「…………」

「どれだけ言葉を弄んでも、貴女は人とはきっと、程遠い存在です」

「人が呪いを生むのと。
呪いを生む為作られた人形が、同じはずがない」

――だけど。
と、小さく、消え入りそうな声色で、答えた。

ま、困ったら頼るわよ、ええ。
別に、貴女が頼ってくれても構わないのだけどもね。

生き方の話でも、貴女そのものの話でも、何でも。

なかなか強力な支配だね。
全部吸い尽くすと、生ける屍になっちゃうわけか…。
それって、治す方法はないの？契約解除みたいな…。

わっ！？
今の、セイレーンかな？
ねぇ、ひょっとして君って、エンブリオとの契約に魂を吸う方法をとってるの？
なんだか普通のエンブリオとは様子が違ってたように見えたけど。

うーん、問答無用でネクターを独り占めにしたみたいだからねー。
発布しても、エンブリオが生活に必須なこの世界だと、みんな混乱して騒ぎになるだろうしネクターを隠すだろうしで、やっぱり集まり難いかあ。
民のことを二の次にしてネクター独占のみを考えるならば、王の取った手段が最良なのかな。

個人的な因縁、ですか。

そういうの、私は嫌いじゃないですよ？
……一揆としてはどうかな、とはちょっと思いますけど。

私も、そうですねえ。

溜め込んだネクターをよこせー！とは思います。
が、一揆らしいかと言われるとちょっと。

了解。これは商人、鋳造屋としての面白み。
最高の奢侈は金では作れない……。自分で作るものと
相場が決まっている。

さて。ところで、そろそろ腹が減ってきただろう。
たまたま船倉から出てきたアクアビットでもどうだい。

……嬢は強い酒は好きかい？もっと薄いのもあるけど。
全く関係ない話に代わるんだが蒸留酒ね。
ありゃ、とても作りにくいね。いい酒なんだけど、とても造りにくい。

他の人と話していた時に蒸留技術について語ってたんだけど
その火に耐える機材と外に水を逃がせるようにする
機材が必要だけど。

……別に、倒してしまっても構わないのでしょう？

（どやぁ）

いつも通り、やるだけだ。

魔王様、聖十字をバット代わりに使うことをお許しください。

双迅のラケルト、いざ参っちゃうぜぇ？