日記一覧(E-No401〜500)

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E-No409 ウィヴィア・ファラール
帰ってもしばらくこの世界は大丈夫みたいだし……
いや、現状維持だから大丈夫じゃない状態が続くんだけど、
でも、疲れている召喚士さんに力を使わせるのも悪いし、
ひとまず帰らせてもらうことにしたよ。

今頃、あたしの世界はどうなってるのかな。
戦争は…きっと終わってないよね。
でもでも、いつかきっと終わらせてみせる。
いつかいつか、みんなが笑顔で暮らせる世界にしてみせる。
あたしにもできることがあるはずだよね。
だって、あたしは「英雄」だから!

…そしてまた、ここに来るよ。
来て、この「世界」にも抗う。
きっと、他のみんなともまた会える。
だから召喚士さん、絶対また喚んでよね!!

それじゃあ、さよなら!またね!!
帰ってもしばらくこの世界は大丈夫みたいだし……
いや、現状維持だから大丈夫じゃない状態が続くんだけど、
でも、疲れている召喚士さんに力を使わせるのも悪いし、
ひとまず帰らせてもらうこ…

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E-No436 ショウ=ツルギノ
地球。GC2075.06.03.AM00:00……封鎖された研究所にて。

 闇の中に佇む漆黒の機体……『刻』に酷似したその機体は
『刻』のプロトタイプであり、ディバイダーにとって
その名の通り忌まわしい機体だった。その漆黒の機体は
名を『Nightmare(悪夢)』といった。

 ディバイダーは漆黒の機体に乗り込み、画面を流れる
意味不明の言語と数字の羅列を読み取っていた。
 この時ばかりはこの半機械的な肉体に多少の感謝を抱いたが、
ほんの一瞬だった。すぐに頭を振ってその思考を打ち消す。
彼にとって……確かに役立つ肉体ではあるが……この機体同様に
憎悪と忌むべき対象でしかないのだ。
 何を馬鹿なことを! 嬉しいわけねぇだろ!

「お兄ちゃん? 大丈夫?」
 その声にディバイダーは我に返った。コックピットを覗き込む
シェルに「あぁ」とだけ短く返事を返し、直ぐに解析に戻った。



     *****     *****     *****



 地球。GC2075.06.03.AM00:50……封鎖された研究所にて。

「どわぁっ!?」
「ぐっ!?」
 流石のディバイダーも完全に不意を突かれた状態だった。
突然出現した"それ"がディバイダーの両腕にのしかかり、
"それ"は狭いコックピット内で盛大に身体を打ち付けた。
「な、何……だ!?」
 ディバイダーは両腕にのしかかる"それ"を抱き上げた。
腕の中で全身の痛みにうめく"それ"は人間だった。
見慣れた……人間だった。
「ショウ……? ツルギノ……?」
 ショウ=ツルギノはディバイダーに気づくと片手を上げた。
「あ、あはははは……も、申し訳御座いません。
ディバイダー大尉。ショウ=ツルギノ、只今異世界より
帰還しました」
 ぽかんと口を開いたままのディバイダー。生きているとは
信じていたものの、突然現れるとは誰が予測しよう。
「……何が異世界より帰還だ! 今まで何処をほっつき……!」
 突然現れて奇妙なことをぬかした部下への怒りはけたたましい
音によって遮られる。
 赤い警告メッセージと共に画面が切り替わった。敵の出現を
表す警告メッセージと共に、レーダーに敵を示す赤い点が
表示される。距離にして研究所上空を数体の地球外敵機が
接近していた。
「敵……!」
「このデータ……この間の新型か!? ちっ!!」
 ディバイダーは舌打ちをする。つい最近現れた新型の
敵機だ。
「大尉、この機体借りていいですか? 俺が出ます」
「馬鹿を言うな。こいつはお前の腕で扱える代物じゃない」
「大丈夫ですよ。俺は……白兵戦はさっぱりですが、
ロボットの扱いは得意ですから。
射撃系の機体なら誰にも負けませんって」
 と、ツルギは自信ありげにウインクを返した。
地球。GC2075.06.03.AM00:00……封鎖された研究所にて。

 闇の中に佇む漆黒の機体……『刻』に酷似したその機体は
『刻』のプロトタイプであり、ディバイダーにとって<…

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E-No441 アーディハ=エンペルシェイム
・・・自身の身体の事は良く分かっているつもりだ。
ハイペース過ぎたのだ、多数の不幸を呼び起こし、多数の幸福を生み出した。
介入者としては、少し出しゃばりすぎたのかも知れぬ。


・・・我の身体は。もう長くないのだろう。
あの時と一緒だ、人間だった我が居なくなった日と。


今度はどうしようもない、醜い怪物となるのだろうか。
しかし、そのような姿で暴走するワケには行かぬ。

せめて、最後まで・・・・感情は人間でいさせてほしい。



終焉が・・・見れぬのが少し残念ではあるが・・・
全ては星が教えてくれる。導くままに進めば、きっと。



・・・魂砕きの術。

他者に使うのは危険として、元居た世界で禁忌に指定されたものだ。
・・・そう、何百年も前に。
最初で最後の術のはずだった。我が使ってからは。

ただ・・・他者に使うのではなく、自身に使う。
自殺。と、同じ、と誰かは嘆くのだろうか。



全ては業。運命。星の導きである。
ソレを変えるのは他者の要因。

我も変わったのだ、最後まで人間で居たいと思えたのだから。


だから、どうか。



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(※お付き合いいただきありがとうございましたッ
  最後の方はかなり失速してしまいましたが、
  楽しんでいただけたならなによりです。
  おみくじメッセ送れなかった方はごめんなさいでした。

  それでは、お疲れ様でしたッ)
・・・自身の身体の事は良く分かっているつもりだ。
ハイペース過ぎたのだ、多数の不幸を呼び起こし、多数の幸福を生み出した。
介入者としては、少し出しゃばりすぎたのかも知れぬ。



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E-No446 マイラ
戻レル、カ。

イザ、戻ルコトガデキルト聞クト、ドウニモ気ガ進マヌモノダナ。
元ノ世界ニ戻ルコトヲ目的トシテ、今マデ戦ッテキタトイウノニ。

「……うー……」

我ガ主モ珍シク悩ンデイル…。
ソレハソウダ、情モ移トウトイウモノダ。
コレマデ、長キニ渡ッテ戦ッテキタ。
ソノ間ニ、知リ合ッタ者達モ大勢イル。

我等ハ元々世界ガ異ナル所ノ住人。
ココヲ離レレバ、会エル保障ハ無イ。

ダガ……我ガ主ヨ。
ヤハリ、我々ハ戻ラナクテハナラン。
コレ以上、館ノ者達ニ……『家族』ニ心配ヲカケルワケニハイカン。
『家族』ガイル以上、我等ハソコニ帰ルベキダ……。

「……また、あえる、かな」

……………………。

「……もういちど、ここにこれる、かな」

……正直言ッテ、確証ハ持テヌ。
ダガナ……何故カ、来レル気ハスルノダ。

『珍しいなぁ、あんたの口からそんな予測が出るなんて』

我トテ、ドコマデモ現実主義トイウワケデハナイ。

「……うー。わかった。
 じゃあ、しょうかんしのひとのところへいこう。
 おねがいをしにいかなくちゃ」

ソウダナ。

「また、いつか……これると、いいな……」
戻レル、カ。

イザ、戻ルコトガデキルト聞クト、ドウニモ気ガ進マヌモノダナ。
元ノ世界ニ戻ルコトヲ目的トシテ、今マデ戦ッテキタトイウノニ。

「……うー……」

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E-No465 ルドー・デイ
腐臭を放つ男が、とある掘っ立て小屋にいた。
その小屋の主が座るべき椅子に、腰を下ろしていた。

男は息をしていない。瞬きもしていない。
男は死んでいた。
その左目はだらしなく垂れ、死後かなりの時間が経過している様に見えた。

男は英霊だった。
度重なる戦いに魂をすり減らし、しかし、この世界に残る事を決めた英霊だった。

死した男は待っていた。
再び己が戦うべきその日を。

死した男は待っていた。
己が目覚めるべきその日を。

死した男は待っていた。
新たな英霊を、新たな目的を。

男は、待ち続けている。

何時か来る、その日を、その時を。

自らが目覚める、その瞬間を。
腐臭を放つ男が、とある掘っ立て小屋にいた。
その小屋の主が座るべき椅子に、腰を下ろしていた。

男は息をしていない。瞬きもしていない。
男は死んでいた。
その左目はだらし…

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E-No469 アレクシ・クローデル
提示された選択。
ただ、

――戻るも地獄、進むも地獄ならば、俺は、


E-No473 レミリア=ファーレンハイト
戦いを経験した者として名前を残そうと思うんだ・・・

あとちょっとでハロウィン覇者一位だったのが残念。
E-No500 アリス・ブラックマン
ただ一人、教会の中で椅子に座り、床に落ちたステンドグラスの光をぼんやりと眺めていた。
王様を送り出してから、間もないというのに、既に長い事この場に留まっているかのように思えた。

これで、仮面舞踏会は終わったのだと、ようやくその仮面を手に取り外し、膝の上に置いた。
実際の物よりも重量があるように感じられた。

「…………。」

『アリス…それは……』
驚いて己の顔を見た最後の彼の顔がずっと脳内で繰り返し映されている。
その大きな手の感触も、低くも穏やかな声も、鮮やかな青い瞳も全てが届きそうな距離に感じられるのに、先程まで居た場所には彼は居ない。
握り締めた手の温もりは、既に己の冷えたものに戻ってしまっていた。

「王様……。」
瞬きもせずに床を見つめている。

「ねぇ、王様。……呼んで、私の名前、呼んでよ……。」
己の声だけが、虚しく小さく木霊した。
その瞬間、瞳から大粒の涙が零れた。

「うっ……。」
喉の奥が熱い。色々な物を堪え過ぎて大きな何かがつっかえているように痛い。
一度零れ出した物は止まらなかった。
「嫌だ……嫌だよ………王様…………子供の頃のように泣くなって…言ってよ………!」
手に持っていた仮面は床に放り出され、アリスはその場で両手を顔に押し当て蹲って泣いた。

床に落ちた仮面にステンドグラスの波打つ光が、アリスの揺れる心を映しているようだった。


「こんなに……好きなの…………王様……!」
もう一度あの手に触れたい、あの声もあの瞳も、遠ざける事など出来る筈もなかった。
唇を噛んで溢れ出る感情を堪えようとした。
感情の変わりに己の鋭い牙は柔らかい唇に傷をつけ、僅かに鮮血が漏れた。
その血を己の指で拭い見た。


『アリス、私達ヴァンパイアは人間を愛してはいけないの。いいわね。』
自分に語った母親の声が脳内に響く。

「それでも………愛してしまったらどうすればいいの………ヴァンパイアになんて…生まれなきゃよかったのに……!!」

己の出生を憎む心と、それでも愛する者を失いたくない思いが交錯したまま、アリスはその場で崩れたまま泣いた。






暫く泣いた後、ある程度の落ち着きを取り戻したアリスが、床に落ちた仮面に手をかけた瞬間、人の気配がした。
「この気配は………そんな………どうして………!?」

間違いない。今まさにアリスが想っていた男の気配である。
記憶は消した筈だった、男が此処を訪れる筈がないと思いながらもアリスは咄嗟にその身を霧に変え、姿を消した。
次の瞬間、大きな音を立てて教会の扉が開けられたかと思うと、黒い正装に身を包んだ男が大股で中へ歩み進んできた。

「アリス!……これ、アリス!何処に隠れた、出て参れ、アリス!」

仮面と帽子を毟り取るように外したその表情には怒りと焦りの表情が混ざっている。
普段は飄々と、落ち着いている様子の彼が見せる初めての表情だった。

思わぬ状況に混乱を隠せなかった。
何故記憶を取り戻してしまったのか、そして、何よりも王様が自分の名を呼んでいる事に。
その様子を放心したまま眺めていた、驚きのあまりに身動きが取れない。
やがて、いつもの不自然な程に明るい青い瞳ははっきりとアリスの姿を捉えたようだった。
霧に化けていた筈のアリスの姿を。

そのまま自分の方へと歩み寄り、腕を掴んだ男は、数度、己を「莫迦者」と叱咤した。
そして、

「我と来い。 我が汝を光の中に連れて行く。

我のものになれ、アリス。」

…と己に告げた。


(E52へのメッセ欄へ)







ただ一人、教会の中で椅子に座り、床に落ちたステンドグラスの光をぼんやりと眺めていた。
王様を送り出してから、間もないというのに、既に長い事この場に留まっているかのように思えた。

こ…

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