エンブリオは多種多様で、その行動様式もエンブリオの種または個体毎に異なる部分があるが、共通部分を再確認した。その共通部分について報告する。

　一つはあらゆるエンブリオはネクターという紅い花を契約の対価として求め、その契約を重んじているということである。エンブリオから求める力に応じたネクターを与える限りは必ず応えてくれることが確認された。これはメルンテーゼの魔法円の根幹の一つであるから、当然である。しかし、裏を返せばネクターを与える者の個人的な特性やその他の行動に依存せず、ネクターがある限りはエンブリオの信頼を得ることができ、また裏切られることがないということを示している。

　もう一つはエンブリオから得られる力はエンブリオの種と与えるネクターからのみ決定されるということである。我々の確認する限り、あらゆる一揆参加者のエンブリオ使いとしての能力は彼らの出自や、元から持っていた技能にほとんど依存していないことが確認された。つまり、エンブリオ使いの実力とはエンブリオの選別と、与えるネクター量の決定を適切に行うための判断能力である。

　以上のことから、理想的な契約者であるエンブリオが基幹をなすメルンテーゼは、財団にとって重要な分割世界の一つであることがいえる。また財団からメルンテーゼへの増派人員には契約を重んじ、判断能力に長ける者を選抜されたし。但し、他人の心理の把握、または掌握する術に長けた者も組み込むことを我々は強く推奨する。エンブリオは完全に魔法円の元に従っているが、一揆に参加しているエンブリオ使いは必ずしもそうではないからである。彼らに対しても注意深くならなければ、好機を逃し、裏切りに遭うなどの損害を被る可能性がある。

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声に出すのは癪にでも触ったのか、あくまで見届けるだけに止める。

…が、ゼリーの話まで持ち出されては我慢できなかったようだ。
荷物から素早くそれを取り出してかき込むように食べると、そのまま容器を投げ捨ててしまった。

自分の持ってきた酒をかなりのペースで飲みながら