
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――――遥か、遥か太古の昔。
ディープ族、と呼ばれる穏やかな人々がいた。
彼らは皆、"死者の霊魂による"音の現象……
ラップ現象、と呼ばれるそれを引き起こす事が出来た。
人の魂が音波として現世に訴えるそれを、彼らは聞き取り、皆に伝える事が出来たのだ。
彼らは皆その能力を隠し、その能力を他人に知られる事なく一生を終えていた。
しかし、次第にその力を振るい、富と名声を得ようとする者が現れる。
そして、人々にも次第にディープ族の存在を知られるようになった。
ある人々はディープ族を、神のお告げを聞く事の出来る神聖な人々として持て囃し、
ある人々はディープ族を恐れ、全ての厄災の原因を彼らのせいにした。
平和に生きる事を望んだディープ族は、北国にある地底への入り口を通って
人知れず地上から皆その姿を消し、空洞であった星の中で生きる事を選んだ。
――――今から約数千年前。ディープ族が、地底人となった瞬間である。
ディープ族
"魂の声"を聴く力を持つとされた地底人。
一族の中で交配を繰り返していった彼らの力は、
次第に大きく、そして異質に変貌していった。
力を使う時に髪は白く、瞳は赤くなるとされる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――――そして、時は流れ……今から35年程前の事。
ディープ族の住む地底で、族長に一人の娘が生まれる。
その娘は大層美しく、気立ても良い惚れ惚れするような女に育った。
族長の娘であり、一際一族の中でも強い力を持っていた彼女は……
魂ある物の精神に、自由に出入りする事が出来る能力を持っていた。
ディープ族たちは彼女達の能力の事を、スペースメーカーと呼んだ。
さて、一族の中で交配を繰り返した彼らの中には
スペースメーカーを持って生まれた彼女とは別にまた少し変わった力を持つ者もいた。
例えば、彼女の兄などはスペースメーカーに加えて
"未来予知"の力を持っていた。未来に繋がった魂の声を、彼は聞く事が出来たのだ。
そう、そして兄は聞いてしまった。
自分達の住む地底の、さらに奥深くから……抗う術もない災厄が訪れ、
それがディープ族を滅ぼすであろう事。
そして自分の妹が、地上人との間に生まれた子をその胸に抱く事を。
さらに問題だったのは……予知した未来が訪れる刻が、
その僅か1時間後だった、という事だ。
たった1時間の間で、ディープ族の間で禁忌とされた地上へ逃がす事が出来たのは……
自分の妹、たった一人だったのだ。
地上へ逃げたディープ族の生き残り、彼女の名は……
ココロ。
その息子である芥川 響は……地底人ディープ族の、最後の生き残りである。
芥川 響……地底人"ディープ族"と、地上人のハーフ。
――――母、心は死んだ。
地底のディープ族も皆滅んだ――――
彼が死ねば、
ディープ族は絶滅する。

[816 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[370 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[367 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[104 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[147 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
 |
エディアン 「・・・・・・・・」 |
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
チャット画面にふたりの姿が映る。
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
 |
エディアン 「・・・・・・・・」 |
 |
白南海 「・・・怖いだろうがよ。」 |
 |
エディアン 「・・・勘弁してくれませんか。」 |
 |
白南海 「ナレハテってあの!アレだろォッ!!?ドッロドロしてんじゃねーっすか!! なんすかあれキッモいのッ!!うげぇぇぇぇうげえええぇぇぇ!!!!!!」 |
 |
エディアン 「私だって嫌ですよあんなの・・・・・ ・・・え、案内役って影響力どういう扱いに・・・??私達は関係ないですよね・・・????」 |
 |
白南海 「あんたアンジニティならそーゆーの平気じゃねーんすか? 何かアンジニティってそういう、変な、キモいの多いんじゃ?」 |
 |
エディアン 「こんな麗しき乙女を前に、ド偏見を撒き散らさないでくれます? 貴方こそ、アレな業界の人間なら似たようなの見慣れてるでしょうに。」 |
 |
白南海 「あいにくウチはキレイなお仕事しかしてないもんで。えぇ、本当にキレイなもんで。」 |
ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。
 |
白南海 「・・・っつーか、あれ本当にドライバーのオヤジっすか?何か雰囲気違くねぇ・・・??」 |
 |
エディアン 「まぁ別の何か、でしょうね。 雰囲気も言ってることも別人みたいでしたし。普通に、スワップ発動者さん?・・・うーん。」 |
ザザッ――
チャットに雑音が混じる・・・
 |
エディアン 「・・・・・?なんでしょう、何か変な雑音が。」 |
ザザッ――
 |
白南海 「ただの故障じゃねーっすか。」 |
ザザッ――
 |
声 「――・・・レーション、ヒノデコーポレーション。 襲撃に・・・・・・・・いる・・・ 大量・・・・・こ・・・・・・死体・・・・・・ゾ・・・・・・」 |
 |
声 「・・・・・ゾンビだッ!!!!助け――」 |
ザザッ――
 |
白南海 「・・・・・・・・・」 |
 |
エディアン 「・・・・・・・・・」 |
 |
白南海 「ホラーはぁぁ――ッ!!!!
やぁぁめろォォ―――ッ!!!!」 |
 |
エディアン 「勘弁してください勘弁してくださいマジ勘弁してください。 ホラーはプレイしないんですコメ付き実況でしか見れないんですやめてください。」 |
チャットが閉じられる――