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Diary | ||
戦いが一時休戦になるという事で、元の世界に帰るのか、カレイディアに残り次の戦いを待つのか、選択しなければならなくなりました。 帰った場合は、英雄ではない私は戦いが再度始まっても恐らくはこの世界に呼ばれる事はないと思うのでどうするか迷いましたが、やっぱり帰る事にしました。 この世界の事も気になりますが、やっぱり私の事を心配して待ってくれている友人がいる元の世界に帰りたいし、帰らなければなりません。 たくさんのパンを焼いて、お世話になった方々にお別れの挨拶をしながら渡してきました。 レジーさんはここに残ると聞いて、帰ると決めた気持ちが揺れてしまいましたが、こんな弱い気持ちに流されるようにして残ってはいけません。 でも、帰ってそれっきり二度と会えないなんて嫌です。 だから、再びここに戻って来よう、と決意しました。 一度帰って、再びここに呼ばれるような英雄になれるようにがんばろう……と。 別れの挨拶も済んで、元の世界に戻してもらうべく、召喚士さんのもとに向かっていた時、サチ司書らしき人物に呼び止められました。 私の求めていた最強の『イメージ』を伝えてほしい、との事です。 何でも、それを依代の欠片にするのだとか。 最強と言われ、英雄さんたちの顔も思い浮かびましたが、彼らのイメージは彼ら自身が残していくと思われます。 そうなると、答えはひとつです。 私は、元の世界で私の帰りを待っている友人・ガーベラさんのイメージを伝えました。 ガーベラさんには、何度も危ないところを助けてもらいました。 銃を持った集団に囲まれても怯まない強さと、どんな時でも弱き者を助ける優しさ。 ここで出会った英雄さんたちにも負けない、と自信を持って言えます。 イメージを伝えるためにガーベラさんの事を改めて思い浮かべていたら、何だかガーベラさんとレジーさんは似ている様な気がしました。 イメージを伝え終えたら、再び召喚士さんのもとへ向かいました。 『そう、帰るのね。』 「はい。今までお世話になりました。ありがとうございます。」 いろいろお世話になったので、お礼を言いました。 その言葉に、召喚士さんは静かに頷いてくれました。 「すみません、帰る前にひとつだけ……」 『何かしら?』 「もしまた英雄さんたちを召喚する時が来たら、私も呼んでいただきたいんです。 私はパンを焼く事くらいでしか役に立てませんし、英雄でない私を呼び出すメリットがない事はわかってますけど、戦いもがんばりますから……」 無謀なお願いという事はわかっているので、どうしても声が震えてしまいます。 『何を言っているのかしら。』 「……そ、そうですよね、すみません。せっかく呼び出すのでしたら、私を呼ばずに一人でも多くの英雄さんを呼びますよね……。」 『10番目の英雄王。役に立たないどころか、あなたも立派な英雄の一人よ。』 「えっ?私、戦いになっても怖くて前には出れないし、銃を撃っても手が震えて当たらない事が多かったですし……」 『でも、あなたの仕掛けた罠や、あなたの応援は、英雄たちを何度も救ってくれたわ。』 自分なりに出来ることを考えて試行錯誤しながら仕掛けていた罠や、最前線に立つ英雄さんたちにせめて応援だけでもと思っておくったエールが、きちんと英雄さんたちの助けになっていた事を知って、何だか嬉しくなりました。 『そろそろあなたを帰してもいいかしら?他の英雄たちも帰さなくてはいけないから、あまり時間がないの。』 「あ、す、すみません。帰していただいて、大丈夫です。」 『そう。では、はじめるわ……』 召喚士さんのその言葉を聞いたのを最後に、私の意識は途切れていき…… 意識が途切れる直前に見たのは、見送りに来てくれていたレジーさんの姿でした。 (レジーさん、きっとまた、戻ってきますね) 私は静かに目を閉じた。 (この続きは後日、ブログにエピローグとして書きます。) |
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