ぁたLは今日もぉ出かけ気分☆
　止めるメイドの静止を振り切って、八百屋さんまで全力だーっしゅ！　なのだ！

　盛大な勢いで、地面に転ぶメイド。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ブラウニー
　その姿はお世辞にも“有能”とは呼べず、　妖精　であるあたしにも、「コイツはからかっていい人間なんだ」と理解出来た。
　これからの妖精は、小悪魔系悪戯でモテカワ愛され体質にならなくっちゃね☆

　そう。今日のあたしはスーパーモードなのだ。
　どのくらいスーパーかと言うと、マジでヤバいくらいスーパーと言っていいくらいのスーパー加減である。スーパーブラウニーと言ってさえ差し支えはないだろう。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　、、、、
　あたしはセルフツッコミを終えると、メイド――ミラルカを引き連れて、バザーへ向かった。




　ﾐﾗﾙｶゎ走った…… ｶｰﾐﾗさまがまってる……
　でも……もぅつかれちゃった…でも…… あきらめるのょくなぃって…… ﾐﾗﾙｶゎ……ぉもって……がんばった……
　でも……ﾈｲﾙ…われて……ｲﾀｲょ……ｺﾞﾒﾝ……まにあわなかった……でも……ﾐﾗﾙｶとﾌﾞﾗｳﾆｰゎ……ズッ友だょ……！！

　もうミラルカってば。そーんな怒ることないのに。
　別にそのくらい、大した問題じゃないのにさ。

　でもそれを言うとミラルカはまた怒るから、あたしは渋々確認を始める。


「はあい。カーミラさまー。あたしだよ、ブラウニーだよ☆」

「あら、どうしたの、可愛い私のブラウニー。何か困ったことでも？」

「てへへ可愛いだなんてホントのこと。
……いやあ、実はあたし、どの本を買ってくればいいのか解らなくなっちゃって」

「もう、うっかりさんにはお仕置きが必要かしらね？
私が頼んだのは『吸血鬼カーミラ』の原本よー。
本屋の主人に言えば出して貰えるわ」

「あいあいー。ごめんなさいでしたー☆」


　――あたしはそう言うと、カーミラ様との連絡を終える。

少女は問う。とても困惑した面持ちで。
少年はそれに答える。彼の考えを。

先ほど表に浮かんだ冷たく暗い表情はどこにいったのか。
今少女は少年の自身を省みない提案を案じているのだった。

青年はぱんぱん、と手を叩きながら言った。

序でに言うなら無駄に襲いかからないでくれると助かる、と言いながら、青年はカードを指先で弄り始めた。
空中で軽く指を振るごとにカードが指の間から現れ、消えていく。

返事に迷い、そこで口を閉じる。
長い間考えた後、話を再開した。