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Diary | ||
(彼女の日記帳) 料理は苦手である。しかし料理をせねばならない。 依代に在る間は以前ほど空腹を覚えないが、それでも体を動かすために一定の栄養を消費しているのだからと定期的に食物を摂るようにしている。 本当の処を言えば、肉が食べたい。肉、生肉、生きた肉。 敵兵を追走し、爪を立て、噛み千切り、背骨を砕き、食い千切る。 喉を潤す血液と、小気味良い音を立てる骨と、裂けて赤に染まる皮と、何より、肉だ。 既に事切れた肉を口にするのは、あまり趣味では無い。半端に生き長らえさせれば獲物は捕虜として収容され、条約により捕虜への虐待は禁じられているが故に其れ以上の食事は出来なくなる。戦闘と殺害を兼ね備えた場合のみ、満足のいく食事が許されるのだ。 そういう意味では此の常闇の地平は私には有難かった。 戦争に於ける取り決めも多くなく、互い斃れるまでの戦いは捕虜など発生し得ない。 しかし、世の中そう上手くもいかない―――。 此の依代では満足に相手を喰い千切る顎も歯も無く、量を腹に蓄えられる程の体格でも無い。剣を振るい、ようやっと余裕が出来た時には相手は既に事切れている。 出てくる相手は花やら魚やら――或いは何とも言えぬ不定形の存在。ふわふわした物体に至っては、あれは何なのだ、黴か? 腐乱死体はさすがに食べる気にもなれず、カモノハシは斬りかかった際に反撃されてしまった。 結局、私は諦めて包丁を握り肉を調理して食べる事になった。それが結果として一番速く確実に食事できる手段だったのだ。今はソムナンビュリストが常時傍にいるため、彼が生肉で気分を悪くせぬよう火を通す手間までかけねばならない。 料理などした事も殆ど無く、人伝に聴いた簡単な調理で凌いでいる。 ああ、生きた肉ならすぐ傍にいるのに。 けれどそれは、口に出すには恐ろしく、日記にこうして記すだけにしておく。 生きた肉ならすぐ傍にいるのに。 抗わず、全てを獅子に捧げる羊が。 ソムナンビュリストが、いつも私を慰める言葉だ。 生きた肉ならすぐ傍にいるのに。 抗わず、全てを獅子に捧げる羊が。 料理が厭なら止めておしまいなさい。 其の時には腕でも舌でも心の臓でもさしあげましょう。 だから私は、今日もまた料理をせねばならない。 ―――――――――― (彼女の走り書き) このような非常時にバレンタインデーなどとの声も有るものの、戦争中に僅かなれど甘味が配給されるのは栄養源としても士気を上げる小道具としても重要ではあると思う。 と此処まで書いて気づいたが、私は特に甘党では無かったのだった。 |
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今回の滞在 | ||||||
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召喚士におねがい | ||||||||||||||||||||||
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