［基本］OK.　［戦闘］OK.　［取引］OK.　［スキル］OK.　

「ユカラ、式はどっちでやるつもりだ。イバラシティでやるのなら俺様達も転移せねばならんからな。宿泊所の準備など事前に…」

「待って兄上。意味がわからないんだけど。」



兄上が突然連絡してきたと思えばまるで意味の分からない内容で、俺はストップをかけた。

「アズと結婚するのだろう。ウルドから聞いたぞ。」
「はぁ？」
「なんにせよこちらで準備をする必要があるな。いつ帰ってくるつもりなんだ。」

兄上の問いに答えず俺は大きな大きなため息をつく。

「マリッジブルーか。」
「ちがう。あのね兄上。俺は結婚はまだ考えてないよ。仮に考えたところで大使館の用事もあるし結婚を近いうちにするとか絶対にない。ていうか結婚っていう言葉が頭によぎったことすらないからね。」
「しかし」

まだ何か言おうとする兄上を無視して通信を切り、深雪の部屋に向かう。
苛立ちから強めにノックすると深雪が目をそらしながらそろりとドアを開けてきた。

「ユカラ、その、ごめん。サクラと話をしたくて連絡したら、レイヤ先生が暴走して」
「兄上が式の準備をするのにいつ帰るのか？って聞くから、大使館の用事もあるし結婚はまだ考えてないって断っておいたよ」
「………ユカラにご迷惑をかけて申し訳ない。ん、何で私謝ってんの」
「何でって、深雪が変な事言うから兄上が勘違いしたんだろ。今やった事なのに覚えてないの？」

寝ぼけながら連絡してんじゃねーよと心のなかで悪態をつきながら問い詰めると、深雪はぼそぼそと言う。

「いや、そーじゃなくてね。私がそんな連絡したのも元はといえばユカラのせいだし……」

うつむいた深雪からは適当に俺に責任転嫁をしようという感じはない。
どうやら本当に俺がなにかしたようだ。

「……俺のせいなの？じゃあ、分かるように俺にちゃんと説明して」

目線を俺にむかせるべく、俺は深雪の顎をつかみ顔をあげさせた。
深雪は一瞬戸惑って泣きそうな顔をするが、俺の手を振りほどこうとする。
俺のせいだと言うのに詳しく言えないなんて意味がわからない。
逃すまいと近くの壁に深雪を誘導した。

「も、元はといえばユカラのがアズちゃんとキスしたって言うから……」

観念したように深雪が声を絞り出す。

「うん。したよ」

俺が肯定すると深雪の顔色が悪くなる。
少しの間黙っていたが、再び深雪は俺から目をそらしてみせた。

「そのね、キスする事は悪いとか言ってないよ。ただまだ高校生なんだからね、その、エッチは程々にしなよ」

なんだよエッチって。
キスなんかエロのうちにはいらねえよ。

「何でそんな心配するの？アズも俺ももう大人なんだから、深雪に指導受ける立場では無いよ」　
「いや、ダメだって！高校生は未成年だから……って、あ！」

内心ツッコミつつ、根本的なことを深雪に問うと深雪は何かを思い当たったのか声をあげる。

「そうだね！アズちゃんもユカラも大人なんだから、私が口挟むところは何一つありませんでした。それじゃそういうことで、おやすみ！」

そう吐き捨て一秒でも早く俺から逃れようとする深雪の拘束を、俺は解くことはなかった。
そして深雪の顔を覗き込み尋ねる。
つーかこっち見ろよ。

「何その言い方？いつもの深雪らしく無いよ。もしかして、怒ってるの？」
「怒ってないよ！そんなに私に構わなくていいって！もぉ、振るならちゃんと振ってよ。その方が諦めがつくから！」

は？？
振るってなんだよ。
俺がなんで深雪を振らなきゃならないんだよ。
別に今好きだと言われたわけでもない。

「振るって、付き合ってる人がするものだよね。深雪と俺はいつ付き合ってたんだっけ？」
「……正論過ぎてぐぅの音も出ない。勘違い女で申し訳ない。私が悪うございました」

ぐっと言葉に詰まった深雪がぺこぺこと頭を下げてきた。
だが一連のやり取りでキスのことを気にしているのは分かってきた。

「それに、キスなら深雪にもずっと前にしてるだろ、覚えてないの？」
「あっ、あれはおでこじゃんか……そんなのキスのうちに入らないよ」

正直、深雪の言葉に俺は少し感心した。
おでこではキスのうちにはいらない、という感覚が深雪に養われていたのか。
“年上”の深雪が大人になったのを感じる。

しかし今のこの深雪の顔はどうだ。
まるで思春期の少女のようだ。

「そうなの？アズはその事を話したら、ずいぶんびっくりしてたよ」
「……だって、そんな事アズちゃんに話せないよ。デートしたのだって抜け駆けみたいな気持ちもあったし」

アズに当時のデートのことを話した時、アズの顔がこわばったことを思い出す。

「お互いに隠し事が無くなって、良かったんじゃないの？オレだってアズと深雪が喧嘩する所は見たくないよ」

そう言うと深雪はぐっと唇を噛み締めた。
俺を見ないままで。

「……混乱する原因作っておいて、そういう事言うかなあ？ユカラとキスしたぐらいで仲悪くなったりしないよ。なんかその、いい感じにデートしてきたのに気分悪くさせちゃってごめん……」

混乱する原因作っておいてとアズにキスをしたことを責めるくせに、キスくらいでと言う。
かと思えば、手のひらを返して謝ってくる。

深雪は泣いていなかったが、俺にはまるで泣いているかのように見えた。



めんどくせえやつ。



率直にそう思った。



放っておけないやつ。



同時にそう思った。



俯いている深雪の顎をつかみ強引に俺の方を向かせると抵抗される前に唇を重ねた。
俺は目を閉じていたので深雪の様子は見えないが、重なった身体から深雪の動揺がありありと伝わってくる。

軽く合わせるだけなんて手加減はしない。

喰む様に長めのキスを終えると深雪はガクッと膝から崩れ落ちそうになる。
深雪の腰を支え、俺は深雪の耳元で問うた。

「……ちゃんとキスしたよ。これでもダメ？」
「駄目じゃない……駄目じゃ無いけど……いや、待って待って」

よろりと深雪が自分で歩き出す。
どすんとベッドに突っ伏す深雪から、こもった声が聞こえてきた。

「……私の事嫌いなんじゃないの？」
「そんな事言ったこと無いけど、分からないならもう一回する？」

ベッドの方に近寄りながら言うと深雪は手を大きくふり顔を伏せた。

「分かった。分かりました。もう大丈夫。今日はもう遅いし騒いだらみんな起きちゃうし、また後で。……私にも心を整理する時間をお願いだから下さい」

“また後で”ね、へえ。
言葉の綾であろうソレを俺は覚えておくことにしよう。

「ん。分かった。おやすみ、深雪」
「……おやすみ」

満足気に笑う俺の顔を、深雪は知らない。
そのまま背を向け俺は深雪の部屋を出た。

ItemNo.8 羽飾りの短剣 を破棄しました。
ItemNo.9 エアリ○ム を破棄しました。

時空LV を 5 UP！（LV25⇒30、-5CP）
武器LV を 5 UP！（LV55⇒60、-5CP）

ItemNo.13 柳 から射程1の武器『毒牙のナイフ。』を作製しました！
　⇒ 毒牙のナイフ。／武器：強さ140／［効果1］風纏10 ［効果2］－ ［効果3］－【射程1】

深雪(840) の持つ ItemNo.6 杉 から射程2の武器『大人の最強恋愛漫画6月号』を作製しました！

アスカ(955) とカードを交換しました！

ちょっとお注射 （ポイゾナスブラッド）


プチメテオカード を研究しました！（深度2⇒3）
マインドボム を研究しました！（深度2⇒3）
ワンオンキル を研究しました！（深度2⇒3）

◇通常獲得：各CP･FPが5増加した！

ユカラ(839) は 翌檜 を入手！
深雪(840) は ポプラ を入手！
アズ(841) は 桜 を入手！
深雪(840) は 不思議な牙 を入手！
アズ(841) は 鉄くず を入手！
深雪(840) は たけのこ を入手！

カミセイ区 P-7（道路）に移動！（体調20⇒19）
カミセイ区 Q-7（沼地）に移動！（体調19⇒18）
カミセイ区 R-7（沼地）に移動！（体調18⇒17）
カミセイ区 S-7（森林）に移動！（体調17⇒16）
カミセイ区 S-8（沼地）に移動！（体調16⇒15）

MISSION!!
カミセイ区 N-6：カミセイ大公園 が発生！
　　 - ユカラ(839) が経由した カミセイ区 N-6：カミセイ大公園
　　 - 深雪(840) が経由した カミセイ区 N-6：カミセイ大公園
　　 - アズ(841) が経由した カミセイ区 N-6：カミセイ大公園

［816 / 1000］ ―― 《瓦礫の山》溢れる生命
［370 / 1000］ ―― 《廃ビル》研がれる牙
［367 / 500］ ―― 《森の学舎》より獰猛な戦型
［104 / 500］ ―― 《白い岬》より精確な戦型
［147 / 500］ ―― 《大通り》より堅固な戦型



―― Cross+Roseに映し出される。

　

　

　

　

　





　




チャット画面にふたりの姿が映る。

　





　





　








ドライバーさんから伝えられた内容に動揺している様子のふたり。

　





　

　

　

ザザッ――

　

チャットに雑音が混じる･･･

　

　

　




　

ザザッ――

　




　

ザザッ――

　




　




　

　

　

ザザッ――

　

　

　





　

　

　





　

　

　

チャットが閉じられる――

朽ちた公園のような場所。

　

ギィィィ･････

　

遊具が独りでに動き出す･･･