中途半端に終わってしまったので、時間が来たら更新します。
たぶん土曜日くらいまでには……。

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（何処の誰がきっちりしていて厳格だ、それは貴殿の目を少々疑うぞ――と、何やら腰に下げた長剣辺りから、少年の声音が響く）

（自身で認めつつ相方に否定されるのは面白くないらしい←…。）

（悪い反応でもない相手の微笑みに、ふふっと楽しそうに左右色違いの瞳を細めつつ）

だいぶ前に出てきたアレを思い出している。
………「マッスルポテト」を。

気づくと襟に汚れが…

探索を続けている。
声にも構わず続けていたが、偽の居心地悪そうな声を聞いて。

何も言わず、調査を終えた。

何とも言えない表情で偽を見ながら、そんな事を、考えていた。

そう髪をいじりながら微笑んで語った。

そういうと…シトロンの腕から茨が現れた。
そこから白い花が咲き始めた！

本物に近い花と茨のそれがシトロンの腕に生えていた。

そういうと…近くにいたマッスルポテトを茨で締め上げた！
それもものすごくきつく縛り上げた…。

その瞬間マッスルポテトは引きちぎられてバラバラになった…
その光景はモザイクをかけたくなるほど…散々であった…。

そしてバラバラになったアレをみて…

無残に残ったそれだけが残った…。

蕾のの花から伝わる言葉をまるで噛み締めるかのように静かに聞いていた。

その言葉たちはユキヒメに響く。

この子となら何か、見つけられるかもしれない。

少しずつ雰囲気が変わる。静かに。

彼女の紅く燃え上がる炎は次第に彩（いろ）を変える。

姿は変わらず。だが、炎は示していた。
紅き雪の姫は蒼く燃え上がりし鬼の姫への変化を。

纏いし雪は哭く。纏いし炎は嘆く。
この力、人を助ける力などはなく、山を護りし力、敵を打ち倒すための力と示す為に。

ルカは一人、うんうんってな具合に頷いているが、乏しい語彙では表現に欠けている。
実際、そういうお年頃である。 格好良いに、憧れるくらいの。

エンブリオの力にも、同じように一揆に参加する人達にも、自分達は助けられている。
いざ、お返しをしようったって、そう上手くいくわけもなくて。
支えられてばかりのようで、助けられてばかりのようで、もどかしい。
と、

　なよやかな印象を受けていたが、はっきりと告げられたその言葉に、その意味に。
　彼女は強い、と思った。

　自分も目の前の彼女も、やってることだろうけど。

　話が飛んだが、城内でのことらしい。

　言われたことには、そうかしら、とやっぱり思案気な顔で。

笑いながら呟いた声は何の為に。何に向けて。

それでも偽り続けなければならない。

L i l i t h・・・・・

拘束を解除する。唇を虚に動かす。
かじゃ、ん…と腰に付けていた錠前が落ちる。
雪火女を見据えて偽は遠くより。陽炎のように体をブレさせて腕を落とす。

陽炎の様に蒼き炎が揺らめく。
彼女もまた『解いた』のだろうと。

熟しすぎた果実は地に落ちず、只大きさを増してきた。
その糧が年月だろうかはたまた想いであろうか。


これより拓かれるは妖怪の宴。
見るは月夜と二匹の妖（あやかし）

果して結末これ如何に。これより開幕に、ございます。

揺らめく炎は、蒼から紅に

私にたどり着けなかったモノを既に持っているのだから

「貸し与えた錠前は貴様の持つ《リリス》の鍵と一致するよう作られている。外せば鍵をかけるだけで済むが、できるだけ長いこと放してやるな。貴様にかけられている呪印もそれが抑制しているからな」

何年前だっただろうか。親しい友人の言葉を反芻し、頭の中にふと響いてきた。開錠した錠を再度封をしてから、《リリス》はため息をつく。
思い切りやっても彼女なら死ぬ事はないだろうし、元より人という存在を超越している存在だ。生半可なやりかたでは消滅もしないだろう。
元々最弱をうたうだけあって、今代名を継いでいる《リリス》は真に最弱だ。真正面からの勝負なんて分が悪いにも程がある。
それでも彼女ほどの存在に挑みたかったのは、敬意を評して、そして伝えたいことがあったから。
今となっては、それもどうでもいいことに終わった、けど。

これからどうするか。特に考えてはいない。与えられた仕事を全うして、それからはいつも通りにしていればいいのだろうか。
それで、よいのだろうか。
提げた鍵をぼぅっと眺める。Abyssと彫られたそれは、行く行く巨大な『鎌』に見えた。

先日彼女からもらった髪飾りを掲げながら、偽は物思いに耽る。
少しの間だけ、これをつけてみるのも良いかもしれない。身だしなみに気を使う…使っても良いのだ。おさがりだけど、これはとてもきれいなもの。
永遠を得た髪飾りは、永久を得られるよう。

魔法をかけてコーティング。防腐の術をふらりとかけてみたい程度だけど、もう少し、数十年は持ってくれるだろう。
未来への手向け土産に、これは大事にとっておこう。

ぜーひゅー　ぜーひゅー

　　――しっぽがぴくんと跳ねた。