旅。

おぬし、この一揆が終わったらどうするつもりなのじゃ。
一旦帰る？
故郷にか。

ふむ。まあ、いいのではないか。
両親も心配しているじゃろうからの。

わらわが納得することがそんなに不思議かや。
何か勘違いしているじゃが、わらわは別に鬼でも悪魔でもないのじゃからな！

おぬしの両親は占い師じゃったか。
それならば、わらわのことを占ってもらうのも良いかもしれぬな。
魔力探しも随分とご無沙汰になってしまったからの。
どこかの誰かさんがわらわとはぐれるから、このようなことになるのじゃ。

ただまぁ、はぐれたらはぐれたで、それなりに収穫はあったの。
だいぶ離れていたが、それでもわらわの炎はお主から離れなかった。
おぬしから炎は奪われなかった。

ならば、いっそのこと、再び離れて行動してもいいかもしれぬな。
なんじゃ、さみしいのか？
うひひ。
まだまだ子供じゃな！

おぬしが寂しいとか寂しくないとか、わらわには知ったことではないのじゃ。
おぬし、わらわがいない間に、自分なりの戦い方を身につけたようじゃな。
それを見せてみるのじゃ。

わぁ、と慌てて声を小さくするようなジェスチャー。

（そう言うと華が光を放ち、悪魔っぽい少女の形を取る）

のろのろと顔を上げるクラガの腕から赤黒い焔が立ち上る。それは獣へと姿を変え、具現化した。

　　　　　　　背負った竹を肩越しに抜いた