日記一覧(E-No1〜100)

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E-No3 ユーディト
…。

色々あったけど、此処での生活は楽しかったわ。
仕切り直しなんて事態になるとは思わなかったけど。


全員外へ帰されると聞いたときは…ちょっと焦った、けど。
此処へ残る選択肢も用意されて一安心ね。



さて、と。
次、いつ会えるか分からない子もいるし、挨拶回りを済ませてきちゃいましょうか。

その後は、召喚士さん達とお茶……の前に訓練かしら。

協力すると言ったからには、応えられる程度の力も欲しいもの。



今の力は依代として、置いていこうと思う。
次は―― 今とは違う力で戦おうと思う。
…。

色々あったけど、此処での生活は楽しかったわ。
仕切り直しなんて事態になるとは思わなかったけど。


全員外へ帰されると聞いたときは…ちょっと焦った、けど。<…

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E-No8 ファーナシア=エスティドート
もう少しでMVP1位だったのね。
ふふ、最後の最後で惜しい事をしたわね…。

まだ戦いは終わらないわ…。


でも、しばし羽を休めるとしましょう…。
E-No10 ソフィア=B=アテーナー
流れ星のように人の魂が帰っていく。
ある小高い丘の上、召喚師によって帰ってい英雄たちの魂。
その場にソフィアと、マリアの姿もあった。

「……本当にいいの? ソフィア」

――あぁ。私にはまだやり残したことがあるからな。

問うと心の中で返事が返ってきて、マリアはくすりと笑った。
いつの間にか二人でいるのが当然だった。
ソフィアがいるから、どんな敵の前に立っても怖くなかった。


流れ星が逆回りするように、光となって帰っていく英雄たち。
綺麗だ。素直にそう思った。
今まで肩を並べて戦ってきた者たちと、もう、会えない。
それは寂しかった。
でも、彼らの中にだってあたしみたいな普通の人がいる。
ただ普通の生活をしていたのに、異世界に飛ばされて。
そこであたしたちの為に一生懸命戦ってくれたんだ。
……ソフィアも。


 帰る場所がないから?
茶化すように効くつもりだったのに、つい真剣な感情が出てしまった。
たとえ元の世界に帰ったとしても、ソフィアの国はもう、無い。

――それも無いとは言わないが。だが、実際は別のところにある。

 何?

――……私には義務があるからな。

 義務ってこの世界を救う義務? ここは、あなたの世界じゃないのよ?

――我々には義務がある。
――Noblesse oblige!
――高貴ゆえの責任!
――自らを高貴たらんとするものは、
――それゆえに大いなる責任を持たなくてはならない!
――我々が享受した利権の代わりに、何ゆえ返すものがないというのか。
――立て、そして剣をとれ。
――我々が高貴であるがゆえに!

 誰の言葉?

――私が師と仰ぐ、騎士公と呼ばれたシュナイゼル伯の言葉だ。

 ソフィアの思い人?

――なっ 何をバカなことを!それに伯は、私よりふた回り近くも年上だぞ!

 あら、恋愛に歳は関係ないのよ?

――先の言葉は、私の国が大戦に入った直後に伯が遺した言葉だ。
――彼とその私兵は、領民を逃がすために勇敢に抗戦して。
――……全ての民を逃がしたあとで、一人残らず戦死したそうだ。

 ……そう。

――私の父に当たる人だった。
――彼のもとで私は幼少時代を過ごし、そして精神を学んだ。
――高貴たろうとするものは、その責任を果たさなくてはならない。
――私には、まだやるべきことがあるんだ。
――……もっとも、マリアが体を返してほしいというなら、すぐにでも返そう。

 あたしは。
 あたしは、いいのよ。
 ただの村娘だったあたしが、こうして刺激的な毎日を送れるのは、あなたのおかげなんだから。

――しかし、これから先は英雄も減りさらに危険が――

 それに、あたしはあなたが好きよ。
 帰ったら二度と会えなくなるでしょう?
 ……それは寂しいわ。

――……そうか。
――ならば誓おう。お前の守護を、この盾に。


ふわり、盾をあたしの腕が持ち上げる。
あたしだけでは絶対に持ち上がらないその盾を、ソフィアは軽く扱って見せる。
そうして救うのだ。多くの者たちの命を。
そうやって、ずっと走ってきた。


「有難うソフィア。きっとあなたなら。……ううん、あたしたちなら、この世界も護れるよ」

――あぁ、きっといつか。この空に再び光をともすために。





召喚師のいる丘を後にするとき、あたしはもう振り返らなかった。
別れは、さみしい。でもこれからもずっと、一緒にいる仲間もいるのだ。
隣を一緒に降りる剣士がいる。魔導師もいた。
ただの屋台のおじさんや、猫までいる。
彼らがこの世界を守ってくれる。
そしてあたしも。
彼らが力を貸してくれたのだから、絶対にこの世界を救ってみせる。

手にした盾の柄を、ぎゅっと握り締めた。
初めて手にした時には重かったそれが、いつの間にか手になじんでいるように感じた。
流れ星のように人の魂が帰っていく。
ある小高い丘の上、召喚師によって帰ってい英雄たちの魂。
その場にソフィアと、マリアの姿もあった。

「……本当にいいの? ソフィア」


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E-No20 ユーティ=カタヤイネン
このカレイディアでの戦いの中、考える時間は沢山あって、
この私らしくもなく――私は考えた。

冷静に振り返ってみると反カタヤイネン組織って怪しいわよね。
やっている事は環境保護を謳い文句にしたテロ活動と利権漁りだし、
ちょっと私も頭に血が昇っていたかしら?
天地を浚った真犯人って、もしかして『パパ』じゃなくて――

色々と調べてみる必要がありそうだわ。
それに天地もそろそろ一人立ちさせないとね。
いつまでも私が横にいられる訳じゃない。

そもそも、今の私では一人で【組織】に対抗するには力不足だわ。
天地は『腕』が信頼できる人のところに預けないと。
そうね。あの事務所がいいかしら?
お金さえ払えば零細だけど腕は一流、人間は二流(品性は三流)。

単純に手達ならサイファーさんに連絡がつけば一番なんだけど、
エリィさんやミサイアさんと同じく行方知らずだしなぁ。
この際、お金で何とかできる選択肢をとるべきね。


そして私は――――
このカレイディアでの戦いの中、考える時間は沢山あって、
この私らしくもなく――私は考えた。

冷静に振り返ってみると反カタヤイネン組織って怪しいわよね。
やっている事は環境保護…

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E-No21 梔子 言無
元の世界に帰れることになりました。
こちらも悪くないですけど一度は戻らないと鶫も心配しているでしょうし、おとなしく帰ることにします。

―――――――――――――――

石を削る音が響く、その度に文字が刻み込まれていく。
その文字は魔術の刻印、形ある言霊。
アトリエ工房で武具に魔力を宿すために幾度となく使っていたそれを一心に刻んでいく。
そこに込められるものは魂、自らがここにいたという証。
いつかまたここに立つのは自身か、あるいは他の誰かなのか。
いずれにしても今はただこれを残すことだけに力を注ぐ。

刻まれた文字に手をかざして。
願いを込めて。
祈りを捧げて。
想いを乗せて。
全てを置いて。

「さようなら、また、会う日、まで」

言葉を残して。

そして、いなくなった。

―――――――――――――――

「姉様?」

懐かしい声が聞こえた。

「ただいま。ちゃんと、帰って、来れました、ね」

あちらに行ったときと同じように突然消えて突然現れた、のだと思う。
そこには驚いた様子の妹、鶫がいた。

「ただいま。じゃないですよ急にいなくなってどこに行っていたのですか」
「ちょっと、かれいでぃあ、へ」
「かれいでぃあとは、どこです? ってどうせ聞くだけ無駄ですね」
「かれいでぃあ、は、かれいでぃあ」
「はいはい、それより姉様が帰って来たこと母様にもお知らせしなくては」

鶫が歩き出す、それを追って視線を動かして、ふと周りの風景に目がいく。
そこにあったのは秋、木々が赤く色付き枯葉と枯草が地面を覆う、旅立つ前と同じ秋の風景。

「こちらでは、どれくらいの、時間が、経っていた、のですか?」
「季節が一巡りする程です、姉様がいない間はとても忙しかったのですよ」
「そうですか、100年、とかで、なくて、よかった、です」

鶫はよくわからないと言った表情を浮かべ、しかしこの姉にそれはいつものことと思いなおして気にせず歩いて行く。
言無も懐かしい風景を眺めながら鶫の後を追って歩きだす。
と、少し進んでまた立ち止まって振り返り。

「さようなら」

そして言無は元の世界、元いた場所、元の生活に戻っていく。
言無が再び旅立つ日は訪れるのか、今はまだわからない。
元の世界に帰れることになりました。
こちらも悪くないですけど一度は戻らないと鶫も心配しているでしょうし、おとなしく帰ることにします。

―――――――――――――――



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E-No28 リリスリア・アシククシア
日記は貫かれました!
E-No40 宇都宮 故
見上げる星空に、流星が流れる。
今日はやけにそれが多いように感じるのは、もしかしたら故郷に帰る英雄たちの魂が星として見えているのかもしれない。
本陣から離れ、寝転がり空を見ているとそんなことを思ったりする。

誰かと別れを惜しみつつ、やっと帰れると安堵しつつ、後ろ髪を引かれつつ。
待つ人がいる場所に、帰るべき世界へと還って行く英雄たち。
そんな静かな熱気に包まれた本陣も、帰らないことを選択した自分には余り関係なく。
もちろん、帰る人へと別れの言葉をかける、という選択肢もあるのだが、もう縁があった人には挨拶しているのでさほど必要性があるわけでもない。
それよりも、ひとつの終わりという孤独感に浸りたくて。
こうして広い原に大の字で、空だけを見上げている。

――またひとつ、流星が空を流れた。

くしゅんとくしゃみをひとつ。
あまり現世の理に縛られない英雄の身ではあるが、地面と空気に熱を吸われると流石に寒さが身に染みてくる。

でももうしばらく、こうしていよう。
そして、帰ったら残った物好き達の顔ぶれを確認しよう。
それから――次の出番があるときまでに、上着を繕ったり、あったかい料理の作り方を思い出したりしよう。

そんな益体もないことの決意を胸の中で固めつつ。
終わりの時間を過ごした。
見上げる星空に、流星が流れる。
今日はやけにそれが多いように感じるのは、もしかしたら故郷に帰る英雄たちの魂が星として見えているのかもしれない。
本陣から離れ、寝転がり空を見ているとそんなこ…

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E-No42 籠女・アスタリスク
戦いが…終わって…
決断の日が…きた…らしいの…
私?
どうしよう…
籠の…中の…鳥だから…
また…すぐに…この懐かしい世界に…囚われにくる…
そんな気がするし…多分…私も…

そ れ を 望 む の !
戦いが…終わって…
決断の日が…きた…らしいの…
私?
どうしよう…
籠の…中の…鳥だから…
また…すぐに…この懐かしい世界に…囚われにくる…
そんな気がするし…多…

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E-No44 猫の国
猫の国―歴史
(よろしければプロフィールのアイコンと見比べてどうぞ!)


鷹の目期
―タカがクマを下しボスになる 独裁スイッチ
―けんじがカレイディアに召還される 
 猫に化け潜んでいた為猫達が巻き込まれた
―ネクラの足止めがすさまじかったので
 タカ・クマは消耗し死地を求め行方をくらます

タカ(No0)
『のら猫』の体制を作り上げた、支配者の才覚を持つ猫。
血塗れ闘技場にてクマ(No2)と行方不明に。後に生存が確認、帰還。
元の世界に戻ったタカは、益々独裁者として増徴していった。
サメ(No1)ガゼル(No10)マンタ(No11)ワニ(No12)などを加え
後に『猫の帝国』と呼ばれる有象無象の生物のかき集めで作られた侵略軍隊を作り
只管力による制圧を試み、
気高さ、美学のみに生きることを強制し、世界各地に焼け野が原を敷いていった。


犬の鼻期
―急遽ケンが一応のトップに
―一心不乱に鳥を追い崖から転落 ケン鳥葬
 サムライイーグル強いな!
―けんじは断りきれずくじらをコンファイン
鯨吼期
―くじらはのら猫達をひと呑みにしてしまった
 離れた場所にいた猫とけんじのみが残る
―生き残り子猫がくじらを殺す のら達復活
―ケンとくじらの墓は並べて

くじら(No4)
大きさこそが絶対の価値だと信じている、哲学好きの猫。
対して親しくもなかった友人、
ケン(No3)の死亡により、人生が変わってしまった。
巨大な空を飛ぶ鯨に姿を変え、ケンの死因となった鳥類を飲み込み、
ケンの転落した崖を崩れ殺し、一度はのら猫を滅ぼしすらしたが、真意は読めない。
仔猫によって墜落させられた後けんじにより葬られ、カレイディアに墓が残った。
レオ(No5)
流産した女の子の赤ん坊変わりに飼われていた美しい飼い猫。
自立を目指し行方をくらます。
血塗れ闘技場でタカと再開し、稽古をつけられ身心共に強くなった。
後にその時の経験と出会いを生かしアンデットの奴隷群を従えることを覚え、
『猫の亡国』と呼ばれる亡者の王として君臨する。
仔猫(No6)
生き物を殺す宿命の元に生まれた猫。
子供の手におさまる様な小さな体で空を覆う鯨を殺し、
墜落に巻き込まれ自身も命を落とす。育ての親にせがんだが、ついに名前を得ることができなかった。
けんじによって、死亡直前に荒らした花畑に葬られた。
けんじは仔猫が、自身のありように関わらず
尽くされ愛される『花』という存在に嫉妬したのではないかと考えている。


毒トカゲ期
―ボス権争い?興味ないよ!
 (けんじ、カレイディア学院潜入期)
―心境の変化?トカゲボスに名乗り出る
 サソリそれを阻止
―山猫の生き残り全滅 
 祭祀MAPいつもの倍位死んでる

トカゲ(No7)
わがままで横暴な狂人じみたサディストの猫。
幼少の頃、群で一番小さく弱かった自分に対するコンプレックスからか、
他者は自分を見捨てるという事を口癖のように言っていた。
結果的に、言葉通り最も信頼していた兄のような存在・サソリと
けんじに見捨てられ、転落死する。
後に、トカゲのもう知れないところで、サソリはトカゲの後追い自殺をした。
毒トカゲ部隊のキリン(No8)とコウモリ(No9)は、『猫の帝国』に入る。
憧れであり友人であったリーダー・トカゲの死亡に心にぽっかり穴が開いたようだ。


親衛隊期
―繰上げでワニがボスに 親衛隊がタカ捜索

ガゼル(No10)
犬の様に隷従する、猫系の実験生物。
タカを絶対の価値とし、その意のままに従い
研究所から自分を救い出し、衰弱した自分を何年もかけ育て上げてくれた
人間の飼い主を殺している。
後にその事がけんじにばれ、のら猫とけんじが決裂するきっかけとなる。


-------------------------------------

ミケ(No15)
人間好きで挙動のおかしい発明家の猫。
のら猫とけんじ、及び人間との対立の際は猫の側に付いた。
けんじとタカを同じくらい心から好きでいた為、
神の如く知恵を持ち、一人で生きていけるけんじより
いつでも捨て身で一度死亡説が流れたタカの味方をした方が
両方を生かす結果に繋がるだろうと判断した。
後に人間の世界で原子力発電の基礎を作り『猫の科学者』と呼ばれる大発明家になる。
人間の世界では、博士は飼い猫をリモコン操作して部下に指示を出す変人と思われている

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けんじ(No21)
人間が動物に変身すること、人間と動物が会話することを可能にした賢者。
不老不死の体を持つが、同時に成長も出来ない枷を背負っている。
その為、知識は増えてもいつまでも子供じみた万能感・独善でしか行動しない。
自身の定めた法の天秤に発展途上である新生物『猫の国』をかけたが、
二匹の天才・タカとミケによって国を追い出されてしまう。
それからはまた、これまでと同じように適当に広い世界を見て、賢者面して旅を続けている
猫の国―歴史
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鷹の目期
―タカがクマを下しボスになる 独裁スイッチ
―けんじがカレイディアに召還され…

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E-No45 ディレイル
ウマー
          =  
( ・ω・)ノシ   =  ∈(・ω・ )∋




   もくひょうたっせい

     ∩(・ω・)∩ ∈(・ω・)∋




   まただむるひまで

  (・ω・ ) =    ヾ(・ω・ )∋
ウマー
          =  
( ・ω・)ノシ   =  ∈(・ω・ )∋




   もくひょうたっせい

     ∩(・ω・…

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E-No46 レシィ・ルートジット
一度目ぇかけたヤツを放っちまったら…



あの人やアイツ等に笑われちまうぜ
E-No47 田中 流星
最後は戦場から逃げるじゃなく戦場を逃げ回ることしかできなかったなぁ
まぁ・・・それもそれでってか
しばらくぶらつくか
E-No49 オデン・ノーグ濁山
最終日。

得た記憶や知識を僕たちに持たせて
自分自身へと送り、調律を済ませる。
これでこの常闇世界が再開されても、私の力は
何かしらの形で残るだろう。

思い残すことが無いと言えば嘘になる。
ここに来る英雄達は皆、気の良い魂ばかりだった。
もっと戦神としての応援をしたかったし、
もっと皆の装備に力を与えたかったし、
もっとおでんを食べさせてあげたかった。
もっと、を挙げればきりがない。

だが、後悔もまた、ない。
見守るのが神の役目ならば、
見送るのもまた神の役目なのだろう。

さて、そろそろ時間だ。
依代から離れた魂はしばしの眠りに就く。
再び英雄達の一行に加われるのか、
それともこの世界に溶け込むのか。
はたまた別の――

ともあれ、己が未来を見ることなく
のんびり待ってみるのもまた、面白いものなのである。











おでん屋台ぐんぐにる、本日は『準備中』です。

おでん屋台ぐんぐにる、本日は『準備中』です。

おでん屋台ぐんぐにる、本日は『準備中』です。

おでん屋台ぐんぐにる、本日は――――――
最終日。

得た記憶や知識を僕たちに持たせて
自分自身へと送り、調律を済ませる。
これでこの常闇世界が再開されても、私の力は
何かしらの形で残るだろう。

思…

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E-No50 カルセオラリア
戦いが一時休戦になるという事で、元の世界に帰るのか、カレイディアに残り次の戦いを待つのか、選択しなければならなくなりました。
帰った場合は、英雄ではない私は戦いが再度始まっても恐らくはこの世界に呼ばれる事はないと思うのでどうするか迷いましたが、やっぱり帰る事にしました。
この世界の事も気になりますが、やっぱり私の事を心配して待ってくれている友人がいる元の世界に帰りたいし、帰らなければなりません。

たくさんのパンを焼いて、お世話になった方々にお別れの挨拶をしながら渡してきました。

レジーさんはここに残ると聞いて、帰ると決めた気持ちが揺れてしまいましたが、こんな弱い気持ちに流されるようにして残ってはいけません。
でも、帰ってそれっきり二度と会えないなんて嫌です。
だから、再びここに戻って来よう、と決意しました。
一度帰って、再びここに呼ばれるような英雄になれるようにがんばろう……と。


別れの挨拶も済んで、元の世界に戻してもらうべく、召喚士さんのもとに向かっていた時、サチ司書らしき人物に呼び止められました。
私の求めていた最強の『イメージ』を伝えてほしい、との事です。
何でも、それを依代の欠片にするのだとか。
最強と言われ、英雄さんたちの顔も思い浮かびましたが、彼らのイメージは彼ら自身が残していくと思われます。
そうなると、答えはひとつです。

私は、元の世界で私の帰りを待っている友人・ガーベラさんのイメージを伝えました。

ガーベラさんには、何度も危ないところを助けてもらいました。
銃を持った集団に囲まれても怯まない強さと、どんな時でも弱き者を助ける優しさ。
ここで出会った英雄さんたちにも負けない、と自信を持って言えます。
イメージを伝えるためにガーベラさんの事を改めて思い浮かべていたら、何だかガーベラさんとレジーさんは似ている様な気がしました。


イメージを伝え終えたら、再び召喚士さんのもとへ向かいました。

『そう、帰るのね。』

「はい。今までお世話になりました。ありがとうございます。」

いろいろお世話になったので、お礼を言いました。
その言葉に、召喚士さんは静かに頷いてくれました。

「すみません、帰る前にひとつだけ……」

『何かしら?』

「もしまた英雄さんたちを召喚する時が来たら、私も呼んでいただきたいんです。
私はパンを焼く事くらいでしか役に立てませんし、英雄でない私を呼び出すメリットがない事はわかってますけど、戦いもがんばりますから……」

無謀なお願いという事はわかっているので、どうしても声が震えてしまいます。

『何を言っているのかしら。』

「……そ、そうですよね、すみません。せっかく呼び出すのでしたら、私を呼ばずに一人でも多くの英雄さんを呼びますよね……。」

『10番目の英雄王。役に立たないどころか、あなたも立派な英雄の一人よ。』

「えっ?私、戦いになっても怖くて前には出れないし、銃を撃っても手が震えて当たらない事が多かったですし……」

『でも、あなたの仕掛けた罠や、あなたの応援は、英雄たちを何度も救ってくれたわ。』

自分なりに出来ることを考えて試行錯誤しながら仕掛けていた罠や、最前線に立つ英雄さんたちにせめて応援だけでもと思っておくったエールが、きちんと英雄さんたちの助けになっていた事を知って、何だか嬉しくなりました。


『そろそろあなたを帰してもいいかしら?他の英雄たちも帰さなくてはいけないから、あまり時間がないの。』

「あ、す、すみません。帰していただいて、大丈夫です。」

『そう。では、はじめるわ……』

召喚士さんのその言葉を聞いたのを最後に、私の意識は途切れていき……
意識が途切れる直前に見たのは、見送りに来てくれていたレジーさんの姿でした。

(レジーさん、きっとまた、戻ってきますね)

私は静かに目を閉じた。



(この続きは後日、ブログにエピローグとして書きます。)
戦いが一時休戦になるという事で、元の世界に帰るのか、カレイディアに残り次の戦いを待つのか、選択しなければならなくなりました。
帰った場合は、英雄ではない私は戦いが再度始まっても恐らくはこの世界に…

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E-No52 アル・マリク
「一度元の世界へ戻す」

祭祀殿の奥深くに設えられた星空を仰ぐ祭壇で、『彼女』を退けた召喚士が英雄達に発表したその言葉に我は耳を疑うた。
何せこの世界の闇を払うまで戦うと、重い定めていたのだ。このように戦半ばにしてその任を解かれるとは思わなんだ。

再び力を蓄え、英雄達の魂を召喚し直し立ち上がるその日までこの地に残ると言う選択も用意されているようなのだが、かそうするつもりにはならなかった。

「元の世界」

その言葉を聞いた瞬間に、乾いた砂の大地と、其処に残して来た我の国……我の置かれた状況そのものが思い出されたのだ。
それは決して大河の奔流が押し寄せるような激しいものではなかったが、乾いた砂地に見る間に泉が湧き出るように染み出して満たして行った。


「王」


しもべの呼ぶその名が、如何に現実の己にとって皮肉なものか思い出されて口元に苦笑いが浮かぶ。
然しその名を否定する事は出来ない。
我が欲し続けたものなのだから。


「お戻りになられる前に、王の力を受け継ぐ依代を残す事が出来る、との事ですが」


召喚士からの通達状を静かに読み上げるこの女の姿は、やはり我の記憶に見当たるものではなかった。
白き肌、金色の髪この常闇の地でも特別とされるらしいその色彩は、我の故郷でもまた同じく尊ばれる血筋にのみ現れるもので、決して「我」に仕える立場にあるはずもなく
ましてや彼女の名乗る『マナート』と言う名は、


王?」


思案の底に沈む我へと赤い目が向けられた。

「ああ。……何だったか、依代をな」

本来ならば、この地の住人の誰かに 今使っているこの体に力を残すと言う話であったのだろう。
然し、我は再びの要請に応える事は出来そうにない。

思い出してしまえば、我を必要としているあの国を残して戦に身を投じる事は選択肢に無いのだ。
だから、この力が使える内に残して行こう。
妄想を、思い描いたものを形に出来るこの力で、闇を払う為の礎を。



次期開始までにエピローグ予定

登録した依代

依り代325(ブラックスミス−テンコ主任のお墨付き)
男性、年齢30代前半〜半ば
名前:ミシュアル (Meshal 松明、の意味)
「一度元の世界へ戻す」

祭祀殿の奥深くに設えられた星空を仰ぐ祭壇で、『彼女』を退けた召喚士が英雄達に発表したその言葉に我は耳を疑うた。
何せこの世界の闇を払うまで戦うと、重い…

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E-No53 佐々塚 筅
うん、決めた!

こっちに呼ばれてから色んな事を体験してきた。
正直最初は適当に浮かれてヒーローごっこな気分だった。
でも、これは現実なんだ。少なくともこの世界に住む人達にとっては。
お世話になった人、口煩かった人、なんか面白おかしな人、
やばい人、みんな消えちゃった。
初めからいなかったかのように跡形も無く・・・

だから私は決めた、最後まで一緒に行こうと。
今更引き返せないよ、みんなみんな大好きだもん!

お父さん、お母さん、それに友達や学校の先生は心配するかな?
それともこれは一晩の夢で終わっちゃうのかな?
残る私は解らないけど、返る人達にはこの世界の事を覚えていて欲しいな。
そしてまたいつか一緒に歩こうよ、この眩い常闇の世界を。


ふふっ、それじゃあまたね!
うん、決めた!

こっちに呼ばれてから色んな事を体験してきた。
正直最初は適当に浮かれてヒーローごっこな気分だった。
でも、これは現実なんだ。少なくともこの世界に住む人達にとっ…

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E-No54 久死 奏
ひつじは眠ったままです。
そんなひつじさんを撫でていると、奏もなんだか眠たくなってきました。。


ZZzzzz……




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カレイディアの部分はこれだけでおっけです。。


4期も一応奏での参戦を予定しています。




本来いた世界招かれた世界更にもうひとつ世界を飛んでカレイディア最初招かれた世界本来いた世界カレイディア

と、今期終了時点の奏と、来期開始時の奏は微妙に違うかもです。



……奏以外での参戦もあるかもしれませんけどね。

探究心リンケージさんで発言した内容ととかぶるのですが、、

この駄無が自分の理想を上回るランキング成績やキャラの能力を9割方運で手に入れてここまで突き進んでこれました。

初期は探索で戦闘何て無理って言われてばかりだったところ、
戦闘系探索も型のひとつとして確立できたようで非常に嬉しい限りです。
……まぁ、それをしたのはあたしじゃないと思うけど。

探索系は「やりきった」感があるので、あえて別のタイプか、
それともまた忍者か怪盗辺りを目指すのか。。

全然につまってませんが、来期もまた参加する予定です。

また、よろしくお願いしますね。

では、ここあたりで失礼します。

めぇぇぇぇ
ひつじは眠ったままです。
そんなひつじさんを撫でていると、奏もなんだか眠たくなってきました。。


ZZzzzz……




----------…

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E-No58 マーヤ=クルス
もう、帰ろう。
E-No63 芝生の女王
女王はいつでも芝生にいます。
E-No67 東雲 黄金
幸せな夢を見ました。
黄金さんと照さんと・・・廻々さんがいて、皆で笑顔で帰る夢でした。

でも

寝て見る夢は覚めるものだから、ずっとここにはいれません。

私は起きて見る夢を叶えに行かなきゃなりません。

だから

私はこの世界に残ります。いつかまた、始まりの時が来るまで、待ち続けます。

-------------------------------------------
もうこの姿でいる意味もないか・・・。

廻々さんの姿を真似ては見たものの収穫はあんまりなかったかな・・・。

ん、やっぱり元の姿のほうが落ち着くね。これなら最初からこれでもよかったかな

ん、そういえばなんか召喚士さんがイメージとか依代とか言ってたっけ・・・。

うーん

うん、こうしよう。これがいい。

私が残す最強のイメージは・・・
幸せな夢を見ました。
黄金さんと照さんと・・・廻々さんがいて、皆で笑顔で帰る夢でした。

でも

寝て見る夢は覚めるものだから、ずっとここにはいれません。



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E-No69 キャロル・クリスマス

私、帰らなきゃ……。

クリスマスまであとちょっと、

この世界じゃない、私の世界で、

私の運ぶプレゼントを楽しみにしてくれるこどもたちがいるから。


ごめんね、召喚士さん。

でも、また今度、配達が終わったあと、それでも私の力が必要なら、

また呼んでね、すぐにいくから。


さ、今年の冬は忙しそう。

帰ったらすぐに支度を始めないとっ


さようなら、この世界のみんな。

また会える日までっ

私、帰らなきゃ……。

クリスマスまであとちょっと、

この世界じゃない、私の世界で、

私の運ぶプレゼントを楽しみにしてくれるこどもたちがいるから。
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E-No72 放浪の格闘家
俺は悩んだ。
本当に悩んだ、これだけ頭を使ったのはいつ以来だろう。
確か小学生の時に、知恵熱をだしてぶっ倒れた日以来だったような気がするが、確証はない。

召喚士の体調がおかしい、しばらく時間がかかる。

俺は一度帰るべきか…本当に悩んだ。

まだ、七法は極めてはいない。
否、一生極めることはないだろうし、極めたなどと思ってはいけない…思った時点で、進化はなくなるのだから。

まだ師匠には聞きたいことはあるが、そんな俺を師匠は――やめておこう、わかってるんだ、その表情がすべてを物語っているんだ。

いつまでも、頼っていてはいけないということを。


一度、帰ろう。
そして、また戻ってこよう。

この依代は、残しておこう。
例え俺が帰ってこれなくなったとしても、誰かが使ってくれれば、それでいい。

俺は――俺ということに変わりはないのだから。

だから、帰ろう。

そして――――――。



ここで、日記は途切れていた。
彼は、この常闇の世界に戻ってこれたのか?
記録は残っていない、彼が戦う姿はあったという報告はあるが、本当に『彼』なのかは誰にも分らなかった。

俺は悩んだ。
本当に悩んだ、これだけ頭を使ったのはいつ以来だろう。
確か小学生の時に、知恵熱をだしてぶっ倒れた日以来だったような気がするが、確証はない。

召喚士の体調がおかし…

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E-No74 サクラ・ログナール・イリーズ
世界が終わる・・・。
ふふっ
ふふふふっ
ふふふふっ
ふふふふっ
あーっはっはっはっはっはっはっはっ!!



だから?
勝手に終わればいいじゃない。

あたしには、関係ない。
そんな事はどうでもいい。
全てを朱にそめるまで。
あたしの体がバラバラに千切れて
あたしの魂がバラバラに砕けても

そんな事もどうでもいい。

全てを朱に染める事。
それだけ。
それだけが、あたし

全部、全部っ!!
全部、全部っ!!
全部、全部っ!!
全部、全部っ!!
すべてを!
朱に!!!!

あーっはっはっはっはっはっはっはっ!!
世界が終わる・・・。
ふふっ
ふふふふっ
ふふふふっ
ふふふふっ
あーっはっはっはっはっはっはっはっ!!



だから?
勝手に終わればいい…

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E-No79 エリダラーダ・ヴィエーディマ
そして――

 戦いは終わりひとときの静寂がやってくる。
 集う英霊はやがて散開し、二度と邂逅できぬ者も少なくはないのだろう。

 共に戦った日々がいかに尊いものだとしても、それは避けようがない事実。
 元より他人の集まりなのだから、いずれ別れは訪れるものだ。


 それでも振り返ることは許されない。
 なぜなら“私”には帰るべき場所が無いのだから。

 かつて故郷と呼んでいた世界は私を拒絶し、
 私もまた、世界を奪い取る事はできなかった。
 外法を身につけ、大魔女と呼ばれても、たった一人の女に阻まれた。


 だから私の望みは今も昔もただひとつ。
 何者にも奪われず、何者にも侵されない、そんな安住の地を手に入れること。

 そのためにはどんな犠牲も厭わない。
 感傷も、戸惑いも、私には必要ないものだ。


 そう……今度こそ、諦めるわけにはいかない。

 これは千載一遇のチャンス。
 強固な封印に堕とされている身では、まず有り得なかった淡い希望。
 この程度で手放していては、私は未来永劫悔い続ける羽目となるだろう。


 だから私は最後までこの世界と共に。

 そして願わくば今度こそ、この手に平穏を掴み取る。
そして――

 戦いは終わりひとときの静寂がやってくる。
 集う英霊はやがて散開し、二度と邂逅できぬ者も少なくはないのだろう。

 共に戦った日々がいかに尊いものだとして…

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E-No86 銀羊
それはの夢。
E-No92 アロイス・セオドア=シェルバウム
「そう……帰るのね」

私は元いたところへ帰ることとした。

私は警察機構が機能していないこの地を気に入っていた。
例え高みの見物を決め込んで、ろくに手出しもせず
無茶な指示ばっかり出す女がいても。
毎週一度は四肢を粉みじんに爆砕させられても。
生活拠点を探す間に近隣の住民からあれやこれやと罵声を浴びても。
それでも決して、塀の中に入れられることはない。
ここに知り合いはいないが、不思議と人肌恋しいと感じはしなかった。

帰りたくなった理由は自分でもはっきりとは分からない。
50週間あまりを過ごして、どれだけ傷ついても
命の衰えを感じない自分の身体に不安を抱いたからかもしれない。
あるいは、単に札束の薄汚いインクの匂いが恋しくなったからか?

とにかく、1年あまりをここで過ごしたことで
元いた国でも私を追う者もいなくなっていることだろう。
商取引のいざこざで、長らく当局に目をつけられていた
私を突然招き入れたカレイディア。

また、縁があれば会うとしよう。


……元の世界では、異生物には化けられないな。
一応注意しなくてはならない。


   ―――――

 ――ミルナ・フスチラヴァ・ステファノク・プラスチラヴァ空港――

ここは……空港か。
荷物、よし。服装、元通り。


では、久しぶりに家へ帰るとしよう。



「ワンッ! バウバウッ ワフッ! ハフッ!」

……犬?


……荷物は元通り。
…………ということはケシが手元にある。


そして空港の犬……

――しまった!
「そう……帰るのね」

私は元いたところへ帰ることとした。

私は警察機構が機能していないこの地を気に入っていた。
例え高みの見物を決め込んで、ろくに手出しもせず


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E-No94 クラヴィーユ・ユキルス
ボクとしては、結構頑張ったと思うんだよね。
でも、お兄ちゃんかママが来てれば、もっと良かったかもしれない。
だって、ボクは本当はそんなに強くないんだもん。
今から強くなるんだよ?

ねえ、パパ。
ボクは、パパの跡を継げるかな?
これから、いっぱい練習して、パパみたいに、みんなに頼られる職人になりたいな。


だから、ボクは戻らなきゃ。


ここに残るみんなも、戻るみんなも、今まで本当にありがとう!
ボクは1人じゃなくてよかったって、心からそう思うよ。
だから、みんなの未来が幸せなものであるよう、祈ってるね。

それじゃ、さようなら。
お互いに、頑張ろうっ!
ボクとしては、結構頑張ったと思うんだよね。
でも、お兄ちゃんかママが来てれば、もっと良かったかもしれない。
だって、ボクは本当はそんなに強くないんだもん。
今から強くなるんだよ?
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E-No95 室井 学
「結局、キミに大したことはしてやれんかったな。すまん」

「構わねえよ。あんたの幻子兵装、結構イカしてたぜ」

 召喚士の完全なる敗北。それにより戦いは一応の終焉を迎え、そこで彼――学が下した決断は、元の世界へと帰還することだった。

「……なあ、しつこいようやけど、本当にキミはそれでええんか? 確かにこの世界へ残る意義は薄いかもしれんが、他にも選択肢はある。今僕のコネが通じる子が『偽島』に行ってるみたいやから、同行者として連れていってもらえるよう頼んでもええんやで? 多少無茶な方法になるが、ヘヴンズゲートにも……」

「悪いな、おっさん。でも、もう決めたことなんだ」

 この世界で、彼が学んだこと。それは『いかに自分が無力であることか』であった。この世界に来るまで、彼は自分のことを『その他大勢』だと思っていたし、これからもそんな存在でいいと思っていた。

 だが、多くの世界、多くの人物を見て、彼は思った。自分のその力は、その矜持は――あまりに脆弱、あまりに貧弱。その他大勢を気取るなら、最初からこんな舞台に上がらなければよかったのだ。そして彼はこの地へ降り立ち、戦って、戦って、戦い抜いた。

 今彼が得た力は、この世界から離れれば消える運命。それでも、記憶は消えない。この思いだけは、消させはしない。

「俺はまだまだ弱い。だから、俺も『最強』になってくるよ。俺の住む世界で」

「……君もか」

「ああ。確かに力じゃ大分劣るが、これで結構顔は広いんだ。最強への足がかりはそれなりにある――狗神を含む、知る人ぞ知る新旧『七堂塚四天王』、かつて工学科の『悪食』の暴走を食い止めた『12ナンバーズ』、そして今や七堂塚高校の伝説に数えられる体育大会・騎馬戦の覇者『Heaven\'s Seven』。ああ、大原さんに諸西さん等、トーナメントの決勝大会進出者もか」

 彼らは既に何らかの形で実戦を経験している。どいつもこいつも、腕っ節の立つ人物ばかりだ。

「そいつら全部だ。全部俺が倒す、んで、俺が最強だ」

「……そ、か。ま、頑張りや」

 無理だろう、と長月は思った。しかし、学の目は本気だった。止められはしない――あるいは、本当に彼は最強へと為り、ここへ戻ってくるのかもしれない。

「お、お迎えが来たな。んじゃ、またな」

 来た時と同じ、暗く深い穴が彼を呑みこみ、消える。後に残るのは、ただの虚空である。

(行ってもうたな)

 一つため息を吐き、後ろを振り返る。黒ずくめの男が、そこには立っていた。

「……お、大和クン。どや、『A-D-U』の調子は」

「悪くない。既に学院程度の敵の群れなら問題なく駆逐できるようになった」

 彼が身にまとうのは、黒いコートにジーンズ、黒色のキャップ。それに加え、今はその下に黒い全身タイツのようなアンダーアーマーと、笑いの表情をかたどった仮面を顔に付けていた。

「しかし、これは――ヒトに使わせてもいいものなのか? 肉体だけではなく、精神にも同期する鎧……まるで召喚士達が語っていた『シンボリックウェポン』じゃないか」

「正直、精神云々とかその辺は事故も絡んでんねんけどな。大丈夫、エトランジェなら必ずや、その力に振るわれること無く戦うやろ。あとは適正な寄代さえあれば、な」

 そう言って、長月は空を見上げた。今頃他の異邦人達も、帰還する者達が出ているはずだ。黒色の空に流星が走る。

「今回の戦いの行方、キミはどう見る?」

 不意に、長月は大和へ訊いた。

「……行方も何も、彼女を倒さねば俺は元の世界へ帰れん。だから、倒す。それだけだ」

「そうやな。……ところで、召喚士達は先週の戦い以前にも一回、彼女とぶつかっとる」

 学達が来る以前にも、召喚士達は異邦人達を率いて戦っていた。学達の世界からは『矢田 三郎』という男がこちらへ赴いていた、と記録には残っている。

「そこでも彼女は、この前の戦いと同じことをのたまったそうや。……曰く『私は一回刺されただけで死ぬ』」

「下らんブラフだな」

 一蹴する大和を、長月はにやついた瞳で見た。

「果たしてそうやろうか? さらにその時、召喚士達の取り巻き達が召喚士を裏切り『彼女側』についたっちゅう記録もある。――何かあると思わんか」

「……下らん」

 大和は踵を返し、その場を後にした。

「何や、ロマンが無いなあ。ま、僕は僕で、その辺のこと調べてみるとしよか」

 そうして、異邦人達の戦いは終わり、彼らの戦いはここに始まる。エトランジェが消えた今、この世界を守るのは、誰なのか。

 いつか、学がここへ帰ってくる時、それは明らかになるのだろう。
「結局、キミに大したことはしてやれんかったな。すまん」

「構わねえよ。あんたの幻子兵装、結構イカしてたぜ」

 召喚士の完全なる敗北。それにより戦いは一応の終焉を迎え、そこで…

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E-No96 Q
さて、オレの仕事も終わったようだ。

これ以上創造主を待たせるワケにもいかないからな。


還ろう・・・!
E-No100 禾原 旅人
さて……やることだけはやっとくか

――我が名、≪人外≫禾原を絶対なる意思と完全なる覚悟と無二なる信念を……≪旅人≫の存在と共にこの世界に刻む。

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