これは私が大事にしているクラスの一部だ。
彼らは私のことをどう思っているだろうか?
そもそも興味ない?よくわからない?優しいだけじゃどうにもならない?
怒らない?弱弱しい?臆病?嫌い?もっと頼
りがいのある先生がいい?先生っぽくない?
副担任のほうが担任っぽい?例えば角田先生のように威厳がありしっかりしていたら。
例えば浅木先生のように叱るべきところで叱れ
たら。例えば黒木先生のように軽快に物事を
進めることができたら。蟻塚先生のように思慮深く生徒を導いていけたら。怒気先生のように大らかな心を持っていたら。
郷里先生のように真面目な天性の教師であったら。冬真先生のように落ち着き払っていたら。掘中先生のように気を抜く場所がわかって
いたら。苗場先生のように堂
々としていたら。桜橋先生のように物事を落ち着いて吟味できたら。三久間先生のように優しく強くあったら。
曾我部先生のように真剣に生徒の悩みを聞けていたなら。晴寺先生のように優しく落ち着いて生徒に接することができたら。坂道先生のよ
うに生徒のために奔走できる情熱があったら。
百鬼先生のようにぶれない確かな芯があったら。ペーター先生
のようにユーモアと思い切りの良さがあったら。エイラ先
生のように慣れないながらの愛らしさがあったなら。シェリル先生のように勇気と決断力があったなら。久能先生のように好きなもの
を好きといえる強さがあったなら。
灰闇先生のような明るさと力があったなら。そうしたらこの
子達はもっと自由で仲良くて喧嘩なんてすることなく穏便にトラブルも起こさず怪我することもなく健康で風邪もひかず悲しい
ことも起こらないで個性・自主性・思いやりを持ち日々を有意義に過ごせていたのだろうか。何か起こっても臆病で優柔不断で問題を
先送りにしてしまいいつもオドオドとしていて無趣味で彼女もいなくてよく転ぶし机に足ぶつけるしその度教職員の方に大丈夫ですかと聞かれてしまうし
異能だってすぐに使えるわけでも使いこなしているわけでもないむしろ私だって
知りたいこれどうやってうまくつかうんだもっとかっこいい異能がよか
った一人じゃなにも、そう一人じゃ
なにもできない!学校にはかいともいない!学校では私は先生だ、情けない姿を見せることはできないのだ。だけどそう思えば思うほど私は情けないのではないかという思考に囚われる。
自分の意見もはっきり言えない私のせいで!私には何もできない
!私は教諭として生徒に胸を張れるような人生を送ってきただろうか?そんなわけはない。だから自信をもって私に頼ってくれと言うこともできない!言ったところで説得力が伴わない!
だから生徒達は私のことを頼らない!私はただこの子達を見ていることしかできない!
私のクラスなのに!1-4は私のクラスなのに!
それでも、それでも、それでも、それでもそれでも、
このクラスは私のものだ!
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「 … 」 |
…………と、私は考えていたらしい。
全く人間とは愚かなものだ。
どう足掻いたって何を思ったって、最初から結論は決まっているのに。
だが、まさか、こいつら、
俺を否定してはいないだろうな?
未来ある彼らは間違えることなど許されない。
もしも私を否定するならば、相応の罰を与えなくてはならない。
この思い出をぐしゃぐしゃにして破り捨てるのはまだ早い。
これが俺を私たらしめるものだと確定するのであれば、まだ。