「暑、い!」 見渡す限りの砂漠が続いている。乾燥地に適応した植物など、息づく生物はおり、多少の構造物などはあれど、照りつける日差しを遮る物は無い。 なので。 「もぐらになったみたい……。」 昼の間は植物が生えている近く……少しでも地面が硬いか、植物の根が張っている部分の砂を掘って、そこに保存食その他、そして自分自身を潜り込ませている。 右腕を上にすることで、日よけにして暑さを凌いでいる状況だ。運良く煮立って右腕が弱らないかなーとも考えたが、たぶんそれで済んだらここまで苦労していない。 最初は楽しかったし、植物のある場所を少し掘ると、意外と土が湿っていてひんやりとしていて過ごしやすい。 しかし、そんなことを考える状況でもなくなった。予定していた日数よりも、多くの時をここで過ごしているのだ。 それもこれも、「前」にいるBUGの存在のせいだ。 金の髪と黒の剣閃を携えた少女のBUG。見事に鱗が裂かれ、敗北を喫し、こうして砂漠に押し止められている。 「むうう……」 砂の下、「前」の方向へ眼をやると、やはり、BUGがそのままいる。夜にならないと動けないことには変わりないが、夜になっても、あのBUGに再び妨害されてしまうだろう。 負けるのは悔しい。悔しいという気持ちは尻尾にもあるようで、考えるだけで尻尾が左右にびたんびたんと跳ね回る。 だが、前に進めなければ、このまま何も変わらない。 だから決めた。夜になってから、別の方向へ進むのだ。そして、あのBUGを回避する。 「でも……うん……。」 分かっている。逃げているだけでは、再び障害が現れたとき、本当に手詰まりになる。 だから、向き合わないといけない。 変化した脚は、以前のものよりより強靭だ。柔軟性に富み、太く長い指はどんな悪路でも踏破が可能だし、砂の上でも沈まずに走ることができる。 伸びた尻尾は、最初は重かったが、今は勢い余る程の脚の力を制御する重しとなる。時折見せる感情が少し精神を安定させることもある。 異形の右腕は、何者をも噛み砕く顎だ。当てることさえできれば、倒せない者は無い。更に、ここからでないと固形物は食べられないし、旅をしていく上で身体を維持するためにも、これと付き合っていかなければならない。 利用だ。 既にあるものは仕方がない。だから、これを利用するしか無い。 より効率よく動き、より効率よく制動し、より効率良く噛み砕くことを考える。 そうすれば、私はもっと――――。 ……そう、考えて、頭を振る。 そう、”私”という存在は、保たなければならない。 身体はどこまで侵食されるだろうか。それは分からない。 だが、私は、そう、私自身といえる部分は、保たなければならない。 欲望を満たすためではなく、生き抜くため、前へ進むため。そのための力でなければならないと、そう誓った。 |
ロズ 「あつーい……。」 |
「ん」 頷き一つ。是の意思を、先ず添えてから。 「虚潜在……或いは、大ヤルカナ【XVII-i】番≪血≫。 正位置の意味、『自傷、抑圧、報復、怒り』。 逆位置の意味、『生産、束縛からの解放、保護的』」 「……対偶の潜在、または、大アルカナは【XVII】番≪星≫。 正位置、『希望、閃き』。逆位置、『失望、高望み』。 ……対偶といえど、正・逆の意味はさかさまでもない」 「……性質を示すものなのか、或いは、先の展望を示すのか…… 全く、別の示唆であるのか…… ……決めるのすらも……自身であるのかも、知れんがな」 |
ヤトア 「なんだ、意識は無いのか? てっきり、その“悪魔"に操られてるのかと思ったが……違うとなると、接触方法を変える必要がありそうだな」 ふぅむ、と幼女が唸る。 ヤトア 「まぁ確かに、一度“支配"を受けると解除は出来んからな。 貴様が嫌がるのも分かる……さてどうしたものか」 ヤトア 「患部を斬り落とす、なんて事も余りしたくないしな。 目の色変わってるし、こう、胸の水晶?がなんか侵食してるような感じだしでどうにかしてやりたいのは山々なんだが――」 割ったり摘出したりしたら確実に命にかかわりそうだよなー、とぶつぶつ言いながら。 どうやら、幼女が出来る事といえば、先述通り“支配"して症状の進行を止め、なんとか治癒の術を見つけるといったくらいであった。 ヤトア 「(今の姿のまま帰ったとて、良くて討ち死に、悪くて虐殺といった具合だろうしなぁ)」 |
ネラ 「ロズトアちゃん……ね? 改めて、宜しくお願いします」 「まぁ、迷い込んだ一人が言ってもあまり説得力はないと思うけれど…… 独りで色々な事を心配したりするのは辛いと思うし、大変だから」 「私だって、正確に言えばヒトじゃなくても、年齢的にはお姉さんですもの。 ロズトアちゃんの気が向いた時、私で良ければお話を聞くぐらいは出来ますので」 『誰かに聞いてもらうだけで気持ちが軽くなる事もあるから』と、笑みを浮かべつつ。 続いた言葉には、同意するように頷いた。 ネラ 「闇さんも、詳しい事を調査する為にこの場所に来ているみたいですからねぇ……。 でも、集合知……と言う言葉もある位です。 集まってみて損はない……と思いますよね、やっぱり」 『何か新しく分かる事があるといいなぁ』などとぼやきつつ。 のほほんとお菓子を選んだりしている様子を見守っている。 ネラ 「……頭を使うと、脳が糖分を欲する……とか、聞くじゃないですか。 それの為に持ち歩いている……と言い訳していますが、本当はそう言うのを作るのが割と好きなだけなんですよね」 「ふふ、遠慮は要りませんからね。 持ち帰っても構いませんし……気に入った物があれば、次は多めに作っておきますから。 ……知らない場所で色々不安でしょうけれど、これで少しでも気持ちが和らぐといいな……と思います」 そう言うと、頭を撫でようとその手を伸ばしてきた。 |
ロズ 「だんだん慣れて来たなぁ……。」 |
ロズ 「……強いのだと良いなあ。」 |
ロズ 「……強いのだと良いなあ。」 |
ロズ 「……片付かないよぅ。」 |
ロズ 「兎に角、前へ、前へ進もう。」 |
「………」 |
ワーティファナ 「うん、戦闘だね。任せて。 」 ワーティファナ 「……ちょっと怖いけど、頑張りますね」 |
シーレ 「私は一人では何もできませんので」 |
クーリエルフィ 「お呼びとあらば。楽しい一時をお届けいたしましょう。」 |
ロズ 「ええと……ためて…… 」 ロズ 「相手の力を削って…… 」 ロズ 「力いっぱいやります。……この腕がもげるほど。 」 ロズ 「ピンチになったらどうなるか、分からないですけど。」 |
× | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] Eno113 ロズトア Eno14 闇 Eno81 ワーティファナ・シェルザラディカ Eno57 シーレ Eno344 クーリエルフィ |
VS | Pno288 撫子第一小隊 [前 / 新 / 集] Eno288 ネルケ Eno45 アマリア Eno128 ラー・アメンゼス Eno242 ミザール Eno301 アレックス・ドルミール |
○ |
○ | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] Eno113 ロズトア Eno14 闇 Eno81 ワーティファナ・シェルザラディカ Eno57 シーレ Eno344 クーリエルフィ |
VS | Pno189 迷狐捜索隊 [前 / 新 / 集] Eno189 大熊座のロカム Eno139 エルタ・ボルテック Eno14 闇 Eno39 Y2トラウマギプス Eno383 チーロ・チェルベット |
× |
× | Pno113 ロズPT [前 / 新 / 集] Eno113 ロズトア Eno14 闇 Eno81 ワーティファナ・シェルザラディカ Eno57 シーレ Eno344 クーリエルフィ |
VS | Pno368 イゼットPT [前 / 新 / 集] Eno368 イゼット・エヴェレン Eno372 ローデヴェイク・ファン・デル・フーフン Eno128 ラー・アメンゼス Eno252 アルジオキサ Eno190 早川 千尋 |
○ |
ロズ 「わたしは前に進む。何があるか分からないけど、前に進むって決めたから。」 |
「………」 |
ロズ 「あなた達は、コピーなの。コピー、だから……!」 |
「………」 |
ワーティファナ 「あなた達を倒してワーが本物だってことを証明してみせます!」 |
シーレ 「……」 |
クーリエルフィ 「さてさて、開幕にございます。良き時間となりますように。」 |
ミザール 「オンリーユアエンジェル俺!ここに見参!!」 |
シロ 「……。」 |
*シャベルを向け…不敵な笑みを浮かべた。* 「──ゴキゲンヨウ、もう戦う準備はデキたかしラ。」 「虫を叩き潰スのに、ソレがどウ言うカタチだろうト、遠慮ハ要らナイ。……ソウでしョウ?」 「サァ!決意ヲ右手に、覚悟は左手に! …デモ、モシそのどちらもデキなイなら…」 「たとえ、アンタが味方だろうト容赦はシない。 精々ナニも掴めナイその両手二―――」 「ワタシが、死の花束ヲ握らせてアゲル。」 *全ては、証明の為に。* *覚悟はイイ?* ――Get Ready?―― |
ワーティファナ 「……ちょっと!」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
「………」 |
クーリエルフィ 「さて、どれがお好みでしょうか、ごゆっくりどうぞ。」 |
クーリエルフィ 「さて、お選びになったカードは……こちらでよろしいでしょうか?」 |
「イイコト教えてアゲル。ワタシの前二立つからにハ…」 「アンタが死ぬか、ワタシが死ぬか。 …どッちカノ息ガ絶えるマデ逃がシテなンかアげナイわ。」 「さァ……覚悟はイイ?」 |
「ワタシの力なんだから…言う事聞きなさいヨ、もう…!」 |
「ワタシの力なんだから…言う事聞きなさいヨ、もう…!」 |
ロズPT Chain | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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BUG Chain |
ミザール 「俺はいつだって強者にフォーリンラブなのさ!」 |
シロ 「……。」 |
ロズ 「痛っ! これ、この腕が、痛いの……!?」 |
シロ 「……。」 |
シロ 「……。」 |
クーリエルフィ 「タネも仕掛けも、ございません。」 |
「………」 |
クーリエルフィ 「どうか、ひと欠片もお見のがしなきよう。」 |
鋭いパリング! |
シロ 「……。」 |
クーリエルフィ 「おや、お好みではありませんでしたか。」 |
クーリエルフィ 「おや、お好みではありませんでしたか。」 |
火事場の馬鹿力。窮地に陥った際に発揮される人体の限界稼働! 駆け巡る脳内物質が激痛を和らげてくれますが、それでも無茶すると死にます。 身体との貸し借り、ご利用は計画的に。 |
ワーティファナ 「これは……刺さりましたね」 |
「ほーォら、縦に並んでソノママ大人しくシててよネェ!」 |
ミザール 「出番かッッ!!?!?」 |
シロ 「……。」 |
ロズ 「痛っ! これ、この腕が、痛いの……!?」 |
「ヨク狙ッテ…ッアハハハ!! 逃ゲ場ナンてドコにもナイわヨォ?」 |
ロズPT Chain 全殺付魅了Lv3(1) 貫自傷冥闇Lv2(2) 隠者Lv3(3) 治癒活気Lv3(4) 全低下Lv2(5) 全付魅了Lv3(6) 列自傷冥闇Lv3(7) 列命傷冥闇Lv4(8) 列治癒活気Lv2(9) 列低下Lv2(10) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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BUG Chain |
ロズ 「ううぅ……。」 |
ワーティファナ 「うぅ……気持ち悪くなってきました」 |
シロ 「……。」 |
シロ 「……。」 |
ワーティファナ 「ワーの弱点なんですよ、それ……ッ!」 |
「………」 |
ワーティファナ 「ここからです……!」 |
ミザール 「ここからだ!」 |
シロ 「……。」 |
*足りない* |
シーレ 「……。」 |
ワーティファナ 「連鎖開始です……!」 |
ロズ 「あ。」 |
シロ 「……。」 |
ロズ 「あ。」 |
「………」 |
「………」 |
シーレ 「……。」 |
クーリエルフィ 「お見逃しなく。」 |
ワーティファナ 「六連鎖……です!」 |
ーー曲は出来ている。後は彼女の問題だ。 更なる乖離には、歌えるようになるには、時を要する。 |
ワーティファナ 「これは……刺さりましたね」 |
「………」 |
「………」 |
シーレ 「weisheit.」 |
ロズ 「ありがとう……。」 |
ロズ 「ありがとう……。」 |
「………」 |
「………」 |
ワーティファナ 「ありがとうございます……! 本当に助かりました!」 |
ワーティファナ 「ありがとうございます……! 本当に助かりました!」 |
クーリエルフィ 「さてさて、驚いて頂けますでしょうか」 |
ワーティファナ 「九以降……です!」 |
「………」 |
シーレ 「weisheit.」 |
クーリエルフィ 「まだタネは尽きておりません。」 |
ワーティファナ 「九以降……です!」 |
ロズ 「あ。」 |
「ずゥいぶん手痛いコトしてくれるジャない。」 |
ロズ 「あ。」 |
「………」 |
「………」 |
シーレ 「weisheit.」 |
ロズ 「ありがとう……。」 |
ロズ 「ありがとう……。」 |
「………」 |
「………」 |