ポポロはツヅミの問いに、人差し指を口にあてながら考え、

　言葉を区切り、笑みをより一層深めて、

　ポポロは終始笑顔で、そう言い切った。

純粋な疑問。
ツヅミさんは自分よりいくぶん精神面で上をいっている気がしたのだ

捕まえた人がしんじゃう・・・と

ちょっと心配になったのか耳がひおっとしょぼくれている。

そうそう死なない体だからいいけど手加減くらいしてほしいよねと嘆息

ばつの悪そうに小声で

ツヅミの言葉にくすりと笑い。

再び刻々と昏くなっていく空を名残惜しそうに見上げたリオンがツヅミの心中に気づくはずもなく。

ツヅミが置いた酒杯を最初はどうしようかという顔で見ていたが、ついに好奇心に負けて手を伸ばし。
杯を満たしている酒の匂いに少し眉を顰めたものの、そのまま小さな舌を伸ばして少しだけ舐めとる。
そして複雑な表情を浮かべてぽつりと。

寂しげな笑顔を浮かべたツヅミの顔を複雑な表情で見つめて。

獣ならそんな面倒なことはしないのに、と小さく呟いた。

くしゃくしゃと撫でられたのに少しくすぐったそうにし。

ツヅミの顔を見上げるときっぱりとした口調でそう答え。
額に触れたツヅミの唇が狼耳をなぞり、甘く噛んだのにはびくりと身体を震わす。

髪を梳く指がうなじに触れるたびに背筋に走るこのぞくぞくとした感覚はなんだろう？
僕は撫でられたり、抱かれたり、笑顔を見れることだけでも十分幸せだと思うけど……とツヅミの言葉に心の中で反論するが言葉にはならず。

戸惑う中、首筋をきつく吸われたのに思わず小さく声を上げる。

進んでみるか、と笑みを浮かべたツヅミは普段と全く違った妖艶なオーラを全身から漂わせており。
彼女の指先や身体が触れあう度に身体の芯が熱くなるのに瞼を伏せる。

言うと挑むように正面からツヅミの瞳を見据えて。

言葉では謝っているものの、その表情はどこか愉しげである。

その傍らで液体の身体を持つエンブリオは飴玉を手の中に浮かべて眺めていた。

そう言いつつ浮かべる笑みは、底の知れない強かさを感じさせる様な物だった。