NOTICE
ENTRY
RULE
RESULT
LOUNGE
CITYMAP
<< 2:00>> 4:00
[基本]OK. [戦闘]OK. [取引]OK. [スキル]OK. 






ユウ
「――――あった。あれだ。」

駅まで迎えにいった帰り道、少し先の空を指差して彼が言った。
その指先が示すのは、あの星だ。アガタの異能によって浮かぶ、一点の光だ。

ハヤミ
「よくそんなすぐ分かるな。」

同じように空を見上げて、確かにそこに星があることを確認する。
学校に通う子供たちのほとんどは、今頃、春休みを満喫していることだろう。
『友人が泊まりに来るかもしれないから』とあらかじめ断っておいたはずなのに、
当然のように例年通りのスケジュールでおしかけてきた従弟が実際隣にいる。
それどころか、春休み前にも学校をサボってやってきたぐらいだ。
歳の離れた従弟であるユウは、叔母さんの一人息子だ。この春で中学三年生になる。
来年度は受験で忙しいだろうし、遊びにくるのはこれで最後かもしれない。
そう思うと、『断ったはずだ、今すぐ帰れ』とは強く言えなかった。

ユウ
「オレね、毎晩あれを探すのが日課だから。
寝る前にあの星がまだあるのを確かめて、今日も世界は平和だったなって実感するの。」
ハヤミ
「勝手に他人の異能に世界の平和を委ねてんじゃねえよ。」

キガシラの話を聞いてからというもの、自分も毎日のように空を見上げている。
外出の用事がなくともわざわざ外に出て、春が来てもまだ冷たい風にあたりながら星を探すのだ。
アガタの世話を押し付けられ、仕事の締切とそれだけを気にかけていれば良いかと思っていたが、
面倒なことに、また新たな気掛かりがひとつ増えてしまった。

それは、アガタの異能だ。イバラシティの上空に浮かぶ、ひとつの星だ。
『願い事をひとつだけ叶える』というそれは、今もまだ、一度も使われないままでいる。
もはや異能というより、無能だ。
今日も変わらず、いつもと変わらぬ光が当然のようにそこに浮かんでいた。

あの星があの場から消えるということは、アガタが異能を使ったことを示す。
星を見つけ、安堵するたびに、キガシラがその口から発したアガタを蔑む言葉を思い出す。
自分自身は『どうかあんな人間の願い事は叶えないでくれ』と祈るだけだ。何も出来ない。
なんなら、一度選んだ紅茶をコーヒーに変えるとか、そんなくだらない願い事でもいい。
今すぐにでもあの星を落として、消えない流れ星に願い事を唱えようと群がる者たちを
一人残らずその光のもとから追い払ってほしいぐらいだった。

気色悪いのは、アガタだろうか。
金と異能のためにアガタにすり寄るキガシラも、相当おかしい。
それでもアガタは、欲深い者たちのおかげで今も生きているのかもしれない。
一人で生きてはいけないと彼は言う。それだから、すぐ近くにあんなものがいるのだ。
…………気色悪い。気色悪いのは、三人そろって全員だ。
アガタも、キガシラも。あの話を聞いてなお、アガタのそばに残ろうとする自分も。

ユウ
「歩きながら考え事ができなくなってきたら、ボケが進行してるんだってさあ!」
ハヤミ
「うっせえクソガキ!!」

星を見つめながら立ち止まっていた自分に、
いつの間にか遠く先まで歩いていってしまったユウが大きな声でこちらを呼ぶ。
返事をして、すぐにそれを追いかけた。生意気にも走って逃げていく。
バッグやら何やら、泊まり込むための荷物を他人に持たせておいて、やることがそれだ。
現役の中学生に、インドア派はとても追いつけない。徒競走で張り合うのも馬鹿らしいので再び足を止める。
お前の荷物はここにある、お前がここに戻ってくるまで動かないぞという確固たる意思で
その場に立ち止まり続けていると、お互いにしばらく粘ったすえ、向こうが先にすごすごと戻ってきた。

ハヤミ
「つか、あれについて妙に詳しいじゃん。お前にあの星のこと話したことあったっけ。」
ユウ
「ん。聞いたから知ってるんでしょ。
大丈夫、オレは誰にも言ってないよ。そういうのは弁えてる。
オレがせっかく黙ってるのに、アガタが自分でベラベラ喋ってたら笑えるけど。」
ハヤミ
「アガタ さん 」
ユウ
「アガタさん」
ユウ
「おっさん、そういうとこうるさいよな。」
ハヤミ
「 おにいさん 」
ユウ
「ウケる。」
ハヤミ
ウケてんじゃねーよ!!

従弟からアガタの話を少しずつ聞くたびに、何かひっかかりを覚える。
その話が画家として活動するアガタのことだからだろうか。
テレビに映る芸能人の名前を呼び捨てるように、まるで接点のない従弟もまた同じようにアガタと呼び捨てる。
べつに、普通のことだ。そんなものだ。
そんなものだが、やはりアガタは何も変わってないようでいて、分かりやすく遠い場所にいる。

……あの空に浮かぶ星と同じだ。

ハヤミ
「お前さあ。よく俺にアガタさんの話するけど、何なの?
量産型の売れない絵描きに対する当てつけか?」
ユウ
「べつに、それでもいいけど。嫌ならやめるよ。」
ハヤミ
「あ、そう……。じゃ、お前はそんな喋りたいほど好きなのかよ。
そんなら、今ちょうどチナミ芸術館で展覧会やってるぞ。エフェメラルってやつ。」

歩いてきた道を振り返って、ちょうど駅に貼られていた広告を指差す。
ユウはそれを一瞥して、「知ってるよ」と思った以上にドライな返事をしてきた。
確かに知らないはずもないが、もう少し何か反応があると思っていた。
彼はふいと顔を背けると、すたすたと歩いていく。

ハヤミ
「……今度、一緒に行くか。俺もまだちゃんと見に行ってないから。」
ユウ
「行かない。」
 

「なんで」と問い返せば、ユウはもう一度こちらを振り返る。
じっとりと、その黒い眼がこちらを見上げた。
叔母さんは何かわけの分からない理由で気分を損ねる度にこんな顔で睨まれるのだろうか。
それはすごく、気の毒だ。気難しいどころの話ではない。
しかし、そういった態度を指摘できるほどには、
自分も中学生の頃は家族に対してあまりいい態度ではなかった。
というよりも、今も継続して家族には会いたくもない。

ユウ
「聞いたよ。展覧会やってるあいだ、アガタもこの辺に滞在してるらしいね。
チナミ芸術館でアガタ本人を見かけたっていう人の話も聞いた。
オレね。アガタの絵は好きだけど、アガタには絶対会いたくないんだよ。」
ユウ
「直接話しかけたりとかじゃなくても、近づきたくない。」

「なんで」。もう一度その言葉を繰り返す。
キガシラの言葉が、あの死体の絵がフラッシュバックする。
何の接点もない従弟がそこまでアガタに会いたくないという理由が思い浮かばなかった。
この少年は、アガタの絵に隠された何かを察しているのだろうか。
このあとすぐ、キガシラと同じ言葉を吐き出すのかもしれない。『気色悪い』と。

ユウ
「……ほら、アレ。声優とか漫画家が顔出しするとガッカリする奴あるじゃん。
流石に顔ぐらいは知ってるけど、実際の声とか、動きとか、あと身長とか。
アガタが、イメージと違ったらツラいじゃん。綺麗なままで置いておきたいの。」
ハヤミ
「…………。」
ハヤミ
「ハ~~~~~~~~~~~~~~~ッ、なんだ、そんなことかよ……。」
ユウ
「そんなことって。大事なことだよ、オレにとっては。
でもオレが直接会いたくないってだけだから、もし会ったら教えてよね。」

この従弟はあれだけ言っておきながら、調子の良いことを言う。
安堵したのか、脱力したのかよくわからない心境だ。
もし会ったらどころか、アガタの顔は見飽きるほどだった。
もちろん、ユウにそれを教える気もない。まず何より、面倒だ。
実際のところは、ユウは以前家に泊まりに来たアガタと一度会っている。
ユウがそれに気付かないままならばそれはそれで、気付かないままでいてくれと願うばかりだ。

ハヤミ
「それぐらいなら、やっぱ行くか。エフェメラル。
画家様だってそう自分の展覧会に入り浸ったりしねーよ。握手会じゃあるまいし。
本当に好きで来てる客は喜ぶかもしれないけど、なんとなく来た客が萎縮するじゃん。」
ハヤミ
「絵だけは好きなんだろ? 絵だけ見に行くつもりで行けばいいんだよ。
…………それにたぶん、展覧会にしか並んでない新作とかもあるだろうし。」

この前見せつけられた、展覧会に新たに搬入された死体の絵も含めて。
自分があの絵を初めて目にした時の感想は、それが死体の絵であるという情報に上書きされてしまった。
知ってしまった以上、二度と、あの絵を何も知らない者たちと同じように見ることはできなくなった。

勿体無い。

これは良くない考えだが、純粋に、従弟にあの絵を見せてみたいと思った。
彼の目にあの絵はどう映るのか、どう感じるのか、それを聞いてみたいと思った。
死体の絵だけではない。他の絵も、全部そうだ。
アガタという画家の作品について、聞きたくなった。

たったひとつの死体の絵が、アガタが描いたあらゆる絵画を歪めて映す。
アガタの絵をこの目に映したとき、もう、自分は、周囲の人間とは違う絵画を見ているのだろう。
おそらく、自分と同じ世界で同じ作品を見つめることができるのは、あのキガシラだけだ。

勿体無い。

従弟の目を通して、もう一度、今まで通りのアガタの絵を見ようとしている。
自分の目で見れるわけでもないのに、まだ少しだけ、今までの世界が見られると期待している。
実に、良くない考えだ。しかし、従弟はそれをしらない。

ユウ
「……あの人の絵さあ、ヒーリングアートとかって祀り上げられてるじゃん。
オレ、あれ自体はあんまり好きじゃないのね。ダメとまでは言わないけどさあ。」


「ああいう風になってくると、画家としてはそのうち身動き取れなくなると思うんだよね。
過激派が勝手なイメージ抱いて、美化しまくって、今までどおりの作品を期待して、
ちょっと作風が変わっただけで『こんなのは○○の作品じゃない』とか言い出すんだよ。」
ユウ
「そうすると、イメージを崩さない絵ばかり表に出てくるだろ。
死んだ後で未発表の作品がいくつも発見されて、遺族が高値つけて売り飛ばしたりする。」

「オレがアガタの絵を好きだと思ってるのは幻想で、
本当は誰かに描かされてる絵だとしたら、ちょっとキツいんだよね。
そんなの、絵を見たって分かんないことなんだけどさあ。」



ユウ
「アガタって、今もまだちゃんと描きたい絵を描いてるのかねえ。」



隣に並んで、ありがちなうんちくを垂れ流しながら歩く少年が最後にぼやいた言葉は、
今までたった一度も考えたことのない言葉だった。
キガシラは言っていた。未発表のスケッチを世に出す気はないと。

まさに、すでに。
アガタというひとは、その画家としての地位を守るために、
現実と切り離された空想によって、その身を塗り固められているのだろう。

彼が嫌々絵を描いているとは欠片も思わない。
思わないが、阿片せつせつという画家を取り囲む世界はきっと、
彼がどういったものなのかを、ありのままには映していない。
ほとんどの人間は、アガタというひとを知らないだろう。
自分が今まで何も知らずにいたように、ずっと、知らずにいるのだ。

そのほうがいい。
何かを創る者というのはそういうものだ。


観客は、出来上がった作品だけを見ていればいい。







 ――――ハザマの地でもすこしずつ、細切れの時間が進んでいく。
 傍らの友人以外とは誰とも言葉を交わすことなく、今もまた、星を探す。

 ふと、イバラシティでの従弟の存在を思い出した。
 Cross+Roseを使って、相手の無事を確認する簡潔なメッセージを送ってみる。


 ――――……

 ……しばらくして、送ったメッセージがそのまま戻ってきた。
 どうやら、彼はこの戦いには参加していないようだった。
ベルナルディタ
「…………。」
ベルナルディタ
「……イフ、本当に大丈夫なの?
お前はもともと戦うほうじゃないはずでしょ。私も、お前には戦力として期待してない。
ただ退屈しのぎの話し相手になってくれれば良かっただけで……。」
ハヤミ
「大丈夫だよ。まだ大丈夫。全然大丈夫だから。
逃げて隠れるだけじゃあ、行きたい方向にも行けないからさ。
それに、敵がいるからって避けて通ったところにアガタがいたら困るだろ。」
ベルナルディタ
「そう。大丈夫じゃなさそうなのは分かったよ。」
ハヤミ
「…………。」
ハヤミ
「――――本当のところはさ。」

「ここハザマで戦うよりも、アンジニティでの暮らしよりも、
イバラシティで日常を過ごすほうが怖いよ。なんか、なんかさ。
アガタのことを知るたびにさ、子供の頃のこと思い出すんだよ。忘れてたのに。」
ハヤミ
「そしたら、笑いをこらえるのに精一杯でさ、ほんと、面白いんだよ。
母さんの顔がちゃんと思い出せたらもっと良かったんだけどさあ、
俺本当にそれだけが心残りだよ。どうして描けないんだろうな。変だよなあ。
あいつの肖像画を描きあげたらさ、実家に帰ってさ、母さんの絵が描けたよって、
クソジジイとクソババアの目の前で燃やしてやることだけを楽しみに生きてるのにさあ。」
ハヤミ
「は、はは。俺が子供のうちに母さんが死んでくれて良かった。
誰が生き返らせてやるもんか、あんな女。ふっ、あはははは!!
ああ、でも、交通事故じゃなくて、自分で死なせてあげられたらもっと良かったけど!!」
ベルナルディタ
「イフ。」
ハヤミ
「そんで、あいつの死体をどっかに隠して、あいつが俺にやったみたいに、毎日スケッチしてやるんだ、全裸にして、その死体が腐っていくさまを、毎日、毎日!! 重ねた紙めくったらパラパラ漫画みたいに動くんだろうなあ! それ絶対楽しいじゃん! あっでも腐臭に耐えきれる自信ねえわ! 圧縮袋とかに入れても多分無理だわ! でも腐ってくのを描きたいんだよね、そういう問題とどうやって両立すればいいかな!? 別に腐ってくのじゃなくてもいいけど、こう、何でもいいからさ、少しずつ変化していくさまをさあ、描きたいの! 母さんが俺にしたことやり返すの! 燃やすでもいいけど、それだとちょっと変わってくペース早すぎて描ききれないからさ、アッ犬とか一緒に置いておけば毎日ちょっとずつ食べてくれるかな!? ほら、孤独死した人間を飼い犬が食べちゃう話とかよくあるじゃん! ね!」
ベルナルディタ
「イフ。」
ハヤミ
「ああ、でもそれならやっぱり大人になってから死んでくれたほうが良かったな。子供じゃ死体をどうにもできないもんな。実際何もできなかったもんな。だから、ちゃんと死体を保管するための準備をして、それから死んでもらうんだ。大人だったらそれができたかもしれないのに。勿体無いよな。ほんと勿体無いよ。でも母さんもう死んじゃってるからさあ、もしものこと考えたって意味ないんだけどさ、母さんが生きてた時は早く大人になりたいってあんなに思ってたのにね、これじゃ俺なんのために大人になったのかわかんねえや、俺何でまだ生きてんだろ、なんのためにここにいるんだろ、意味ないよな、ふふ、」
ハヤミ
「仮にもし今母さんを死なせてあげられるとしたらさ、やっぱ首絞めるほうが綺麗かな、痕が残るから溺れさせるのがいいかな、でも首吊りとかひどい顔で死ぬらしいじゃん! 外傷なくてもそんな顔で死なれたらちょっと嫌じゃない? あんま綺麗じゃないし! でも刃物で刺したり鈍器で殴ったりするのも美しくないっていうかさ、あの女のことは嫌いだけどさあ、脳みそ以外の肉体そのものに罪はないっていうかね、やっぱ見苦しい感じになっちゃうとかわいそうじゃない? もう変わらないわけだし。生きてるうちはどんどん変わってくものだからさ、死んだ瞬間が完成品みたいな? それならちゃんと綺麗に化粧してる時に死なせてあげないといけないよねえ、死化粧とか俺そういうのよくわかんないし! ちゃんと綺麗にしてあげられる自信ないし! まあでも死体なんて葬式しないなら見た目とか気にするところじゃないんだろうけどさあ!」
ハヤミ
「ああでもそもそもべつに死体にしてあげる必要ないのかな、そっくりそのままやり返すかたちだったら生かしたまま閉じ込めたほうが俺がやられたのと近いよね、そのほうがいいかもな、でも生きてるとなんか不安じゃん、またやり返されるなんて絶対嫌だからさ、死んでてくれたほうが安心なんだよね。とにかくね、何か作るんだったらね、その時の全力を注いでおいたほうが俺的にはあとで後悔しないで済むと思うんだよね、『でもあの時は全力で頑張ったからこれ以上良いものは作れなかったんだ』って許せるじゃん! ねえベルナはどうするのが一番良いと思う? とりあえずベルナが言った通りにしてみるよ、お前が決めたことならなんかうまく行かなくても全然大丈夫だし! 俺たちなんだかんだいってうまくやってきたもんな、そういうことは信頼してるんだよ、だから」
ベルナルディタ
イフ!!!!
ハヤミ
「――――ッ!! な、なに!?」
ベルナルディタ
「落ち着いて。落ち着いてよ。それはお前じゃない。ハヤミはお前じゃない。
お前は世界に否定されて、アンジニティ送りにされた罪人。逃げるな。」
ハヤミ
「は、」

「…………、」
ベルナルディタ
「お前は罪人だよ。お前に母はいないよ。お前が幼い子供だったこともない。
お前は誰かに捨てられた想像上の友人。そうだったはずでしょ?
それを私が拾って、ここに存在できるように書き換えてあげただけ。
でも、イバラシティに行ってから、お前は急に別人になった。子供みたいになった。」

「……それは、ハヤミの記憶のせいなの?」
ベルナルディタ
「ねえ、イフ。私に話をしてよ。何でもいいから。何でも聞く。
余計なことは考えずに、ずっと話をしていて。そうしていて。
そうしないと、お前がおかしくなりそうだから。」
ベルナルディタ
「……イバラシティでの生活、楽しい?」
ハヤミ
「…………。」
ハヤミ
「…………うん。楽しいよ。アガタと居る時だけは。
安心するんだ。あいつ、別に俺のこと自体はどうでもいいと思ってるだろうから。」

ENo.537 光のおえかき とのやりとり

1時間経っても、2時間経っても音沙汰はない。
以前にアガタは「自分は返事はあまりしない、電話はあまりでない」とは言ってはいたが
…。


以下の相手に送信しました

ENo.537
光のおえかき






 (心に光。)


 ――――また、空を見上げている。

 このとき、探しているものは星ではない。友人の名だ。
 Cross+Roseにある参加者名簿からその名を一通り探して、探して、もう一度探し直す。

 見知った名前はいくつか見つけられたのに、探し人の名前は見つからない。
 自分自身の名前も、見つからない。『阿片せつせつ』も、『速水徹也』も、どちらもない。

 いや、そもそもの話。『速水徹也』は居ないのだから当然だ。

 ――――では、『阿片せつせつ』は?


 ……これ以上は無駄だ。再び、星を探して空を見上げた。

ItemNo.7 仮定上の存在証明 を美味しくいただきました!
 体調が 1 回復!(21⇒22
 今回の全戦闘において 治癒10 活力10 鎮痛10 が発揮されます。
 今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった!















星追うよだか
ENo.537
光のおえかき
ENo.664
闇のおえかき
ハザマに生きるもの
大ガラス
鬼火
















Nap Frappé
ENo.909
スカリム・ヴェノケルコス
ENo.931
女疾石 伊舎那
星追うよだか
ENo.537
光のおえかき
ENo.664
闇のおえかき








アガタ(537)平石 を入手!
ハヤミ(664)藍鉄鉱 を入手!
ハヤミ(664) を入手!
ハヤミ(664)吸い殻 を入手!






武器LV5 DOWN。(LV5⇒0、+5CP、-5FP)

変化LV2 UP!(LV3⇒5、-2CP)
料理LV8 UP!(LV18⇒26、-8CP)

アガタ(537) により ItemNo.4 ペンタブの替芯ItemNo.8 ねばねば を付加してもらいました!
 ⇒ ペンタブの替芯/武器:強さ15/[効果1]攻撃10 [効果2]攻撃10 [効果3]-【射程2】/特殊アイテム

頭にありもしない記憶がよみがえる。

コヌマキャンプ場。
ザリガニは何で釣れるのかとどっちかが聞いた。ちくわでいいはずとどっちかが言った。
コンビニでふたりしてちくわを買った。
そのまま渡されそうになったちくわに…ちくわに割りばしをつけてくれと店員に頼んだのはたしかハヤミだった。
割りばしを小さくして釣り具にした。

コンビニでもらった割りばしの中にはつまようじが同封されていた。
そういえば、つまようじをペンタブの芯にする人もいるらしいじゃないか。

緑に覆われた林の中、沢の縁に腰掛けていた。
釣りあげたザリガニを、落としそうになる彼のために、咄嗟に手でザリガニを受けた。

その時なんというか、ぬるっというか、ねばっというか、
したことを思い出した。

ItemNo.6 パンの耳 から料理『人の心』をつくりました!
 ⇒ 人の心/料理:強さ36/[効果1]防御10 [効果2]治癒10 [効果3]-

 『気色わるくないですか、アガタって。』

アガタ(537) の持つ ItemNo.7 不思議な食材 から料理『ささやき』をつくりました!

りこ/朔(1070) とカードを交換しました!

桜餅 (アクアヒール)


イレイザー を研究しました!(深度2⇒3
ティンダー を研究しました!(深度2⇒3
エキサイト を研究しました!(深度2⇒3

ストレングス を習得!
アウトレイジ を習得!
キーンフォーム を習得!





チナミ区 O-6(山岳)に移動!(体調22⇒21
チナミ区 P-6(道路)に移動!(体調21⇒20
チナミ区 Q-6(道路)に移動!(体調20⇒19
チナミ区 Q-5(沼地)に移動!(体調19⇒18
チナミ区 Q-4(沼地)に移動!(体調18⇒17













―― ハザマ時間が紡がれる。




「・・・おや?何だか良い香りが。」



黒髪に蒼い瞳、黒スーツ。
細く鋭い目で怪しげな笑顔を頻繁に浮かべる。
整ったオールバックだが、中央の前髪がすぐ垂れる。



花の香りと共に、Cross+Rose内が梅の花に囲まれた売店のある景色に変わる。




「香りまで再現、高機能な代物ですねぇ。」

「しかし香るのは、花の匂いだけではないような・・・」



何か甘い香りが漂っている売店のほうを見ると――



カオリ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、橙色の着物の少女。
カグハと瓜二つの顔をしている。
カグハ
黒髪のサイドテールに赤い瞳、桃色の着物の少女。
カオリと瓜二つの顔をしている。



静かに何かを作っているふたり。




「ごきげんよう。それは・・・・・団子、ですか?」



榊の質問に、反応する。



カグハ
「団子いっちょーう。180円。カオリちゃん、具。」



そう言って焼いた団子を隣りに渡す。



カオリ
「はいはいカグハちゃん。はいアンコ奮発しちゃうよー!!」



団子にもっさりとアンコを乗せ、榊に手渡す。




「おお・・・これはこれは美味しそうな!ありがとうございます。」



カオリ
「・・・・・って、チャットでやってもねー。無意味だねぇ!無意味っ!!」
カグハ
「ホンモノ食べたきゃおいでませ梅楽園。」



両手でピースサインを出すカグハ。



カオリ
「いやまだお店準備中だから!来てもやってないよー!!
 材料創りはカグハちゃんなんだから自分で知ってるでしょ!!」



ピースサインを下ろそうとするカオリ。



Cross+Rose内の景色が元に戻り、ふたりの姿も消える。




「いただいた団子は・・・・・これは無味ッ!!味の再現は難しいのですかね。」

「まだ準備中のようですが、こんな世界の中でも美味しいものをいただけるとは。
 いつか立ち寄ってみるとしましょう。」



チャットが閉じられる――














星追うよだか
ENo.537
光のおえかき
ENo.664
闇のおえかき
ハザマに生きるもの
オオザリガニ
オオドジョウ




314 131


1st
オオドジョウ



3rd
オオザリガニ


















星追うよだか
ENo.537
光のおえかき
ENo.664
闇のおえかき
ガラス細工の一人と二人
ENo.998
藤井
ENo.1173
リズとナヴァル




141 243











ENo.664
闇のおえかき
■プレイス■
『くらがりアトリエ』http://lisge.com/ib/talk.php?p=2625
『アトリエガレージ』http://lisge.com/ib/talk.php?p=2661

『スルダ廊下』http://lisge.com/ib/talk.php?p=2799


【速水 徹也(ハヤミ テツヤ)】
いまいちぱっとしない平凡な絵描きの男。
クラウドソーシングや最近流行りのコミッション等の手段で
フリーランスのイラストレーターとしても活動しているが、
生計を立てるために近所のコンビニでバイトもしている。
絵描きとしての腕はといえば特筆すべきこともなく、
『探せばその辺にゴロゴロいそうな感じ』の一点に尽きる。

イバラシティで展覧会を開くという有名画家、
アガタ(阿形せつせつ)の中学時代の美術部の先輩だが、
画家として大成した彼との距離感を掴めずにいる。


【イフ】
亡き母の異能『イマジナリ・フレンド』によって、
仮初の命を与えられた小鳥の姿をしたおともだち。
ハヤミを幼少時代から見守ってきたが、見守るだけだ。
曰く、「私の友達はお前の母であって、お前じゃない」。


【異能】『IF(イマジナリ・フレンズ)』
描いたものを具現化し、
人格(キャラクター)を付与する能力。
IFによって生成されたキャラクターは実体を持たず、
言葉を吐き出す以外に何かへと干渉する術を持たないが、
絵の中に存在するものであればそれを書き換える力を持つ。

ハザマでは自らの異能によって
白紙のキャンバスを周囲に敷き詰めることで、
IFが実体を持ち、干渉できる空間を生成する。



――――――――――――――――――――――――――
《ハザマでの姿》
――――――――――――――――――――――――――

【イフ】
イバラシティでのハヤミ。姿もハヤミと変わらない。
アンジニティの罪人、ベルナルディタによって
いくつかの魔法で生み出されたイマジナリーフレンド。
創造主であるベルナルディタによって付与された役割は、
その名の通り『誰かの友人であり続けること』。
作者にとって都合のいい架空の存在であるこれは、
俗にいう、よくある“キャラクター”でしかない。
が、イバラシティの記憶に引きずられて、
本来の人格は崩壊しつつある。

イバラシティには絶対に住みたくないという理由で、
アンジニティの民でありながらイバラシティ陣営につく。


【ベルナルディタ】
イバラシティでのイフ。
とある世界の理を書き換えた罪人として、
アンジニティへと追放された魔女。
異能に等しい独自の能力は『おもかげ備忘録』。
過去出会った誰かを思い描くことで、
それとよく似た傀儡、“キャラクター”を生成する。
17 / 30
88 PS
チナミ区
Q-4
行動順5【順応】AT・DF・DX・HL↑
4500
330







Noアイテム名種類強さ効果1効果2効果3(素材・食材・消耗の場合は詳細等)
1不思議な武器武器10【射程1】
2不思議な防具防具10
3不思議な装飾装飾10
4ペンタブの替芯武器15攻撃10攻撃10【射程2】
5不思議な石素材10[武器]回復10(LV5)[防具]敏捷10(LV5)[装飾]幸運10(LV5)
6人の心料理36防御10治癒10
7藍鉄鉱素材20[武器]器用15(LV25)[防具]防御15(LV25)[装飾]活力10(LV10)
8
9素材10[武器]束縛10(LV25)[防具]加速10(LV25)[装飾]敏捷10(LV10)
10素材10[武器]敏捷10(LV15)[防具]加速10(LV15)[装飾]貫撃10(LV15)
11吸い殻素材10[武器]炎上10(LV25)[防具]道連10(LV20)[装飾]火纏10(LV25)
最大所持可能数[50]




異能・生産
名称LV説明
呪術10呪詛/邪気/闇
具現10創造/召喚
変化5強化/弱化/変身
料理26料理に影響

アクティブ
被研究スキル名/元スキルLVEPSP説明
ブレイク6020敵:攻撃
ピンポイント5020敵:痛撃
クイック5020敵2:攻撃
ブラスト5020敵全:攻撃
ヒール5020味傷:HP増
ダークネス6060敵:闇撃&盲目
クリエイト:タライ6040敵:攻撃&朦朧・混乱
ストレングス50100自:AT増
クリエイト:ファントム60140自:衰弱LV増
アウトレイジ5090自:AT・闇特性増
キーンフォーム5080自:DX・貫通LV増
エナジードレイン60160敵:闇撃&DF奪取
サモン:レッサーデーモン50400自:レッサーデーモン召喚+HP減

パッシブ
被研究スキル名/元スキルLVEPSP説明
攻撃650【戦闘開始時】自:AT増
防御550【戦闘開始時】自:DF増
器用650【戦闘開始時】自:DX増
敏捷550【戦闘開始時】自:AG増
回復550【戦闘開始時】自:HL増
活力650【戦闘開始時】自:MHP増
体力550【戦闘開始時】自:MSP増
治癒550【自分行動前】自:HP増
鎮痛550【被攻撃命中後】自:HP増
幸運650【戦闘開始時】自:LK増
召喚強化520【常時】異能『具現』のLVに応じて、自身の召喚するNPCが強化





被研究カード名/スキルEPSP説明
癒し狸
(ヒール)
020味傷:HP増
どっかの売店のポイントカード
(ピンポイント)
020敵:痛撃
決3
桜餅
(アクアヒール)
040味傷:HP増+炎上・麻痺防御




[深度]スキル名[深度]スキル名[深度]スキル名
[ 3 ]エキサイト[ 3 ]ティンダー[ 3 ]イレイザー



PL / 鴉瓜