【全米テニス】錦織、故郷の親友がおっちょこちょい素顔“暴露”

◆テニス４大大会最終戦　全米オープン第１３日（６日、ニューヨーク・ナショナル・テニスセンター）

　日本人初の４大大会決勝進出を果たした錦織の飾らない素顔を、故郷の親友が“暴露”した。地元・島根県の松江市北消防署に勤務する吉田遼さん（２５）は小学校４年から同じサッカー部でプレーし、今でも必ず１年に１回は一緒に食事するという親友。コートの中では正確無比なショットを連発し、強気な雰囲気の２４歳だが、コート外ではおっちょこちょいな一面もあった。

　夜勤中の吉田さんに「吉報」が届いたのは出動要請があり、業務を終えて消防署に戻った午前５時ごろだった。試合前、無料通信アプリ「ＬＩＮＥ」で錦織に「どうなの？　いけそうなの？」とメッセージすると「調子いいから頑張るぜ」の返答。にじみ出ていた自信がそのまま結果になり、思わず顔がゆるんだ。

　米国での活躍を見て、５年前を思い出していた。当時は東京の大学に通っていて、新宿で一時帰国している錦織と夕方、食事に行く約束をした。だが、待てど暮らせど現れず、３０分たって疲れ果てた男がようやく姿を見せた。「山手線に乗ってみたかったから乗ったら、帰宅ラッシュでもみくちゃにされて」（錦織）。目的地の新宿駅で降りるに降りられず、数駅先から折り返してきたという。おっちょこちょいで、憎めない素顔だった。

　小４で同じサッカー部に入った時から交友がスタート。一時疎遠になったが、高校２年時にコンビニで雑誌を立ち読み中、窓をたたかれて顔を上げたら錦織だった。その後は１年に１度は地元で食事会を開く間柄。２年前、自分用にサインを初めてお願いした。「グランドスラムで初優勝したら、そのラケットにサインして、くれ」。１５年来の親友からお宝が届くのはもうすぐだ。