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Diary | ||
「一度元の世界へ戻す」 ───祭祀殿の奥深くに設えられた星空を仰ぐ祭壇で、『彼女』を退けた召喚士が英雄達に発表したその言葉に我は耳を疑うた。 何せこの世界の闇を払うまで戦うと、重い定めていたのだ。このように戦半ばにしてその任を解かれるとは思わなんだ。 再び力を蓄え、英雄達の魂を召喚し直し立ち上がるその日までこの地に残ると言う選択も用意されているようなのだが、かそうするつもりにはならなかった。 「元の世界」 その言葉を聞いた瞬間に、乾いた砂の大地と、其処に残して来た我の国……我の置かれた状況そのものが思い出されたのだ。 それは決して大河の奔流が押し寄せるような激しいものではなかったが、乾いた砂地に見る間に泉が湧き出るように染み出して満たして行った。 「王」 しもべの呼ぶその名が、如何に現実の己にとって皮肉なものか思い出されて口元に苦笑いが浮かぶ。 然しその名を否定する事は出来ない。 我が欲し続けたものなのだから。 「お戻りになられる前に、王の力を受け継ぐ依代を残す事が出来る、との事ですが」 召喚士からの通達状を静かに読み上げるこの女の姿は、やはり我の記憶に見当たるものではなかった。 白き肌、金色の髪──この常闇の地でも特別とされるらしいその色彩は、我の故郷でもまた同じく尊ばれる血筋にのみ現れるもので、決して「我」に仕える立場にあるはずもなく ましてや彼女の名乗る『マナート』と言う名は、 「───王?」 思案の底に沈む我へと赤い目が向けられた。 「ああ。……何だったか、依代をな」 本来ならば、この地の住人の誰かに 今使っているこの体に力を残すと言う話であったのだろう。 然し、我は再びの要請に応える事は出来そうにない。 思い出してしまえば、我を必要としているあの国を残して戦に身を投じる事は選択肢に無いのだ。 だから、この力が使える内に残して行こう。 妄想を、思い描いたものを形に出来るこの力で、闇を払う為の礎を。 ■次期開始までにエピローグ予定 ■登録した依代 依り代325(ブラックスミス−テンコ主任のお墨付き) 男性、年齢30代前半〜半ば 名前:ミシュアル (Meshal 松明、の意味) |
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