───　今から十年ほど前。精霊と魔導機械の世界エルフィリエ。

その世界でもやはり四大元素、それに極性の二属性を加えた6属性に関わる
精霊は『エリート』だった。特に人型であれば尚更で、知性を合わせた精霊は
賢者や貴族と言われ王国の中枢に関わることも多かった。

炎の精霊イフリート。

知性を持った人型(獣形もいたが)精霊の中で最も荒事に向き、騎士団や軍の
象徴とされている、武の精霊のエリートである。

そんなイフリートのなかでは軟弱とされ、しかし能力ゆえに頂点一派とされていた
一族がいた。それこそ、茂雄の生まれ育った創生の一族である。

破壊ではなく再生、破滅ではなく創生…
不死鳥と呼ばれるフェニックス等に見られる回復する炎を持つイフリート。
その能力ゆえに、力を振るうことが許されていない賢者指定の大精霊一族である。

茂雄は稀にみる程の力を持って生まれた。
故に、幼い頃から友人と呼べる対等な存在はなく、その権力にあやかろうとする
卑しい知人ばかりが彼の周りを囲んでいた。その上、裏で陰口をたたかれていた
ことも解っていた。力の象徴とも言える精霊のなかで無力にも程があるのだから。

やがて、茂雄は自ら一人になれるよう努力をし始めた。

弁当は屋上や森のなかで。
帰宅はわざと用事を作り人とはズラす。
休日は朝早く出かける。

そんな生活が続き、次第に一人になれることが多くなってきたそんなある日だ。
茂雄はある事実に気づく。

こんなことでは駄目だ…茂雄は強制ボッチ計画をすぐに休止し、次の作戦に出た。

この状況を打破するのはやはり武力によって上回るしかないと考えたのである。


そう…

茂雄はもとより体だけは大きく、ポテンシャルも大きかった。
それ故、すぐに理想のボディを手に入れていったのである。

筋肉は裏切らない。
己の筋肉こそが友。

数年が過ぎ、ボディビルコンテストで優勝するまでに筋肉を育てた茂雄は
筋肉で交流をする心の友を増やしていた。

筋肉こそ交流の要だと、本気で考えていたのである。

そんな人生をもかえる出会いが、すぐそこまでやってきていた。



────────────────────────────────

(続く・・・かわからない）

ぬいぐるみに頭を撫でてもらって漸く泣き止んだようで。
涙を拭きながらエルの方を向いた。

声はとても不安そうに、尋ねる。

上を見上げて彼女の方を訪ねるぬいぐるみがいた。

謎のノートにメモるちなさん

なでなで
ほっぺつんつんぷにぷに

違う気がする

ぎゅっ
手を繋ぐというよりは手に抱きついているフェウさん

エルを見ながら冷静なコメント。
リバラが居直ったのを見ればそちらに目を向けて、解答を黙って聞く。

本人を目の前にして酷い言い草である。

言葉を切り、何かを振り切る様に一度目を瞑って。

エルを見ながら冷静なコメント。
リバラが居直ったのを見ればそちらに目を向けて、解答を黙って聞く。

本人を目の前にして酷い言い草である。

言葉を切り、何かを振り切る様に一度目を瞑って。

そこまで言ったところで繰り広げられる、目の前のやり取りを前にして。

結構バイオレンスねえ、と何とも言えない表情でそれを眺めていた。

　ジャックは嬉しそうにヒゲを揺らした。

　ジャックはどこからか取り出したコートを羽織った。

　トゲトゲの魔力光が身体を覆う！

そういうと、紗智は三叉路を水辺の方向に進んでいった。

突如消えた毛玉兎！そしてエルさんとあるらうねさんの不穏な会話！
触覚で遊んでいた妖精二人はその会話を聞いた直後。
ピシリと時が止まったかの様に空中で硬直し、暫く経ってから再起動する。

（唯今、毛玉兎との繋がり調査中。尚この間、実に5秒位）

スィーのその言葉に、リューンが「きゅぅ〜…」と、中空を羽ばたきながら器用に気絶する。

…本来なら何事も無ければ途切れる事が無い筈の
毛玉兎とスィーとの間に結ばれているレイラインと呼ばれる魔力線。
それがプツンと途切れた。その事を一言で説明するとつまり、毛玉兎、死亡確認──



＜ピンポーン

何も無い筈の空の方から急に軽快なチャイム音と妙なアナウンスが流れると
いつの間にかエルさんの背後の方には、
蔓に巻き付かれ過ぎて思わず弾けて昇天した筈の毛玉兎の姿が……！！

※一度死にました。

毛玉兎がそう言うと、モフモフの毛の中から厳ついおっさんの人形が出てきた。
持ってて良かったラルフ人形っっっ！！！！

……ともあれ。
無事(？)に、毛玉兎はあるらうねさんの束縛から逃れる事に成功したようです。
しかしこの兎。凄く人騒がせである。

メグが、歓喜の感情を孕んだ黄色い声を上げた。

フードから覗く琥珀色の髪が、午後の太陽の光を浴びてキラリと光る。

すかさず突っ込みを入れてくる兎に多少不満そうな表情を浮かべるが、すぐに笑顔を取り戻した。

そして、言われた言葉を反芻するように次のように言葉を続けた。

メグはにこにこと笑顔を浮かべたまま何も言わない。

ロンドンで仕入れた魔術知識は、本当に記憶のどこかへ消え去ってしまったようだ。アルががっくりと肩を落とす。

そう言って、メグは赤毛の少女に満面の笑みを向けた。

内実は良くわかっていないが、魔法使いとしての自分を褒められたのがとにかく嬉しかったらしい。

どこか懐かしむような声色でハロウィンの思い出を挙げた。