黒い夢を見た。

どこまでも、黒い黒い夢。



ボクによく似た、女の人に出会った。

眠っていたような気がする。


どこか懐かしい雰囲気の、スーツの男にも出会った。

泣いていたような気がする。


白いドレスを着た、少女にも出会った。

こちらも、泣いていたような気がする。



「…夢でまで急かさなくたっていいじゃないか、全く」

ローバルの生態について、ある程度の事を説明します。
妖精やエンブリオの魔力を奪い、その魔力に応じた姿に成長する事　仮面の形や体を流れる魔力の色から、特性をある程度推定できる事。現在、多くのローバルがメルンテーゼにやってきている事などがわかります。

一角獣の勘違いが止まらない！

700kgの超重量とは知らずに、軽口を叩いている。

彼は即座に無言で噛まれた腕から蛇を離し、腕に力を籠め続けた。
沈痛な表情は変わらず、しかし、その顔に疑問ともいえる感情も混ざり始めた。

のたうち回っていた蛇を地面に離した後、言葉を紡ぐ。

それは、決意の言葉。

一歩前に進み、腕を左胸にあて、頭を垂れた。

構えを緩め、傷口を見せる。
力を込めた腕からあふれ出た血がこびりついており、傷口はふさがり始めていた。
血は、蛇の毒であった。

布を取り出し、血をぬぐった。
そのままでは傷はふさがっても痕が残るだろう。

風に飛ばされていく紙を、無表情に見送った。

「生命」の定義が違ったとしてもおかしくは無いんじゃないか？と、ぼそりと呟いた。

そこに、あるべきものの姿が無い。

その事実に動揺を隠し切れずに反射的に身構える。

蠢く赤い光からの問いに答えるため、決して動揺を悟られぬように口を開いた。

そして男は、一瞬苦しむかのような仕草を見せた後、隻眼の目を開いた。

その瞳は異様に赤く、男の顔には黒く固まった血管が浮き出ていた。
だが、すぐに赤い光は消えていき、男の体は元に戻りはじめた。