手にはとある粉の入った袋がある。

投げつけられたガラス片の固まりをひょいと避け、
通り過ぎていくガラス片を目で追うように身体を捻る。
すると、くい、とガラス片の軌道が変わり、
それぞれがグラスの周囲を回るように引き寄せらていった。

グラスの腕が一度ぱりん、と砕け散り、
そこに投げつけられたガラス片が吸い込まれ、
腕を形作っていたガラスと混ざってまた元の腕の形へと戻る。
……体積は特に増えていないようだ。

ジャンクウンディーネの言葉に、首をかしげる。

質問を言い終えると、今度はあなたたちの疑問に答え始めた。

使えそうなものと見るや、素早く取って懐へ入れてしまう。

植物界　被子植物門　単子葉植物綱　
イネ目 イネ科　タケ亜科　マダケ属　マダケ

真竹と書かれ、別名苦竹と呼ばれるこの竹は──

食用としては収穫後時間の経過したものはエグみがあり、
あく抜きが必要だが美味とされている。

また、収穫直後のものはエグみがほとんど存在せず
そのまま刺身にしても食すことができるほどだと言われている。



──しかし、これらの評価は全てタケノコの時点のものであり

今あなたに差し出されたそれは、青色が見事な竹そのものである。

タケノコの時点でエグみが有るとされる真竹。

　　
──成長しきってからの”ソレ”がどれほどのものであるか…食べてみなければわからない。