新しく入ったフィーさんとの挨拶は良好だった。お嬢様の屋敷も気に入ってもらえたようで。さらに夜型ということで私達とも足並みが揃う。

「挨拶して判ったけど。あの人、夜魔ね」
「夜魔……ですか」
「ええ、広義の定義だと私も該当するかしらね。吸血鬼だし」
挨拶と各々自己紹介を終えた後、お嬢様にお茶を入れるように呼ばれたので今ここにいるとはお嬢様と私だけだ。
「リャナンシーとかその辺りに近いのでしょうか？」
「ま、大体はそんなところね。まあだからといって特に何かするってわけでもないけど」
お嬢様がそう決定したのであれば私は従うだけだ。そうなると食事が増える。今度買い込みに行かねば。
「ところでさ……一ついいかしら？」
「はい、何でしょうか？」
お嬢様が私の後ろに視線を変える。ああ、間違いなくこのことだろう。姿を消しているようだけどお嬢様は余裕で見破っているようだ。
「それ……なに？」
『自分きらばゅっす！姉さんの手伝いをするっす。姉御もよろしくお願いっす！色々出来るようになる予定ですから！』
お嬢様に挨拶する元アルミ＝カーン、現きらばゅを横目に事情を説明する。先日夢でエンブリオが姿を変え現れ、話しかけてきた。能力自体はアルミ＝カーンそのものだし姿を消せるので特に気にしないでおいた。
「うん……まあ、害はなさそうだし。うん……好きにしなさい」
「まあ……なんだかんだで役に立ってるので……多分大丈夫です」













エンブリオが　酷いことに　なりました（中の人の天啓