クレー先生とレスって子を中心に、ずいぶんと沢山の人が集まった。

　目的は簡単で、三階廊下に居座ってるらしい黒騎士をみんなでぶちのめそう、っていうシンプルな集まりらしい。
　僕はクレー先生とは直接の面識はなくて、トムが何度かお世話になったことがあるっていう言わば縁故採用の延長。

　クレー先生は魔法生物の専門家で、特に妖精に関しては並々ならぬこだわりがあるらしい。
　クレー先生と一緒に突貫の案内役をしてるのがレスってやつ。僕と同じくらいかな。ふわふわもっこもこの小さい奴がいっぱい、一緒にいる。

　この突貫はあんまり大人の姿が見当たらなくて、クレー先生と同じくらい大人に見えるのはバシークっていう、羊の角を生やした男の人くらい。
　この人は銃使いで、今回の言わば主砲。有名な凶悪賞金首を取り締まったことで、一揆中で名前が知られた有名人だ。

　そこからは一気に平均年齢が下がる。
　クレー先生とレスの話に相槌を打ちながら時々、祈ってるような素振りを見せるササって人はシスターだけど、どう見ても20はいってない。
　ロンって角付きは明らかに僕と同じくらいかそれより下なのに、その辺りで勝手に酒を飲み始めた。

　トムの言うことも至極もっともだ。
　なんか、普通の人がいなさすぎて、いかにも普通な僕とかトムは明らかにちょっと場違いな感じがしなくもない。
　いや、そもそも、三階廊下なんて一揆の最前線に僕たちが呼ばれていること自体がちょっと、「なんで？」感があるんだけど。

　声をかけられて、トムとびっくりして振り返った。
　最後の一人が、（身長的な意味で）一番ちみっこい迦楼羅。どう見ても僕やロンより小さい。
　身なりの良さもこの中だと飛びぬけてる。いいとこ、どっかのボンボンって感じだ。
　僕は最初こんな小さい子供も連れて行って平気なのかって、思わず、クレー先生に直接進言したのだ。

　今日はいい天気ですね、とほとんど同じニュアンスでクレー先生が分かりづらくかすかに笑った。

　僕は前も言ったけど、身なりが良い人間ってそんなに好きじゃない。
　あと、三人ってなんかこう……一人余るよね。奇数と偶数の関係的に。
　トムと二人の時はお互いに話をするしかないんだけど、誰か一人増えるとそういうわけじゃなくなる。
　ついでに、僕は人が増えると、いつどこで口を挟んで良いのかがよく分からなくなる。

　お前もその一人だよ。

　相談組に呼ばれて、迦楼羅が勢いよく駆け出していく。
　やっぱり、金持ちのボンボンって好きになれない。

　相談はすぐに終わった。
　号令がかかって、クレー先生とレスを中心に四人ずつで別れる。

　緊張して舌を噛んだトムの横で、しれっと挨拶だけしておいた。



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※突貫メンバーの方々をこっそり、お借りさせて頂きました。

そういうと、アイヴォリーは背負い袋から嬉しそうに缶を取り出した。

びみょうにあせあせしてる雰囲気。

まがお・・・な様子。

もったいない、って顔してる。

額だか頬だかをつんつくしようと指先伸ばし。

ここでどやかお。どやー

ノエルがからかうように視線を向ければ、僅かに視線を逸らし。

そうか、おかしかったか。
なにか確認するように言葉と視線と吐いて落として。

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した

何かに変身した