生存 96 日目 天候:晴れ
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みかん06(352) に フルーツキャンディ を急いで渡しました。 みかん06(352) に フルーツキャンディ を急いで渡しました。 フルーツキャンディ を使用した! 今日1日、状態異常効果を抵抗しやすくなります! 今日1日、状態異常効果が抵抗されにくくなります! 今日1日戦闘中の行動速度が上昇! 訓練による幸運成長量 が永続的に増加! (何も食べずとも力が沸いてきます)
アーシェ(242) からメッセージ
准尉さん(265) は言った
准尉さん「最後なのに、多忙で・・・というより、疲労でメッセ打てないことをお許しください。」
准尉さん「みかんさんとのお話が無事に終わったことだけが、やりとげたー!という感じです。」
准尉さん「自己満足でも、ホント、やれたことがとても嬉しかったです。」
准尉さん「それでは、みなさん、ごきげんよう」
准尉さん「なお、他ゲームにもちょろちょろ参加してますが、」
准尉さん「御用がありましたら、ld03644@hotmail.comまででもお気軽にどうぞ。」
滄龍(275) からメッセージ
みかん06(352) からメッセージ
ゆぅ(415) からメッセージ
ゆぅ「姐御なのでございましね。」
でん「前々から声かけたかったんスけど、中の人がヘタレ過ぎて夢幻に終わってしまったッス。」
ゆぅ「とにもかくにも、小人さんの作った防具を長らくご愛用してくれているようで……小人さんに代わって、お礼申し上げるのでございましね。」
でん「小人もきっと喜んでると思うッス!ありがとうッスね!」
わかめパーマな羽唯(461) からメッセージ
わかめパーマな羽唯「また何処かでお会いしたら宜しくです〜〜ヽ(´▽`)ノ」
アフロな薊(897) からメッセージ
PL「ホントすいませんすいませんすいません_| ̄|○|||(土下座 そしてコピペなメッセで申し訳ありません。・゚・(ノД`)・゚・。」
アフロな薊「もし何処かでお会いする事があればその時はまたよろしくお願いしますv今までどうもありがとうございましたv(ペコリ」
仮面の道化(910) からメッセージ
マ・クベなルシア(1019) からメッセージ
スピナー(1206) からメッセージ
スピナー「皆さんがどこへ行くのかはわかりませんが、きっと、また。それじゃっ!」
野良兎らぴ(1820) からメッセージ
幸運 を 31 上昇させました。(CP- 41 ) |
叫び声が聞こえる 蚰蜒(5) のシャウト! 蚰蜒「まぁ、なんだ、最後まで悪の華にもなれず、 救世主にもなれずに…半端者で悪かったな。」
いこま(10) のシャウト!
黒野(20) のシャウト!
イシュトル(21) のシャウト!
昼寝部由乃(50) のシャウト!
サファリング(52) のシャウト!
激☆蛸愛好家(56) のシャウト!
ロイド(71) のシャウト!
ベリー(74) のシャウト!
キュレス(88) のシャウト!
レイファス(116) のシャウト!
フェリン(134) のシャウト!
ハイン(143) のシャウト!
アーティ(150) のシャウト!
“鬼角”クシラ(159) のシャウト!
蒼悟(172) のシャウト!
アザミ(203) のシャウト!
カイゼル(208) のシャウト!
リーゼントなフル(221) のシャウト!
リーク(225) のシャウト!
スティード(255) のシャウト!
准尉さん(265) のシャウト!
ニャゴ(269) のシャウト!
あど(288) のシャウト!
りんご(306) のシャウト!
アフロなラディ(347) のシャウト!
みかん06(352) のシャウト!
禍を断つ業斧(353) のシャウト!
TiA(403) のシャウト!
一人と一匹で一人前(412) のシャウト!
ゆぅ(415) のシャウト!
ラディア(449) のシャウト!
由布(481) のシャウト!
リィル(492) のシャウト!
ランス・・・?(504) のシャウト!
欧月(549) のシャウト!
ミルワ(551) のシャウト!
Rs(ライズ)(552) のシャウト!
妖精さん(577) のシャウト!
あでんこo(585) のシャウト!
風真(595) のシャウト!
サトム(601) のシャウト!
遙(612) のシャウト!
雪(627) のシャウト!
ピープー(660) のシャウト!
きぃ(702) のシャウト!
シース(718) のシャウト!
ルウ(761) のシャウト!
るんぱ(774) のシャウト!
ウィル(775) のシャウト!
カナデ(796) のシャウト!
ピュセル(805) のシャウト!
Ivy(817) のシャウト!
ハル(819) のシャウト!
テラ(820) のシャウト!
シオン(821) のシャウト!
愛謝(826) のシャウト!
エレニア(838) のシャウト!
ごま(845) のシャウト!
疾風(886) のシャウト!
桂(906) のシャウト!
天神(made羊)(918) のシャウト!
プリム(926) のシャウト!
ラフィー(1022) のシャウト!
しおりん(1034) のシャウト!
歌姫カルラ♪(1040) のシャウト!
ラウラ(1056) のシャウト!
グレイ(1123) のシャウト!
精霊使いノア(1136) のシャウト!
五月野(1160) のシャウト!
キル(1174) のシャウト!
ルピ(1175) のシャウト!
まさじ(1190) のシャウト!
スピナー(1206) のシャウト!
リアラ(1212) のシャウト!
銀(1220) のシャウト!
ちこり(1240) のシャウト!
長老(1270) のシャウト!
いりえ(1288) のシャウト!
セイハ(1307) のシャウト!
エリン(1389) のシャウト!
リヴ(1418) のシャウト!
みーか(1493) のシャウト!
フェリア(1523) のシャウト!
みあん(1525) のシャウト!
ツヴァイ(1532) のシャウト!
棗(1550) のシャウト!
ブゥ@進展美(1555) のシャウト!
かごめん(1573) のシャウト!
ナナイ(1584) のシャウト!
アレナ(1586) のシャウト!
イッシュ(1621) のシャウト!
ものかきさん(1638) のシャウト!
幽(1701) のシャウト!
風鬼(1769) のシャウト!
リン(1813) のシャウト!
野良兎らぴ(1820) のシャウト!
“永遠に咲く花”ジュディス(1849) のシャウト!
フェティ(1925) のシャウト!
ふうちゃん(1993) のシャウト!
オフロなイカちゃん(2013) のシャウト!
『虹』の射手(2014) のシャウト!
呪夢(2053) のシャウト!
リトピン@逆モヒカン(2071) のシャウト!
にゃんぷる(2077) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ 玉蜀黍畑の広がるなつかしの我が家 (ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、 自分の前フリMAはEno352 tangerine06さんと一対になっています。 合わせて読んでいただけると、嬉しいです) ------------------------------------------------------------------ 「結局は気の持ちようだったんですね」 リトルグレイ戦が終わり、僕は少し、見えるようになった右目を開放するために目隠しを捨てました。 闇にぼんやり、景色は浮かび、そこにいる人たちの・・・、 そして、みかんさんの小さな背中が見えます。 「リトル、いなくなったデシタ・・・そして、ラピさんスピさんともお別れデシタよ・・・」 ほんのひとときだったけど、一緒に戦ってくれたラピさんスピナーさんとさきほどお別れをしたところです。 みかんさんはラピさんとかじりあってお別れをし、自分もスピナーさんと握手をして別れました。とても頼りになる人?たちだった。別れは惜しかったのですが、彼らにも彼らのいろいろなけじめがあるはず。ここで早く別れたほうがいいと判断したのです。 みかんさんは去りゆく彼らに手を振っていました。多分、ほんの少しの出会いでも彼女にとってはまだまだおおきな事件なのです。 まだ月灯りは高く、さきほどまでの戦いが嘘のようです。 僕はあらためてみかんさんの背中を見つめました。みかんさんの背中、前見て覚えているより、心なしか大きくなったように思います。でも、それと同時に、とても儚げにもなったように見えて、正直、僕は動揺しました。 振り返ったその顔も、出会った頃に比べると、かなり凛としているのですが、それは明らかにこれまでに知ったいろいろなことを吸収した光で、そう、彼女は・・・、 彼女は明らかに昔に比べると大人になったんです。 そして、それを考えたとき、僕はふと、自分の心が痛んだのを知りました。 「あの、リトルって奴、いなくなってよかったわぁー。あたし、この島、出て行かなくちゃいけないかと思ったもの!」 いつのまにかみかんさんとすっかり仲良くなったシェリーさんが横で嬉々とした声を出しました。 「そうね・・・この島は残ったわ」 僕の傍らにいたマリリンさんは落ち着いてそう言った後、こっちをゆっくり見上げて、こういいました。 「・・・これからアナタはどうするのかしら?」 「・・・そうですね」 わかっているのは、シェリーさんもマリリンさんも、・・・そして、みかんさんも故郷はこの島であることなのです。そう、僕だけが本当の旅人といえるのです。この中では。 「・・・ツライわね」 「・・・ええ、マリリンさんをはじめ、みなさんと別れるのは、せつないです」 「そんなこと言ってるんじゃないわ・・・全く優等生ねえ」 「・・・・・は?」 「あなた、もうちょっと自分に素直になったら?いつまで保護者気取りなの?」 「何を言ってるんですか?・・・て、うわっ」 いつのまにか背後に回ったシェリーさんが首に絡み付いてきました。 「ちょ・・ちょっとシェリーさーん」 「お顔見せてよ、目隠しなんて取っちゃって正解だわ。ほら、綺麗な目してるし、もうこれっきりなんて、もったいけどしょうがないわね」 「・・・え?」 シェリーさんのちょっと震える声が肩越し聞こえます。 「・・・大好き、ありがと。アナタとはいろいろあって、憎たらしいときもあったんだけど、でも、何か大事なことを教えてくれたような気がするの。だから、ありがと、ホントにありがと。・・・でも、何か、あんまり辛くないうちに、ここであたしもお別れするね」 「え?シェリーさん?」 「あたしね、贅沢だからさぁ・・・。両想いじゃなかったら、苦しくなっちゃうの。だから、今日であなた好きなのやめるつもりなの」 僕は・・・。 「・・・・・・・」 「自分だけのものじゃなかったら、好きでも耐えられないみたい、サキュバスって、困った体質ね」 「シェリーさん・・・」 何か申し訳なく感じました。 シェリーさんが自分を好いてくれてるのは実は百も承知でした。いや、身体だけじゃなくて、心も好いてくれたのも実はわかっていました。でも、僕はそれに完全に応えることはできなかったのです。 もちろん、シェリーさんのことは好きです。こんなにチャーミングで、グラマーで、明るい女性はそうはいないと思います。・・・ちょっとヒステリックでもありましたが・・・。 だけど、本当に申し訳なかったけど、僕の心がシェリーさんだけに奪われることはなかったんです。そういつでも、考えていたのは、みかんさんのことだけで・・・。 ・・・・・・・さっきのマリリンさんの言葉がふと、甦りました。 『あなた、もうちょっと自分に素直になったら?いつまで保護者気取りなの?』 え・・・でも、いや、だって、みかんさんはまだ生まれたばかりで、すごく子供で、守ってあげなくちゃいけなくて、すごく強いけど、見ていられないときがあって、側にいてあげないと泣いちゃいそうで、ああ、そう、ナスさんからももう泣かすなって、言われたし、僕が見てあげないと、いろいろ教えてあげないと、いろいろ不安なことが・・・ほら、お茶に塩を入れるなんて、日常茶飯事だし、でもそれを傷つかないように飲んであげなくちゃ、だって、彼女は小さくて、まだとても知らないことがいっぱいで・・・そして、そして・・・。 「ほら、あたし、誰のこと考えてるかわかるんだよ?」 「・・・・え?」 「妬けちゃうなぁ・・・。でもいいんだ。あたしもあの子、好きだから、可愛くって、素直で、いい子だよね」 「あ・・いや・・・僕はみかんさんの保護者としてですね・・・」 「はいはい、わかってますよー。保護者保護者・・・、パパはいつまでも大変ね」 そのとき・・・ ふと、トサっという音がしました・・・。 ぎゅうっ 「ちょっとシェリーさん、首絞めないで・・・」 「大変!あのコ倒れたわ!!」 「え?」 ------------------------------------------------------------------ はじめは、戦いの疲れがきたんだと思いました。 やっぱり、まだ、みかんさんは子どもなんだ・・・と。だから倒れたんだと。 でも、本当は違いました。 みかんさんは子どもから卒業する時が来たらしいのです。 『アタシはみかんなのデー 木の実デシタ たぶんそろそろ芽がでるっぽいデシター それデーたぶん「そろそろ土にうまって寝なさーい」ってカラダがいってるのデシタよ おおきくなると木になるデシタ』 考えればそんなことは以前からわかっていて当然のことだったような気がします。なぜ、僕はそのことに気がついてなかったのか、自分でも不思議です。 なんだか、みかんさんは、そのままの姿でずうっと、側にいるような気がしていたからです。なぜか、終わりを感じなかったのです。 そう、 僕にとって、この島の出来事は衝撃的で、常識で考えられないようなことが多かったのに・・・。 なぜ、僕はなんとかやってこれたのでしょうか。 いろいろ混乱することもあったけど、その混乱はいつも最小限だったような気がします。 でも、今、その理由はがわかりました。 僕は、 ここにいる生まれたばかりの小さな女の子に、 まだ、本当に歩みはじめたばかりの小さな小さな女の子に、 恥ずかしながら、カッコつけたかったのかもしれません。 僕は、軍にいた頃から、視力のせいで、お世辞にも役立つ人間とは言いづらいい存在でした。 みんなは僕のことが必要だというけれど、僕はよく見えないし、力もそこまで強くない。元々の家柄がよいというだけしか利点がなくて、 みんなは僕を必要だといってくれるけれど、みんなは僕がいてくれてよかったというけれど・・・。 僕はみんなほど、僕が好きじゃなかったのが本当なんです。 で、何の因果かこの島に落されて、 どうしようかな・・・と途方にくれてた僕の目の前に現れてくれた女の子。 僕になんでもきいてくれた女の子。 僕がいないと、どうなっちゃうかわからない女の子。 僕は、正直、僕という存在を必要としてくれるみかんさんの存在に救われたのだと思います。 「みかんさんが木になってしまうなんて、知りませんでした・・・」 『ままーのところにいたときにはーそれがアタリマエーなのデシタっ! でもーまえにナスちゃんがー そーゆーのってニンゲンがきくとビックリするっていうカラー なかなかーいえなかったデシタよ… …ゴメンデシタ 』 「いいんです。僕も気づいてあげられなくてごめんね」 僕は、本当は、自分のエゴだけでキミに接していたのが今になってよくわかります。きっと、何度もみかんさんは言おうとしたんだと思います。そして、僕も時に、それはわかっていたはず・・・。なのに。 自分の目が見えなくなった時、 僕は、その事実に目隠しをしました。 目が見えない事実だけではなくて、 いつしかみかんさんが大人になって、僕の側を離れていく事実にも目隠しをしたのです。 目隠しをすれば、みかんさんがいつまでも側にいるような気もしたのかもしれません。 でも、本当にそれは自分のエゴでした。 キミは、ちゃんと、時間はちゃんとキミを大人にしていたんです。 『でもーにんげんはいいなーぁ おーきくなってもじぶんでどこかへいけるデシタよ。 うらやましくなっちゃったデシタよー ジツハー 宝玉6コあつめておねがいがかなえてもらえるナラー サイショは くれいんがおうちにかえれるよーにとかー くれいんの目がなおるよーにとかー おもってたけどー サイキンはー おっきくなってもあるけるよーにしてもらえたらなーって、 ちょっぴりおもったデシタよ ちょっぴり』 そう、そんなエゴを出さなくても、キミは僕のことを考えててくれてたんです。 僕は、本当はもっともっと、キミのことを考えてあげなきゃいけなかった。 『くれいんはかえるデシタ? えーとね、たぶんアタシはこのあたりで木になるカラー できればときどきあそびにきてくれるとうれしいデシタ!! くれいんがおうちでなにやってるかとかーおしえてくれるとうれしいたのしいデシタ!! 』 そんなみかんさんの笑顔が僕は・・・、僕は・・・。 「ちょっと、どこいくの?」 「ゴメンなさい。ちょっと頭冷やしてきます。マリリンさん、シェリーさん、みかんさん、お願いします」 「はぁ?」 「すみません」 ------------------------------------------------------------------ 「えっと・・・ま、ほっとくしかないでしょうね・・・」(シェリー) 「そうねえ」(マリリン) 「でも、あのみかんな子・・・、ちょっと凹んでるみたいよ」(シェリー) 「のの字、書いてるわねえ」(マリリン) 「あっちはほっとけないわねえ」(シェリー) 「あら、優しいのね」(マリリン) 「失恋したてだけど、なんだか、あの子には悔しくないのよ」(シェリー) 「なんだか、ちょっとの間に人間できてきたんじゃない?」(マリリン) 「ちょっと、人間になってみたくなったかもね、あたしも。ま、無理だけど」(シェリー) ------------------------------------------------------------------ この島は、 ・・・この島は生きている。 はじめ、島が生きているなんて、 そんなこと、考えもしなかったんです。 僕が住んでいた世界では、生きているのは、人間で、 人間の間だけの、身体の違いとか、身分の違いとか、 勝ったり負けたりとか、恋したり、愛したりとか、 教えたり、裏切ったり、転んだり、振り返ったり。 いろいろ、経験をしたようで、 してたようで、 なんだか、大事なことを、見落としていました。 基本的に何でも、生きているんだなぁ・・・って。 生きていて、心があって、 しゃべってなくても、本当は、 知りたいとか、欲しいとか・・・。 豊かになりたい・・・、変わらないでいたい・・・、守ってほしい・・・。 そう思っているものなんだって、 木だって、草だって、島だって、そう思うことが、あるんだってこと。 ここにきて、この島にきて、みかんさんから教えてもらいました。 おかしいですね。僕は。 いろんなことをみかんさんに教えているつもりで、 本当は教えられていたんです。 生きるって、とっても、面白いものなんだって。 そう、世の中には、いろんなものがいっぱいあって、ありすぎて、 それは、本当に知りたいならば、育つ時間がいくらあっても足りないくらい・・・。 でも、大事なのは、それを知りつくすことではなくて、 それを、 それを、 それを感動することなんだって。 僕は、それを教えてくれた小さな女の子に、 それが完全ではないけれども、できなくなる女の子に、 何をしてあげればよいですか? 彼女は、木なんです。 木は、青い空があって、空気がきれいで、 時々、雨が降って、やんわり、風が吹くような場所にいるのが幸せなんだと思います。 大きくたくましく育ち、 それで、たくさんの葉をつけて、花をつけて、実をつけて・・・。 それは、また、生きていく息吹が新たにともったこの島のような環境。 植物にとっては・・・、きっとそれが、本当の幸せで・・・。 幸せで・・・。 でも、 それが僕にとって、幸せじゃないような気がするのは、 やっぱり僕のエゴでしょうか? 島は生きている。 木も生きている。 みかんさんも生きていて、 もちろん、僕も生きている。 生きていて、心があって・・・。 そう、心がある。 たとえ、離れていたって、心があれば・・・。 ------------------------------------------------------------------ 「おはようございます」 朝、戻ると、驚いたのは、みかんさんの頭の葉っぱが2枚になっていたことです。 『おかえりデシター』 「みかんさん、葉っぱが二枚になってますね」 『えあ?』 ・・・あ、なんだか元気ない・・・。 どうしてでしょうか? 『葉っぱが二枚になったのはー、うー、』 「・・・みかんさん、段々、これから、大きな木になるんですね」 『・・・・・・』 「みかんさんのお母さんの木はどんな木なんですか?」 『ままデシタ? …みかんの木デシタ。 うっかりんぼデシタ。 「ホニャララなのよ」がくちぐせデシタ』 「木になってもお話しができるんですか!」 『できるデシタ。ぁ、にんげんに聞こえるのかどーかはよくわかんないデシタ』 「そうですか…」 『いまーミョーガちゃんともソーダンしてたデシタガー』 「え?…ミョウガ…さんって喋れるんですか!?」 『しゃべれるデシタ。アタシもサイキンしってびっくりデシター』 「…僕も驚きました」 『とにかーく、シゼンのなかでジリツセイカツーはわりとたいへんらしいデシタ… 目立って装備のザイリョーにされたり、波がざぱーんとかぶったりするとこまるらしいデシタよ』 『このへんはアブナイらしいデシタ、もーちょっと山のほうにいくことにしたデシタ… ぁーだからアップルさんは山にいたのデシタね?ナットクデシタ…』 『ミョーガちゃんにいろいろおしえてもらいながらがんばるデシタ…』 「そうですか・・・」 これからのことを必死で考えていたみかんさんの様子が目に浮かびます。 そう、彼女は彼女なりにこれから必死で生きてこうとする術を考えているのです。 『・・・くれいんは、どうするデシタ?帰るデシタ?』 「うん、僕は、この島にいるつもりはないです」 『・・・・それはわかっていたデシタよ・・・』 「でも、すぐに帰るつもりもないんです」 『遺跡に行くデシタ?・・・でもー、アタシは遺跡に行く時間はないみたいデシタよ・・・。一緒に行けないデシタよ・・・しょぼん』 「・・・いえ、遺跡には行かないですよ」 『じゃ、どこに行くデシタ?』 みかんさんは、まだ小さいからかもしれませんが、 本当にまっすぐ、見るんですね。 僕は、それが時々、すごく、照れくさかったなんて、知ってますか? 本当に、ずうっと一緒に居たのに、僕は照れくさくて、 いつも、その小さな背中を後ろから見守っていることばかりをしていました。 だから・・・ 「みかんさんって、どれぐらい重さなのか、僕、よく知らなかったんですが、意外に軽いんですね」 抱っこしてみました。 『・・・ビックリしたデシタ・・・』 「僕、みかんさんのお母さんところに行こうかと思って」 『・・・ままところに行くデシタ?』 「はい、もし、行けるのなら、行きたいんです」 みかんさんが泣きそうな声になったような気がしました。 『・・・別に、送ってくれなくてもいいデシタよ。・・・アタシはアタシの思ったところで、木になるデシタ。それが、ままからも言われていることデシタ』 「・・・ゴメンなさい」 『・・・別に謝らなくてもいいデシタ・・・。くれいんは、優しいデシタ。でも、アタシのこと、もう気にしなくてもいいデシタよ・・・』 「・・・いえ、ゴメンなさい。そういうわけにはいかないんです。僕は、今まで、自分のエゴで、みかんさんを振り回してきました」 『そんなことないデシタ』 「いえ、いずれは木になってしまうなんて・・・、そんな大事なことを気づかないまでに、みかんさんのことを見ているようで、その実、自分のことしか考えていなかった自分に気がついたんです・・・でも」 僕はまだ小さな女の子を下ろしました。 そして、その視線が合うようにしゃがみこんで、できるだけ笑うようにしました。 「でも、本当に謝りたいのは、そんなことに気がついたのに、またキミの心を無視した行動を取ろうとしている自分なんです」 そう、僕は、懲りないなぁ・・・と思います。 本当に思った以上に、とても自分勝手なんです。 人のことを考えているようで、その実、自分の思うとおりに物事が進めばいいなぁ・・・と思っている人間なんです。 でも、 それが、僕の今は一番だと思うから・・・。 「キミのお母さんに会って、キミを連れて行くことを報告したくて・・・」 『・・・・・・』 「せっかく、みかんさんはひとり立ちして頑張ろうと思っているところ、申し訳ないんですが、僕はキミを連れて帰ろうと思っているんです」 『・・・・・・』 「みかんさん、よかったら、僕のおうちに来ませんか?」 ------------------------------------------------------------------ 「・・・あのコ、面白い顔になってるわねえ」(シェリー) 「そうね、今までで、一番面白いわね」(マリリン) 「でも、面白いけど、一番可愛いわね」(シェリー) 「・・・まぁねえ」(マリリン) 「でも、なんだか、なるようになってるっぽ胃じゃない・・・」(シェリー) 「アナタはそれでよかったのかしら?」(マリリン) 「・・・アタシ、ロリコンに興味はないわ」(シェリー) 「・・・きゃははは、言うわねえ」(マリリン) 「・・・あなたこそ、どうなのよ」(シェリー) 「アタシは、食べれなかったのが残念だわ。死んだら食べさせてくれるっていったのに、島を離れたら、食べれないじゃない?」(マリリン) 「アナタも十分、ビョーキね」(シェリー) ------------------------------------------------------------------ 僕は大きな植木鉢を抱えて、 僕のおうちに帰ります。 『くれいんについていっても…いいのデシタ?』 「嫌と言われても、心配でたまらないので、無理やり連れて帰ります」 『ホントにいいデシタ?いいのデシタ?』 「・・・・・・はい」 植木鉢の中にはこの島での一番の宝物が入っていて、 それは、きっと、僕にこれからも自信とか安らぎとかを与えてくれるのです。 そう、玉蜀黍畑が見える庭のブランコの横にキミの居場所を作ります。 キミはそこで、思う存分、大きく、大きく、大きく・・・。 いつまでも大きく大きく育っていってください。 キミが小さいうちは、 僕はその木の側に腰掛けて、いろいろな話をすることでしょう。 美味しい料理のレシピはもちろん、 心を虜にする綺麗なおはなしもたくさんしてあげますね。 そう、 聞きたい話があったら、何でも・・・。 僕が知っていることは、すべて、何でも教えてあげたいと思います。 僕が生きてる間、 僕にやれることは何でもいってください。 そう、 そのうち、キミが僕追い越す日が来ても、 僕はなるべく、多く生きて、 キミの葉っぱがキラキラ陽をはじく様を、 たくさんたくさん、みていきたいと思っているんです。 そして、キミが完全に僕を追い越して、 僕がキミに甘える日が来るかもしれません。 そう、それでも気がかりなのは、 寿命という運命の為に、 僕はキミを残して、 去る日が来るかもしれないということ。 そして、そのときは、また僕は思うのかもしれません。 自分のエゴのためにキミを連れてきたことを。 キミをひとりぼっちにする苦しみに苛まれるのかもしれません。 でも、 やっぱり、僕はこうせずにはいられなかった。 ここで、キミを残して、この先を歩むなんて考えられない。 ここで、キミが一人でいきていける力があるとしても、 僕のエゴはそれを許せない。 そう僕は、 この島で生まれた小さくて、可愛い一本のみかんの女の子を、 心から、 愛しています。 fin
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最後に、島内トーナメントおよびキャラクターランキングを実施します。 それらの詳細は 島内トーナメントは こちら キャラクターランキングは こちら を参照してください。
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