死ぬかと思った。

　護りの森に白い虎が出るという話は聞いていた。ただ、まさか三頭も寄ってくるだなんて思っていなかった。
　僕のせいかとも考えたけれど、実際は他の二人にばかり気を取られていたように見えたから、たまたまだろう。きっと。

　二人が虎と契約した後、半ば流されるようにして（勿論二人がそう働きかけたというわけではなく）最後の一頭と契約を結んだ。
　今は最低限の力を発揮できる程度のネクターと生命力を与えて適当な道具に押し込んである。いずれこのエンブリオの力がもっと必要になれば、それを有効に扱える道具に入れ直して、相応の生命力を分け与えることになるだろう。それでも、今はまだ、これ以上の力を与える気にはなれなかった。

まぢかでごうせいするさまをみて、パチパチとてをたたいてはしゃいででいます。

なぜかめせんをあわせないのをふしぎにおもったのか、ぶえんりょにずずい、とちかよってかおをのぞきこむと――

無言で相手を睨み付ける。

アマドはそっとしゃがみこむと、もそもそと土を食べ始めた。

しかしそれは赤土ではない。

手中に爪を隠し、何事もなかったかのように手指を払う。