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――どのくらい、眠っていたのだろうか。


ぼんやりとした頭を起こし、ゆっくりと立ち上がる。

薄らとしか開かない両目を擦って、ようやくこじ開けた目に入った景色は
気が付くと普段の見慣れた風景から…一変していた。







崩れ果てたイバラシティの街並みと、禍々しく赤く染った逢魔時の空。
「逢魔時」の名の通り、まるで大きな災禍が蒙ることを報せているかのようだ。


暫くぼぅっと景色を眺めていると、目の前の大きな時計台の前に立つ
"白波"と名乗る男から声をかけられた。


イバラシティ、アンジニティ
防衛、侵略
ハザマ、ワールドスワップ……


白波の説明を受け、今この街に起きている事態に少々驚きはするものの、
不思議と混乱はしなかった。寧ろ、今の状況を理解するのに助かった。
…けれども。すべては受け止められなかった。




アンジニティの者は、既にこの街に紛れ込んでいるとのこと。
それがもし本当なのだとしたら、今まで共に過ごしてきた人の中に
侵略者がいるということなのだろうか。



……そんなの、考えただけで胸が張り裂けるくらいに苦しくなってしまう。





幸いにも、連絡手段はある。
今すぐ皆の安否確認をして…無事であればどこかで合流したい。

そう思い、手に持っている端末を起動しようとしたところ――
"ナレハテ"という、血の塊ような、謎の生物が自分の背後に現れていた。




白波によると、これを倒すことでこの戦いに貢献できるのだとか。
だとしても気持ち悪い…！
つい反射的に異能を起動してしまった。
そこでふと、自身の異変に気が付く。


いつもより、自身が放つオーラの力が強く感じるのだ。
この戦場(いくさば)で闘うために、敢えて強く引き出されているのかもしれない。




ぼくの異能を、怖がらず、認めてくれて…受け入れてくれたみんな。
自分の力が、何かの役に立てるなら。




全身が紫色のオーラが包まれた。
刹那、呼び起された霊たちが自分の支持に従い、
呻き声をあげながらナレハテを切り裂く。





……今までと違う、暖かな世界。
そんな世界が、ずっと続くことを祈って。





ぼくは、この街を守りたい。

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▲	リリア 「──ねるちゃん！ ねるちゃん！ こちらリリアです！人の形してる？！もしかして侵略とかしちゃってる！？」

	リリア 「はあ、はあ……安否の確認、遅れてゴメンね…… "こっち側"でようやくねるちゃんの情報が来たから連絡したってトコだもんで……」

	リリア 「とゆことで、リリアちゃんはオールグリーン大丈夫でございます！ そっちはどう？誰かと会えそう？他のみんなとは連絡とれた？」 「……もし、そちらがワケアリでも覚悟はできてるつもり。 だから──心配しないで、分かることだけでいいから、ね！」

▲	シェリル 「　　　　ザザ──　　　　　　　　　　　　　　　──ザｯ─　　　　　──ザ 　──安居院さん。わたくしです。相良伊橋高校のシェリルでございます。 　ご無事でしょうか？ご無事でしたら返答いただきたく…… 　　　　　　　　　　　　　──ザッザ─　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　──ザザ──　　　　　　　　　──ザザッ─」

	シェリル 「　　　　　　　　　　　　　──ザザ──　　　　　──ザッザ─　　　　　　　　　　　　　──ザザッ─ 　そして、もしお聞こえでしたら、わたくしのわがままな質問にお答えいただきたく。 　────あなたは、"どちら"で、"どちら側"でございますか？ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　──ザｯ─　　　　　　　　　　　　　　　　　　──ザ　　　　　　　　ザザ──　　　　　　　　　　　　　」

▲	桜子 「ねるちゃん、ねーるーちゃーん。聞こえとーかな見えとーかな？ このシステム、いまいち使い方よーわからんね……」

	桜子 「これちゃんと届いとらんとか、他の人んとこいっとったらめっちゃ恥ずかしかな…」

▲	ｻﾞｻﾞ… ｻﾞｻﾞ…

	ノイズ交じりに誰かの声が聞こえる。 「ねる　さ　だいじょ　ぶ」 途切れ途切れで、ほんの少し苦しそうで、まるであなたを心配するかのような声だ。

	どうやらあちらからもまだあなたの姿は見えていないようだ。 …だが誰からの声かCross+Roseで調べれば、いとも簡単に声の主の姿を見ることができるだろう。

▲	クラスのIBARINEで見覚えのある猫のアイコンで、テキストメッセージが届いています。 『こんにちは、と言っていいのか良く分からない空模様だけど……鹿金です。 安居院さんがもし、こちらへ飛ばされてきているようでしたら、ご連絡ください。 こちらは防衛側ですが、クラスメイトにもちらほらと侵略側の子がいます。 安居院さんがどちら側でも、自分はクラスメイトや先生が無事でいて欲しいです。 こんな状況ですし、仲間を探したり、拾った素材から道具を作って貰ったりして備えをしっかりとしておかないと、ここでの活動は厳しいと思います。 自分から話しかけるのは苦手そうですが、まずは自分から声を掛けてみて。 とりあえず、落ち着いたらビデオチャットも大丈夫ですので、宜しければご連絡ください。 それでは、お元気で』

以下の相手に送信しました

ねると愉快なオバケたち ENo.1549 ねる

ハザマに生きるもの ナレハテ

4人の声が響いています。

ねると愉快なオバケたち ENo.1549 ねる

ハザマに生きるもの 大黒猫

141

316

ねると愉快なオバケたち ENo.1549 ねる

TeamNo.645 ENo.645 ネモト君

156

565