［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

あれからしばらく経った。


私はウシ駅の付近をオラつきながら歩いている。
所謂戦闘態勢だ。
一般人は目を背け、ヤンキー共はギラギラと熱い視線を送ってくる。

駅前は人の数が多い反面、ヤンキー比率は低い。
ウシ駅の付近はタピオカ専門店やら、花屋等の陽キャ御用達のスポットが多く存在する。
本来、自らを日陰を歩む闇の者と理解するヤンキーは空気を読んで日のあたる場所に近寄らない。

つまり、この場所にいるヤンキーは空気を読まない剛の者だった。
光の力が強ければ強いほど、この中で闇は凝縮されたかの様に濃くなってゆく。
陽キャの勢力下、そのど真ん中にこびりつく闇のクソどもは、お互いを呼び合うように視線を絡ませる。

つれ〜、MMKまじつれ〜わ〜。

私はイキッた。
此処に近付くヤンキーはレアキャラだ。
普段からいがみ合うことしか知らない奴等も、此処でなら互いに希少価値を認めることができる。
私達でも、その存在を認め、認められることができるのだ。
それはきっと素敵なことだった。

私は焼けつくような情熱を乗せた視線で応答した。
空気がビリビリと震えるような感覚を味わう。
さあ、始めようぜ。
この光の世界を私達の闇で染め直してやろうや。



だが、私の思いは片思いだったらしい。
私の後ろから、明らかに格の違うヤンキー濃度を纏ったゴミが現れた。

な…………高ランカーだと……っ……何故こんな所に……！？
同じレアキャラでもSRとURほど差が付けば、もう勝負にならない。
私が集めていたと思っていた熱い視線は、あっさりとそちらに流れていった。



奴等を責めることはできない。
逆の立場なら私だってそうなるだろう。
そう自分に言い聞かせ、視線を下げる。


地面にたまった水溜まりに、クソのような本体が写っていた。
何時ものふざけた顔が神妙に沈んでいた。










泣きそうになりながら本心を伝えると、本体は似合いもしない悲しそうな顔をした。





不意に肩をぼんと叩かれ、振りかえる。



闇のバトルを秒で終わらせた高ランカーがそこにいた。
お前…………！
そして、その肩を誰かが更にぽんと叩いた。




その背後には闇の者達がコロコロと転がっていた。
光の者達もとばっちりで転がっていた。
普通に大惨事だった。
当然、闇の者は全員補導されることになった。
ついでに私も補導された。

---

畜生がー！
私は夕日に向かって吠え猛った。
闇のバトルに参加できなかった私は、結局特にペナルティーなしで解放された。
しかしそれだけで一日が終わってしまい、河川敷でうだうだやっていた。
モテ期が来なかった悲しみよりも、解き放てなかったフラストレーションが心を苛む。

足元から平たい石を拾って川に投げ込んだ。
哀と、怒りと、悲しみの水切りが水面を跳ねていくはずが、角度をミスりそのまま水しぶきを上げる。


ワザとらしい声を出しながら、水面に映っていた本体が石を避けた。


私は盛大に舌打ちした。
コイツは別に水中の住人という訳ではないと言う事は分かっている。
ただ、避ける必要がないのに、ワザとらしく避ける仕草をするのが癪に障った。


…………。


アレから、本体がちょくちょく顔を見せるようになった。
原因は良く分かっていない。
恐らく自称天使にスピリチュアルアタックを食らったせいだとは思うんだが、確証はない。


ビキィ！
額に血管が浮かび上がるのを感じる。
あの日と同じように川の反射に映った本体が煽ってくる。
フラストレーションの大体半分くらいはコイツのせいだ。

鏡面を覗くとコイツの顔が出てくるので鬱陶しいことこの上ない。


成功もしてないが。
私はつよがった。
河川敷の砂利を一掴みし、水面に広範囲攻撃を仕掛ける。


何の痛痒も受けていないように話を続ける本体。
クソが、攻撃避けるムーブするなら最後までやれよ。


腹は立ったが、特に上手い返しを思いつかなかったのでそのまま帰ることにした。
コイツとの会話は7割くらい罵倒が占めているので普通にネタが尽きてきている。
最初に、この河川敷で面を合わせた時から、ずっとギャンギャンと吠え猛ってやっている。
その際に口にくわえてたリボンが水面に落ちて、リアル童話ムーブをかましてしまったのは恥ずかしい思い出だ。殺す。


まるで光の者であるかのような言動を無視して、喫茶「裏取引」に足を向ける。
そう、私は裏取引でユーキ姉の世話になっている。
なんで世話になる事になったのか、とか、いつから世話になってたっけ、とか、実はよく覚えてない。
今まで大して気にしていなかったが、流石にこれ覚えてないとまずいんじゃね？
と最近気づき始めた。
まあ何だかんだ、あの自称天使が記憶操作とか思考誘導的な事を行っているのだろう。
いや、それはそれで怖い事なんだろうとは思う。
だが、そもそも私は人工生物だと言う事らしいし、そう言う事があってもおかしくはないと頭は理解していた。


……フラストレーションのもう半分くらいはコレだ。
私は再び思考が沈んでいくのを感じたが、足を止めることはなかった。

紗織(92) から 牙 を手渡しされました。

ItemNo.34 エナジー棒 を食べました！
　体調が 0 回復！（30⇒30）
　今回の全戦闘において 活力10 防御10 が発揮されます。
　今回の結果でのスキル熟練度が伸びやすくなった！

エナジー棒（30 PS）を購入しました。

制約LV を 30 DOWN。（LV30⇒0、+30CP、-30FP）

命術LV を 15 UP！（LV0⇒15、-15CP）
百薬LV を 15 UP！（LV15⇒30、-15CP）
領域LV を 5 UP！（LV25⇒30、-5CP）
装飾LV を 5 UP！（LV40⇒45、-5CP）

紗織(92) により ItemNo.11 公孫樹 から防具『ロングセーラー超』を作製してもらいました！
　⇒ ロングセーラー超／防具：強さ327／［効果1］活力30 ［効果2］－ ［効果3］－

ユーキ(984) により ItemNo.32 すごい木材 から射程1の呪器『赤錆びた鉄パイプ』を作製してもらいました！
　⇒ 赤錆びた鉄パイプ／呪器：強さ594／［効果1］攻撃20 ［効果2］－ ［効果3］自滅19【射程1】

紗織(92) の持つ ItemNo.31 唯一の夢 に ItemNo.20 鉄くず を付加しました！
　⇒ 博打付加！［ 5 2 6 = 13 ］通常付加
ユーキ(984) の持つ ItemNo.32 キャットソード に ItemNo.31 燐灰石 を付加しました！
　⇒ 博打付加！［ 3 4 6 = 13 ］通常付加
ItemNo.11 ロングセーラー超 に ItemNo.36 牙 を付加しました！
　⇒ 博打付加！［ 4 4 6 = 14 ］通常付加
　⇒ ロングセーラー超／防具：強さ327／［効果1］活力30 ［効果2］奪命10 ［効果3］－


ヨル(1282) とカードを交換しました！

あいじばらんす……？ （クリエイト：キャノン）


ジャイアントラップル を研究しました！（深度0⇒1）
ジャイアントラップル を研究しました！（深度1⇒2）
ジャイアントラップル を研究しました！（深度2⇒3）

ポーションラッシュ を習得！
百孔千瘡 を習得！
四百四病 を習得！
ミリキアレギア を習得！
金剛不壊 を習得！
クラーレ を習得！
薬箱作製 を習得！

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ユーキ(984) は 毒液 を入手！
ユーキ(984) は 毒液 を入手！
いずみ(1415) は 不思議な布 を入手！

紗織(92) に移動を委ねました。

特に移動せずその場に留まることにしました。
体調が全回復しました！

『カミセイ区 F-11：チェックポイント《商店街》』へ採集に向かうことにしました！
　　 - 紗織(92) の選択は カミセイ区 F-11：チェックポイント《商店街》

MISSION!!
チナミ区 O-16：梅楽園 を選択！
　　 - 紗織(92) の選択は チナミ区 O-16：梅楽園

［870 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［443 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［500 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［190 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［380 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型
［296 / 500］ ―― 《商店街》より安定な戦型
［204 / 500］ ―― 《鰻屋》より俊敏な戦型
［143 / 500］ ―― 《古寺》戦型不利の緩和
［61 / 500］ ―― 《堤防》顕著な変化
［123 / 400］ ―― 《駅舎》追尾撃破
［5 / 5］ ―― 《美術館》異能増幅
［108 / 1000］ ―― 《沼沢》いいものみっけ
［100 / 100］ ―― 《道の駅》新商品入荷
［129 / 400］ ―― 《果物屋》敢闘
［12 / 400］ ―― 《黒い水》影響力奪取
［37 / 400］ ―― 《源泉》鋭い眼光



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　





　




チャット画面に映るふたりの姿。

　





　





　

　

　

　

　

　





　

　

　

　

　

　





　





　





　





清々しい笑顔を見せるふたり。

　

　

　






　








　

　

　

ふたりの愚痴が延々と続き、チャットが閉じられる――

ハザマのなか、咲き乱れる梅の木たち。

梅林にはほんのりと良い香りが漂う。

その景色は美しく見えるが、同時に異様にも映る。

　

園内を進んでいくと、周囲の梅の木がざわめく･･･






木が不自然に捻れ、音を立てる。

ボコッと地面から根が飛び出し、木が"歩き"はじめる･･･