白い煉瓦造りの壁。草が剥き出しになった回廊。

　喧騒が去り、ひっそりと静まった王城の片隅。コツコツと足音を立て、一匹の狐が歩いている。

　彼女は行き止まりに、無機質な石碑が置かれた場所を見つける。
　苔むした石の表面には、かすれた筆記体で誰かの名前が刻まれていた。

　狐は片膝を立てながら跪き、片腕に抱えていた花束を捧げる。

　親愛の欠片もない声質で語りかける。

　逆の腕に抱えていた、極上酒の瓶。
　蓋を開けて、一口だけ喇叭飲みにする。喉を滑り落ちる酒精が、胸を熱く焦がしていく。

　――だが、感謝はしよう。愛はなかったが、嫌いではなかったよ。


　とくとくと、残る酒水が石碑を黒く濡らしていく。

　瓶が空になったあたりで、踵を返した。これ以上、掛ける言葉は無い。
　胸にわだかまるものはあるにせよ、終わった話だ。

　狐は二度と振り返ることなく、王城から立ち去る。




（さようなら、"鼓"　　　　……それでもボクは、君を、）




　風は塵を巻き上げて、遠く、遠くへと流れていく――。 　　　　　　　 [完]

誰が分類したのかは謎である

妖精の寿命を使って技術を積み重ねていくことでしょう・・・

大根おろし的な何かかもしれません。
ほのあはまだまだつぶつぶな世界で頑張ったりすることでしょう

べーちゃんはツヅミさんに教えられた通りに修行を積むことでしょう。
視線を合わせることすら危険になる時が来るかもね？

結構頻繁にしかも色々な手段で攻められ、日記を見られ、瞳術をかけられ、幻術をかけられ、
千雫にしてはかなりひどい目に遭っていた気がするけれどもそれもなかなかに貴重な体験だし、
そんなことが出来る相手も限られているので、ツヅミさんは本当に希少な相手でした。

聞こえるか聞こえないかといった声でつぶやくようにそれだけ発する・・・
夢の中で聞こえていたのかもしれない舌だの寝言かもしれない
抱かれているぬくもりを忘れないように後頭部でしっかりと感じながら・・・


――――

「こんにちはっ、ツヅミさんであってる・・・よね？」



（こちらこそありがとうございました。長文続きだったのにほんとに・・・またどこかで機会があったらよろしくお願いします♪）

固い握手を交わして、竜人は空へ飛び去っていく

※色々と行き届いてない会話もあったと思いますが、お付き合いいただきありがとうございました

（PL:身内で不幸があった為、ツヅミさんへのメッセだけ間に合いませんでした……最後なのに申し訳ない！後日返事は必ずしますのでしばしお待ちを。)


仮URL
http://mist.in/sinkai9/tuzumiM.PNG

得意満面に呟く顔には、それでも疲労の色は濃い。
実質一日しか時間をかけていないが、費やした体力は相当なもののようだった。

フランメもしぶしぶでしたが、と笑いながらも嬉しそうだ。

微笑みながら肩を竦める。
こんなやりとりも暫く出来ないのかと思うとやはり寂しく思えた。

面食らって延ばされた手を払うも踏み止まるも出来ず抱きすくめられる。
そのまま口付けを受け、顔中を朱に染め細い目を白黒させた。

笑う狐の言葉に鍛冶師は暫し虚空を見つめて

消える姿に微笑んで、その場に暫く佇んだ後ヴァルトは新たに一歩踏み出したのだった。


（こちらこそ長い間お付き合い有難う御座いました！！）


〜〜　　　〜〜

再会した時分には、多少口の減らない性分になっているだろうか。

唐突な接近に一瞬身構えるが、敵意や悪意がないとわかると、体の力を抜いてキスを受ける。