激しい攻城戦が続く、一揆のある日。
　星屑の山。ポポロは帰り道、社長はこれから進攻しようという状況。つまり、すれ違いという形で、二人はばったりと出くわした。
　お互い一揆参加者なのだから、まあこういうこともあるだろう。

　社長だと認識した途端に、屈託のない笑みを浮かべるポポロ。その顔には、警戒心やそれに類する感情は一切感じられない。
　そして、社長の身なりを上から下まで眺めてから、さらに笑みを深めてこう言うのだ。

　表情をころころと変えてしゃべるその様子は、社長がタンポポ荘にいた頃のポポロそのままで、
　何年も付き合ってきた友人のような馴れ馴れしさすら感じるほどだった。

持参した盃に酒を注ぐ。

色々とファジーな表現である。
社長が居た頃にもタンポポ荘で呑んでいるが、その時は乾杯をする機会がなかった。

以前も言っていたが、その世界でも社長は働きたがらなかったという。

そこまで語ると、盃を飲み干す。
次を注ぎ、社長にも早く空けるよう促す。

例えば目の前に襲い掛かってくる魔物が居るとして、一歩も動かないのに魔物の攻撃が全て空振りになる、だとか。
魔物が突然遺跡内に詰まり、身動きが取れなくなる、だとか。
そういったある種の奇跡を、必然に変える……それが『不具合』を探すということらしい。

ふわふわとした態度だ！