※今回は敗走編はお休みです
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「…………」 |
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難しい問いだ。
戦う以上、誰かしらはうっかり殺したり、はたまた殺されたりってことがあるだろう。
ただ、それを度外視して『あの街に帰る』ということだけを考えるなら……
僕にとってあの街とは、第3の居場所。
第1の居場所は、瀬奈やセタリアと共に過ごした僕の故郷。
第2の居場所は、僕が肉屋としての人生を歩み始めたアンジニティ。
そして、第3の居場所があの街……イバラシティだ。
僕の生涯において、第3の居場所はかなり新しいというか、思い入れの点で言えば最も浅い。
大切な繋がりと思い出があるのは確かだけど、それは他の居場所だって同じだ。
むしろ、あの街に帰るということはおそらく、故郷とアンジニティでの記憶を失うということ。
それは、少なくとも僕にとっては……損失だ。
一番大切なのは『僕が僕でいられるか』どうか。
その点で言えば、『全ての居場所の記憶』を有していられるこのハザマこそが、
僕が最も望む場所かもしれない……
けど
深い憤りを感じる。
理不尽に執り行われるワールドスワップ、侵略戦争。
先刻のタクシードライバーの言葉。
……ああ、いい加減、堪ったもんじゃない。
お前たちに、僕らの在り方を捻じ曲げられるなんて、堪ったもんじゃないぞ。
まだ見ぬハザマの"創造主"、お前もまた僕の『怨敵』となるのだろうか。
僕はやっぱり馬鹿だ。
僕の侵略嫌いも大概だ。
お互いの思いをぶつけ合う決闘、殺し合いは大歓迎だとも。
しかし、その思いごと一方的に捻じ曲げようとしてくる奴にはどこまでもムキになってしまう。
まあ、こうして僕らの神経を逆撫で決起させる事こそ
怨敵の思う壺である可能性もなくはないのだけど……
それもまた一興だよね。
……ちょっと話がずれたね。
僕は果たしてどこに帰るのか?という話だ。
第1の居場所……まず故郷には、僕の帰る場所などない。
第2の居場所……当たり前のように帰るなら、アンジニティだろう。
でも僕が『何処にいたい』かという望みはまだ何処にもかけちゃいない。
だから、あの街に帰るという選択肢だって『なし』ではないよ。
そもそも、あの街に帰ることが本当に過去を捨てることになるかな?
生き霊たる僕の怨念を、そうやすやすと消せるとでも?
どうせ望むなら全部乗せがいいよね。うん、そうしよう。
なあ、アイ。
怨敵はまだ見えない。
最後まで見えるかもわからない。もしかしたら、見つからないまま終わるかもしれない。
でも、露見さえすれば、僕らはきっと同じものを敵と定めるだろう。
しかし、アイ。
君は果たして君が望むとおりイバラシティに帰れるかな。
僕らの望みはああ実に傲慢、そして身勝手。楽観、都合の良いこと。
侵略戦争そのものの否定だ。ハザマという世界への反逆だ。
世界の歯車をずらそうとすれば、戻そうとする力に『否定される』ということもままあるということだよ。
……まあ、僕は否定の地獄でだって君を歓迎するけどね!
それじゃあ、俺は絵の練習を始めてみようか。
あの街の俺のように絵描きとして、退廃したハザマの空に変わらぬ星空を描こうか。
否定の地獄でも、変わらぬ星空を。
「「 覚悟は決めているな? 」」

[816 / 1000] ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
[370 / 1000] ―― 《廃ビル》研がれる牙
[367 / 500] ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
[104 / 500] ―― 《白い岬》より精確な戦型
[147 / 500] ―― 《大通り》より堅固な戦型
―― Cross+Roseに映し出される。
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
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エディアン 「・・・・・・・・」 |
白南海
黒い短髪に切れ長の目、青い瞳。
白スーツに黒Yシャツを襟を立てて着ている。
青色レンズの色付き眼鏡をしている。
エディアン
プラチナブロンドヘアに紫の瞳。
緑のタートルネックにジーンズ。眼鏡をかけている。
長い髪は適当なところで雑に結んである。
チャット画面にふたりの姿が映る。
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
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エディアン 「・・・・・・・・」 |
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白南海 「・・・怖いだろうがよ。」 |
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エディアン 「・・・勘弁してくれませんか。」 |
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白南海 「ナレハテってあの!アレだろォッ!!?ドッロドロしてんじゃねーっすか!! なんすかあれキッモいのッ!!うげぇぇぇぇうげえええぇぇぇ!!!!!!」 |
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エディアン 「私だって嫌ですよあんなの・・・・・ ・・・え、案内役って影響力どういう扱いに・・・??私達は関係ないですよね・・・????」 |
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白南海 「あんたアンジニティならそーゆーの平気じゃねーんすか? 何かアンジニティってそういう、変な、キモいの多いんじゃ?」 |
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エディアン 「こんな麗しき乙女を前に、ド偏見を撒き散らさないでくれます? 貴方こそ、アレな業界の人間なら似たようなの見慣れてるでしょうに。」 |
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白南海 「あいにくウチはキレイなお仕事しかしてないもんで。えぇ、本当にキレイなもんで。」 |
ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。
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白南海 「・・・っつーか、あれ本当にドライバーのオヤジっすか?何か雰囲気違くねぇ・・・??」 |
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エディアン 「まぁ別の何か、でしょうね。 雰囲気も言ってることも別人みたいでしたし。普通に、スワップ発動者さん?・・・うーん。」 |
ザザッ――
チャットに雑音が混じる・・・
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エディアン 「・・・・・?なんでしょう、何か変な雑音が。」 |
ザザッ――
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白南海 「ただの故障じゃねーっすか。」 |
ザザッ――
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声 「――・・・レーション、ヒノデコーポレーション。 襲撃に・・・・・・・・いる・・・ 大量・・・・・こ・・・・・・死体・・・・・・ゾ・・・・・・」 |
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声 「・・・・・ゾンビだッ!!!!助け――」 |
ザザッ――
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白南海 「・・・・・・・・・」 |
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エディアン 「・・・・・・・・・」 |
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白南海 「ホラーはぁぁ――ッ!!!!
やぁぁめろォォ―――ッ!!!!」 |
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エディアン 「勘弁してください勘弁してくださいマジ勘弁してください。 ホラーはプレイしないんですコメ付き実況でしか見れないんですやめてください。」 |
チャットが閉じられる――