
―― ウォン side――
【イバラ---day】
「……体育祭に力を入れなきゃいけないのに、どうも、あまり集中できてない気がして。
だから、なんだろうな……すっきりしたいんです。頭が冴えるような、歌が、聞きたくて」
『――すっきりしたいんです。今のままでは、戦えない気がして。ですから、天使様。私に力をください――頭が冴えるような、加護の、歌を』
―――重なる。
いつかの、”お世話役”が自分にいった言葉。
その戦うとは、天使――自分を逃がすための、戦いで。
でも、そのお世話役には葛藤があって。
そんなことをコレは知らず、ただ求められたままに歌った。
歌って――そして、そのお世話役は――”死んだ”。
コレに――
『ありがとうございます』
と告げて。
それから、もう聞くことがなかった言葉だ。
あぁ――でも――今度は。
「うーっす、休憩所人多いな……
すまん、待たせたか?」
ちゃんと、その声が聞けてよかった、なんて思ったのは。
――きっと、誰も知らない。
【to be contined】
―― 右鞠 side――
【イバラ―――days】
ファッションショー、のデートという、題目で。
いろんなデートの想像を見て、ふと考える。
好きと、言われても、正直自分にはよくわからない。
そも、相手を好きになろうということをしたことがないし。
また、好きになられようともした覚えもない。
ただ、頼ってもらって。使ってもらうのが目的だから。
そのための一歩を踏みしめるだけ。
踏みしめていくだけなのだけれど――
――それが、好きに繋がるなんて、全く思ってなかった。
そも、どうして好きになったの? とか
そも、なんで急に? とか。
他人の物語であれば、囃し立てたりなんだりは”真似る―できる―”のに。
自分がそうなったときの参考がないから、ただぼんやりと
今の関係の継続、でしか、返せない。
自分に踏み込まないようにしてきた。
しかし、自分が、踏み込んでしまっていた。
その、違いなのだろうかと――
適切な距離を、取るように、次から心がけないとな――と反省して。
でも――
その距離を保っていながらも、なお、踏み込んでくる人がいたりしたら。
自分は、どう考えるだろうなんて――
だから、あんな表情や
あんな――感情が滲むのかと
そんなことを考えていたら、ファッションショーの終わり。
ブランブル女学園の屋上にいて――
流星群を見つめながら――思った。
でもまぁ、ガラじゃない。どうせ消える、感情だ
―――――なんて
【イバラ―――days END】

[822 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[375 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[396 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[117 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[185 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
アンドリュウ
紫の瞳、金髪ドレッドヘア。
体格の良い気さくなお兄さん。
料理好き、エプロン姿が何か似合っている。
ロジエッタ
水色の瞳、菫色の長髪。
大人しそうな小さな女の子。
黒いドレスを身につけ、男の子の人形を大事そうに抱えている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
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アンドリュウ 「ヘーイ!皆さんオゲンキですかー!!」 |
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ロジエッタ 「チャット・・・・・できた。・・・ん、あれ・・・?」 |
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エディアン 「あらあら賑やかですねぇ!!」 |
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白南海 「・・・ンだこりゃ。既に退室してぇんだが、おい。」 |
チャット画面に映る、4人の姿。
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ロジエッタ 「ぁ・・・ぅ・・・・・初めまして。」 |
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アンドリュウ 「はーじめまして!!アンドウリュウいいまーすっ!!」 |
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エディアン 「はーじめまして!エディアンカーグいいまーすっ!!」 |
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白南海 「ロストのおふたりですか。いきなり何用です?」 |
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アンドリュウ 「用・・・用・・・・・そうですねー・・・」 |
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アンドリュウ 「・・・特にないでーす!!」 |
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ロジエッタ 「私も別に・・・・・ ・・・ ・・・暇だったから。」 |
少しの間、無音となる。
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エディアン 「えぇえぇ!暇ですよねー!!いいんですよーそれでー。」 |
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ロジエッタ 「・・・・・なんか、いい匂いする。」 |
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エディアン 「ん・・・?そういえばほんのりと甘い香りがしますねぇ。」 |
くんくんと匂いを嗅ぐふたり。
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アンドリュウ 「それはわたくしでございますなぁ! さっきまで少しCookingしていたのです!」 |
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エディアン 「・・・!!もしかして甘いものですかーっ!!?」 |
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アンドリュウ 「Yes!ほおぼねとろけるスイーツ!!」 |
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ロジエッタ 「貴方が・・・?美味しく作れるのかしら。」 |
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アンドリュウ 「自信はございまーす!お店、出したいくらいですよー?」 |
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ロジエッタ 「プロじゃないのね・・・素人の作るものなんて自己満足レベルでしょう?」 |
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アンドリュウ 「ムムム・・・・・厳しいおじょーさん。」 |
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アンドリュウ 「でしたら勝負でーすっ!! わたくしのスイーツ、食べ残せるものなら食べ残してごらんなさーい!」 |
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エディアン 「・・・・・!!」 |
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エディアン 「た、確かに疑わしい!素人ですものね!!!! それは私も審査しますよぉー!!・・・審査しないとですよッ!!」 |
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アンドリュウ 「かかってこいでーす! ・・・ともあれ材料集まんないとでーすねー!!」 |
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ロジエッタ 「大した自信ですね。私の舌を満足させるのは難しいですわよ。 何せ私の家で出されるデザートといえば――」 |
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エディアン 「皆さん急務ですよこれは!急務ですッ!! ハザマはスイーツ提供がやたらと期待できちゃいますねぇ!!」 |
3人の様子を遠目に眺める白南海。
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白南海 「まぁ甘いもんの話ばっか、飽きないっすねぇ。 ・・・そもそも毎時強制のわりに、案内することなんてそんな無ぇっつぅ・・・な。」 |
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白南海 「・・・・・物騒な情報はノーセンキューですがね。ほんと。」 |
チャットが閉じられる――