アザトースの子である、シュブ＝ニグラス。
彼女が生まれた以上、既に鍵はあとふたつ。
もはやご主人様が、己について思い出す時もそう遠くはないのかもしれないのです。

人に近づけば、彼女の子が記憶から呼び覚まされる。


もう一人の子、ヨグ＝ソトースが目覚め、そしてさらに彼女が最後の一柱を。


――アザトース、己そのものを呼び起こせば、彼女の夢は現となります。

そしてその時。その夢によって造られた私たちは役目を終え、そして……。

ずいぶん健康的な生活を営むようになったご主人様はぐっすり眠っておられます。
……そんな彼女に知られぬよう、私は秘密の泉と呼ばれる私達だけが来られる場所へと皆を集めました。

その全てを話すために、彼女の従者のなか、唯一の役割を持つ者として。

納得したのかうんうんと頷くスノークイーンこと白雪。
その後、あっと声を発し思いだしたかのようにさびしんガールに訪ねた。

委縮させてるとは知らず、自分の興味のある事柄だけに食いつくロックであった。

青年は気圧されることも動揺することもなく、静かに答えた。

青年は目を覗きこみながらそう尋ねた。

……

…………

＼ﾄﾞｰﾝ／

そう言って彼女は手を差し伸べた。

微笑する少女の顔をみて、つられて笑いかけるも
その後の発言に顔を曇らす。

少女は困った笑みで、ごまかしていた。