【流れぼしに　ねがいをかけて】


共働きでほとんど家にいない母が
寝物語に読んでくれた数少ない絵本
その中でもいっとう好きな絵本がそれだった

―あるところに ちいさな星に住む　　ちいさな王子さまがいました―
―王子さまの星はとてもちいさくて いつも一人で暮らしていました―

出だしは確か そんなお話

―ある日王子さまは星にお願いをしました ぼくにお友達をください―

『ぼくも王子さまみたいにお友達が欲しいな。』

『あら、としゆきにはもう沢山お友達いるじゃない。』

『…ううん、王子さまみたいに、たった一人でいいから
　とっても大事なお友達が欲しい。』

子供ながらにそんなことを言った記憶がある
王子はその後 空の海を渡って大事なひとと巡り合う
優しいお話だった





「がそんこ？」



「あびこだよ　あ　び　こ　！」



あの時の願い事が　叶ったのかはわからない
でもその出会いの瞬間は瞬く間にやってきて



暗い空の海を渡っていた時は過ぎ去って
本当に流れ星みたいに　眩しい日々は過ぎていく



僕たちに残された時間は僅かしかなくて
それは流れ星の尻尾が燃え尽きていくみたいに



毎日一緒にいて　その次の日も一緒に遊んで
こんなにも明日が来るのが楽しみで
でも時間なんて止まってしまえばいいと思ったのは
多分　初めてだった



あの絵本は王子が大事なひとと出会ったところで終わっていた
もし　あの続きがあるならどんな話になっていただろうか



もう一度流れ星に願い事をしたなら
かなうはずもない願い事をしてしまったなら



「　　　　　　　　　　　　　　。」

その先はハッピーエンドなのか
それとも　バットエンドなのか


星の見えないハザマの空の下で　その願いは　一体どこにたどり着くんだろうか

▲	七坂 「なんてこった……2-3同士で血で血を洗う戦いに…… なりませんでしたね～あ～よかった。 ああ、とりあえず送ったやつらはどいつも……とりあえず生きてはいるみたいでちょっと安心ですぅ。 こっちは友達と集まって盛り上がってま～すイェ～イ」

	七坂 「正直侵略者より在来種のほうがヤバいわ。 　クマに追いかけられたわ。 　負けたら俺たちマタギに強制就職だぞ。どうする？」

▲	縹 「よかったですよ～あびこさんが怪我してなくて。 お互いに無茶しないようにしましょうね」

	縹 「あぁ、よかったです。 あびこさんがイバラシティ側で、安心しました。これであびこさんがアンジニティ側だったらどうしよう～って思ってたんですけど。 きっとあびこさんなら、正義の味方になってくれると思ってましたよぉ」

	縹 「まぁ、残念ながら縹は……あびこさんから見たら悪なのかもしれません。 縹、今回はアンジニティに与しています。 理由は特にないので、聞かれても答えられませんけど」

	縹 「安心してくださいね。 縹、イバラシティに恨みも何もないです。ただ、イバラシティを守る側にはなれなかっただけなんです。 完全にアンジニティの味方というわけでもないですし、まぁ何でしょうね……」

	縹 「どちらでもない。 何処にもいない。 ――――それが、私の答えです」

▲	白蛇 「ああ…ふふ。多少なりとも手加減をしてくれたのじゃな。 やはり"我孫子先輩"は優しい。」

	白蛇 「…そうじゃよ。貴方の知る「諏訪なぶさ」はご覧の通りじゃ。 隠していた訳ではないのじゃが…」

	白蛇 「――のう、我孫子先輩よ。 此処で逢えたのは何かの運じゃ。じゃが……それが幸運か、悪運か。それは神のみぞ知る…と。 ――…雀部先輩にも伝えてくれ。 「何があるかわからない。気を付けるのだぞ」とな。」

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