生存 77 日目 天候:晴れ
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(何も食べずとも力が沸いてきます)
ヴァル「マジすか!?煤i ̄□ ̄;<君をちゃんと出して
ヴァル「平謝りしまくりだったよ_| ̄|○ 自業自得だけどさ(ぁ<返却三昧」
ヴァル「と、今までメッセでのお付き合いお世話様&お疲れ様ー。感謝」
ミソル(107) からメッセージ
ミソル「ええと…・・・その、それで、イベントもあることですし…手紙にしようと思って…(手紙渡し)…そ、それでは〜!(手を振り去っていく)」
ミソルの手紙「狂気さんがこの手紙を読んでいる時、あたしは目の前には居ないと思います。(恥ずかしいですし、目の前で読もうとしたら必死で止めると思いますので(ぁ)
ミソルの手紙「優しくて格好良くて強くて綺麗で…本当に、こんなお兄さんがほしいなと思いました。今は、まだ無理ですけれど、きっと、もう少し成長したら、狂気さんのようになりたいなと思います。」
ミソルの手紙「いままで、ありがとうございました。
ボタン「『ん。手紙というのもしたかったのだけれど、僕の場合書けないからなあ。仕方ないから、此れ。(小型の箱を押しつけ)』」
ボタン「『箱を開けると小さめのなんか僕っぽい様な気がしないでもない性格と口調のモノが入っているから(ミソル作)、苛められたくなったらいつでも開けてね。』(マテ」
ボタン「『(んー。これが最後のいぢめ納めかあ。)ん。じゃあね。向こうへ帰っても僕は狂気さんの事をとても愛しているから。』」
うさ(290) からメッセージ
十夜(334) からメッセージ
十夜「別に引きずってもワールウィンドはねーぞ(笑) ただ、吼无羅の料理の恐怖でも味わってもらうかも知れねェけど(最悪」
十夜「っと…この島もこれで終わりか。長いような短いような…そんな感じだったな。もちっと話を続けたかったけど…」
十夜「けど、仕方ねェか…。オレは元の世界、故郷に帰るけど。狂気サンはどうするんだ?」
十夜「どちらにせよお別れ…か。 けどな、サヨナラなんて辛気臭い言葉はなしだぜ? 随分と自分勝手な言い草だけどな(苦笑)
わかめパーマな羽唯(461) からメッセージ
わかめパーマな羽唯「何はともあれ今迄有難う御座いました!また何処かで見かけたら声かけてくださいね〜^^」
フィナーレ(478) からメッセージ
フィナーレ「んな古典的なボケはいいわ!(バシッ」
フィナーレ「キミは人をなんだと思っているのかね(==;」
Rs(ライズ)(552) からメッセージ
Rs(ライズ)「『いよいよ、島の災いも終着をむかえ、みんなバラバラになってしまいますね、その前に何となく色々な事を記しておこうと思います、』」
Rs(ライズ)「『多大なる協力を頂いた狂気FC、今になって思えば作れたことも続けられたことも、ほんとに皆さんへの感謝で一杯です、』」
Rs(ライズ)「『感情の赴くまま無理やり作ってしまったFCでしたが、多少なりとも話題&思い出にしていただいた事は、嬉しい限りです、』」
Rs(ライズ)「『メッセのやりとりも忙しい中ありがとうございました、こちらからどれだけ何かを送れたかわかりませんが、送る事も貰う事も楽しかったです、』」
Rs(ライズ)「『他にも書ききれないほど色々のことありました、狂気さんに出会えて良かったです、本当にありがとうございました。』」
Rs(ライズ)「………この内容を1週間以内に10人にメッセしなさいさもなくばあなたは煩悩に埋まります、」
Rs(ライズ)「…嘘ですよ、嘘っ、最後にやっぱりシリアスってのは合わないものですね、」
Rs(ライズ)「改めてっ!! 泣き笑い苦しみなんでもありの島生活、長い間全てにおいてありがとうございましたよっ!!」
Rs(ライズ)「ということで、青春謳歌メッセでした、最後のMA頑張りますよ、」
小さな大妖精(自称)翠(556) からメッセージ
小さな大妖精(自称)翠「結局く〜ちゃんからのサンタなスイ使うことなく終わっちゃったのですよっ!?」
裏スイ「ど〜せジ○シティだと転送無理っぽいから表示されないけどな〜」
小さな大妖精(自称)翠「まったく!ジオ○ティーも統合してから役にたたなくなったのですよっ!」
裏スイ「まったくだな」
小さな大妖精(自称)翠「って誰ですかっ!?Σ(−0−;)」
裏スイ「ほら、あれだ」
小さな大妖精(自称)翠「?(・ω・ )」
裏スイ「次期お前さんのかわりに参加する思念体?」
小さな大妖精(自称)翠「スイ解雇っ!? 解雇されちゃうですかっ!?」
裏スイ「あ〜そ〜らし〜ぞ まぁ、きっと次期はみんな私の魅力にメロメロだろ〜けどな」
裏スイ「まぁ、お前さんみたいな馬鹿丸出しよりもいいって判断したんだろうなきっと」
小さな大妖精(自称)翠「Σ(−0−;)」
裏スイ「まぁ、そういうことなんで・・・ってナニシテヤガルッ!?」
小さな大妖精(自称)翠「・・・いっさいがっさいなんでもかんでもぐっちゃんぐっちゃんにこわれちゃえばい〜のですよ〜 壊れかけた世界」
裏スイ「ギャー」
小さな大妖精(自称)翠「・・・・・・悪はさったのですよ」
小さな大妖精(自称)翠「ってことで、次期もスイをよろしくなのですよ〜♪」
シース(718) からメッセージ
ウィル(775) からメッセージ
カナデ(796) からメッセージ
シオン(821) からメッセージ
シオン「お別れなのは悲しいですが…また何時か何処かでお会いできたらと…本当にそう思います(微笑 今まで本当にお世話になりました(ぺこ どうかお元気で…(微笑」
ごま(845) からメッセージ
ごま「短い間だったが話せて良かったよ。礼を言う。もしトナメで当ったりしたら、手抜きしてくれ。よろしく(笑」
疾風(886) からメッセージ
天神(made羊)(918) からメッセージ
歌姫カルラ♪(1040) からメッセージ
ツギハギ(1384) からメッセージ
ツギハギ「ともかく、これでなんとか終了ですねぇ。おつかれさまです♪」
アフロなみるちゃん(1407) からメッセージ
アフロなみるちゃん「きっとどこかでお会いするのです☆
狂気(1454) は言った
みーか(1493) からメッセージ
みーか「なんか突然の終わりが…。結局、真孤島歩けていないんですけどね(’’;」
みーか「ともあれ、今まで色々と有難うございました(ぺこ) またどこかで会えるといいですね。どうぞお元気で…」
アレナ(1586) からメッセージ
アレナ「狂気さんはいろいろつらい思いをしてたみたいだけど…前を向いて歩けるようになるといいね?そうなれるように…密かに応援してるね。」
緋影(1737) からメッセージ
緋影「思えば長いようで短い日々だったな。これも全ては皆に出会えたから。そして素晴らしく輝いた日々だったから。私はそう思っているよ(穏笑」
緋影「私は元いた大陸へと還る。……今更だが妻の墓参をな(苦笑」
緋影「狂気殿も元気で。君の未来に光あらんことを(穏笑」
我が次なる戦場へ(1818) からメッセージ
我が次なる戦場へ「(ぼりぼり・・・)さいですか。…---あえて言わせてもらいますよ?だから何?」
我が次なる戦場へ「意味のないもの?傀儡?滑稽?…くだらないこと抜かしてンじゃねェよ…!『生きる意味』なんてのはなぁ…誰にもねェんだよ!ないから自分(てめぇ)で考えて、後付けでもなんでもいいから…「見付ける」もんなんだ!」
我が次なる戦場へ「(がっ!と胸倉を掴み上げ)…それをなんだ、テメェは?京都の女(ぇ?)みてェにねちねちねちねち…---いつまでも寝惚けたこと言ってる暇があるンならなァ…少しはあがいてみやがれ!この薄らトンカチ!」
我が次なる戦場へ「・・・なぁんてね♪知ってるヒトの口調を真似てみましたw …多分、ブランならこーいうだろう、ってのを代弁したんです。…似てました?(笑」
我が次なる戦場へ「(。。)・・・(雑巾で綺麗にふき取る)←証拠隠滅(ぇ」
我が次なる戦場へ「煤i ̄□ ̄;ってうわデカっ! …こーいうもんて、物理法則とか無視したサイズで出てくるから厄介ですよねぇ。…私のほら、『アレ』とか。(全長2mほどの大剣《冥皇の刃》を指差す)」
我が次なる戦場へ「全く、どーいう仕組みになってんだか(そう言うと刀の柄に触れる。・・・その瞬間、『全ての死の記憶》がジェイへと流れこむ!)」
我が次なる戦場へ「っ・・・ご、ぁぁあああああああああ!!(絶叫、そして・・・がくり、と膝をつくジェイ)」
我が次なる戦場へ「(ぜぇ・・・っ)・・・また、随分なものを飼ってるじゃないですか、狂気さん・・・。」
我が次なる戦場へ「・・・(ぼりぼり・・・)まぁ、こんなもんを「内包」してりゃ…ぶっ壊れるのも仕方ないですかねぇ。…とんでもない代物ですよ、こりゃ。(だがジェイにはいえなかった。…彼の妹の死因さえ『見て』しまった彼には。…これ以上、壊れる原因を作りたくなかったから)」
我が次なる戦場へ「…ありがとうございました、これはお返しします。(返却)…---できるなら、食われた方々の「魂」を昇華してあげたかったんですけどね。・・・ちょっと、無理みたいですね。完璧消えてるから。」
我が次なる戦場へ「・・・さて、と・・・じゃ、私はこれで行きます。…狂気さん(ちゃきっ、と大剣を構えて切っ先を向けて)…私は生きていくために戦います。…---壊れるなら好きにしなさい、墜ちるのもいいでしょう。最早とめても無駄のようですしね。…---ですが、周囲を巻き込むのだけは、絶対やめてくださいよ?…周囲に「心配をかける」のも巻きこむうちに入るんですから。…早い話が「壊れるくらいなら私が『消す』ってこと」です。」
我が次なる戦場へ「面倒な呪いがかかってるよーですが…関係、ありませんね。私に「死」をプレゼントできない存在は、いないんですから♪(とん、と肩に大剣を乗せて)・・・んじゃま、お元気でぇ♪」
“永遠に咲く花”ジュディス(1849) からメッセージ
“永遠に咲く花”ジュディス「最終回ですね…」
“永遠に咲く花”ジュディス「狂気さんの事は前々から目にしていたのですが、なんかきっかけ無くて話し掛けられずすいませんm(__)m」
“永遠に咲く花”ジュディス「もっと前から話し掛けてればなぁ…って。」
“永遠に咲く花”ジュディス「それではお別れです。そっちのジュディスも大切にしてくださいネw さようなら、お元気で。」
呪夢(2053) からメッセージ
雑草気分 を訓練しました。(CP- 3 )
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叫び声が聞こえる 蚰蜒(5) のシャウト! 蚰蜒「まぁ、なんだ、最後まで悪の華にもなれず、 救世主にもなれずに…半端者で悪かったな。」
いこま(10) のシャウト!
黒野(20) のシャウト!
イシュトル(21) のシャウト!
昼寝部由乃(50) のシャウト!
サファリング(52) のシャウト!
激☆蛸愛好家(56) のシャウト!
ロイド(71) のシャウト!
ベリー(74) のシャウト!
キュレス(88) のシャウト!
レイファス(116) のシャウト!
フェリン(134) のシャウト!
ハイン(143) のシャウト!
アーティ(150) のシャウト!
“鬼角”クシラ(159) のシャウト!
蒼悟(172) のシャウト!
アザミ(203) のシャウト!
カイゼル(208) のシャウト!
リーゼントなフル(221) のシャウト!
リーク(225) のシャウト!
スティード(255) のシャウト!
准尉さん(265) のシャウト!
ニャゴ(269) のシャウト!
あど(288) のシャウト!
りんご(306) のシャウト!
アフロなラディ(347) のシャウト!
みかん06(352) のシャウト!
禍を断つ業斧(353) のシャウト!
TiA(403) のシャウト!
一人と一匹で一人前(412) のシャウト!
ゆぅ(415) のシャウト!
ラディア(449) のシャウト!
由布(481) のシャウト!
リィル(492) のシャウト!
ランス・・・?(504) のシャウト!
欧月(549) のシャウト!
ミルワ(551) のシャウト!
Rs(ライズ)(552) のシャウト!
妖精さん(577) のシャウト!
あでんこo(585) のシャウト!
風真(595) のシャウト!
サトム(601) のシャウト!
遙(612) のシャウト!
雪(627) のシャウト!
ピープー(660) のシャウト!
きぃ(702) のシャウト!
シース(718) のシャウト!
ルウ(761) のシャウト!
るんぱ(774) のシャウト!
ウィル(775) のシャウト!
カナデ(796) のシャウト!
ピュセル(805) のシャウト!
Ivy(817) のシャウト!
ハル(819) のシャウト!
テラ(820) のシャウト!
シオン(821) のシャウト!
愛謝(826) のシャウト!
エレニア(838) のシャウト!
ごま(845) のシャウト!
疾風(886) のシャウト!
桂(906) のシャウト!
天神(made羊)(918) のシャウト!
プリム(926) のシャウト!
ラフィー(1022) のシャウト!
しおりん(1034) のシャウト!
歌姫カルラ♪(1040) のシャウト!
ラウラ(1056) のシャウト!
グレイ(1123) のシャウト!
精霊使いノア(1136) のシャウト!
五月野(1160) のシャウト!
キル(1174) のシャウト!
ルピ(1175) のシャウト!
まさじ(1190) のシャウト!
スピナー(1206) のシャウト!
リアラ(1212) のシャウト!
銀(1220) のシャウト!
ちこり(1240) のシャウト!
長老(1270) のシャウト!
いりえ(1288) のシャウト!
セイハ(1307) のシャウト!
エリン(1389) のシャウト!
リヴ(1418) のシャウト!
みーか(1493) のシャウト!
フェリア(1523) のシャウト!
みあん(1525) のシャウト!
ツヴァイ(1532) のシャウト!
棗(1550) のシャウト!
ブゥ@進展美(1555) のシャウト!
かごめん(1573) のシャウト!
ナナイ(1584) のシャウト!
アレナ(1586) のシャウト!
イッシュ(1621) のシャウト!
ものかきさん(1638) のシャウト!
幽(1701) のシャウト!
風鬼(1769) のシャウト!
リン(1813) のシャウト!
野良兎らぴ(1820) のシャウト!
“永遠に咲く花”ジュディス(1849) のシャウト!
フェティ(1925) のシャウト!
ふうちゃん(1993) のシャウト!
オフロなイカちゃん(2013) のシャウト!
『虹』の射手(2014) のシャウト!
呪夢(2053) のシャウト!
リトピン@逆モヒカン(2071) のシャウト!
にゃんぷる(2077) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ ”貴方が望む所は、思い描く帰る場所は…どこですか?” 暫し予想だにせぬ展開に呆気に取られていた様子の少年、こと狂気も、 しかし、次には我に返りきっと鋭くした視線でもって、 どこともないその声がする方を睨み付けた。 「どこか、だって…?君は知っているんじゃないのか? この俺という存在は帰る場所などおろか、 その行き着く先すら本来はありもしないということを…!」 しかし靄然としてまるでその手に取ることなどかなわない、 その静かなる声はまるでその色に変調を来さず、 そう、全く少年の予想をしたものとは相異なった返答をこう返すのだ。 ”何のことでしょうか?” 「惚ける気なのかい…? それでは君ではなく、一体誰が俺にあの真実を告げたっていうんだ?! 俺の精神に直接働きかけるまでして…!」 それとは、つい先日における、世界はおろかその小さな孤島においてしても尚、 ほんのほんの些細で訳無く、ただただ唯一この少年においてすればこそ、 それはその心はおろか 精神肉体心がまるで、 その指の先に至るまでがまるで、 強く深く荒く無慈悲に揺らがされ、斬り捨てられて打ち捨てられ、 果てにはその目先までもが全く漆黒に染め上げられてしまう程の出来事ではあった。 しかし声は、やはり静かに答える。 ”………。なるほど… 漸く、納得がゆきました……。 貴方が、そうだったのですか……” 「何…?」 狂気は、訝しむように眉間を顰めるが、その声の主はその後、 長きに渡って沈黙を守り続けた。 その長きというものにおいて、 何せ、少年にとっては到底言い得ぬ、 久々にすら感ぜられる苛立ちが煮えくり返るものだから、 時折、先を急かし立てるようにして声を荒げる。 それであっても、 一向にその少年にとってすれば余りに不可解な応対に変化が生じる兆しはない。 ついには吐き捨てるように舌打ちをして、狂気が踵を返そうとする頃に至って、 漸く、それは降った。 ”待ってください…!どこへ…!?” 「さあね…わからないさ。行き先なんて何もね。 俺が今わかることといったら唯一、 俺は呪から逃れられることなく抗えもせずに無様に死ぬって変えようもない事実だけなんだから。」 ”…。 死ぬとわかっていて、 …それもあなたが望む形のものでは決してないと、わかっていて、 わかっていて、どうして…!そうやって諦めることができるのでしょう! あなたは、掛け替えのない一つの命だというのに…” 「っ、はははは… !あははははっ!?」 ”……!?” 「どうして、だって!?面白い事を言うよね、君。 どうやら本当にこの前のあの”お節介なあの声”の主とは別人みたいだね。 知ってるかい?あの時の声は俺にこう言ったんだよ。 俺のような醜い存在の躯は、野晒しにするのに耐えないってさ! ─…君もそう思わない? 俺は腐り果てて死臭漂わす死骸よりもまだ醜い空っぽなひとがたなんだよ! 救いもなければ未来もなければ、生死なんてちゃんちゃらおかしい話じゃない! 言えばいいだろっ!! 出来損ないの傀儡(くぐつ)の醜さが滑稽だって! 愚かすぎて笑いが止まらないってさ!!!」 ”…ッ! 貴方は…ッ!!!” まるで凶器の様に研ぎ澄まされた爪先で、余りに加減という枠を逸脱し、 その柔なる掌が圧迫され続けたものだから、既に狂気の足下には、 指先を伝ってついには流れ落ちて跳ねて沈んだ鮮血が、 じわりじわりと未だその勢力を広げ続けている。 この時この場所この瞬間に定められた枠を宛われ、 そこに一糸の乱れなく整列を成し、しかして組み上がった 孤島の一角で少年が喚き上げたというこの場面というものに、 唯一あるまじきものとしてあげるならば、それはその少年より滲み出た血色にある。 それは。 まるで無色。 音もなく。勢もなく。色もなく。 その心の無をまるで照らし出すように滴り落ちる水滴の、その全ては、 どろりとして白い砂浜に波紋を広げつつ霞んで揺れる。 「俺に… 構わないで…。もう… 静かに眠らせてよ…」 全く正にこの今に、 風の鳴る音に掻き消えんとしたその声色、 それは、まったく、 嘆きであった。 その後は、 互いに言葉続かず、静寂と凄然さばかりが空間を彩なして、 規則的に掻き鳴らされる潮騒と共に、止むことがない。 丁度、その折だ。 「う…わっ!」 狂気は、突然の出来事に対応らしい対応の一つ取ることができず、 結果、ついにはそれが少年の体勢を尻餅を付かざるを得ないが程に崩さすことへの、 何よりの根因となった。 舞い上がる白砂に視界を奪われつつ、狂気はしかしそれを振り払って、 腰の落ちた状態より少し見上げ、正面を見据えた。 そこには、ほんのつい先までは彼の腰に帯びていたが筈の一振りの刀が、 整然として直立し、 その柄というものただ真っ直ぐに天を抜いて、 その切っ先というものただ真っ直ぐに地を貫いている。 斬魂刀 鬼神(おにがみ) 祖父の慈郎、その死期のことだ、 その肉体は余すことなく血みどろで、 ゆるゆると、少年の指先を刻むように伝い流れた鮮血が、 ゆるゆると、別れの岬に吹き荒れる風に浚われ刻一刻とその熱の失せゆくことが、 そのことが、この狂気という16の少年にとっては、 何より、 何より、 何より、 嘘みたいで。 目を丸くして、際限なく祖父の名を呼んだ。 何度も、何度も、何度も、何度も。 声が枯れて、涙も枯れて、ついには肌を介して伝わった、 唯一の肉親の生命のぬくもりも枯れ果てた、その瞬間までその果てまで。 泣き叫んだ。 それこそ、 それこそ、 ほんの指で数えられるだけ時を遡ってみればその時は、 頑固で意地っ張りで泣き虫で。 あの祖父だにも手を焼くほどのものにあった少年が、 最愛の人を亡くし、失い、その手最早握ることあたわぬという現実に相対した際生じた、 虚無に、虚に、無に容作られた無為な年月という時。 それを正に今取り戻して、精一杯に水で薄めて筆を広げ、 両手を伸ばして縦に横にと 藍色に 哀色に 愛色に 塗り広げていでもするかのようで。 「… 泣くな」 祖父は、愛しくて止まないただ一人のその人の、 本当に久しいその泣き顔に、 どこか嬉しげでもあるその微笑みで以て向き合うと、 掠れて嗄れて今にも切れんばかりに、 弱々しくて、消え入りそうな、 その声で、 少年が、その血に塗れた手で握る事を促した。 震えて汚れて今にも崩れんばかりに、 脆くて、儚い、 その拳で、 少年の、その血に塗れた手に握るよう差し出した。 それが、 鬼神 狂気が慈郎に、その死期において託された最後の絆。 狂気が今、その正面に立つのを呆然と眺めるばかりしかできない大振りの刀。 ”……予定よりは多少お早いのではありませんか? つまり、彼のこの姿を、見かねた、と…?” 呆気に取られて言葉の一つと先に続かぬ狂気、 何処からともなく舞い降りる声の主がそれにかわって問いを投じた。 他でもない。その刀へと向けて。 『…… ぁ、 んなところだな…』 『…… ぁ! ゃん!…ぃちゃん よ! … ほら! ぃこさん!』 『ぅ…さいわね! れなくても…かってる わよ!』 続いてそれに応じるようにして次々とかわされている。 まるで場違いでもある快活にして楽しげな会話が、どこかで。 しかしその声の発せられる 場所も、在処も、 今漸く砂地に手をおいて、緩慢な動作で腰を上げた少年には まるで検討もつかず。 或いはつかせぬものであった。 なぜならば、 それは本当に、 全くこの場にはその主に思しき人の姿がなかったものだから。 全くその場には何処より降るその声と、狂気という一人の少年以外の、 ただ一人の姿もなかったものだから。 しかし、 その姿は目の前になくとも、 その声ばかりは少年の耳にしかと届いた。 だからこそ少年は、つい、耳を疑った。 ──── この、馬鹿者がっ! ──── 声。 ──── ちょっとアンタ! ──── 声。 ──── お兄ちゃん!! ──── 声。 ──── オレは、お前を護りたかった… ──── 懐かしい声。 ──── 愛してるわ… ──── 遠い日の声。 ──── ずっとずっと一緒だよ ──── されど忘れ得ない声が。 聞こ得る。 間もなくして、界隈にて唐突に姿を現し始めた、 それは霧にも似て白く、 露にも似て透いて、 霞にも似て儚いものだから、 或いはそれは幻想なのかもしれないと。 亡者よりも尚醜く死者よりも尚汚らわしい、 そんな傀儡がその終焉を今迎えんとした正にその時に、 まるで嘘のような静寂を目前にした正にその瞬間、 最後の最後の、本当の最期に、 目にする夢幻。 それは、或いは少年のその手が今を以てしても尚、 やはり縋る事を止めない、止め得ない程に、 遠い遠くで強く強くに望んだものだから、それが錯覚として顕れたもの。 それに過ぎないのかも知れないと。 そうとさえ思った。そうにさえ思えた。狂気には。 正にたった今、目の前に、真白い霞を伴って、纏って、包まれて、 ゆるゆると少年の視野に留まりはじめた、 3つの懐かしくも、遠くも、しかし決して忘れ得ない、 3つの人影の存在を、覚え始めていた事を。 未だ姿無きそれを今に掴み取らんかのようにして、 しかしそれがこの穢れた手が触れたその瞬間に、 脆くも霧散してしまうのではという怖れに心の底から震えを覚えながらも、 少年は、やはり緩慢な動作でその腕を伸ばした。 それはまるで、未知の感覚に怯えつつ、しかしまるで縋るようなものであった。 「御祖父様…? 愛子さん……?」 が。 「かす───…ッッッッ!!!!」 最愛の人の名を呼びかけた所で、 狂気は一瞬にして全身を包み込んだ違和感を覚えた。 それは全く不可思議な出来事で如何に思考を重ねようとも まるで結論が導き出せる気色の欠片とて無かった。 それ程迄に、今狂気の目前にして忽然として生じた景が、 少年にとっての常を逸脱しきっていた。 滾滾と、昏昏と、 滅紫が、 轟轟と、囂囂と、 吹きわき上がるようで、 しかしそこに音はなく。 ただこの異様な景の全てを留めるには余りに窮屈な眼界の、 地の底よりも下方から、天の底よりも上方へ、 その全てを追うには、目にも余るというものとしか、 形容の仕様がない豪速を伴い、 駆く。 まるでその噴出に押し流される様にして、 何処かに精神を置き去りにしてもそれを厭わぬ程に強烈に、 肉体が引き寄せられ、 腕が掴み取られ、 脚が抱え込まれ、 それは、 身動きの一つも取らせぬが侭に、 微動の一つと許さぬが程に、 ただただ、熾烈に。 「──…ッ!!!」 どさり。 界隈に輪を描くようにして広がりを帯びた鈍い音が少年の耳にも届いた。 それが、自の身がつい今し方地へと伏して、全身を打った事に起因した音であることは、 容易に察しが付いた。 薄ら双眸を開けて、はじめにその目についたものが、植物の色彩柔い新緑であったから。 「──…?」 何が起こったのだろう、何が生じたのだろう、何があったのだろう、 まるで検討もつかず、つかせず。 少年は、些かの不安を帯びた顔色で、 反射的な飛び起きがしらに、周囲一帯をぐるりと見渡した。 ── 嫌なほどに覚えのある光景が、そこに広がっていた ── 嗚呼。この場所は── 孤島の岬。絶海に尖って突き出た所。 孤島の岬。潮風が髪を乱し潮騒が耳を打ち果てなく広大な海原が望める所。 孤島の岬。空が驚く程遙かに感じられ、雲一つ帯びぬ空が余りに気高すぎる所。 孤島の岬。殺された所。 孤島の岬。祖父の殺された所。 孤島の岬。少年の祖父の殺された所。 孤島の岬。少年の祖父が橘峰冬に殺された所。 孤島の岬。少年の祖父が橘峰冬に斬殺された所。 孤島の岬。少年が10数年という時を経て漸く涙を取り戻した所。 孤島の岬。少年が祖父に斬魂刀─鬼神─を託された所。 孤島の岬。少年がまた一人肉親を喪った所。 嗚呼。それがこの場所だ。 ”懐かしい処だろ?君の記憶にも滲む程に焼き付けられている所だからね” すると、 嫌なほどに覚えのある声が、背後より差し迫るようにして今広がった 「……君は… 誰だ …?」 びくりと身体をふるわせて、それと時を同じくして身体ごと振り向いて、 そこには、あった。 縦横無尽に分別もなく荒れ狂う風と、 唯唯姦しくその喚叫ばかりで大地をも侵さん気勢の波と、 彼方より飛来せん雷雲が黒々と紫に立ち籠もり、 地上に紫電という厄を降らすその時こそを今か今かと待ちわびてそれに迫る空と、 そして。 それを背後にそこに立ち、 それに見合った黒を纏ってそこに立ち、 それに見合った妖艶な笑みを帯びてそこに立つ、 あの人物。 呆然と立ちつくす狂気と向かい合い、 舌ずり伴い、彼の頬へと手を添えた。 ”君は俺だよ。俺は朽木 狂気… 君を容にした 紫露(しろ)の刹那さ──” 見れば何時の間にやら、 己の手の内にあったが筈の紫露の刹那は忽然として姿を消していた。 だから今は斯うして少年の目前に容取られているのだろうか。 「──っ!!」 少年は息を呑み目を丸くした。 後ずさりはおろか、手より指先より爪先までもがまるで微動だにしなかった。し得なかった。 絶対的な 威圧。 紫露の刹那を名乗ったその存在は、構わず言葉を続ける。 ”輪が狂いだしたのはいつだったか─… そうだ、クチキジロウ…あの男が余計な事に気付いたからだ。 全く、余計な事に気付いてくれたものだよね。 気付かずにいれば─…俺も俺の役割をきちんと全うできたというのに” 「何を… 何を言っているんだ…?」 ”狂気、君がこの島に来ることがそもそも誤りだった。輪を乱す所業だった。 しかしそれも全ては慈郎の手によるものであることは管理者である俺が一番分かっている。 だから愛子を殺し、慈郎を殺し、シナリオがまたうまくまとまるように組み直した。 君に非の全があるわけじゃないとはわかっている。 ああ、わかっているさ。 でもね…君も悪いんだよ? 俺がいくら頑張って、輪を正そうと手を尽くしても、 君はそれたびに、輪からはずれ、秩序を乱す所業をおかすんだ。 このままでは輪全体にまでその乱れが及ぶのは時間の問題だ。 それでは、この輪を容作っている俺の責任問題だよ。” 「輪、ってのは…外道輪廻の呪のことか─…っ!? 俺が… 俺が呪を乱しているっていうのか…? 俺が、この島へやって来たことは、輪の運命に因るものじゃなかったっていうのか!? 御祖父様の手によるものって─…!?」 ”そうだよ。慈郎はね、知りすぎたんだ。 本来は朽木家に属す存在じゃなかった。 シナリオを生み出す課程で必要になったから 俺が作った一人格に過ぎなかった、っていうのに… 生意気だよね。 あの男は、俺の…ううん、不死の創ったこの輪の存在に、気付いてしまった─ だから、その輪を乱そうとする愚考を抱き、君をこの場所に送り込んだ” 「……君は…!」 ”その上、君もまたこの輪の存在に気付いてしまった─ いや、正確に言えば慈郎がこの存在を君に示してしまった──… その時点で、もう輪の乱れは決定的なものと化してしまった… このままでは、輪は崩れる…!!” 少年の頬をただ静かになぜているばかりであった 曰く、紫露の刹那の繊細な指先が、 まるで細糸を紡ぎ上げるやの如くたおやかな動作で狂気の目前へと躍り出ると、 次の瞬間 「うわっ…!!」 狂気の身体は正に弾かれるように身体その全てが勢い伴って宙に投じられ、 受身を取る間もなく気付けば彼は再度となる地に伏すを逃れ得なかった。 地に伏して、狂気は覚えた。 一線、貫くような頭部の激痛。 一貫、突かれるような全身の激痛。 一突、整然と組み合った筋抜かれるような心の激痛。 一筋、額を伝って流れ落ちた生温い感覚。 血だ。 そういえば、紫露の刹那が最後に見せたまるで鬼の如くのその表情が、 弾けて飛んだその瞬間に、 その繊細な指先より揺らぐ水面の如く、 透いて昏い滅紫が視界を覆うようにして広がっていた。 あの滅紫が、 触れもせずに自の身にこれだけのダメージを与えたものだったのかと思えば、 この場においてして、 抗おうことを足掻こうことを戦おうことを この小さな胸に抱くことが、 どれだけ愚かしいかを覚える。 狂気は問う。 「お前は… 俺を殺すつもりなのか…?」 ”そうしたい。けれど…君を殺せばまたシナリオが狂う。 それこそ、取り返しの付かない程に…それはならない。 君は輪の運命の通りに、死ななければならない。 けれど…全てを知った君が、それを成せるとは思えない。だから俺は考えた。 どうすれば、またこの輪を元通りの自然な形に戻すことができるかと。 そして俺は理解したよ。 簡単なことだ。 君を俺のものにしてしまえばいい。” 「…何…!?」 少年がそれを気取った時には最早遅かった。 紫露の刹那は再び、あの笑みを浮かべ少年の伏した所のその寸前へと、 歩を進めていた。 そして屈む。 少年が常に反射を介して目にしていたその見馴れた顔が目前に付いた。 そして差し出す。 先と同様に限りなく優雅な動作を以て差し出された指先が、狂気の額の腹をさした。 そして纏う。 先に少年の視た滅紫が、輪を描いて脈打つように紫露の刹那の指先を取り巻いた。 その刹那 「う、ああっ……! ああああああっっっ!!!!?」 狂気は両腕で掻くようにして頭を抱え込み、 身も目も丸めて、 歯を食いしばり、 本能が叫ぶがままに喚叫を響かせた。 ”君の意志も本来は俺が創りだしたものだったね。 ならば、それを塗り替えることも、この俺ならばできるとは…思わない? そう、簡単な話だったんだ。 生かす事も、殺す事もできないというのならば、 いっそ俺の意の侭に生き、俺の意の侭に死ぬ、 傀儡にしてしまえばいいんだよ。 こんな使い物にならない意志なんて─… 消えちゃえ。” 消える? ── 出来損ないの傀儡の醜さが滑稽だって!! ── 消えるのか? ── 貴様は…必ず、地獄に堕ちるっ!先に逝き待っているぞっ!! ── 消えるの? ── この私の命─…お前に託す。必ず、必ず…生き延びろ! ── 消えるんだ? ── フハハハハハッッ!漸く手に入れたぞ!!私の刀だっ!!! ── そうか ── …泣くな… 幾つになったと…思ってやがる、この、…馬鹿者… ── 消えるのか ── オレは、お前を護りたかった─… オレに希望を見せたお前を… ── 消えているんだ ── 愛してるわ… 私の可愛い子…… ── もしかしたら、これで、良かったのかも知れない ── アタシにはね、アタシの命よりも大切な子がいた… ── でも ── お兄ちゃん…怖いよ、寒いよ!! 鈴の音が…止まらないよぉっ!! ── でも ── あーあ。はやくおっきくなれたらなぁ…お兄ちゃんとずっと一緒にいられるのに ── その前に。 たった、 たった一瞬だけでいい ── お兄ちゃん!!あたしね、大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるんだ! ── あの人たちの ── 大好き!ずっとずっと一緒だよ…お兄ちゃん ── あの笑顔が ── あたしは…カスミっていうの。あなたの、今日からあなたの妹1年生 ── 見れたなら。 →http://peace.poosan.net/bewhite/chara/story/epilogue.htm#e
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