「私の中身こそが、君への……愛だ。」

私の一撃がアルミ・カーンへのとどめとなり、そう言い残して敵は倒れた。
そしてそれは即ち敵の全滅、戦闘の終わりを意味していた。
念のため周囲の警戒を怠らず行った後、私たちは戦闘態勢を解く。

ここで立ち止まっているわけにはいかない。
先を進まねばならぬし、今日の野営地を確保する必要もある。
そうして、私たちはその場を後にしようとした。


「あいたたた…やられてもうたなぁ…。」
と、背後から何者かの声がした。

思わずロングスタッフを握り締め、振り返りながら身構える。
敵は全て倒したはずだったし、確認した際も何者の気配も感じなかった。
何者なのか？

見遣ると、倒したアルミ・カーンの頭部にあたる缶から何かが這い出ていた。
銀色のメタリックボディにピンクのレオタード、それは筋肉質な小さな少女に見えた。

そう言いながらその少女は腰をさすりながら立ち上がり、私たちに向き合った。
中に入っていた？　動かしていた？
ようは先ほどのアルミ・カーンは搭乗兵器のようなもので、この少女がそれを操縦していた、
そういうことだろうか。

確かに実際に対峙したアルミ・カーンの能力は、
前衛に立つ者としては手に入れると心強いものになるであろう。
先の負け戦のこともあり、早急な戦力の立て直しが必要なのは間違いないことだった。

そう言って、アルミ・カーンの少女、アル美はにっこりと少女らしく微笑んだ。
…これが私への愛、なのだろうか…。

それはそれとして。撫でようとされた手に一瞬肩を強張らせたものの、頭を差し出して素直に撫でられる。

あたりの空気がひんやりと変わった

どこかでしゃれこうべがカタカタ音を立てている