ロイの日記：その１０


こうやって一人になるのは１０日ぶりだろうか。
少し懐かしくもあるが…今は他の３人の行方が心配だ。

「彼ら」と戦い、その力の差に敗北。
いのちを奪われる…という話だったがこうやって生きている。
…その事が不思議でもあるが、問題なのは他の人も居ないと言う事。

彼らに倒された後の事は良く覚えていない。
朦朧とした意識の中で思い出せるのは、最後まで残っていたアエレアが爆発した…ように見えたこと。


その断片だけで全て予測するのは危険だが…。
でも、その爆発のせいで生きていると考えるのが妥当だろうか。

その「彼ら」の姿も既にない。
荒らされた荷物を見る。　色々取られてるようだが、無事な物もあるようだ。

調べた所、私の荷物は大半が無事だった。
お金とかは流石に全て無くなっていたが、素材は残っていた。

…しかし…
たくあんだけが綺麗さっぱり消えていた。
彼らは案外本当にたくあんが好きだったのかもしれない…。


荷物を集めてる間にユフィに上空から周囲の様子を調べてもらった所、
この場所から近くに小さな村みたいな場所があるとの報告を受けた。

…仲間達が居る可能性があるとすれば、そこだろうか。
イリスなら、機転を利かせてこの場所から撤退してると考えられる。

応急治療と休憩を終えたら、向かってみるとしよう。

そうロイに怪我の様子を尋ねるイリスだが、彼女もまた右腕にしっかりと包帯が巻かれている様子が服の袖から良く見える。

何かを言いかけて、留める様子を見せた。ロイの反応を待つようだ。

右腕をかばいながら周囲を見渡し、小さく息を吐きだした……。