［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

Link No : 92 and 1415

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「どうして？」

　どこかの世界の『紗織』である少女だろうか。それとも、幼い「本当の」私だろうか。
　だが、何れでも結果は同じ。答えは決まっている。

「私は――」

//　S　15-16　//

　崖から落ちる金髪の女性に、手を伸ばす。
　だが、伸ばした手は、届かない。
　腕の長さが足りない。
　だから、崖から落ちる女性は助けられない。
　ソレがユーキという少女が辿る結果である。

――本当に――？

　ユーキの耳に雑音と共にそんな言葉がよぎる。
　だがどう見ても無理なのだ。
　届いても、彼女には引き寄せるに力が足りない。
　ユーキには重さが足りない。引き寄せようにも、自分の方が軽い。共倒れだ。

――だから――？

　今度ははっきりとした言葉がユーキの耳朶を打つが、彼女はそんな言葉に構う時間がない。
　ユーキは地面を蹴った。　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・・・
　確かに自分も助からないかも知れないが、そもそもユーキは彼女を助けるためにここに居るのだ。
　彼女の手を掴む事もできずに終わる事などできない。
　それでも。
　それでも彼我の距離を埋めるにはあと1歩足りていなかった。

「助けて……！」

　そんな、落ちる彼女の言葉にも力はなく。
　二人の手は繋がることなく地面へと落ちる。

　　　　　　　・・
　ユーキという少女と紗織という女性が陥る結果は、そこへ集約される。

　故に。

「ようやく呼んでくれたわね、紗織おねーさん」
　　　　　　　・・・・
　ユーキという成人女性と紗織という女性が陥る結果は、また異なる形となる。

　　　　・・・・・・・・
　まるで狙ったかのように、幼い少女ではギリギリ届かない距離、間に合わない時間、足りない力。
　　　　　　　　　　　　　　・・・・・・・・
　小さな子供の体躯に合わせて用意された全てが、同じ名前の成人女性という存在によって塗りつぶされる。

　伸ばした腕は成人女性のもので、当然のように紗織の手に届き、掴み取る。
　その広い体躯によって逆の手は崖の縁に露出してあった岩を掴む。
　その肉体は存外に筋肉質で。細身の女性である紗織を支えても、なお余裕のある様子で崖の岩肌に着地した。

「さて、這い上がるのも、まぁひと苦労でしょうけど、まぁ、なんとかするわ。がんばりましょうか、紗織おねーさん」

　紗織と呼ばれた女性が見上げたそこには、一人の喫茶店の店長代理が居た。

「どうして……？」

　見上げた女性が零したのは、そんな言葉だった。
　九死に一生を得た直後で、何もわからないまま、何かを無理矢理に言葉にしただけだった。そんな言葉に、ユーキと呼ばれる店長代理は、いつものように真っ直ぐ答えた。

「言ったでしょう？　『何か』はするって」


//　F　11-12　//

　助ける対象が二人である以上、多少大人の肉体があった所で助けられない。
　難易度が高い。そんな風に考えたのならば「それは間違いだ」と幼き己へ言葉を残しながら、ユーキは手に握ったモップを槍投げの要領で引き絞った。
　引き絞ったならばあとは放つのみ。　　　・
　ユーキという女の肉体から放たれた木製の杭は、迫るトラックのフロントガラスに深く突き刺さった。
「脅威が『動かせる』なら、そんなのイージーモードよ？」


「は、え、お？」

　居眠り運転をしていたトラックの運転手は、突如の破砕音に何があったのかと目を見開く。
　目が覚めた直後であり、前後不覚だ。当然、状況など呑み込めない。
　　　　　　　　・・・
　だが、それでも手遅れであるという事は理解できた筈だ。このまま二人の金髪の女を轢き殺す状況が変えられないであろう現実に。
　だが、彼はそんな現実に気付けなかった。
　そんなものよりも目の前に、信じられないモノがあった故に。

　宙を舞う女。
　その高さはトラックのフロントガラスの目の前。余裕があれば近くにあったポストを足場にしたのが察せられたかも知れないが、当然ながら今の運転手に気づける筈もない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・
　運転手の前でぐるりと身を翻しながら繰り出された飛び蹴りは、何故かモップが突き刺さり亀裂が入ったフロントガラスを粉砕した。
　砕けたフロントガラスが生んだ穴を通って、女は当たり前のように助手席に転がり込み、そのまま運転席のハンドルを掴み取って、思い切り右側へ傾けた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・
　いきなり奪われたハンドルを取り戻すよりも前に、側面に落ちるという感覚が、寝起きの運転手の頭を更に混乱させる。
　思わず「横転する」と目を閉じて頭を抱えた運転手だったが、その衝撃は一向に訪れない。彼の身体を苦しめるのは、ドアに押し付けられる腕への圧迫感だけだ。
　恐る恐ると瞼を開ければ、そこにあるのは四五度傾いた世界だ。
　助手席を見れば、天井とダッシュボードに足の裏をつけて身体を固定している女、ユーキがハンドルを小刻みに動かしながらこの『片輪走行』を維持している。

「ああ、アクセルはそのままね。下手にブレーキなんか踏んだら、それこそ対向車線に落ちるわよ？」

　淡々と告げるユーキの言葉に運転手はガクガクと壊れたおもちゃのように頷いた。元より、アクセルもブレーキも共に存在を忘れていたのだ。無心に今の状況を継続するだけである。
　　　　　　　　　　　　・・・
　ユーキはサイドミラーにぽかんと振り返ってこちらを見ている金髪二人を見て、満足気に頷きながら、ハンドルを左に傾けトラックを通常の向きへ戻す。
　ぐしゃりと、サスペンションがイカれる音がした。

「まぁ、人を二人轢き殺すよりはマシよね？」

　そう無表情に言いながらハンドルを返された運転手は、やはりガクガクと頷いていた。



　暫し時は逆戻る。

「あー」

　恰好がつかない。そんな言葉が脳裏をよぎる。
　目の前に現れた紗織姉を助けようと飛び込んだというのに、結果として心中しかけただけである。
　だが、それも頭上を大型トラックのタイヤが通り抜けるという、人生で二度と体験しないであろう結果にて回避されてしまった。

「えと、ありがとう、いずみちゃん」
「いやまぁ、どーいたしまして？　つっても私は役に立ってなかったけどさ」

　元・第一被害者に感謝の言葉を言われ、元・第二被害者としては非常に気まずい。
　何が気まずいって、助けようと駆けつけて纏めて轢かれそうになったという事実がバレてるのが気まずい。
　これは、新たな話題でどうにか流すしかない。

「まぁ、それはそうとして、アレ……だったよな？」
「うん、だった」

　私が目にしたのは走馬灯代わりの幻とかそういうのではなく、純粋な現実らしい。
　あの鼻提灯を膨らませていた運転手も、あの飛び蹴りも。

「ユーキ姉」「ユーキさん」

　2人の言葉が重なる。
　あの人、忍者とか手から気を飛ばす格闘家だったりするのだろうか。
　モップ片手に停車していたトラックから降りるユーキ姉を見て、とりあえず私は全力で感謝のハグをする為に飛び掛かった。
　結果、何故かくるんと空中で一回転する形で投げられ、その後お姫様抱っこで受け止められた。
　解せぬ。恥ずい。紗織姉、写メ撮るなぁ！？

//　Y　12-13　//

　態勢が悪い。全力で前へ疾走した直後で踏ん張りが効かない。
　態勢は悪い。全力で前へ疾走したせいで踏ん張りが効きづらい。体幹筋が軋む。
　重さが足りない。引き寄せようにも、自分の方が軽い。
　だが、幸か不幸か重さは『私』に有利だ。無意味に鍛え続けた筋肉が、彼女を引き寄せる事ができてしまう。
　時間が足りない。目の前の彼女のすぐ隣にもう、鉄の塊である電車の姿があった。
　間に合った。引き寄せた直後に、鉄の塊である電車が通り過ぎた。

　互いの腕に痛みが残るであろうが、そんなことは完全に無視して引き寄せ、細身の体はすっぽりと『私』の腕の中に包まれた。
　一秒前の自分の状況に危機感を抱くよりも前に、見知った女性に抱き留められた事に、彼女は目を丸くして、『私』を見上げていた。

「ユーキさん？」

「あら、紗織おねーさん。奇遇ね。仕事帰り？」

　ユーキの手は、特に意味もなく彼女の頭をぺもりと撫でていた。


//――？？――//

　
「――助けを求めもしない人を、助けられるほど物好きではないわ」

　けれどね。そう言葉を続けながら、ユーキは大人になろうと子供であろう変わらない、その無表情のまま、淡々と事実を告げた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・・
「私は、助けを求める親友を見捨てるほど、ひとでなしのつもりはないわ。それだけよ」

ENo.157 ケイ とのやりとり

幻術LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）
呪術LV を 5 DOWN。（LV30⇒25、+5CP、-5FP）
使役LV を 5 DOWN。（LV5⇒0、+5CP、-5FP）

領域LV を 20 UP！（LV0⇒20、-20CP）
料理LV を 5 UP！（LV1⇒6、-5CP）

紗織(92) により ItemNo.32 すごい木材 から隔壁『キャットソード』を作製してもらいました！
　⇒ キャットソード／隔壁：強さ163／［効果1］敏捷20 ［効果2］－ ［効果3］－

いずみ(1415) の持つ ItemNo.32 すごい木材 から射程1の呪器『赤錆びた鉄パイプ』を作製しました！

いずみ(1415) により ItemNo.32 キャットソード に ItemNo.31 燐灰石 を付加してもらいました！
　⇒ 博打付加！［ 3 4 6 = 13 ］通常付加
　⇒ キャットソード／隔壁：強さ163／［効果1］敏捷20 ［効果2］奪命20 ［効果3］－

エイゴウオー(1341) とカードを交換しました！

水霊機召喚 （サモン：ウンディーネ）


ムスケルクラフト を研究しました！（深度0⇒1）
ムスケルクラフト を研究しました！（深度1⇒2）
ムスケルクラフト を研究しました！（深度2⇒3）

リフレクション を習得！
コンテイン を習得！
デッドライン を習得！
カプリシャスナイト を習得！
ガーディアン を習得！
カウンター を習得！
タクシックゾーン を習得！
ブラッドアイズ を習得！
ツインブラスト を習得！
エスコート を習得！
悪夢 を習得！
インクリースアイズ を習得！
インヴァージョン を習得！
覇気 を習得！
盲目耐性 を習得！
腐敗堕落 を習得！
大砲作製 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ユーキ(984) は 毒液 を入手！
ユーキ(984) は 毒液 を入手！
いずみ(1415) は 不思議な布 を入手！

紗織(92) に移動を委ねました。

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『カミセイ区 F-11：チェックポイント《商店街》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 紗織(92) の選択は カミセイ区 F-11：チェックポイント《商店街》

MISSION!!
チナミ区 O-16：梅楽園 を選択！
　　 - 紗織(92) の選択は チナミ区 O-16：梅楽園

［870 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［190 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［380 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［296 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［204 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［143 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［61 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［123 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［108 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［129 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［37 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




チャット画面に映るふたりの姿。

　





　





　

　

　

　

　

　





　

　

　

　

　

　





　





　





　





清々しい笑顔を見せるふたり。

　

　

　






　








　

　

　

ふたりの愚痴が延々と続き、チャットが閉じられる――

ハザマのなか、咲き乱れる梅の木たち。

梅林にはほんのりと良い香りが漂う。

その景色は美しく見えるが、同時に異様にも映る。

　

園内を進んでいくと、周囲の梅の木がざわめく･･･






木が不自然に捻れ、音を立てる。

ボコッと地面から根が飛び出し、木が"歩き"はじめる･･･