道行く人達が、私達を祝福する。
"神より聖剣を授かった勇者の一行が魔王討伐に向かった"という噂は既に広まっていたらしく、魔物がいなくなった事で、私達の功績はすぐに知れ渡った。
こんなに人に感謝された事は、生まれて初めてかもしれない。

正直、かなり戸惑った。
どうやらそれはグリフやディラックも同じ様で、3人でおろおろしている中、ヴィルムが笑顔で応対していたのが印象的だった。

この子の妙な強さを、旅の中で何度も見て来たが、まさか魔王を討伐し終えた後にも新たな一面を見つける事になるとは思わなかった。





オリニヴィス王国から伝令が来た。
ハクアにて、王国行きの大型馬車が待っているのでそれに乗り込む様にとの簡潔な命令だった。

国にしてみれば、私達は与えられた命令を成しただけなのだろうが、もう少し――なんて心中で思っていると、伝令が、王達からの感謝の言葉を伝えてくれた。
伝令を介した形になって申し訳ないが、王国に到着した際には改めて直接言いたい、とも。

現金なものだが、悪い気はしなかった。
あまり国とか教会は好きでは無かったが、少しは許してあげても良いかもしれない。

ハクアの街までは後3日くらいか。
馬車ならば7日程で王国に到着するだろう。
後10日で、旅は終わりを告げるのだ。
…少し寂しく感じた。

いやまあ、ディラックはこれからも一緒にいてくれるし、地理的にはグリフもヴィルムも、会えない距離では無いのだろうけど…。

やはり、ずっと一緒にいた旅の仲間と別れるのは、寂しいものだ。
後10日。めいいっぱいの思い出を作る事にしよう。






ハクアの街に到着するや否や、無理矢理馬車に乗せられた。
王達から、せっつかれているから疲れている所すまないが急いでほしい、との事だ。
到着してから30分と経たず、馬車はハクアの街を出発する事になった。

身体を流すのもベッドで寝るのもパアだ。
訂正。やっぱり、国というものは嫌いだ。






後3日。馬車から見る風景はほとんど変わり映えもしない。
夜は町や村で一番の宿を借りてベッドで眠れるから良いのだが、せかせかしていて、思い出を作るような余裕はあんまりない。

結局いつもの雑談や暇つぶしで始終してしまった。
御者の話では私達の見立てより早く、後2日もあればオリニヴィス王国へ到着するそうだ。

徒歩で通った時と違って道中、魔物の気配は感じなかった。
すれ違う人々は、幸せそうにしている。

平和だった。






最後の日。夜、宿にて。寝るのが惜しくて、ディラックの部屋に集まる事にした。
これからどうするか、どんなことをしたいか、どうやって会いに行こうか――。
仲間の未来に想いを馳せて、自分の未来に想いを馳せて、忙しくなるであろう仲間たちに会いに行く方法方法を皆で考えて、盛り上がった。

ディラックは良い役職になるだろうから会い辛くなるだろうな、とか、それを言うならヴィルムは聖女としてほぼ確定だから男子禁制になるんじゃないかとか、ヴィルムが不敵な笑みで抜け出すから大丈夫と言い出して、私達をぎょっとさせたりとか。

後は、まだ先だが、私とディラックの結婚式とか。
そういえば、明日はディラックの血縁者も来るのだろうか？

……とりあえず礼儀くらいは覚えておいた方が良いのかもしれない。
後1日。間に合うかな…。
ディラックとヴィルムが教えてくれると言っていたので、できる限り覚えておかないと。






遠くに、塔の先端が見えてきた。
どうやらあと少しで到着するらしい。ちょっと緊張してきた。
続きは夜に書く事にする。

テーブルマナーは…何とか覚えた。きっと、大丈夫。









今、魔王の城の跡地に、私はいる。
みんなは、いない。



なんで、こうなったんだろう

リナリアは突然話しかけられたことを訝しみながら、
トントンに小声で指示を出す。

指示を終えると、腕を組んでやや体を傾けながら話しはじめる。

と言いながら、リナリアは弓を構えるそぶりを見せようと……

リナリアはそっと弓を降ろした

そう言うとむむむーと唸る。本人に自覚が皆無のようだ。

典型的な「私に至っては大丈夫」タイプのようだ。
そばに仕える人形の苦労が伺える。

　好意的な笑顔とともに、こちらの問いへの言葉を受け取る。
　楽しげに答える様子を見ながら相槌を打ちつつ、すべてを聞き終えると、「なるほど」と一つ呟いた。

ギガヤの容姿への指摘。足が見えている、という言葉には首を捻り。

　今更のように悩むトカゲであった。

メタ発言にはメタ発言で返すフレーズであった。

ある程度の反省は出来るようだ。

　達観かと思いきや……とても即物的な問題でした。
確かに尺度の一つではあるでしょうけども。

　一体何人居たんでしょうか……ぴおは人酔いを起こしてダウンしてました。
ともあれそれくらいの人数を統括して、とりあえず目的とアイテム持たせて送り出すのです。
ただものじゃあ、ない。一揆そのものにも関わる疑問です。こちらもルリアンナさんへの信用度はなさそう。

　一呼吸。素直な感想行きます。

　おいおい。マントをマントと認識しておりません。ついでにもひとつ。

　お前が言うな。

何か雰囲気を読んだらしい

盛大に水柱で上空へ吹っ飛ばされて行ってしまった。飛ばされながら何かを考えているようだ。

ＰＬ：お返事が遅くなりまして申し訳ありません。