ここに来てからおよそ1時間
周囲では既にアンジニティ陣営と接触し戦いを始めようとしている気配も多数
そんな中で初白は1人不要な争いを避けながら歩を進めていた
それを可能にしているのは新たに目覚めたもう一つの異能『空間認識』
目や耳に届く情報に依らず空間そのものを読み取る能力だ
この力があれば相手に察知されるより遥かに早く位置と動きを把握し、敵を避けて味方だけと接触することができる
そうして安全を確保しながら考えることはこの世界のこと、アンジニティのこと、イバラシティのこと
榊から聞いた限りのここでのルールを信じるならこの戦いは決して殺し合いなどではない
どんな怪物だろうと狂人だろうと相手を死に至らしめることはできないばかりか戦いが終われば掠り傷も残さずに完治しているようだ、現にあのナレハテというのと戦ったときに受けた傷ももうどこにもない
そして全ての決着がついたときにもそれは同じ、元に戻るか入れ替わるか、それだけでしかない
さらに言えばここでもし死んだとしてもイバラシティにいる自分には何の影響もないわけで
ではこの戦いが終わったあとのことはどうだろうか
イバラシティ側が勝った場合、元の世界に戻り、アンジニティから来ていた仮の住民はいなくなる
その中にはこれまで親しくしていた者もいるだろう、そういった人達と別れることは辛いかもしれない
けれど侵略なんてなくたって別れはあるものだ、イバラシティの学校はちょうど卒業の時期で街の外に出る人も珍しくなくそうでなくても道を違えば二度と会わないのかもしれない
友人知人がアンジニティに帰るのもそれと何か違うのだろうか
もしアンジニティが勝ったなら、行き先は世界に否定されたものが送られる世界
けれどそこにはもう人にあだなす存在はいない、いるのはイバラシティから移住した人間とそれに協力を意志を示したアンジニティの住人だけだ、ならばまた町を作ればいいだけではないだろうか、いかに荒廃した世界であっても多くの異能の力をもってすれば十分に可能なことだろう
結局はどちらに転んでも住む場所が変わって同じ世界で暮らす人もいれば違う世界に分かれる人もいるというだけなのかもしれない
あるいは特別な関係を持った相手が違う世界の方だったらまた意味が変わってくるのだろうか、だとしてもある種の詐欺にでもあったようなもの、そういったこともいつもどこかで起こっているのだろう
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初白 「そう簡単に割り切れないのが人間というものなのでしょうけどね……」 |
いずれにしても自分には戦う力はないのだからこの侵略の行く末を見守るだけでしかない
だからこそこうして俯瞰的な考え方になるのだろうか
ともあれ今の自分にできるのはこんな世界でも、こんな世界だからこそ皆が落ち着いていられるようにサポートすることくらいだろう
だからいつもと同じように笑っていよう
ItemNo.99 を破棄しようとしましたが、そこに果たして何があったのか・・・真実は闇の中です。
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初白(11) に ItemNo.99 を手渡ししようとしましたが、何を渡したかったのか忘れました。
ItemNo.99 を食そうとしましたが、何か美味しいモノの幻を見ていたようです。
ItemNo.99 を使おうとしましたが、それに触れるためには何かのLVが足りないようです。