［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

──────異能が暴走を始めてから■時間後


それから、どのくらい経っただろうか。
夜を徹して歩き、廃棄港から海を渡って辿り着いたのは、シモヨメ区にある"南極"と呼ばれる場所。
春になっても溶けることのない氷山が聳え立つことからこの名前が付いたらしい。
以前カルセドニアさんの紹介で訪れたことがあり、ここなら冷気の影響を心配しなくていいと考えたのだ。


移動中も体は絶え間なく冷気を発し続け、髪や四肢の末端が凍り付いている。
指を動かすのもままならず、道中で携帯を海に落としてきてしまった。
その直前、通話越しに聞こえた瑠奈の声が今も耳に焼き付いて離れない。

───"探しに行くから"

異能が暴走していて、危険な目に遭わせてしまうかもしれないと説明した時の返答。
探さないでと言われて諦めるような相手じゃないのは分かっていた。
嬉しさや不安、色々な感情がない交ぜになって、心がぐちゃぐちゃになりそうだ。
そんな私の心境を表すかのように、背を預けた氷山の周囲には吹雪が吹き荒れて始めた。
完全にコントロールを失った異能が否応なしに体温を奪っていき、意識が朦朧としてくる。


これまで考えもしなかった死が間近に迫ってくる恐ろしさに震えていると───声が聞こえた。
今一番聞きたかった声。今一番会いたくなかった人物。




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南極の地にて再会した二人の少女。
その後方で、白衣の男───異能専門医・名津 恭也（なづ きょうや）は己の過去を振り返る。

5年前、病院へ運ばれてきた幼き日の尊とその両親。
尊は気を失っているだけだったが、両親はまるで雪山から救助された遭難者のように凍えていた。
発見時の状況や目を覚ました彼女達に聞き取りを行った結果、それが尊の異能によるものだと判明する。


聞くところによると、尊は元々感情表現の豊かな子だったという。
多感な年頃の少女が感情に左右される力を手にすれば、遅かれ早かれこうなることは避けられなかっただろう。
今後、彼女が精神的に成長しない限りは再び同じ事を繰り返してしまいかねない。
時が来るまで異能の力を抑えておく必要があった。そして、名津ならばそれが可能である。


名称が定まっていない現象や概念に対して、その名前と詳細を特殊なカルテに記入することで
それを見た者にカルテの内容が真実だと信じ込ませる───それが彼の異能。
いわゆるプラシーボ効果のようなもので、これまでもそういった運用をしてきた。
この力を使い、尊に『異能の行使にはカロリーを消費する』という認識を植え付けたのだ。

それから5年が経ち、名津は尊にかけた異能の効力が弱まったのを感じてイバラシティにやって来た。
尊を探す過程で瑠奈と出会い、尊の異能が暴走状態にあると聞いて事情を話し、協力を取り付ける。
痕跡を辿って行き着いた南極で凍えかけるも、カルセドニアという尊や瑠奈の友人に助けられ、
彼女の導きによってついに尊を発見したのであった。


尊が異能を制御できずにいるのは、環境が変わったことによる心境の変化やイノカク部でのトレーニングの末、
名津が彼女にかけた暗示が解けかけているからだ。
これを収めるには、名津の異能を完全に解除した上で正しい認識を尊に伝えなければならない。
しかし、解除すれば暴走はさらに加速するだろう。危険と隣り合わせ、かつ時間との勝負となる。
本来なら名津が自分の手で解決させようとしていたが、より適任と言える人物がいた。


駆け寄りたい衝動をぐっと堪え、深呼吸をして───
尊の心を最も支えてきた少女は覚悟を胸に、一歩ずつ歩みを進めていく。


その背中をカルセドニアと共に見守りながら、名津は自身の異能を解除した。



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不意に意識がチカチカと明滅し、何かが抜け落ちていく感覚に目を瞬かせる。
今もなお暴走を続ける私の異能───この力は、なんという名前の、どんな力だったっけ？
自分の力だというのに、得体の知れないものが渦巻いているような恐怖が襲ってくる。
そんな中でも瑠奈は真っ直ぐにこちらへ近付いてきていた。


一歩、また一歩。
吹き荒れる冷風に晒されながら、それでも怯まずに歩き続け、ついに手が届く距離までやってくる。


その言葉に、目尻を涙が伝うのを熱で感じた。
危険と隣り合わせのこの状況でなお、微笑みながら手を差し伸べてくれる。
それが何より嬉しくて、同時に今の状況が怖くてたまらない。


その時だった。クラスメイトの切迫した声が響く。
もはや私の意思とは無関係に渦巻く冷気は、やがて吹雪となって氷山の上に積層していて───
重みに耐えられなくなった雪が、雪崩のように私と瑠奈の上から降り注ごうとしていた。


瑠奈だけならまだ逃げるのも間に合うかもしれない。
けれど瑠奈はそうせずに、真剣な目で見つめながら私の手を握った。
凍り付いた手では彼女の体温を感じることはできないけれど、私はこの手の温かさを知っている。
その温もりを、優しさを、失いたくないと思ったから、今日まで異能の制御を頑張ってきたんじゃないか。


落ちてくる雪の何割かは異能の力によるもの。つまり、私が異能をものにすれば操れるはずだ。
考えろ。思い出せ。力の扱い方を、向き合い方を。
全ての始まりは5年前、約束を反故にされた怒りの感情を両親にぶつけてしまったことがきっかけだった。
つまり、この力は。私の異能は───


点と点が繋がったような感覚。頭に浮かんだ名前をそのまま声に出して叫ぶ。
生きたい、守りたいという強い感情（ねがい）を雪崩にぶつけ、自らの制御下に置いていく。
膨大な質量を持った雪崩をどうにかするには、私の力だけでも、瑠奈の流体操作の異能だけでも足りない。


それでも、雪崩を押し留める私を見て、瑠奈は満足そうに微笑んだ。
窮地であっても私を信じてくれているのが伝わってくる。そして、私も瑠奈を信じているから。
二人で力を合わせれば───できない事なんてない！


片方の手は重ね合わせたまま、もう片方の手をそれぞれ雪崩に向ける。
私が時間を稼いで、瑠奈が軌道を計算。
後ろにいるカルセドニアさん達を巻き込まないようにしながら、雪崩を左右へ受け流していく。
凍土を震撼させる轟音が止むと、そこには放射状に広がる雪の山が出来上がっていた。


暴走が止まったことで吹雪も収まり、晴天の下で全員が無事に立っている。
安心した拍子に強烈な眠気が襲ってきて、そのまま意識を手放してしまうのだった。





アイコン枠が足りないので次回更新分に続く...

ENo.2 狂月の瑠奈 とのやりとり


ENo.73 シェリル とのやりとり


ENo.99 ウォン とのやりとり


ENo.107 メリル/ミノリ とのやりとり


ENo.394 飢餓の魔女 とのやりとり


ENo.514 カルセドニア とのやりとり


ENo.529 運命の輪の子供 とのやりとり


ENo.545 東堂玄樹 とのやりとり


ENo.692 こはり とのやりとり


ENo.1012 桔梗 とのやりとり

ItemNo.13 『絶体冷度』ver.2 を破棄しました。

オオウミネコを退治し、カフェの中へと入る。

　






キッチンのほうに、ひとりの男。

　




名前と外見からして、ロストのひとりで間違いなさそうだ。

　

こちらをまじまじと見つめ、ポンッと手を叩く。




両手を広げ、歓迎を示す。

　

冷蔵庫を開け、中をチェックしつつ･･･





冷蔵庫を閉める。

　






アンドリュウは鶏の卵を探しているようだ。

すごい木材（400 PS）を購入しました。

具現LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）

呪術LV を 12 UP！（LV0⇒12、-12CP）
武器LV を 7 UP！（LV50⇒57、-7CP）

ハルトとリリス(779) の持つ ItemNo.12 孔雀石 から射程4の大砲『クラスターラット』を作製しました！
レン(270) の持つ ItemNo.11 すごい木材 から射程1の武器『SAVAGE 220TURKEY』を作製しました！

セラエ(1043) により ItemNo.6 ド根性雑草 から装飾『月兎のブレスレット』を作製してもらいました！
　⇒ 月兎のブレスレット／装飾：強さ100／［効果1］復活10 ［効果2］－ ［効果3］－

テンコ(1018) により ItemNo.21 禁断じゃない果実 から料理『禁断じゃないカロリーメイト』をつくってもらいました！
　⇒ 美酒佳肴！［ 1 5 3 = 9 ］成功！料理の付加効果のLVが増加！
　⇒ 技巧料理！［ 3 5 2 = 10 ］成功！料理の強さが増加！
　⇒ 禁断じゃないカロリーメイト／料理：強さ50／［効果1］攻撃6 ［効果2］防御6 ［効果3］器用6

プッシュ／プル(1633) とカードを交換しました！

トキシマ （ポイズン）


フィアスファング を研究しました！（深度0⇒1）
フィアスファング を研究しました！（深度1⇒2）
フィアスファング を研究しました！（深度2⇒3）

カース を習得！
ブラックバンド を習得！
ボロウライフ を習得！
ポイズン を習得！
ダークネス を習得！
コラプション を習得！
ディープフリーズ を習得！
瘴気 を習得！
☆コンフィデンス を習得！
☆初習得ボーナス：各FPが2増加した！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ミコト(998) は 羽 を入手！
テンコ(1018) は 羽 を入手！
テンコ(1018) は 羽 を入手！
シャム(1605) は 毛 を入手！
ハルトとリリス(779) は おさかな を入手！

ハルトとリリス(779) に移動を委ねました。

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - ハルトとリリス(779) の選択は チナミ区 E-5：チェックポイント《出発地》

MISSION!!
カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》 を選択！
　　 - ハルトとリリス(779) の選択は カミセイ区 H-4：チェックポイント《森の学舎》

［787 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［347 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［301 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［75 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　　　ザザッ――

　

画面の情報が揺らぎ消えたかと思うと突然チャットが開かれ、

時計台の前にいるドライバーさんが映し出された。



　





　







　




　

チャットが閉じられる――

チェックポイント。

仄かな光に包まれた六角形の柱が立っている。

　

･･･柱から滲み出るように、何かが生み出される。



　




それは言葉を発すると共に襲いかかる！