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地球。GC2075.06.03.AM00:00……封鎖された研究所にて。 闇の中に佇む漆黒の機体……『刻』に酷似したその機体は 『刻』のプロトタイプであり、ディバイダーにとって その名の通り忌まわしい機体だった。その漆黒の機体は 名を『Nightmare(悪夢)』といった。 ディバイダーは漆黒の機体に乗り込み、画面を流れる 意味不明の言語と数字の羅列を読み取っていた。 この時ばかりはこの半機械的な肉体に多少の感謝を抱いたが、 ほんの一瞬だった。すぐに頭を振ってその思考を打ち消す。 彼にとって……確かに役立つ肉体ではあるが……この機体同様に 憎悪と忌むべき対象でしかないのだ。 何を馬鹿なことを! 嬉しいわけねぇだろ! 「お兄ちゃん? 大丈夫?」 その声にディバイダーは我に返った。コックピットを覗き込む シェルに「あぁ」とだけ短く返事を返し、直ぐに解析に戻った。 ***** ***** ***** 地球。GC2075.06.03.AM00:50……封鎖された研究所にて。 「どわぁっ!?」 「ぐっ!?」 流石のディバイダーも完全に不意を突かれた状態だった。 突然出現した"それ"がディバイダーの両腕にのしかかり、 "それ"は狭いコックピット内で盛大に身体を打ち付けた。 「な、何……だ!?」 ディバイダーは両腕にのしかかる"それ"を抱き上げた。 腕の中で全身の痛みにうめく"それ"は人間だった。 見慣れた……人間だった。 「ショウ……? ツルギノ……?」 ショウ=ツルギノはディバイダーに気づくと片手を上げた。 「あ、あはははは……も、申し訳御座いません。 ディバイダー大尉。ショウ=ツルギノ、只今異世界より 帰還しました」 ぽかんと口を開いたままのディバイダー。生きているとは 信じていたものの、突然現れるとは誰が予測しよう。 「……何が異世界より帰還だ! 今まで何処をほっつき……!」 突然現れて奇妙なことをぬかした部下への怒りはけたたましい 音によって遮られる。 赤い警告メッセージと共に画面が切り替わった。敵の出現を 表す警告メッセージと共に、レーダーに敵を示す赤い点が 表示される。距離にして研究所上空を数体の地球外敵機が 接近していた。 「敵……!」 「このデータ……この間の新型か!? ちっ!!」 ディバイダーは舌打ちをする。つい最近現れた新型の 敵機だ。 「大尉、この機体借りていいですか? 俺が出ます」 「馬鹿を言うな。こいつはお前の腕で扱える代物じゃない」 「大丈夫ですよ。俺は……白兵戦はさっぱりですが、 ロボットの扱いは得意ですから。 射撃系の機体なら誰にも負けませんって」 と、ツルギは自信ありげにウインクを返した。 |
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