生存 96 日目 天候:晴れ
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アフロな欠片(550) から 木箱 を受け取りました。
木箱 を使用した!
【食料消費】 PetNo.1 EveningStar
蚰蜒「…じゃ、ちょっと糖分を分けて貰いに回ってきます。」
月華(34) からメッセージ
月華「きたはいいものの私何も持ってないし、牛乳あるけど(汗」
月華「ここは1つ! 技能なら誰にも負ける気ないし、手品でも歌でも舞踊でも下位技能ならなんでもやるよ!!」
ディン(45) からメッセージ
ディン「て、兄弟に貰った分の紅茶やるから、これ以上俺のを取るな(/-`)ノ」
黒猫(73) からメッセージ
黒猫「そうそう、ほんとのことを言うと最後に決闘をしたかったよ、まぁもう遅いけどね(笑」
黒猫「じゃ・・・さよならはいわないよ?」
黒猫「またね♪」
るみぃ(115) からメッセージ
るみぃ「私の進むのもそっちの方向になりそーな気がするなー。またよろしくね。(^o^)」
るみぃ(115) からメッセージ
るみぃ「だって、いろいろお話しないといけないしね。えへへ〜。」
レイファス(116) からメッセージ
レイファス「うぅ、なんだか突き刺さるような言葉が聞こえるよぅ」
レイファス「ん、護るものが有る人は凄い強いよね……俺も、強くなりたいな、護る為に……誰にも、負けない位」
レイファス「と、そういえば今日でお終いみたいだね……うん、俺アイさんに会えて良かったよ、色んな事教えてもらったし、凄い話してて楽しかった」
レイファス「また何時か何処かで会えたら良いな、幸せに暮らしてる二人に、さ……それじゃ、えーと……さよならじゃなくて、またね、で!」
V「レイ君レイ君、そんなお別れみたいな事言ってる所悪いけどさ、これからお茶会じゃなかったっけ」
レイファス「あ゛……あはは、えーと、俺もお邪魔させて貰いたいな、オミヤゲも衣装も無くて申し訳無いけど(笑」
メイ(139) からメッセージ
メイ「歌が、うまい事返事になってると良いんだけど…。 でもでも、想いはきっと通じてるよねっ?」
メイ「ふふっ♪ 約束したんだから、ずっとずっと一緒よ。」
アイ(202) は言った
ナナイ(280) からメッセージ
ナナイ「今日はお別れの挨拶ってやつだ。どうにも今日で、通信関係は最後らしいからな」
ナナイ「あんたがこれからどうするかは知らない。ただ、世界を旅していれば、また会うこともあるかもしれないな」
ナナイ「あばよ、アイヴォリー。小さな小さな彼女さんと、よろしく頑張れよ」
Lady Guffaw(526) からメッセージ
Lady Guffaw「はは、魔法使いっつーのはマスターの事か?」
PL「末弥 純の原画会行ってきましたよー!」
PL「それと今回のMAに、勝手に使わせてもらいましたー、済みませんw」
Lady Guffaw(526) からメッセージ
アフロな欠片(550) からメッセージ
ホリィ(597) からメッセージ
ホリィ「アイヴォリーさんはナイトさまを続けられるんですよね?(微笑」
サトム(601) からメッセージ
サトム「でも、”アレ”は僕が死ぬようなことは提案しませんから。まだ、死ぬわけにはいきませんしね。」
サトム「というか、スライムとかコインとか、どっからが首なのかわかったもんじゃないです…。」
サトム「その点僕は手使わなくても投げナイフできますからね!(自慢げ」
PL「「今期はホントお世話になりました…また他ので関わりがありましたらどうぞよろしくお願いします〜。」」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)(659) からメッセージ
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「ここまで・・・多くの人々に支えられてきました・・・これからもそうあって欲しいものです」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「我等のなすべき事に人々の理解が得られれば・・・賛同するものが出てくれば少しはマシな結果になるでしょう」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「もっともそうならなくても我々だけでも最善を尽くすでしょうが・・・」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「最善を尽くせば良い結果が得られる・・・等と言う甘い相手ではない事は十分承知していますが・・・」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「ウィンド殿・・・改めて御礼と・・・謝罪をしなければなりませんな・・・」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「私と『彼』との因縁の所為で・・・貴殿まで巻き込んでしまった・・・申し訳ありません」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「まぁ・・・今更かもしれませんが(苦笑」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「準備がありますのでこれで失礼します用意が整い次第改めてお伺いいたします」
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)「ルミィ君やサトム君にもそのように話してあります。では・・・また後ほど(敬礼」
竜斗(771) からメッセージ
かすみ(871) からメッセージ
かすみ「ちゃんとぉ〜詳しく教えてくださいよぉ〜(爆)」
ルチル(996) からメッセージ
ルチル「(PL:初めまして。前振りを拝見していました。最後なので、思い切ってお邪魔します)」
しおりん(1034) からメッセージ
しおりん「まぁ何といいますか・・・。次回も宜しくですね」
しおりん「ではでは」
架那(1258) からメッセージ
架那「お疲れ様w」
カイア(1330) からメッセージ
か〜まいん【天使気分lv40】(1340) からメッセージ
か〜まいん【天使気分lv40】「お茶会ですか?ありがとうございます。でも、すいません今はちょっと……」
アチェル(1762) からメッセージ
アチェル「今は...何も持っていないんですけど...いつか、私の村の近くにいらしたときは立ち寄ってください...メイさんと一緒に...ね...v美味しい、ハーブティーをごちそうしますから...^-^」
ルビー(1939) からメッセージ
毒流領域 を訓練しました。(CP- 54 )
右手 に 風と翼 を装備しました。 |
叫び声が聞こえる Sui(80) のシャウト! Sui「お疲れ様でシタv」
レス(92) のシャウト!
ヴァル(94) のシャウト!
メイ(139) のシャウト!
リキ(175) のシャウト!
白夜(199) のシャウト!
アイ(202) のシャウト!
エルヴェ(276) のシャウト!
ペロ(357) のシャウト!
クリフ(366) のシャウト!
ι│ι│τ(432) のシャウト!
零華(450) のシャウト!
アフロなアフロなアフロなしま(520) のシャウト!
ハルゼイ&アッシュ(第7213装甲戦闘工兵小隊コンビ)(659) のシャウト!
ディー(669) のシャウト!
せぇな(* ̄▽ ̄) +(671) のシャウト!
ゼル(794) のシャウト!
しるふぃ〜(810) のシャウト!
フィリア(882) のシャウト!
陽気な外交官(915) のシャウト!
アリス(944) のシャウト!
天災姉妹『妹』(980) のシャウト!
かぶげ(1005) のシャウト!
アルバータ(1145) のシャウト!
U'night=Wishstar(1180) のシャウト!
特派員S(1393) のシャウト!
てぃあらん(1527) のシャウト!
ローグ(1633) のシャウト!
リオン(1690) のシャウト!
『疾風』の蒼雅(1696) のシャウト!
『追憶』の紫苑(1743) のシャウト!
やまねこ(1759) のシャウト!
ケイ(1766) のシャウト!
けろん(1856) のシャウト!
ニャンコなうるにゃん(1997) のシャウト!
良牙(2022) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ この島で、二人で探索と冒険を続ける。 最終的に探索者たちが辿り着いた場所。終わりなき、終末の浜辺。昨日の夜はそこに飛ばされて呆然としていた彼らも、今日はいそいそと自らの目的地に向かうために荷物をまとめていた。望んだ場所へと、島の主は送り届けてくれるという。気の早い者は朝も空けぬ内から自らが待ち望んだ場所へと消えていった。それでも、多くの者たちはこの島での生活を名残惜しむように、互いに挨拶を交わしたり、思い出話に花を咲かせたりと、最後の時間を思い思いに過ごしていた。 災厄は去った。探索者たちの一丸となった抵抗により星から来たものは倒れ、襲撃者は駆逐された。だが、それはまた島の終わりをも意味していた。 そんな中、砂浜の一角にとてつもない大きさの天幕が立てられていた。その周囲には机や椅子が並べられ、辺りには白く塗られた木の柵が張り巡らされていた。それぞれの机の上には紅茶のポットが置かれ、椅子の数だけソーサーとカップも用意されている。また様々な大きさの皿の上には、果物やクッキーといった茶請けが用意されていた。 そこが正面なのだろう、柵が途切れた一角にはご丁寧に白いポーチが設えられ、くすんだ白いケープを纏った細身の男がいた。その右肩に小さく輝いて見えるのは彼の大切なパートナーなのだろう。二人はいつもの様にして共にあった。 「よォ、嬢ちゃん。イチバン乗りだぜ。よく来たな。」 「やったー、おかし食べ放題だよね?」 いつもの様にして人を食った笑みを浮かべて手を挙げ、アイヴォリーが始めての来客に挨拶する。ドワーフの英雄の名を継いだ幼く気高き戦士。ルミィ=ナイツはいつもの旅装で、いつものように無邪気な笑みを浮かべている。 「うん、いっぱいあるから遠慮しないでね?」 アイヴォリーの肩で足を遊ばせながら弾けるような微笑みを浮かべ、メイが嬉しそうに言った。幸い最後の日は神様も大目に見てくれたらしい。天気も良く、日の光を燦然と浴びて煌く羽翅をはためかせるその姿は、彼女が信じる風乙女にも負けてはいない。 「まァ入りな……ッてナンだ、このニオイは?」 眉を顰めてアイヴォリーがルミィに顔を近づける。確かに妙に甘い臭いが漂っているような気もしなくもない。 「うん、今日はれいこくな女はんたぁもフェロモン全開なんだよ?」 「ッて、オマエ、後ろに着いてきてるのはナンだアリャッ?!」 ルミィの後ろにはぞろぞろと、その臭いに惹かれたのか動物が集まり始めている。と、奥の方で皿の割れる音がした。何ごとかと天幕の方を覗こうとしたアイヴォリーを押しのけて、薄い黒のドレスを纏った妙齢の女が出てくる。彼女はルミィに飛び掛ると喉を鳴らして顔を擦り付けた。 「うにゃ〜〜〜。」 「あァ〜……嬢ちゃん、とりあえずイヴと奥で遊んでろ。コレ以上ヘンな動物が来たらコマる。」 しっしっと手を振って二人を追い払うアイヴォリーに、後ろから声がかけられた。 「ウィンド殿、ご招待いただき光栄に存じます。このような場に無粋ではあると思いましたが、正装といえばこれしかなかったもので……。」 アイヴォリーが振り返ると軍服で着飾ったハルゼイとアッシュがいた。苦笑したアイヴォリーは手を差し出してハルゼイと握手する。 「イヤイヤ、似合ってるぜ。後ろのにーちゃんもな?」 「お詫びという訳にはいきませんが、これもよろしければ。どうぞ。」 ハルゼイが差し出した大振りの包みを受け取ったアイヴォリーは、その包みをその場で開く。中には色とりどりのキャンディや、果物を使って作ったらしいパイが入っていた。 「ん、マンゴーにパパイヤか。サスガにこの島らしいやな?」 「あっ、アイだけずる〜い!」 一欠け口に放り込んだアイヴォリーを見て非難の声を上げるメイ。苦笑してヤレヤレと呟きながら、アイヴォリーはメイの口にもパイを押し込んでやった。 「そうそう、後、今日は皆さんに楽しんでいただけるものを用意できると思いますよ? “盛大なフィナーレ”に“華”を添えるにはもってこいのものを……。」 「お、ハルゼイテメェもナンか仕込んできやがったな? へへ、アリガトよ。さァ、とりあえず中に入ってクツロいでくれ。最後の日くレェユックリしたってバチは当たらねェさな。」 ハルゼイに奥を手で示すと、すぐに次の客が来ていた。背の低い、黒い影のような少年と青い髪の少女。サトムとホリィだった。 「オヤ、猫のにーちゃんやホカの連中はどうしたよ?」 いつもサトムと行動を共にしていた猫人の青年の姿が見えないので、アイヴォリーはサトムに聞いた。だが何を納得したのか、もしくは勘違いしたのか、一人でうんうんと頷くとにやけた笑いを浮かべてサトムに耳打ちする。 「へっへっへ、お二人さんはゴ一緒に今日一日ごユックリとデートですか。イイねェ、お似合いだぜ?」 「いえ、そっ、そんなんじゃあ……。」 そう言いながらも満更でもなさそうなサトムの後ろではホリィがいつもの如くにこやかに微笑んでいる。肯定も否定もしない。さすがはアイヴォリーも認める“役者”といったところか。アイヴォリーがサトムたちを中に入れると今度はセーラー服の少女がやってくる。 「わー、アイヴォリーさん、ご招待ありがとうございますっ♪」 「オヤ、黒騎士のヤローは一緒じゃねェのか。おかしいな、来ると思ってたんだケド。」 首を傾げるアイヴォリーの後ろですさまじい勢いで砂が撒き散らされると、いつもの黒装束が立っている。いつもながらの含み笑いを漏らしながら“ドリルッ”などとよく分からない技を出しているのは黒騎士だ。 「テメェ、ソレは中ではヤるんじゃねェぞ。影犬とかも出さねェでイイからな。まァ入れ。」 黒騎士を適当にあしらいながら敷地の中へと入れると、次の客は霞と密だった。依頼人とメイド──もしくはボディガードだったかも知れないが──には到底見えない二人組だ。 「おゥ嬢ちゃんににーちゃん、最後までオツカレだったな。……そういや包帯巻きのアッシュはどうした?」 「アッシュさんは〜、荷物をまとめてから来るってぇ〜、言ってましたぁ〜。」 アイヴォリーがそれに答える前に、いつもの格好をした架那と朔夜が何かを担いで戻ってきた。今日はディンブラとともに裏方で使われているらしい。怪しげな黄色い物体が入った大きなたらいを軽々と担いで、架那は朔夜とともにすたすたと入ってくる。 「おい、アイちゃん、これくらいあれば足りるのか?」 どうやら二人はアイヴォリーに頼まれて辺りのサンドジェリーを狩りに行ってたらしい。大きなたらいに山盛りにされているのはサンドジェリーの蛍光色の死骸だった。 「あァ、使っちまって悪ィな。ツイでにもういっちょ頼まれてくれ。奥に残ったタネがあるからよォ、一緒にソコに運んで中に全部ブチまけといてくれねェか。」 「……全部……入れるのか?」 顔を顰めながらも二人は厨房に当たる小さな天幕へと向かっていく。今頃ディンブラがその中で必死で紅茶を精製しているはずだ。 「アイ、またお客さんだよ〜?」 メイの声にアイヴォリーは次の客を出迎えるためにエントランスに走って戻っていく。 + + + 「ヤレヤレ……まァみんな楽しんでるみてェだし、ヨシとしときますかねェ?」 ずずり、と上品とは言えない音を立ててアイヴォリーは紅茶を啜った。テーブルではようやく紅茶の精製から解放されたディンブラがげっそりした様子で座り込んでいる。その横では、メイとアイヴォリーの頼みを聞いてやってきたアッサム、それに架那と朔夜がテーブルを囲んで談笑しており、その横ではネオンがレモンクッキーの皿を囲い込んで貪るように食っていた。 「イヤァ、アッサムさん、悪ィな、レディにまで働かせちまって。」 余り悪いとも思っていなさそうな表情でアイヴォリーがアッサムに向かって指を振ってみせた。穏やかに微笑んでアッサムがそれに答える。 「いえ、せっかくですから他の兄弟たちも使ってくだされば良かったのに。」 「イヤ、知り合いでもねェヤツにまでこんなコトは頼めねェよ。アレ疲れるんだろ?」 アイヴォリーは肩を竦めて彼女が精製したアッサムを飲んでいる。横でやつれて呆然としていたディンブラが白い目でアイヴォリーに突っ込んだ。 「アッサム姉はほとんど出してないだろ……ほとんどディンブラじゃねぇか。」 「ヤレヤレ、ディンブラごくろーさん。」 ディンブラが普段やるようにしてぱたぱたと手を振り、至極適当にディンブラにもいたわりの言葉をかけるアイヴォリー。アッサムにかけているものに対して、はっきり言ってこちらには労わりの気持ちが微塵も感じられない。 「お前なぁ……。大体紅茶搾り出すって、分かってるのか? 俺の紅茶は金やミスリル以上の価値だぞ?」 「まぁまぁ、いいじゃないですか。好きなだけ使ってくださいな。」 いつもながらのアッサムののほほんとした様子に、ディンブラは引きつった表情で答えた。 「……アッサム姉、それだけで人間通貨のどんだけの価値が有ると思ってるんだ?」 「まァイイじゃねェか。カネじゃ人はもてなせねェしよ。同じだけの金やらミスリルが今ココにあったってちっともイキじゃねェさ。」 アイヴォリーの言葉にアッサムも頷きながら同意する。“粋”かどうかはともかく、桁外れの金銭感覚を持つがゆえに、彼女もアイヴォリーの言いたいことが分ったらしい。 「そうそう、美味しいお茶と楽しい時間はどんな価値にも変えがたいですからね。」 彼女の言葉を聞いたアイヴォリーは急に遠い目で、いつかの情景を思い出しているらしい。それまでの調子とは打って変わって静かに、真摯な声音でディンブラに言った。 「……メイがずっとヤリてェッて言ってたんだよ。お茶会をさ。ホントにアリガトな?」 「まぁいいけどな……。」 アイヴォリーの様子に毒気を抜かれて苦笑し、彼を見上げるディンブラも、満更でもなさそうな表情をしている。これだけの人間の“陽”の気が充満することは中々ない。しかもそれが自分の紅茶によってもたらされているというのは、ディンブラのような存在にとってはエネルギー源となるのかも知れない。 「アイ〜、お客さんよ〜?」 入り口からメイの声がアイヴォリーを呼んだ。また誰かやってきたらしい。 「げっ、まだ増えるのか……お前一体何人呼んだんだよ?」 「うはは、イッパイ来てくれリャイイんだケドな?」 恨めしげなディンブラの視線を躱すようにして、笑いながらアイヴォリーは上機嫌で天幕から出て行った。 + + + ハルゼイがフィナーレに添えた“華”で盛大に盛り上げられたお茶会は、それからアイヴォリーの声で解散を告げられた。宴会は終わり、集まった者たちも島の力によって自らの望む所──ある者は故郷、ある者は大切な者の隣、そしてある者はこの島の真の部分にある遺跡──へと去っていった。全員がそこを去った後に、砂地に立てられた大きな天幕や机、椅子、食器などは、ディンブラが砂から創り出したもので、お茶会自体が夢だったかのように一瞬で掻き消えた。ディンブラが魔法で一時に砂へと返したのだった。 辺りにはもうアイヴォリーとメイリーの二人の影しかない。その影も、この島で過ごす最後の一日の終わりを告げるように、長く長く伸びていた。紅に染まった砂地に腰を下ろしたアイヴォリーは、近くに生えていた草を千切って小さく穴を開け、それを口に押し当てる。祭りの終わりに相応しい、優しくも物悲しい音が旋律を伴って辺りに響いた。一旦草笛から口を外したアイヴォリーは、砂の向こうで夕日に赤く染まる海を見つめたまま右肩に座っている彼の姫君に呟いた。 「……なァ、メイ……聴いてくれるか。オレはこの前、大切な人から歌を貰った。だから、今度は、自分の言葉で想いを伝えてェんだ。借りモノじゃなく、自分の言葉で。」 草笛が奏でた旋律が、今度はアイヴォリーの口から零れる様に、囁きかける様に流れ始めた。 冥い冥い闇の中、僕は宝物を探して ずっと暗闇に怯えて逃げ回っていたけど それでも欲しかった、僕だけの宝物が 僕だけの、僕だけが大切にできる宝物が そっと小さな世界の中、僕はその蓋を開いて そよぐ風と森の囁き、風と翼 その中で見つけたんだ、僕だけの宝物を 僕だけの、とても小さな優しくて白い光 ほら、羽をひろげて 僕がどこまでも送り届けてあげる 君の信じる風は、きっと優しくて途切れない ほら、どこまでも行こう 僕がいつまでも傍にいてあげる 君を護ってる風は、いつも強靭で吹き止まない 僕は、そんな風になりたかったんだ 僕だけの宝物を優しく包めるような、吹き止まない風に ワンコーラスが終わるとそれに合わせる様にして、小さな歌姫が歌い始めた。アイヴォリーは彼女の意図を察してもう一度始めから歌い始める。アイヴォリーの旋律に合わせ、お互いの歌を追う様に、追われる様に、先に後になりながら、自然と調和の取れた二人の歌声が響く。 ほら、僕は見つけた 僕をどこまでも導いてくれる宝物 僕の信じる光は、いつも優しくて迷わない ほら、どこまでも行こう 僕をいつまでも強くしてくれる宝物 僕が信じる光は、きっと微笑んで振り向かない 僕が、そうして光に包まれてるんだ 僕が苦しんでもまた立ち上がれるような、煌いてる光に だからどこまでも、だからいつまでも 二人で最後の部分を歌い終わると、思わず目が合って、二人で優しく微笑みあう。ふふ、と小さく忍ぶように笑い声を漏らしたメイが今度はアイヴォリーに語りかけた。 「ボクもね、同じ事考えてたんだ。今度は誰かが歌ってた歌じゃなくて、ボクだけが歌える歌を、ボクが捧げたいと思う人だけに歌いたいって。……聴いてくれる?」 メイが歌いだしたその歌に、今度はアイヴォリーが彼女にやったようにして歌を重ねた。何を打ち合わせた訳でもなく、それでもお互いに語り合う様に、確認し合う様に、息の合った二人の歌が二人だけの砂地に響く。 ずっとずっと忘れはしないさ 初めて会ったあの日から何もかも 一度目は他にするように飯をくれて 二度目はぼろぼろになるまで戦った それからいつも傍に居て 傍にいられるだけで嬉しくて 盗んだつもりが盗まれてたなんて 盗賊の誇りにかけて言えないけど 編み込まれたお下げのブロンド 君は知ってるかい? 撫でてるだけで安心するんだ 薄く煌く羽の軌跡 君は気付いてるかい? その光がどんな時でも俺の力になる ご機嫌損ねてむくれた膨れ面も クリームが鼻に付きっ放しのご満悦の笑みも 俺の名前を呼んで微笑う 全部が大好きだ 俺の愛するお姫様 今日はどこまで行こうか 長く重ねた二人の毎日 でもまだ全て君を知ってる訳じゃない いつこの儚い輝きが消えるかと 胸を締めつけて夜も眠れないんだ 暗い話なんてしたくない 捨てたもので泣きたくもない でもそんな事があったから ずっと俺は護っていける 二人を包む穏やかな風 きっと大丈夫 導かれるままどこまでも行こう 二人を包む優しい風 きっと大丈夫 吹き続ける限りずっと先まで いつも負けずに浮かべてる強い笑みも たまに先を見つめる真摯な翠の瞳も 俺の名前を呼んで微笑う 全部が大好きさ 俺の愛するお姫様 明日はどこまで行こうか 君の心の優しい翼 壁を越える翼だから 俺の右肩の白い輝き ずっとずっと傍にいるさ もう一度二人で優しく微笑み合って、心を繋げて。今までやってきたように強く、優しく。沈んでいく夕日に目を細め、アイヴォリーは彼女を落とさない様にそっと立ち上がった。 「ソロソロオレたちも行くか、お姫サマ。竜か、不死鳥か。次はナニが見てェよ?」 「ボクはアイが行く所なら、どこでもいいよ。」 その答えに思わず苦笑したアイヴォリーは、ケープに付いた砂を払うと島の奥を振り返る。幻でない真の島。そこにある筈の遺跡。その中では宝玉に近い物が眠っているという。 「シーフが宝モノ見過ごしたとあッチャ、名折れだよな?」 くすりと笑ったメイの髪を撫で、藍に染まり行く空を見上げる。二人なら、どんな壁だって越えられる。どんな遺跡だって制覇出来る。そこには、また新しい二人の冒険がある筈だ。 「ヨシッ、決まった。行くぞ、メイッ!」 「うんっ、どこまでも一緒に行こう♪」 目を閉じた二人は、未だ見ぬ冒険を思い描く。二人で創っていく冒険を。 砂地に微風が吹き、砂が巻き上げられた後にはもう誰もいなかった。
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最後に、島内トーナメントおよびキャラクターランキングを実施します。 それらの詳細は 島内トーナメントは こちら キャラクターランキングは こちら を参照してください。
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