続けてたわ。」 フェリン?「ふふっ、貴女が残したストック1がなかったら逝ってたかもね〜♪」 ワール「あの時は正直駄目かと思ったのだけれど。何とかなるものね。」 フェリン「そっかぁ・・・呼び出せなかったのは貴女がずっと負傷してたから・・・。」 フェリン?「おかげさまでちゃーんとまた実体化できたしねっ♪」 ワール「回復させながら話を全部聞かせてもらったのよ。二つ精神がある事とか、ね。」 フェリン?「そうそうっ♪『フェリン』が二人じゃ区別つかないでしょ?だからあたしもお母さんに名前を付けてもらったの〜。」 ワール「そういえばフェリンには教えてなかったわね。」 フェリン「そうなんだ?で、どんな名前になったの?」 ワール「『メウィン』。意図的にフェリンに母音は似せてあるのよ。」 フェリン「へぇ・・・メウィンかぁ。」 メウィン「あたしはこの名前気に入ったよ♪だって、初めての『あたしだけ』の名前だもん。」 嬉しそうに無邪気にくるくると回るメウィン。 フェリン「良かったね〜♪・・あ、そういえばお母さん達はこれからどうするの?」 ワール「私達はこの島に残ります。ここが故郷ですから。」 メウィン「ま、あたしも帰る場所なんてないしこのままお母さんと一緒かなぁ?」 フェリン「あたしだけバラバラかぁ・・・。」 メウィン「大丈夫っ、寂しかったら夢で会ってあげるけど?」 フェリン「ぅ、血は吸わない・・・でね?」 メウィン「お腹空いてない時に会うようにはするからぁ♪」 やっぱりその辺りはメウィンらしい。 フェリンも微妙に不安が隠せない様子。 ワール「さ、もう転送の時間でしょう?締め切られてしまうわよ。」 フェリン「あ、そっか。急がないとねっ。」 メウィン「んー、もうお別れかぁ。」 ワール「親子とはいえ違う種族同士、もう会う事はないかもしれないけれど…いつも貴女の事を想っているから。」 メウィン「はっちとの経過報告楽しみにしてるからぁ♪」 フェリン「あたしも忘れないから・・・じゃあねっ!」 二人が見守る中、フェリンも帰るべき場所を思い浮かべる・・・。 ゆっくりと身体が光に包まれ――― ―――気がつくととある家のドアの前に立っていた。 フェリン「何だかとっても懐かしい・・・たった三ヶ月だったのに。」 島に来る前にフェリンが住んでいた家である。 夢から急に現実に引き戻されたような感覚。 しかし、手元にある装備と記憶は間違いなく現実のものだった。 はやる気持ちを抑え、ゆっくりとドアを開けた。 フェリン「ただいま〜。」 見慣れた空間、そして見慣れた人物が出迎えてくれた。 シェルヴァ「フェリン…!?おかえりなさい、暫く見ない間に随分変わったんじゃない?」 元暗殺者の妻でもあるヘレシィフェアリーのシェルヴァが驚いた顔をして奥の部屋から現れた。 フェリン「えへへ、色々あったからぁ・・・。」 シェルヴァ「ま、その話はあとでゆっくり聞かせて貰うよ。それに疲れたでしょ?今お茶入れてくるよ。」 フェリン「ありがとー。あ、ラクロットさんは?」 シェルヴァが答える前に奥から元暗殺者のラクロットが姿を見せた。 ラクロット「戻ったか・・・その様子じゃ妖精化は上手くいったみたいだな?」 フェリン「うん・・・なんとか、ね。」 ラクロット「無事で何よりだ・・・。」 口数は少ないがちゃんと心配してくれていた事が何よりも嬉しかった。 フェリン「・・あれ?この赤ちゃんは?もしかして・・・。」 シェルヴァ「私達の娘だよ。」 ラクロット「・・・名前はエレイナだ。」 フェリン「やっぱりっ!ふふっ、可愛いー♪」 思わずエレイナに頬擦りをしてしまう。 が、よく顔を見ているうちにある『異変』に気付く。 フェリン「この子・・・これって・・・?」 ラクロット「・・・出生直後に『事故』に遭ってな。それも後で話そう・・・。」 怪訝そうな表情のラクロットを見ていい事ではないという事が窺える。 と、そこへお茶を持ってシェルヴァが戻ってきた。 シェルヴァ「はいよ。…でフェリン、あんたはこれからどうするつもりなんだい?」 フェリン「それはもう決めてあるよ、暫くしたらまた旅に出るつもりだしねっ。」 シェルヴァ「寂しいね。もう少しゆっくりしていったらどう?」 フェリン「ううん、じっとしてなんていられないから。」 シェルヴァ「そう…フェリンらしいね。それで今度は何の旅をするんだい?」 フェリン「勿論。島で出会った皆と再会するための旅をねっ!」 シェルヴァ「ははっ。やりたい事があるならやるといいさ。じゃ、そろそろ早速旅の話を聞かせてくれる?」 フェリン「うんっ!えっと・・・まずは遺跡のガーディアンがぁ・・・。」 ―――1ヵ月後、再度フェリンは旅に出る事となる。 しかし、それはまた別のお話。 第二章「帰郷」完 次章「暗闇」へ
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最後に、島内トーナメントおよびキャラクターランキングを実施します。 それらの詳細は 島内トーナメントは こちら キャラクターランキングは こちら を参照してください。
キャラクターランキングの方では感想も同時に募集しています。 |