ぽっかりと浮かんだ月の下、その光に照らされたのは白い獣。
　正確には、獣のように見せかけた、龍種の仔。
　目深く被ったフードに怯えたような表情からは到底想像出来ない種のソレは、うつらうつらと船を漕いでいた。
　眠いのかと問われたら、否。
　それはある種の儀式であった。
『自分』に問い掛ける為の――――。

「んっ」
　ぱちりと目を開けば次に仔が立っていたのは月下の森では無い。
　だだっ広くただ白く。そんな空間であった。
　その中を慣れたように歩き出すも、歩いても歩いてもあたりは白い。
　けれど仔は知っている。そこに、『扉』がある事を。
「キーエ！」
　大きく名を呼ぶ。
　一度、二度呼んで何も返答が無く、仔は仕方なしに座り込んだ。
　そこに何があると知っている様子で、むくれたように頬を膨らませて見遣っていると、不意に広がる白が途切れる。
　あ、と見上げればギ、ギ――と、何も無い空間から扉が開いた。
「……眠い、なに」
　現れたのは、仔とまったく同じ顔、毛並み――いや少し違う。
　仔よりも幾分か表情が薄く、鼻面が細く、いわゆる「龍」というに近い様相をしている。　その態度も慣れたようなものだろう。
　仔がそれで怯む事は無かったが、口を開けども言葉が出ない。
　言うか、言わざるか。それとも何と言って良いのかと迷うように口を開閉させる様子を、もう一人はじっと見ていた。
　急かす事も呆れる事もしない。
　やがて、ようやく仔は決心したようだった。
「――続きを」
　言葉を吐くもう一人に対し、仔はいまだ迷うそぶりを見せながら、「あのね」と話し始めた。

（其の一）（たぶん続く）

珍しそうにじっと見るものの、辺りには木も何も無く、ほんの少し困ったような表情になってしまった

ドタバタとしながらも二人とその他の生物の冒険が始まる…

にこにこえがおをうかべながらPSをうけとりましたが、

つぶやきがきこえたのかおどろいたようにあながあくほどまじまじとみつめました。

ボードにもじをかきながら、はじめとちがったふんいきにとまどっているようです。

相手が震えているように見えたので、慌てて違うとばかりに両手を横に振った。

相手が気にしているものが分かると、笑ってスケッチブックを相手に渡す。
中身は風景から人物画から様々のようだ。

どうやらあなたの近くに道に迷った青年が来たようです
あなたはこの青年を無視してもよいし、声をかけてもよい

ぷるぷる震えているのをじっと見ている。

目の前の白い少年の、どこか遠い声に、自分とは何か異なるモノを感じつつも、その正体をつかめずにいるエッダ。

だけど、少年が自分の友人である事には違いない。

ペラペラと身の上を語るエッダ。それは信頼の証でもある。

まだ幼い少年には、目の前の友人の存在と、漠然とした目標があれば、それだけで歩みを進めるのに充分なのであった。

………。
一瞬何か見えた。気のせいだろうか。

キーはちょっぴり、むっとしている。

キーはなんだか一匹で百面相だ。

今日も今日とて、ラクダとかサンドジェリーとやらや、あげくザントマンもお皿に出しそうな勢いだ。

なんてね、と、小さく笑ったようだ。

キーは光の速さでエッダの後ろに隠れた！

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