空を色とりどりの花弁が待っている。




事典亭で、ヘクターが何やら面白いことをすると聞いたので遊びに行ってみた。
色とりどりの花、衣装、音楽と共に進む行進はなかなか壮観な物だ。
こういう物をみてるとやっぱりすごくワクワクしてしょうがない。ほら、お祭りってその場にいるだけで楽しくなるじゃん。あれあれ。
例のごとくフリント産のワインも振る舞われるし、実に素晴らしい！


前の韮の市や収穫祭でも思ったけど、ヘクターってけっこう領民と近い感じで親しまれてるよな。
ちょっととっつきにくい感じのオーラ出てるけど。
話してみるとけっこう面白いし。
この一揆が終わってから機会があればフリントに仕事探しに行ってみるのも悪くないかもしれない。



そういえば、事典亭のほうはもう店じまいだったっけ？
異世界に旅行なんて、マスターも思い切ったなぁ。ある意味、あのマスターらしいといえばらしいけど。
あそこ、けっこう居心地よかったから店が閉まるのはちょっと残念。面白いヤツもいろいろいたしな。
あと料理もおいしかったし。すごく！
閉店前の大盤振る舞いでしっかり味わっておこう。

ナスルやシア、ミカヅキと会ったのはあの店でだったっけ。
バザギの傭兵マシリーと話すのは面白かったな。男前だよな、あいつ。できれば仕事では味方同士で当たりたいな〜。
トオルと、……ミコト、だったっけ？二人の故郷のカムヨリって面白そうだよな。
観光がてら一度は行きたいな〜。のんびりできそうだし。
フィガロって結局賞金首、だったのかしら。
でもな〜、あんな美人は他にいないしな〜。手配書のほうはちょっと写りが悪かったけど。やっぱ本人は超美人だったな。うん。
……どうしよう、緊張しすぎてフィガロとまともに喋れてた自信が無くなってきたぞ。
いや、そこは気にしないことにしようそうしよう。ついでに賞金首の事も忘れよう。当たらなければいいんだよ。うん。


あ〜、やっぱ面白い店が一つ減るとちょっと寂しいよな。
また面白そうなとこ探すか。




ん？待てよ？たしかアーシェってあの店に世話になってるんじゃなかったっけ？
他の宿に泊まるか、それかもう帰るのかね。
……ちゃんと帰れるのか？あのおっちょこちょいは








※お借りしました
コミュNo.71『イベント【元素と花の行進曲】』
ENo.71 ヘクター・ブレイズバース
コミュNo.204『分割世界事典』
ENo.2398 ナスル＝アイン
ENo.87 シアー・スティッグ　ミカヅキ
ENo.1588 マシリー・ラブォーク
ENo.1770 宮森　董琉
ENo.1769 神乃 未琴
ENo.1498 エル・フィガロ
ENo.204 アシェラッド＝ウィアド・ケーナズ

顔が熱くなった

なんて言ってしまうのは、曲がりなりにも商売をしているから。お安くするしサービスもできるけれど。

好きなタイミングで戻ることも可能だ。ただの善意であり乗るか乗らないかはさておき。
とてもいいお方であれば、ちょっと遊びに行かせるのもやぶさかではない。

親愛を込めて抱き締め、身を離す。

ヴァルの肩に拳を軽く押し付け、アシェラッドは踵を返した。

　周囲からは疎まれる。下手をすれば死ぬ職業。普通の考えをしているならば、傭兵家業なども続かないものだろう。

　偏った知識と認識である。

　思い出すように一度口を閉じ、また開く

　かくりと首を傾げた、自分で納得したわけではなく誰かに言われた事のようだ

動き出そうとするあなたを見ると、少し遠慮がちに握手しようと手を差し出す。

薄い笑みと共にその背を見送ると、
名残は惜しまず、踵を返した。

風が吹く。

あっさりと認める青年である。
面倒なことは本当に嫌だ。
それは何も種族的な意味でなくても生来の性格からしてもそうなのだ。

戦いが余程得意でもないならおすすめしない、と。

立ち去る背にはヒラリとこちらも手を振って。
送り出す青年であった。

ほんの少し思案して、穏やかに笑い。
立ち去ろうとする相手に、頷いて姿勢を正して。

ひら、と手を振って、立ち去るまでは見送るつもりなのか、その場に留まって。

　負けず嫌いで間違いなさそうである。

　どこか遠くを見ながら、ぽつりと呟いた。

　「コトカらしいな」と聞いて首を傾げた。

　上からの言い方だが、普通に言うのはきっと照れ臭かったのだと思う。

両手を後ろに回している。

ユキナの持つ異世界通信機に似た、小さく薄い機械を差し出した。