「〜♪〜♪〜☆」


ひとばんたって、猫はすっかりもとどおり。
まるでぐあいがわるかったのがうそのようなげんきっぷりで、あたりをくるくるとまわってはたのしそうにおどっています。

ねこのげんきなようすをみて、ししょーもひとあんしんです。


「やっかましい！！さっきからウルセェぞくるぁああァッ！！！」


こちらもすっかりいつものちょうしをとりもどしたようす。


「まァ、治った証とも言えるけどよォ。それはこの際置いといて、だ。・・・・・何時までいんだよてめぇはよォ？」


ししょーがにらみつけたのは、ひつじのようなすがたのエンブリオ。
もちろんセバスチャンです。


「はて、貴方の許可が必要ですか？」


セバスチャンはすずしいかお。
そのたいどがししょーはきにくわないみたいです。


「あァ、あるな。何よりてめぇが気にくわねェ。つーかアイツと契約すらしてねェのについてきてどういうつもりだァ？」


「契約なら今朝方済ませましたが。」


「そう、エンブリオだってんなら契約が――――何ィ！？」


おどろいてししょーは猫をみやります。
猫はししょーがじぶんをみているのにきがついておどるのをやめましたが、なんでししょーがそんなにおどろいているのかさっぱりわかりません。


「おい、おめぇアイツと契約したのか？」


『そうなのです！小生セバスチャンにけいやくしてもらったのです！』


えっへんとむねをはる猫。



「……あ゛あ゛あぁあチクショウがぁぁああああ！！！！」



『ししょー…うるさいのです…』


「まったく、騒々しい方ですね。」


よくはれわたったそらにししょーのさけびがひびきました。




















「・・・・・契約しちまったもんはしょうがねェ。それで、当然あの先に何があるかを教えてくれるんだろうなァ？」


きをとりなおして、ししょーがセバスチャンにつめよります。
ですが、セバスチャンはついとめをそらして、


「・・・・・貴方の望むようなものはありませんよ。」


まるではぐらかすようなこたえ。
ししょーがこわいめでみながら、


「おいィ、それじゃあ困るんだっての。コイツが引き寄せられるように行こうとしてたのがあの建物なんだゼ。」


なァ、と猫にへんじをもとめます。
くびをかしげた猫からは、


『よくわからないのです？』


とのこたえが。
とうぜんなっとくいかないのがししょーです。


「はああぁああ！？だけどよォ、おめぇあのとき確かに――」


『でもいまはよばれているようなかんじがしないのです…』


そしてにっこりわらうと、


『きっと、小生がセバスチャンとあえるようにだれかがおしえてくれたのです♪』


「なんじゃあああそりゃああああああああ！！」


「やれやれ、本当に騒々しい方だ。それよりリク坊ちゃん、勉強の時間ですよ？」


『！！』


ふたたびこだまするししょーのさけび。
ひとりぼっちだった猫のまわりがだんだんとにぎやかになってきたようです。





猫がかんじたふしぎなよびごえ。
それに猫をみたときのセバスチャンのようす。
まだまだなにかありそうですが、きょうもさわがしいいちにちがはじまりそうです。

かーことメイは頭を下げ、もう一度礼を言った。

セバスチャンのことばをさえぎるようにあいてにたちむかっていきました。

もえつきてはいになったかのようにがっくりとうなだれました。

そこには手紙があった。裏には 樋渡 と書かれている。

5を御縁とかけて渡す。他の世界ではそういう風習があるらしいですの。
こちらは受け取っておいて欲しいですの。