畑羅木 卓内・・・

あらゆる物、あらゆる者を利用し、自分の力とすることを目的としている人物。

の、はずなんだが・・・

視線をポーンから畑羅木へ移すと、それに畑羅木が気がついた。

畑羅木は自然体であり、戦いが控えている今であっても余裕すら見える。その様は年齢以上に貫禄があるように感じられた。

『一億ページの辞書』で読み取った日記を読み返した限り、彼の者の腹中には相当にドス黒いものがあるはずだ。
そのような人間がこんな笑顔を見せられるだろうか。・・・これが演技であれば相当なペテン師だ。

こちらにもそういった趣味はない。すまなかったと言いつつ、視界を進行方向へと戻す。

まさか、このタイミングで仕掛けてくるのか？

そう言って、畑羅木は椅子に腰掛け、杖を構えた。俺にではなく、進行方向のその先へ。


そこには、見たこともないような凶悪な魔物が、合計６体。

その時は命の保証はできないけどね、と小声で付け足したのは聞き逃さなかったぞ。やっぱり腹黒いじゃないか。
それとも、あえて聞こえるように呟いたのか？・・・まあどちらでもいい。

とにかく今は、生き残る事だけを考えたほうが得策だろう。

ふわふわとした態度だ！