生存 85 日目 天候:晴れ
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【食料消費】 食料509 を消費しました。
キュレス「PL)トナメ、よろしくです。」
斑猫(1242) からメッセージ
斑猫「…ふ、
斑猫「しかしとても興味深い内容でした。今まで気になっていた事が綺麗に纏められ『おぉ!』と感動に入る程の設定…。いやはや。凄い限りです。私はSSとか書けないので羨ましい限りです。」
斑猫「これからドンドン!と凄い展開になるのかなー、とか思っていたら最終回。時既に遅し。うぅ、半殺しですか栗鼠様…」
斑猫「久人さんには色々な事を学びました。HPとかHPとかHPとか…。うへへ。」
斑猫「心残りは
斑猫「…」
斑猫「いやはや。本当に残念です(何」
斑猫「このメッセージが届いてる頃にはどうしようも無いんですけどねー(笑」
斑猫「それでは、1万文字SS、是非とも期待してますねっ!」
斑猫「なお、このメッセージをお読みになった後、自動的に爆発します〆」
斑猫「-- ピーッ --」
体格 を 29 上昇させました。(CP- 50 ) |
叫び声が聞こえる ミィン(12) のシャウト! ミィン「さあ、これから、どうしましょうか?」
月華(34) のシャウト!
ミソル(107) のシャウト!
ひめ(126) のシャウト!
アフロなゴン(144) のシャウト!
架伊那(146) のシャウト!
DolLs(309) のシャウト!
夏乃(388) のシャウト!
セイラ(444) のシャウト!
フィナーレ(478) のシャウト!
誠一郎(482) のシャウト!
【虚靱】柊 久人(522) のシャウト!
ぽち(584) のシャウト!
やすこ(698) のシャウト!
アフロなルートン(703) のシャウト!
リョウコ(715) のシャウト!
ストレイ(716) のシャウト!
つな(784) のシャウト!
そらね(818) のシャウト!
猫の着ぐるみと黒猫(835) のシャウト!
道化楽士アッシュ(888) のシャウト!
仮面の道化(910) のシャウト!
ジェイ(984) のシャウト!
アフロなサイバ(1013) のシャウト!
ルキ(1065) のシャウト!
縦ロールのお迷(1323) のシャウト!
ゆーくんのなゆた(1357) のシャウト!
ナナコ(1358) のシャウト!
夜姫2世(1376) のシャウト!
アフロな森の方(1404) のシャウト!
イトウ(1441) のシャウト!
ユーノ(1589) のシャウト!
ロサ・禍念仏(1593) のシャウト!
6号(1636) のシャウト!
レスト(1729) のシャウト!
我が次なる戦場へ(1818) のシャウト!
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創られた幻の島が、強い光を放ちつつ少しずつ消えていきます。 唯一残るのは島の本当の姿、小さな、ひとつの島。 そして貴方は想います、これからの自分の居場所・・・ 島 時刻は朝方、気温はそれなりに低く、空気もそれなりに乾いていた。あくまで平凡な一日の始まり。大体において、大事が起こる前と言うのは普段と変わらない、もしくは普段よりもさらに普段らしい状態と言うものだ。 そして、島に残ることを決めた久人も、これから発生する大きな分岐点に差し掛かるところだった。 瞑想するかのように、安座で地面に座り込み目を瞑っている柊。その数メートル先から、人影が現れ、告げる。 「はじめるぞ……。殺す気で来い。やり辛いだろうが、俺は手加減しないからな……」 その人物に視点をあわせ、苦笑する柊。そして答える。 「全く……瓜二つじゃないか。やり辛いったらありゃしない……でも」 途中で言葉を切るが、すぐさま続けて告げる。 「倒して、秘密とやらを全部喋ってもらわないとな」 そういって、自分と全く同じ容姿の男を睨むように見る。それは似ているを超えて。最早同一人物が二人……という次元。そうして、戦いは始まった。 全ての始まりは昨日の夜。島のこと、全てが終わり……と言うより別に修行に来ていたわけなのだから、彼にとっては終わりもないが。島の主に聞かれた問い。それにまだ帰らない。そのように答え、今ここに残っている。正直な話、中ではかなり色々言われ、色々起きていた。 沙羅目は帰らない理由についてしつこく追求し、フィルは笑い。そして久人は悩んでいた。結局のところ、強くなったのは事実だけど、自分のことはほとんど知らない。結局皆がなぜ自分の中に居るのか。なぜ死んでいるのに……そのような疑問が、齷齪生きていたサバイバルから開放され、どっと押し寄せてきたのだ。悩むといえば、なやむ。そうして、云々うなっているところに、声が届いた。 「俺はお前を知っている」 と。声の主は姿さえ知らぬ彼。無論名前など知らず、まともに喋るのも余りに少ない気がする。しかし、その言葉にはひきつけるだけの響があった。 「……まいったな。一番ありえない奴が答えもちか」 信じるのもまた早計な気がしたが、何せ一つだけわかることがある。彼は冗談が嫌いだ。……たまに狂っているが。 「……で? 交換条件なんだろう? のってやるよ」 相手の先に言いたいことを言っていく久人。理詰めは得意だった。そもそもはそういう剣を扱う。予測は得意だ。 「……倒してほしい者が居る」 意外なことだった。人に格別な恨みを抱かない(全てが敵)の彼が特定人物を指定するなど。だが、それゆえにその言葉は重かった。 「へぇ……誰?」 「俺だ」 即答に返される即答、そして静寂。 「だって生存していないんでしょ? それじゃあ戦えないじゃん」 フィルがそれを破り質問する。それに見えない影は少し笑いながら答える。 「そうだな……。確かにそうだ。故に、久人。貴様の体を少し貸せ」 よくわからないことを突然と言い出す。 「な……そんな事言っても、自分とは戦えないぜ?」 「いいから、貸せ。すぐにわかる」 きちんと答えてくれないことに少々苛立ちを覚えながらも、精神を落ち着け、沈む。目が覚めたとき、目の前に自分が居た。 「さて……これはとある一族に伝わる、断罪方式でな。自分の幻に打ち勝つことが、目的なのだが、それを研究した男が居て、そいつの完成系がこれだ。本当は貴様の精神が分かれるのだが……まぁ、元から分かれているみたいなものだからな」 余りに、当たり前のように説明する。しかし驚愕で頭の中は既に一杯。考えることが上手くできなかった。 「それで、朝方はじめよう。俺のことは……椿と呼べ。あながち偽名でもない」 勝手な理論を振り回し、椿は床に就いた。朝からといったら、朝からなのだろう。 そうして朝、正に今始まることろであった。 柊が地面を大きく蹴って踏み込み、一閃する、それを同じ体制で受け。力勝負にもっていく椿。 体が同じものを使用しているだけあって、力に差は認められない。しかし、柊の体が突然泳いだ。それを期として、弾く椿。完全な無防備に晒されていた。 (や、やられる……!?) しかし攻撃は来ず、立ち上がるのを待っているようだった。 「さて……それじゃあはじめるか、殺し合いを」 笑う、それは正に狂気ともいえる笑み。そして、本当に戦いが始まった。 初撃から判断するに、やはり膂力は同じようだった。同じ体を使用しているのだから当然とはいえる。しかし、体制を崩された事実。それが久人の頭に引っかかっていた。 (……何か、やってやがるのか……?) しかし勝手知ったる自分の体。そんな【何か】など考えようもない。それがさらに久人を混乱させていた。 (その答え。教えてやろう) 「なっ……!!」 いきなりの声、誰でも戸惑うのは当たり前だが、それが目の前に居る男から発せられたとすれば、驚愕はさらに大きいだろう。 (……この声は貴様にしかとどかん。色々話しにくいこともあるからこうして話してやろう。ただし……戦いながらだ) そこまで言って、突然間合いを詰める椿。しかし、何をするでもなく久人の前に悠然と立つ。 「わかったか? ……勝てたら全てだ。全て教えてやる」 小声で囁いた後、一足飛びで間合いを話す。ちょうど、お互いのリーチ。 「じゃあ……再開だ」 さっきから久人は黙りっぱなし、椿が一方的に喋り続けている。それは、動揺ではなくて、覚悟の沈黙であった。 「はあっ!」 低い呼気と共に剣戟を放つ。タイミングを微妙にずらした三つ。それも簡単にはじいて、反撃に出る椿。単純な胴薙ぎが空を裂いて、晒される体。それは剣術と言うにはあまりに稚拙なものだった。故に、カウンターを取られて、体に一撃が加えられる。 「ぐっ……」ひるむ椿、その機会を逃さず飛び込む久人。相手の刀は地面すれすれ。返す術はない――。 全速力で飛び込んだ彼を剣は迎撃しなかった。ただし、拳が水月に決まっていたが。「か……っ!!」 言葉にならない苦鳴。余りに完全な当身に激痛が体を駆け巡る、すぐには動けないだけのダメージを加えられていた。そうして、抑えきれない嘔吐感。 はしたないが、その場で朝飯を戻す。いや、朝飯といわず、そのとき胃の中に納まっていたもの全てが出たようになる、さらに襲い掛かる激痛。内臓が悲鳴を上げ続ける中、言葉が上手く紡げない。 (さて……。今のだが、肉を切らせて骨を絶つ……といった所か) 今度は完全に余裕の体制を作り、説明をする椿。 (最初の剣戟を受けたのは、わざと。貴様が飛び込む機会を作りたかった) (ちなみに、今の攻撃はただの当身ではない。暗殺用の当身だ。フィルが暗殺者だとは聞いているはずだが……知らない事実もあったかもしれないな) (………………!?) 言葉にならないとこちらでも喋れないらしい、吐き出しきってさえ、まだまだ痛む (無理をするな……。フィルは暗殺者の中でも最高峰の使い手だ。性格に問題がなければ、今でも現役だっただろう……さて、そんなフィルには通り名がついていた。貴様も聞いたことぐらいはあるだろう……) 初耳だ。いや、その名を聞けば記憶のそこから蘇ってくるかもしれないが、フィル自身から聞いたことはない。 (……。Fil=The=WorstGod・OfDeathそれが奴に付けられた名だ) (……!! 最悪の死神……) 全ての概念を超えて、襲い掛かる災厄。手段を持ちいって防げるものではなく、狙われた時点で死亡確定の最悪。そういう者達に付けられた名が。God/of/death.そしてWorstを冠する者はその最高位。裏歴史書。そういうものがあるとすれば確実にのっているはずの名。 (……そこまではわかった) 苦痛からも少しづつ開放され、喋れるようになった久人が問う。 (その力を何でお前が使えるんだ……? フィルはあくまで知識としていてくれるだけだろうが……!!) (はっ……やはりまだ早い。知りたいなら努力をしろ、それが筋と言うものだ) 「いい気になるんじゃ……ねえっ!!」 気合と共に全身を跳ね上げる、痛みは抜け切らないが、そんなものは関係ない。しっていた。昔から、何か自分の体にはあると。何かが人とは違うと。理解して、それでも知れないことを知りたかった。それゆえに放てる一撃。気合が入りきったそれは椿の構えた剣をはじき、袈裟斬りとしてきまる、鮮血が舞い、椿が後退する。 (フフフ……!! いいじゃあないか。それでこその柊だ!!) 興奮したようにいう。正に……狂気。 (いいだろうもう一つ。柊という名の意味だ) (意味……?) 生活の中でそれを意識したことはない。しかし、よくよく考えると…… (柊の名は、殺しを生業とする名の一つに上げられている) (……!!) それは確かな驚愕だった。完全なる意外性。自分の家庭は普通だと思っていた故の衝撃。 というより……異常地点で育てば、異端こそが真となりえるのかもしれない。 記憶をたどる。あれは――。祖父に真剣勝負を申し込んだときの事だ。真剣勝負とは正にその名の通り、木刀を真剣にかえて勝負するのだが。 真剣。日本刀と呼ばれる刀は特に、断ち切るということに関して優れている。それはつまり、使用目的はどうであれ、目的としての殺が概念として錬り込められている。それは曲げようがない事実であり、ましてやそれを両者が持ち合い、本気で斬り合うという状況下。お互いに殺が目的でないのはとても不自然なことであるといって良いだろう。ましてや、家族同士が――。 久人が苦笑する。不自然な状況下で行われる思考遊戯が余りに無意味なものと気付いたのか、それともこの不自然な状況故の結論に至ったのかは定かではないが、なんにせよ思考を留める。一足先に入ったものの、道場は少しばかり退屈であった。そもそも、祖父はいったい何をしているのだろう? 余りに待たせすぎでは――。 思考が止まる。否、否応無く止めさせられる。勝手知ったる道場の、唯一の入り口。確かにそれは居た。 柔和な表情で、全くもって以前と変わらぬ態度で、ゆったりと中に歩を進めてくる。威圧をしようとする様子も無く、ただ鞘に収めた無銘の柄に手をかけた状態で、祖父。柊 秋一は現れた。 仮定する。もしもこれが、家族同士の勝負と言う形でなかったら。あの時点で、既に自分は死んでいた。思考せざるをえない、事実確認をしなければいけない。考えることをやめれば、恐怖に頭から喰われる。拳で額に一撃。痛みで、思考が鮮明になっていく、とりあえず秋一が来た。それは確かなことで、勝負が始まるのも必然であった。 何時もならば、簡単な事前儀式をするものなのだが、今回はその必要が無いようだった。目が既に開始を告げている。一回の深呼吸をして久人が刀を抜き放つ。自然な動作で青眼に構えて、約半瞬の瞑想。静かに目を開き――そこに彼の姿が無いことを見せつけられる。 柊 久人はリアリストであり、無茶はしない性格である、自分の能力を過信することは無く、確実に、的確に相手を詰めて行く。正に理詰めの剣を使う。つまるところ相手の観察をしたり状況変化を的確に捉える視覚。聴き取る聴覚。感じ取る第六感。知覚において、彼は常に全快を心がけている。決して洩らさぬ様、それは自分に不利な状況となるのを避けるための事前準備。つまりは保険。最悪な事象に転がらぬように張り巡らせた論理でできた保険。そして、超大級の災害はそれすら破ってきた。この時点で、久人は論理を放棄した。 幻のように、視界の死角左側から突然出現する黒鞘。無理やり体を沈みこませた上、下半身を無茶苦茶に使って退避。すぐさま構えなおすが、余裕のつもりか追撃はない。否、必要ない。先ほどのような攻撃が可能なら、何も警戒状態になった相手に飛び込まず、消耗戦に持ち込んだほうが確実だ。 「なんじゃ……」 期待はずれだといわんばかりの言葉。いや、寧ろ期待はずれだと直接いっているのと同義の言葉。 「修行の成果……真剣にしてもかわらんのじゃないか?」 フォフォフォ……と人を馬鹿にしたように笑いながら、言葉をつむいでくる。冗談ではない。甘かったのだと痛感する。自分は強くなったという事実。しかし、既に自分の周りの世界を超越したという虚実。目標としてきた人物。それに本気を出させたのが今だと痛感する。帰ってきて、多分、あれすらも遊戯。否。思い違いをしてはいけない。これが本気だと――。勝手に決め付けることは正に愚行……それすら追い越して、蛮行だといえるだろう。思考中絶。倒す術が見つからなかった。あえて言うならば。【勝つこと】は不可能だと断定した。 思考の中では、勝てないと理解した。考えうる作戦を全てとっても、理詰めではこの男を倒せない。そうなれば、最早イレギュラー狙い。体が動くまま全開で行くしかなかった。そうして、ゆるりと横に動き出す。 緩から急へ、ゆったりと動いていたのを強制中断、左足をすり足で距離を盗むと同時に、右足で激烈に踏み込む! 予想される範疇だろうがなんだろうが関係なく、平突き。一番よけにくいとされる突きは弾かれる事もなく咽元へ向かい、しかしにして、獲物は捕らえられない。顔を横に逸らすだけで渾身の突きをかわす祖父。だが避けられる事は予想済み。相手はまだ抜いていない。平付きの刃の側へよけたのは挑発かもしれないが、抜いていない状態では、反撃する手段がない。そこまで思考、横薙ぎに切り替え。相手は避けるしかない、しかも沈み込んでの避け。 いつしか、話を聴いたことがある。しかもためになるのかよくわからない話で、時間の無駄になったという感じではないのだが、自分にとってはどうでもいい話で、あんまりに考えすぎるとそういう風になるのだろうなと言うイメージが。今でも漠然に存在するだけの話であった。曰く――予定運命に逆らうな。と その横薙ぎは……首を捕らえていた。 何であろうと、対峙した時点で殺生を覚悟しなくてはならない。家族、友人、恋人。そのような絆の範疇を超えて、人というものは非情になれる。時として、自分以外は全て敵とみなす必要も出てくるというものだ。覚悟と言う言い方は余りに好きではないが、意志は必要だと判断する。殺すという意志。生残るという思い。つまりそれは必要最低限の生きる権利だと考える。 鮮血が視界に飛び込む中、【家族】という囲いを完全に捨てた。驚愕する祖父の顔がよく見え、しかしそれでも断ち切れない首に憤りを感じた。すぐさま、水月に蹴りを叩き込み、その反動を利用して濡れた刀を引き抜く。さらにあふれる紅。なにか 祖父が何かいっているようだったが、久人には聞こえなかった。 最高の環境は無音――そういう話を聴いたことはないかな? 感覚が鋭敏に働き境地が見える瞬間は音が聞こえないんだそうだ――。 首からの出血を止血法を使って、それなりに止める秋一。その際にも柄から手を離すことはない。そんなこと、久人には関係なかった。 蹴りで離れた相手を即刻追尾、全力で唐竹割り。 直撃こそしないものの、刀は道場の床を完全に打ち抜く。それすらものともせず、床下から滅茶苦茶な切り上げ。床板を破壊しながら、剣戟が秋一を捕らえようとする。そこで、彼の姿が消失する。真剣勝負一度目のあれ、それが今回は見えていた。視線を向けることもなく、逆手に持ち替え、背後への刺突。残念ながら捕らえることはなかったが、不意打ちは完全にさけ、対峙しなおす。剣鬼が二匹お互いの存在を確認した。ここから先は完全に箍の外れた戦い。否、殺し合いが始まるのを雰囲気が物語る そして、それは予告どおりに始まった。 間合いがつめられる。どちらから詰めたのかは関係無しに、秋一が即刻飛び込む、颶風と化したそのまま、神速の抜き打ち。それを首を上げるだけでかわす久人。しかし、それは抜き打ちではなく、燕返しだった。刀が戻り首を狙う。次はかわすことはできない、故に受けた。何時もは両手持ちの左手を開放し右手だけで、首筋まで引き上げる。ギリギリのタイミングで柄が剣戟を受け止めた。 優位とかそういうものはこういう戦いでは余り役に立たない。すぐさま優位が逆転し、長引くと思った勝負が一瞬で決まることも殊更珍しくないのだ。それを知っている秋一は見たところ完全優位を放棄し、離脱。またもや二人が対峙する。 結局のところどうなったのかは知らないが、それでも……命の取り合いをしたことは確かだった。 つまりそれは、柊の名に符合するのではないか――と。 (……なるほど。それについては納得した) そう、つげる。未だ鮮血に染まっている椿をみるのは痛々しいが、真実を知るという探究心のほうが強い (では、次を聞かせてもらおうか……!!) 不意に飛び込む、完全なる虚を突いた攻撃、それは直撃するはずだった。 「な……!!」 いきなりの浮遊感、そして痛み。攻撃があたる寸前、縄で足から縛り上げられ、矢やら、槍やらが全身に襲い掛かる。 (……これは) それでも勤めて冷静に、あくまでも情報を聞き出すためにやせ我慢をする (ご想像の通り……Sala=the=Trap mastar……の力だ、おっと沙羅目といったほうがわかりやすいか) (……驚きの連続だ。皆の素性がそんなものだということに加えて……。いったいなぜその体で使えているのかと言うこと……!!) ふっ。っと呼気を発し罠を振りほどく。 (今度はしっかり喋ってもらうぜっ!!) 気合と共に姿が消失する久人。「……何」椿が一瞬驚愕に顔をゆがめる。その背後。そこに久人は現れた。 (昔、こんなことをやられてな……!!) 剣戟が椿を襲う。それは不可避! そして、先ほどは右肩から入ったものを、今度は左から袈裟がけに斬る。 「ぐうっ!!」 鮮血が舞い苦痛の言葉をもらす椿。しかし口元には笑みが。 (なるほど、それなら俺も本気で相手をしてやろう……!!) そう言葉が届くと同時に、背後を取った柊に剣戟が襲い掛かった。滅茶苦茶な。型も何もなっていない攻撃だが、意外性はある。捕らえられることはないが。 (クックックッ……!! ここから先が課題だっ!! 倒してみろそれが答えになる) そうして始まる激突。互いの全速でぶつかりあい、剣が悲鳴を上げる。あわせて三撃の攻防、流し、受け、さらに剣戟を追加する。外れて風となった剣戟は啼き叫び、無念を語る。それは、正に人外の動きだ。 (俺は……真実を知りたいんだっ!!) 気合と共に一閃。相手の剣を横にはじき、間髪いれずに突きを繰り出す。それを体をそらして避ける椿、その動きを殺さず回転したまま、横薙ぎ。それを紙一重で柊の剣が受ける。 互いに、五分五分の実力、切迫しているからこその、緊張感がその場に異様な雰囲気を演出していく。実際のところ、椿のほうが身体的なダメージは大きい。柊は水月に一撃を決められたものの、剣戟を受けたということはない。つまり、無傷も同然。しかし、それだけで椿が終わるはずがなかった (いい……か。殺しても。もう、そうするしか……なぁ?) 疑問系と共に姿が掻き消える。 「な……!?」 (おせぇよ。莫迦) 背後からの声、それに体が反応し、剣で背中の急所を防御する。しかしそれすらも、意味をなさなかった。 (なにやってんだか……絶えろ) いきなり目の前に現れたのを視認する柊。それに剣戟を加えようと……。突然全身から血汐が噴出す。その全てが裂傷。 「あああああっ!?」 言葉にならないが、痛みで無理やりひねり出される声、そして跪く。裂傷がいくつできたか確認する術はないが、危機であることに代わりはなかった。眼前の椿は、躊躇いもなく、剣を振り上げている。 「この……っ!」 それを受けようと、剣を頭の高さに構える。それをあざ笑うかのように。蹴りが柊をすっ飛ばした。 「かっ……!!」 数メートル。簡単に吹っ飛ばされ、受身すら取れず無様に落ちる。その一瞬の復帰時間すら許さず、狙ってきた刃をかろうじてうけ、流す。剣が流れ、反撃の機会を。伺う久人の体が、持ち上げられる、襟元を持って宙に浮かされ、無防備となる。逃れる術など、あるはずもなかった。 そうして、意識を完全に刈り取る叩きつけ。顔面から地面に接吻させられ、頭が揺れる。重い脳震盪によって完全に久人の意識は吹き飛んだ。 「…………ああっ!!」 それから数時間たったのか、目を覚ます。目の前に居るのは……自分。の姿をした椿。 「よぉ……。やっぱ無理だったな」 「強すぎ……勝負とはいえないよ」 沈黙、そうして舌打ちをして、椿が言う 「ちっ、手加減しておいてそれかよ」 「そっちもね、殺すとか言いながら、生かしてるし」 静寂。今度も椿が破る、舌打ちはないが。 「今回の最後の話だ……。俺について」 そう、静かに騙る。久人が黙りこくっているが。それは無視して続ける。 「俺は……柊の……」 「……え?」 なんていいやがりましたかこの狂人は、もう一度言わせようとするが、既に彼の姿はなく、中に入ってしまったようだ。 ふざけている、真逆、そんな。つまり俺は――。 迷いより、確信。 つまり俺は――世界の敵。
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最後に、島内トーナメントおよびキャラクターランキングを実施します。 それらの詳細は 島内トーナメントは こちら キャラクターランキングは こちら を参照してください。
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