気が付くと、既に日は高く昇っている。　地面にうつ伏せに倒れたまま、しばらく気を失っていたらしい。

ローバルを使役しているという黒幕を名乗る男に呼び出されたシュウスケ達は、ここで彼と対峙し、戦った。


相手もまた、自分とは異なる形状のマスカレイドシステムを使用し、強化外骨格を装備していた。

…それは妖精の魔力を、全て奪い取って行う、恐ろしいものであった。




彼に利用されていた、赤髪の妖精の悲鳴が、今も耳に残っている。

あのベルトの力で、魔力を体から無理矢理抜き取られるというのは相当な苦痛となるらしい…





そこで、ふと脳裏に不安が過る。

フィリアスとファダルコード。二人の妖精の姿が見えない。どこに行ったのだろうか？

同行していた妖精達を探そうと起き上がろうとした時、全身に激痛が走る。




―奴はローバルを使役し、妖精やエンブリオの魔力を奪わせている…まさか…！―

最悪のケースが頭から離れないまま、シュウスケは激痛も構わず立ち上がり…

…背中に乗っていて落ちたのだろうか。背後から、聞き覚えのある声が聴こえてきた。

そういって、ファダは森の奥へと進んでいく。

ファダは一本の木に空いた穴の中に入っていく。ここが今の住処なのだろうか？

しばらくすると、穴から小さなパーツのようなものが飛んできた。　

そこには確かに、フェアリードライバーに似た材質で出来たパーツが握られていた。

丁度宝玉のようなものがはめ込めるような空洞が2つ空いており、中心が左右にスライドするようになっているようだ。

マシンフェアリーソーンに近づき、軽く機構が見える程度に、丁寧に分解を始めるエレネ。

機構が顕になったマシンフェアリーソーンに対して、エレネは何を思ったのか手を添えながらその機構をじっと見つめ始めて。

それから数分程ほど、軽くエンジンをかけてみたりなどして。

　クン・フウを信じ切っているのか、大きく出る。（どうみてもフラグ

　まさに言い得て妙である

　パイフーは嬉しそうに、また かっかっかと笑った。

　パイフーがそういうと…
　少し暖かい風がフィリーちゃんやシュウスケくんの頬を撫でた…様な気がした。

　よく分からない言語で喋っているようで、なんとなく意味は通じそうな？
ぽやぽやした娘でした。傍目から見ればとても一歳違いには思えません。

　肩をホールドされまして。ちょっぴり身を捩るようにじたじたしましたが、敵わず。
それほど強く暴れた訳じゃありませんが、力は見た目通りとても弱そうです。

　胸元に飛び込んでくる妖精さんを軽く身を後ろに戻しながら受け入れたはいいものの。
サイズ差からか、抱きしめる訳にもいかず。ちょっとわたわた。
結局とりあえず胸の下で腕を組んで腕なり胸なり肩なり座ってどうぞという格好におちつきました。

エリファスは感嘆したような、それでいて後ろめたそうな口調で、そんな感想を述べる。

何やら、思うことがあったらしい。一人で悩んでいるようだ。
それからあなたに自身が協力する理由を尋ねられて、エリファスは露骨に狼狽した表情を見せる。

どうやら、後ろめたさの正体はそれらしい。言ったきり、エリファスは俯いてしまった。

モノの赤い光が、ローバルだった霧の向こうに居た、シュウスケたちの姿を捉える。

ボソリとそれだけ言い、モノは剣を背中に担ぎ直すと、シュウスケ達の前へと歩み寄る。
それなりの身長を持つはずのシュウスケが、まるで少年のように見える程の巨体である。

赤い光が、フィリーの姿を追うように動く。
敵意は感じないが、ちょっかいを出すとどうなるかは分からない。

フェアリードライバーのバックル部分を展開すると、電子音と共に穏やかな光を放ち始めた。

アステカから送られる魔力で宝玉を作製し、バックル部分にセットする。
シュウスケの全身に強化骨格が瞬時に転送され、戦闘準備が完了した！

ふとオリビンの右目　眼帯の下がぼんやりと緑に輝くと
何もない中空　オリビンの眼前に掌大の輝石が浮かび上がる。

その名をそれを跳躍と共にカタナで叩き斬ると、砕けた欠片が粒子にほどけていき
渦を巻いて徐々に形を成していく。
淡い緑の光の中からお腹に子供を宿した聖母にも見える天使が現れた。