結界のある場所自体は、非常にあっけなく見つかった。
要するに、影が近寄れぬ場所を重点的に当たればよいのだ。

どこに影が近寄れぬのか、それが結界であるのか、それとも別の要因なのかを調査する。
幾らかは手間取ったが、思ったよりは早く確認できた。

さて。問題は、どうやって結界を破るかだ。

自分の許す範囲でならば手段を選ぶつもりはないが、それはそれとして不効率は排除したい。
そこそこ堅い結界のようだし、正面突破も手間取るだろう。
解除の手段を見つけるのもまどろっこしい。

――となると、やはり、調査の時と同じ手段を使うことになるか。

――紅い眼が、哀れな犠牲者を竦める。

魂の総量が違いすぎる存在の前に、「魅了」された少女は、確かな恐怖を感じながらも一歩たりとも動けない。

――その日。
王都郊外の有力貴族の館で、一つの爆破事件が発生した。

ただシオンは礼をするだけ